モラルハザード

モラルハザードの意味と具体的な使われ方【経済学、保険、倫理】

今回の記事では、モラルハザードの業界(経済、保険など)ごとの意味や具体的な使われ方について紹介していきます。経済学において使用される場合の、「逆選択」との意味の違いや、企業がモラルハザードを防ぐための対策についても紹介していきます。

モラルハザードの意味とは?

モラルハザードとは、辞書的な意味では「保険に加入したことによって、加入した対象者が本来果たすべき注意を怠ったり故意に事故を起こしたりする道徳的危険」というように、本来必要不可欠である責任感や倫理観が著しく欠けた状態のことを指します。

 

「モラルハザード」の使い方

経済学で使用される場合

経済学の場でのモラルハザードは倫理観の欠如ではなく、「依頼人が見てないとこで代理人がもたらす不利益」のことを指します。

金融業務を代理人に委託した際、成功、失敗に関わらず大方の場合報酬は一定です。このような場合に、代理人が依頼人の見ていないところで業務をサボることによって起こる不利益がモラルハザードと呼ばれます。

モラルハザードを防ぐことは出来ないのか

ではそのような仕事の場でのモラルハザードを防ぐことは出来るのでしょうか?答えは「非常に難しい」となります。本来管理者の居ない所で人間が業務をサボることが至極当然なことです。そのため同じような状況で起こるモラルハザードも未然に防ぐことは非常に困難になります。

「モラルハザード」と「逆選択」との違い

モラルハザードとしばしば混同されて使われるのが「逆選択」という言葉です。逆選択とは相手に対しての情報が不十分なことにより、取引が成立しない状態のことを指します。

具体例を挙げると、本来ならば月に40万の市場価値の人に対して、企業側はその人が良い労働者かどうか判断する十分な情報がないため、月額30万円の金額を提示したとします。

しかし、その労働者は自分の市場価値に満たない金額でのオファーに対して、応募することはありません。逆選択とはこのように取引前の情報不足が原因で契約が成立しないことを指します。

つまり逆選択とモラルハザードとの言葉の意味の違いは、契約前に発生するか契約後に発生するかという点にあります。

逆選択とは契約前の情報が不十分であったことで本来の利益を得られないといった事を示す状態。それに対してモラルハザードとは契約後に代理人の背信行為によって損害が発生する状態の事を指します。

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保険用語として使用される場合

保険用語におけるモラルハザードは、保険に入ったことにより本来果たすべき責任を全うしなくなる状態の事を指します。ここでは保険におけるモラルハザードの状態を幾つか紹介していきます

不注意が増える

保険に入ったことにより安心感が発生し、本来よりも注意力が落ちる場合があります。代表例としてはガスの元栓の閉め忘れやタバコの火の不始末など、保険に入っていない時には発生しなかったミスを犯すようになります

被害を抑える努力をしなくなる

火災保険に入っている場合、万が一被害が起きた場合にも保険契約をしているという理由から家事が起こっても、消化活動を率先してやらなくなるといった被害を抑える努力をしなくなります。

不正な保険金を受給しようとする

保険に加入することによって不正に受給しようとする場合もあります。例としては、火災保険加入後の家屋の放火や、保険金受取人が被保険人に対して故意に危害を加えて、保険金を得るといったものがあります。

事態が深刻になると殺人などといった重大犯罪に繋がる場合もあります。

倫理的な意味で使用される場合

倫理面での問題でもモラルハザードは発生します。例えば問題が生じても誰かが助けてくれるといった考えはモラルハザードを代表する事例です。

このようにセーフティネットの環境が整ったことによって「何かがあっても(誰かが、国が、)助けてくれる」といった、本来の自己責任の原則が忘れられてしまった状態の事をモラルハザード呼びます。

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企業内での、モラルハザードを防止、対策する方法

社内教育を徹底する

モラルハザードを未然に防ぐ方法としてあるのは社内教育の徹底です。社員をしっかりと教育することで倫理面のモラルハザードを未然に防げる確率は高まります。

また一度社員教育が終わっただけで安心する事なく、定期的に教育を行うこともモラルハザードを防ぐ手段になります。

社員の管理の徹底

モラルハザードとは現代社会のセーフティシステムによって生まれた問題なので、個人間の意識が向上した所で起こる可能性は十分にあります。

そのため企業内では企業に属する社員の保険管理を徹底するシステムを構築することも、モラルハザードを未然に防ぐ手段になります。

 

まとめ

今回は社会の場で何度か問題視されているモラルハザードについて紹介しました。モラルハザードとは社会的に注視されている倫理観の欠如という意味の他にも金融の面や保険の面で使われる事もあります。複数の状況で意味を持つ言葉の意味を理解して頂けたら幸いです。