介護職は給料が安い?厚労省の調査から平均給料や現状を知ろう

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「介護職は給料が安い」というのは、ごく一般的な認識でしょう。

専門的な対人支援職で、肉体的にも重労働でありながら、勤続年数に応じた昇給もそれほど見込めません。基本給が低いので、必然的に賞与も少なくなります。

介護職の処遇改善策はさまざまになされていますが、実感するのはなかなか難しいところです。

不満ばかりを口にするのではなく、具体的にどうすればいいのかを考えていきましょう。自分の行動から見直してみれば、改善の糸口が見えてくるはずです。

安いと言われる介護職の給与。その実態を知っておこう

そもそも、「介護職の給料は安い」というのは、本当なのでしょうか。まずは、介護職の給与について、実際のところを知っておきましょう。

お金のことは、何かと口にしにくいものです。同じ介護職でも、事業所や業種によって、額面的な差があります。「自分のお給料が、ほかと比べて低いのか高いのかわからない」という方も多いでしょう。

厚生労働省による平成28年度の介護従事者処遇状況等調査結果の概要を見てみましょう。

平成28年9月
介護職員 179,680円
看護職員 236,120円
生活相談員・支援相談員 208,880円
理学療法士、作業療法士、言語 聴覚士又は機能訓練指導員 228,700円
介護支援専門員 214,530円
事務職員 207,320円
調理員 177,730円
管理栄養士・栄養士 206,630円

(出典:平成28年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要 より)

概要によると、月給制で働くの常勤の介護職の平均基本給額は、17万9680円と報告されています。同じく月給制の常勤看護職員では23万6120円、理学療法士などの訓練士では22万8700円、ケアマネジャーでは21万4530円となっています。

また、事務職では20万7320円、管理栄養士や栄養士では20万6630円、調理員は17万7730円と報告されています。

ちなみに、大学を卒業して一般職についた方の初任給は、およそ20万円前後とされています。こう見ると、一般職の給与額もそれほど良くないように感じますね。ですが、一般職では、大抵の会社で昇進や昇給があります。

こうして額面を比べてみると、「同じ介護職でも、自分の給与が高いか低いか」、「介護現場に関わる職種のなかで、介護職の給与が高いか低いか」、「昇進や昇給のある一般職と比べて、介護職の給与が高いか低いか」の比較ができることでしょう。

介護を取り巻く社会情勢

では次に、「なぜ介護職の給与はなかなか上がらないのか」を考えてみましょう。社会的にも必要性が認められている職種でありながら、介護職の処遇改善はなかなか進みませんよね。

その理由として、いくつかの原因が考えられます。

介護や福祉に関わる資格を取得するときには、ほぼ必ず、社会保険制度について学ぶはずです。その際に、社会福祉を支える財政について、さまざまな問題があることを知ったのではないでしょうか。

女性の社会進出が進み、独身者の増加や晩婚化の傾向があります。初めての出産を経験される年齢は、一昔前に比べると随分高齢になっていますね。生涯未婚率や、子どもをもたない方も増えており、日本の少子化問題は依然として続いています。

また、夫婦と未婚の子どものみの核家族も、現代では当たり前ですよね。夫婦以外に子どもの面倒を見られる大人が同居しておらず、子どもが成人したら家を出て、あとは老いた高齢者のみで生活をする。そんなご家庭は、今や珍しくありません。

がんや脳血管障害などの生活習慣病に起因する疾患で、若くして介護を要する状態になる方も増えています。医療の進歩に伴い、重篤な障害を有する子どもや、難しい疾患をお持ちの方、疾患を有する高齢者の延命が可能になった部分もあります。

医学の進歩は、尊い人命を救います。それを支えるのは、医療保険や障害者福祉制度です。これらの財源は確保されるべきであり、削減することはできません。

日本の社会保障費は、このように、さまざまな事情により増大の一途をたどっています。

介護職の給与すなわち介護報酬には、この社会保険財源が大きな割合を占めています。少子高齢化により納税者が減少し、社会保障費の必要性が増えて財源が不足すれば、介護職の給与の増額は難しくなるのは当然でしょう。

介護職の給与は見合わない?本当かどうか考えてみよう

ここで、ひとつ考えてみていただきたいことがあります。本当に、「介護職のお給料は、不当に安い」と思いますか?

「介護職って、こんなに大変なんだ」という視点から見ると、確かに「介護職のお給料は安い」と思うかもしれません。ですが、介護職の利点にも目を向けてみましょう。

取得が容易な資格で仕事ができる

介護職の質の向上が求められるようになり、福祉の専門学校や大学が増えてきています。ですが、介護の仕事に就きたいだけなら、百万円単位の費用をかけて何年も学校に通う必要はありません。

介護職に就くためのもっとも簡単な資格は、初任者研修です。この資格は、たった130時間の受講で取得でき、実習もありません。筆記試験も難しくはなく、受講に際して必要とされる条件もありません。費用も数万円で済みます。

また、無資格でも介護職に就くことは可能です。資格を持っている方よりも、就職場所は限られますが、何の資格も持たない状態で介護関連の施設などに就職される方もいます。

▼「無資格でも介護職に就けるなんて、嘘でしょう」と思われた方は、こちらの記事をご参照くださいね。
資格なしで始められる介護職のメリット&有資格者との待遇の違い

豊富な求人がある

介護職のお仕事は、肉体的にも精神的にも負担がかかります。要介護者の安全を担うという責任も伴いますし、対人援という点でのストレスもありますよね。この点を考えると、確かに介護は大変なお仕事です。

ですが、介護職は求人も豊富で、よほど選り好みをしなければ、就職先に困ることはありません。年齢や転職歴、職歴なども、介護職では一般職ほど厳しい目では見られません。一般職より多少難しい条件でも、正規職員での採用を狙いやすいと言えるでしょう。

求人が豊富ということは、転職も容易ということです。また、介護職は、経験年数に応じてスキルアップが望めます。介護福祉士やケアマネジャーなどは、有名ですね。資格取得に応じて転職を計画することもできるでしょう。

求人が豊富で、正規職員での採用枠も狙いやすいというのは、大きな利点です。求人が豊富ということは、比較的気軽に他の介護事業所への転職を考えることもできます。これは、介護職ならではと言えるでしょう。

これらの条件を踏まえたうえで、介護職のお給料が本当に安いのかどうかを考えてみてください。「こんな条件だったら、介護職のお給料は今くらいで妥当かもしれない」と思う方もいるのではないでしょうか。

給与アップを求めるのなら、介護職の存在意義を自覚しよう

社会保険財政が逼迫しているという背景があるなかで、「介護職のお給料をもっと上げて欲しい」と声を上げるならば、それなりの実績が必要です。漫然とお仕事をするのではなく、「これだけの成果をあげられているのだ」と示しましょう。

「学歴も職歴も不問で楽に就職できるのなら、介護職のお給料が安いのは順当なことなのかもな」と思ってしまった方にこそ、ご自身のお仕事の意義を見直していただきたいと思います。

要介護者の自立度を上げる

要介護者が日常生活を営めるようにするのが、介護職の仕事です。食事や排泄、入浴などのお世話や、通院などの外出介助はもちろんのこと。食事作りや掃除などの家事も、介護職の仕事です。

ですが、「要介護者が直面している困り事をお手伝いすることだけが、介護職ができる仕事だ」とは限りません。介護職の接し方や介助方法は、要介護者がひとりで過ごす時間にも大きな影響を及ぼします。

介護職の要介護者への接し方が、要介護者の自立度に影響を与える場合があります。介助の方法や話し方が、要介護者に「自分で頑張ろう」と意欲を持ってもらえたり、「なんでも介助してもらえばいいや」と思わせてしまったりする原因になるのです。

始めは「介護職がいるときだけやってもらう」つもりでいる方も、いつもやってもらっているうちに、次第に自力ではやらなくなり、そのうちにはできなくなっていきます。「過剰介護は避けるべき」と言われる所以ですね。

環境を整える

自立度を維持するためには、環境調整も重要です。歩ける方なら、動線上に障害物はないか。転びそうになったとき、すぐに掴まれる場所はあるか。夜間のトイレも安全に使えるかどうかなども重要ですね。

寝たきりの方でも、ベッドやサイドテーブルの位置、ベッドの高さやギャッヂアップ角度、手に届く範囲にある小物などによって、要介護者が自力でできる動作や安全度が左右されます。環境調整へのアドバイスも、介護職の大きな役割といえるでしょう。

室内の温度管理も大切ですね。夏は熱中症や食中毒、冬は低体温や感染症など、見えない危険はいつも身近に潜んでいます。住居によって制限はあるかもしれませんが、生活に即した工夫が提案できるのも、生活状況を知る介護職ならではのことです。

要介護者の日常を観察し、報告・連絡・相談に繋げる

治療や診断はできない介護職でも、観察はできます。顔色や呼吸、しゃべり方や活気の有無、排泄の状況などを、しっかり観察しましょう。そうすれば、重篤な状態になる前に、異変を察知できるかもしれません。

ほかには、服薬の観察なども必要ですね。一度に多量の薬の殻があったり、薬の残量が明らかに多かったりする異常は、掃除の際に気づける場合もあるでしょう。要介護者との会話の中で、受診のペースがおかしいことにも気づけるかもしれません。

介護職が直接改善にむけて動けることは少なくても、気づくことさえできれば、ケアマネジャーや看護師など他職種に連絡をして改善に繋げることができます。

介護職が仕事としてできることは法律で定められており、できないこと・してはいけないこともたくさんあります。ですが、生活そのものに密接している介護職の仕事は、要介護者の生活に大きな影響力があるのです。それを自覚しましょう。

介護職の価値を高めて、給与アップにつなげよう

どんな仕事でも、社会の歯車となる以上は、社会や経済への貢献という要素が絡んできます。「社会にとって、これだけ有用だ」ということを、認めてもらわなくてはならないのです。

「給与が安いから、介護職の質の向上に繋がらない」という意見もあります。ですが、その論を繰り返していては、何も発展が望めません。「介護職の仕事は、これだけ社会に貢献している」ということを、まずは示していきましょう。

社会保障費の圧迫を軽減する

要介護者が、できるだけ自立した生活を営むためには、介護職の助力が欠かせません。適切な介護をすることで、要介護者の自立度を維持・向上させたり、自立への意欲を持ってもらったりできるかもしれません。

日頃の体調管理を適切におこなうことで、医療費の削減に繋げることもできます。体調不良や状態悪化を繰り返せば、その分だけ多額の医療費がかかるようになりますからね。

社会保障制度を利用する権利を剥奪することは、誰にもできません。ですが、「要介護者が介護保険や医療保険をたくさん使う必要性がない状態だ」というのならば、誰にとっても嬉しいことですよね。

介護のための早期退職を防止する

最近では、介護のための早期退職が問題視されるようになってきています。まだ働ける年齢にも関わらず、要介護者となった両親を介護するために、退職を余儀なくされるというものです。これは、労働者人口が減少している日本において、大きな問題です。

ですが、高齢者が自立して過ごすことができるのなら、介護のために早期退職する必要性もなくなります。完全に自立して過ごすことは難しくても、つきっきりにならずに済む程度であれば、働きながらの介護も可能かもしれません。

他職種と連携し、サービスの適正化を図る

介護に関わる仕事には、さまざまな職種があります。そのなかで、介護職が密に連絡を取ることになるのは、やはりケアマネジャーでしょう。

要介護者の状況を把握し、介護保険サービスが適正に利用できるようにするのが、ケアマネジャーの仕事です。ですがケアマネジャーは、介護職と比べると、要介護者とは少し距離があります。生活の実態を見ることは、なかなか難しい状況です。

結果、過剰な介護保険サービスを利用させてしまっていたり、実情にそぐわない状況になっている場合があります。また、変更すべきと分かっていても、ケアマネジャーからの説明だけでは、要介護者に聞き入れてもらうのが難しい場合もあります。

そういった場合には、要介護者の生活に寄り添って仕事をおこなっている、介護職が役に立てるかもしれません。要介護者の気持ちを聞き取ったり、それをケアマネジャーに伝えたりすることで、サービスの適正化に繋げられる可能性があります。

要介護者のもっとも近くで支援をおこなう立場として、他職種との仲立ちができるのも、介護職の大きな強みといえるでしょう。

介護職として最大限まで能力を発揮できるのなら、「介護職はこれだけ社会に貢献している」と介護職の意義をアピールすることが可能なはずです。社会的に、経済的にも有用性を示せたのなら、給与アップを求める声も国に届きやすくなるでしょう。

介護職の価値を高めて、給与アップに繋げよう

誰だって、お給料はたくさん欲しいですよね。やりがいを感じられる楽しいお仕事で、嫌な思いや大変な思いをせずに仕事ができれば、何よりのことでしょう。そして、見返りは大きければ大きいほど嬉しいものです。

ですが、どんな仕事でも、社会の歯車となる以上は、社会や経済への貢献という要素が絡んできます。「社会にとって、これだけ有用だ」ということを、認めてもらわなくてはならないのです。

「介護職の処遇を改善して欲しい」と思うのなら、まずは自らの仕事内容を省みてみませんか。介護職としてのスキルを高めれば、その存在価値が認められ、結果として給与アップにも繋がるはずです。

見返りを求めるのなら、まずは相応の仕事をしましょう。

介護職としてスキルアップが果たせたら、介護福祉士やケアマネジャーなどの上級資格の取得や、関連する他職種の資格が取りたくなるかもしれませんね。

▼そんなときには、こちらの記事がお役に立てるかもしれません。
介護職で必要な資格2つ。それぞれの特徴と違い、メリットとは

介護職としてのスキルを高めるうちに、ほかの業種に興味を持ったり、いろいろな職場を見てみたくなったりするかもしれません。「転職したい」と考える方もいることでしょう。

前述のとおり、介護職は他職種に比べると、比較的転職が容易です。転職によって、お給料がアップする場合もあります。

ご自身の人生設計が第一ですが、思い切って一歩踏み出してみるのも、選択肢のひとつかもしれませんね。

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みなさんのコメント

  • 介護職員

    なんだこの糞みたいな作文は。無駄遣いしている政治家と官僚のちょうちん記事かよ。

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