薬剤師に将来性はある?今後求められる専門性とキャリアアップとは

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薬剤師になるには、まず大学の薬学部に入ってそこで6年間も学ばなければなりません。さらに、薬剤師国家試験に合格してようやく薬剤師になれます。

それだけの苦労をした末、はれて薬剤師になれたとしても、それで一生安泰かというと実はそうとも言い切れません。

2003年以降、国内で大学の薬学部が急増したこともあり、いまや薬剤師が余っているという話も囁かれています。

せっかく勉強して薬剤師になったのだから、しっかり働いて世の中の役に立ちたいですよね?

ここでは、薬剤師を目指そうとしている方や薬剤師免許をすでに持っている方のために、これからの薬剤師に求められることについて解説していきます。

薬剤師としてのキャリアアップについて一緒に考えていきましょう。

薬剤師免許が求められる就職先

薬剤師としての就職先は、以下のようなところが挙げられます。

  • 調剤薬局の薬剤師
  • ドラッグストアの薬剤師
  • 病院・診療所の薬剤師
  • 企業の管理薬剤師
  • 行政機関(保健所、麻薬取締官)

いずれも薬剤師免許が求められる就職先です。

薬剤師として働くことを考える場合、調剤薬局、ドラッグストア、病院のいずれかを就職先として選ぶことがほとんどでしょう。

そのため、管理薬剤師や保健所の薬剤師、麻薬取締官といった仕事を選ぶのは、ややマイナーな選択といえるかもしれません。

次に、薬剤師免許を必要とする職種について、それぞれどんな違いがあるのかを詳しく解説いきます。

それぞれの就職先での仕事内容、立場や処遇、さらにそれぞれの就職先におけるキャリアアップについて違いを知ることで、薬剤師の将来性が見えてきます。

調剤薬局の薬剤師の将来性

薬剤師の就職先としてもっとも多いのが、調剤薬局ではないでしょうか。

実に、調剤薬局の薬剤師は、私立大学薬学部新卒者の就職先の30%以上を占めているというデータもあります。

それには、おそらくドラッグストアと並んで、調剤薬局の初任給の高さが少なからず影響しているものと思われます。

調剤薬局は、医薬分業が推進されたことにより、国内での店舗数は一気に伸びていきました。

医薬分業とは、医師の処方に対して、調剤は薬剤師が分担するというもので、それぞれの立場で専門性を発揮することでチェック機能が強化され、医療の質を高めようとする制度のことです。

1974年に厚生省(当時)は、院外処方箋料を大幅に引き上げることで医薬分業を推し進めようとしました。

病院の近くや街中、駅前などに調剤薬局が乱立している光景はすっかりお馴染みのものになりました。

それだけに薬剤師であれば、調剤薬局への就職には事欠かないと言えます。

調剤薬局で働く薬剤師の主な仕事

調剤薬局は、病院からの処方箋にしたがって調剤をして患者に渡すという業務が主になります。

患者に薬を手渡す際、服薬指導も必要になってきます。

その他に一般的に行われる大事な業務として、処方箋に疑義等がある場合や、患者の服薬履歴等から注意すべき事柄が認められた場合に病院の医師に確認をするというものがあります。

また他の薬剤師が調剤した薬を互いにチェックし合うといった確認作業もあります。

調剤薬局で働くメリットとデメリット

調剤薬局で働くことのメリットは、何といっても薬剤師の仕事の基本となる調剤を学べることにあるでしょう。

また調剤薬局で働くことで、病院で処方される処方薬の知識を身に付けることができます。

しかしながら、どの調剤薬局で働いても同様のスキルが身に付くというわけでもありません。

調剤薬局とはいえ、国内にあるすべての処方薬を取り扱うわけではありません。薬をストックする棚にも限りがあるからです。

そのため、その調剤薬局が主にどの病院の処方箋を扱っているかによって扱われる処方薬は大きく異なります。

例えば、大学病院などのような総合病院であれば、様々な種類の処方薬について学ぶ機会が得られるかもしれませんが、整形外科や皮膚科の病院の処方箋を主に扱うような調剤薬局であればおのずと扱う薬の種類は限られてきます。

実際の調剤業務は、ほぼルーチン作業に近いという経験者の声もあります。ルーチン作業を好まない方には、この点がデメリットになるかもしれません。

薬剤師一人が一日に扱える処方箋枚数には、40枚の上限があることもたしかですが、上限ギリギリの処方箋枚数を扱うとなると実際にはかなりハードな仕事量といえます。

しかも調剤業務はほとんどが立ち仕事になるので、ひとによっては体力面でもハードに感じられるかもしれません。

調剤薬局で働く薬剤師のキャリアアップ

調剤薬局がどういった病院の処方箋を扱うかによって仕事の幅は異なります。

大学病院や総合病院といった大きな病院の処方箋を扱う調剤薬局の場合、おのずから扱う処方箋の種類も多岐に渡るため、薬剤師の経験としてはプラスになりますが、確認作業などが複雑になります。

一方、開業医などの個人経営のクリニックの処方箋を主に扱うような調剤薬局であれば、処方される薬の種類が限られてきますので、お仕事自体はシンプルになりますが、調剤の経験があまり得られないという可能性もあります。

経験をとるか、ゆとりをとるかは難しい選択だと思いますが、どういった処方箋を扱う調剤薬局なのかを事前に調べられるのであればイメージが湧きやすいと思います。

チェーン系の調剤薬局であれば、配属される薬局によって仕事ぶりは異なる可能性もありますが、都市圏であればそのほとんどが処方箋を大量に扱う薬局ということは覚悟しておいた方がいいかもしれません。

調剤薬局では、詳しくは後で紹介いたしますが、かかりつけ薬剤師や在宅医療にも力を入れているところもありますので、その調剤薬局に勤めた場合にどんなことが学べるのかをよく調べてみましょう。

チェーン系の調剤薬局であれば、店長から数店舗のマネージャーさらにはスーパーバイザーといった出世の道もあり、年収1,000万円超えも夢ではないようです。

ただ、調剤薬局は比較的求人が豊富な職種であり、店舗によっては未経験者でもOKといった求人もありますので、他の職種を経験してからでも働くことのできるといった見方もできます。

ドラッグストアの薬剤師の将来性

調剤薬局と並んで初任給がよいとされているドラッグストアの薬剤師ですが、薬学部新卒者が選ぶ就職先としては、5%程度と少ないようです。

ドラッグストアで働く薬剤師の主な仕事

ドラッグストアが調剤薬局と大きく違う点は、OTC医薬品をメインに扱うことでしょう。

かかりつけ薬剤師制度が始まってから、調剤薬局でもOTC医薬品を扱うようになりましたが、OTC医薬品の販売のメインはやはりドラッグストアだと思います。

ドラッグストアに務めることでOTC医薬品を始め、サプリメントやドリンク剤の知識を得ることができます。

ドラッグストアにも調剤室が併設されている店舗もありますので、調剤を学ぶこともできますが、一日で扱う枚数はそんなに多くはないと思いますので、調剤の経験を積むにはあまりふさわしいところではないかもしれません。

調剤薬局と同じく、ドラッグストアの薬剤師も基本的には立ち仕事になりますが、調剤薬局のようなルーチン作業は少ないでしょう。

調剤薬局とは違い、いろんなものを買い求めるお客さんがやって来るのがドラッグストアです。

そのため、OTC医薬品についての知識を中心に、病院でよく処方される薬やサプリメントもある程度知っておく必要があります。

なぜなら、それらの飲み合わせによっては薬の副作用の影響が大きくなるなど、注意すべき組み合わせが存在するからです。

また、調剤薬局と比べ、様々なお客さんとコミュニケーションを取る機会が多いのもドラッグストアの特徴のひとつではないでしょうか。

そのため、ひとと接するのが好きなひとなら、ドラッグストアに向いているといえるかもしれません。

ドラッグストアで働くメリットとデメリット

ドラッグストアで薬剤師として働くメリットは、OTC医薬品はじめサプリメントなど広い知識を学べることです。

かかりつけ薬剤師には、薬だけに留まらず、身体の病気や健康に関わる幅広い知識が要求されますので、そうした点をドラッグストアで学ぶことができます。

ただし、調剤薬局に比べると処方薬に関する知識を学ぶ機会は少ないかもしれませんので、自力で勉強する必要があるかもしれません。

しかしながら、いろいろな患者さんと触れ合う機会の多い職場ですので、かかりつけ薬剤師に必要なコミュニケーションスキルも学べるのではないでしょうか。

ドラッグストアで働く薬剤師のキャリアアップ

ドラッグストアも調剤薬局同様に、かかりつけ薬剤師や他にどんなことに力を入れているのかを事前に把握しておくことでそこで何を学べるのかが分かると思います。

またこれも調剤薬局と同様、チェーン系のドラッグストアであれば、店長から数店舗をまとめるマネージャー、さらにはスーパーバイザーといったポジションを獲得すれば、年収1,000万円超えも夢ではないようです。

ただ、ドラッグストアも調剤薬局と同様に、求人が豊富な職種であり、店舗によっては未経験者でもOKといった求人もありますので、他の職種を経験してからでも働くことのできるといった見方もできます。

病院・診療所の薬剤師の将来性

病院・診療所に勤める薬剤師は、新卒者の薬剤師の就職先としては約25%程度になります。調剤薬局についで多い就職先となります。

病院・診療所で働く薬剤師の主な仕事

病院や診療所に勤務する薬剤師の主な仕事は、病院の入院患者さんの調剤と服薬指導です。

病院や診療所といった医療現場で薬剤師として働くということは、調剤薬局やドラッグストアに比べると患者さんともっとも近く、また病院の医療チームの一員としての役割を担います。

そのため、病院で薬剤師として働くことは、貴重な経験が積めるのは間違いないでしょう。

病院・診療所で働くメリットとデメリット

病院・診療所で働くメリットとしては、やはり医療現場で薬剤師としての経験が積めるため、処方薬による実際の治療について深く学ぶことができます。

調剤薬局やドラッグストアよりも実際に臨床現場で患者さんの様子を間近に診ることになりますので、薬物治療に関する実践を学べるといった点が、病院で働くことの最大のメリットでしょう。

一方、病院・診療所で働く場合、調剤薬局やドラッグストアと比べると初任給が低いという点があり、そこをデメリットに感じるひとも多いでしょう。

しかしながら、臨床現場で活躍する薬剤師という姿に憧れるひとも多いのではないでしょうか。

病院の薬剤部長といった出世も期待できる職種なだけに初任給の低さは修行代だと割り切って考えみるのもいいかもしれません。

病院・診療所で働く薬剤師のキャリアアップ

病院の薬剤部の部長という立場が、病院薬剤師の出世としては典型例かと思います。

しかしながら、誰でも薬剤部長になれるかというとそうではありません。

大きな病院であればあるほど、薬剤部長になるためのキャリアを積む必要があります。

多くの国立大学医学部附属病院では、毎年薬学部卒業後の研修生を募集しています。

多少の地域性はありますが、大病院の薬剤部長になるためには、その地域の大学医学部附属病院の研修生での経験がものをいう場合も多いようです。

研修生制度は、病院によってはレジデント制度とも呼ばれています。

国立がん研究センターのような国立研究開発法人でも、詳しくは後ほど紹介いたしますが、専門薬剤師といってがんのような特定の疾患の薬物治療に関するスペシャリストを養成しているところもあります。

病院薬剤師としての使命は、やはり臨床現場で働くということです。

大学病院をはじめとして多くの臨床現場では、臨床研究といって、試験的な治療を試みる場合もありますので、一般的な調剤業務とは違い、研究といった仕事に関わる機会もあります。

大学病院の薬剤部長ともなれば、大学教授としての肩書きを持っている方も多く、臨床現場で研究に取り組むことで医療の新たな進歩に貢献している方もたくさんいらっしゃいます。

薬剤師としての研究者の道を進みたいのであれば、病院薬剤師という選択肢もあるんです。

ただ、とくに大学病院のように大きな病院で働きたい場合は、先にも触れたように、研修生やレジデンス制度を経験するといった、しかるべきルートがあったりします。

つまり、病院薬剤師は、調剤薬局やドラッグストアのように、求人の扉が広く開かれているわけではありませんので、できるだけ若いうちに選択しておいた方がよい職種ではないかと思います。

企業の管理薬剤師の将来性

管理薬剤師という肩書きは、調剤薬局やドラッグストアなど医薬品を扱う店舗において、薬の管理をする薬剤師を置くことが薬機法(旧薬事法)で定められています。

しかし、ここでは調剤薬局やドラッグストアの管理薬剤師以外に、企業で薬剤師免許が必要な仕事が大まかに分けて2つありますので紹介いたします。

ひとつは医薬品卸売販売業といった、いわゆる医薬品卸の会社には、管理薬剤師といって医薬品の情報を管理する薬剤師が必要です。

もうひとつが、製薬会社以外にも、化粧品や健康食品、医療機器を扱う企業で監督官庁への許認可申請を担う管理薬剤師です。

管理薬剤師の主な仕事

医薬品の情報管理のことをDI(Drug Informationの略)といいますが、DIを担当する管理薬剤師は、薬に関するあらゆる情報を扱う、いわば学術職にあたります。

薬に関するあらゆる情報ですので、扱う情報はその会社で卸売している処方薬だけに限りません。

OTC医薬品はもちろんのことサプリメントが薬に与える影響といったところまで管理薬剤師は把握しておく必要があります。

医薬品卸の管理薬剤師のところへは、医療機関や薬局などから薬に関する情報を求めて問い合わせがくるからです。

実は、医療機関などで薬の使い方や注意点についての情報が知りたい場合は、薬を開発した製薬会社のMRに訊ねる他、医薬品卸に問い合わせることが多いようです。

医療機関からの連絡ですので、薬剤師だけでなく、医師や看護師からの問い合わせにも対応する必要があります。

また、製造メーカーの管理薬剤師として、監督官庁への許認可申請を担う場合は、当局からの質問事項等に対応する必要があります。

いずれの管理薬剤師にしても、豊富な知識と経験がものをいう職業です。

管理薬剤師として働くメリットとデメリット

管理薬剤師は、企業での勤務となりますので、他の薬剤師に比べて年収が比較的安定して高いというメリットがあります。また企業ですので、土日は完全に休めます。

しかしながら、企業で必要とする管理薬剤師の人数には限りがありますので、求人はあまり多くありません。

また、学術職という性質上、デスクワークが中心ですので、じっと座っているよりも身体を動かして仕事をしたいという方にはやや不向きな職種かもしれません。

管理薬剤師のキャリアアップ

管理薬剤師として必要なスキルは、何といっても豊富な知識ですが、それと同じくらい求められるスキルが語学力です。

DIを扱う管理薬剤師であれば、英語の論文からその情報を得る必要があります。

製造メーカーの管理薬剤師であれば、監督官庁への許認可申請を行うわけですので、それぞれの法規制に精通している必要があります。

そのため、どのような企業での管理薬剤師として勤めるかによって求められるスキルも異なりますが、いずれにしても知識を豊富に貯える必要がありますので、日々の勉強が必要といえるでしょう。

管理薬剤師は、知識と経験がものをいう世界ですので、転職するときは同じスキルが活かせられる職種に限られてしまう場合もありますが、募集条件によっては未経験者でも可能な場合もあります。

そのため、薬局などの薬剤師の仕事ではなくもっと別の仕事がしてみたいようなひとにとっては、タイミングが合えばチャレンジしてみるのもいい職種かもしれません。

行政機関で働く薬剤師の将来性

保健所の薬剤師や麻薬取締官のように行政機関で働く薬剤師についても少し見ていきましょう。

これらの職場で働くということは、公務員薬剤師にあたります。そのため、公務員試験に合格しなければなりません。

ちなみに公務員試験には年齢制限があり、また求人も少ないため、公務員薬剤師を目指すのであれば常日頃からの情報収集が必要です。

ちなみに、保健所の薬剤師は、地方公務員ですが、麻薬取締官は、厚生労働省に属する国家公務員です。

公務員薬剤師の主な仕事

保健所の薬剤師の主な仕事は、保健所のある地域の保健活動(集団検診や食中毒や伝染病など非常事態への対応など)や病院、薬局、美容院などの開設許可業務、指導および調査などです。

麻薬取締官の主な仕事は、違法な薬物の取り締まりなど薬物犯罪防止に努める他、病院や薬局、そのた薬品を取り扱う企業において麻薬の管理などを適切に行っているかを監視することです。

公務員薬剤師として働くメリットとデメリット

公務員薬剤師の初任給は、調剤薬局やドラッグストアなどと比べると低いというとデメリットに思われるかもしれませんが、定年まで勤めた場合の生涯年収はむしろ一般的な薬剤師よりも高くなります。

公務員ですので、退職金やその他福利厚生もかなり充実しており、保健所の薬剤師であれば土日も完全に休めますので、長く勤める意思がある方なら決して悪い選択ではありません。

保健所の薬剤師は、地方公務員になりますので、同一都道府県下であれば転勤の可能性はあります。

一方、麻薬取締官は、国家公務員ですので、全国が転勤先の対象となり、また数年おきくらいと転勤も頻繁にあるようですので、それをデメリットに感じるひとが多いかもしれません。

しかしながら、麻薬取締官は、あまり長く同じ地域に留まっていると企業や団体との癒着につながる恐れがあること、また麻薬捜査官といった素性が周りに知られてしまうのもあまりよくありません。

ずっと同じ土地にいるよりも、いろいろなところに行ってみて様々な経験をしてみたいという考えの方には、麻薬取締官はオススメかもしれません。

公務員薬剤師のキャリアアップ

保健所の薬剤師、麻薬取締官、いずれにしても、地域や社会に貢献したいと思っている方にはふさわしい職業かもしれません。

しかしながら、いずれも特殊な職業であるため、調剤や医療現場で働く薬剤師のようなキャリアは積めませんので、薬剤師の中では転職などのつぶしがきかない職種であるということを肝に銘じておいた方がよいでしょう。

とくに麻薬取締官は、麻薬から国の安全を守るという強い正義感を持つひとでなければ務まりません。

子どもの頃に警察官に憧れていたような方であれば、薬剤師免許を活かして国を守るといった使命に魅力を感じられるかもしれません。

これからの薬剤師の将来性を占う重要なキーワード2つ

薬剤師として免許が必要な職種について、その特徴やどんなキャリアアップがあるのかを見てきました。

ここで薬剤師の将来を見る上で欠かすことのできない重要なキーワードを2つ紹介いたします。

これら2つのキーワードを見ていくことで薬剤師の将来性についてさらに深く知ることができます。

かかりつけ薬剤師

かかりつけ薬剤師とは、地域住民の健康をサポートする場所として薬局が機能するように厚生労働省から発出された制度です。

これから日本がますます高齢化社会へと進んでいき、そのため高騰する医療費をどうやって削減するのか、介護の問題などこれから日本の医療における課題はたくさんあります。

そうした問題解決の一助として考えられたのが、かかりつけ薬剤師制度です。

地域の住民たちが気兼ねなく身体の健康や病気についての相談をできるところとして、薬局が地域に密着した健康サポートセンターのような役割を担うというのがこの制度の狙いです。

OTC医薬品に対する医療費控除の特例制度として、セルフメディケーション税制があります。

セルフメディケーションとは、病院に通わなくても済むような軽い症状のうちは自身で薬局に行ってOTC医薬品を服用するなどして自身の健康管理に努めましょうといった国の施策です。

セルフメディケーションによって、国民が自己の健康管理をしっかりと行うことで、医療費を節約しようとするのが国の狙いです。

アメリカでは、病院へ行く前に薬局で薬剤師に相談し、OTC医薬品等を選んでもらうことが多く、アメリカの憧れの職業に薬剤師が上位に入るという話もあるそうです。

日本でもかかりつけ薬剤師が浸透すれば、アメリカと同じようになっていくのかもしれません。

かかりつけ薬剤師は、調剤薬局やドラッグストアのように薬局に勤務する薬剤師が対象となります。

ひとりのかかりつけ薬剤師が、患者さんに処方されている薬や他に服用しているOTC医薬品などの薬歴を管理することで一緒に飲んではいけない薬を事前に把握できます。

また、日頃から同一のかかりつけ薬剤師が患者さんに接することで、薬以外にも体調管理といった細やかなところまで気を配ることができます。

これからは高齢化が進むため、在宅医療の需要も増えてくると言われています。

在宅医療であれば、チーム医療として薬剤師が果たす役割も当然ながら大きなものになってきます。

今までは医療の現場といえば、病院の中だけに限られていたようなところもありましたが、今後ますます病院の外での薬剤師の活躍が期待されると言えるのではないでしょうか。

専門薬剤師

専門薬剤師とは、例えば、がん治療のように高度な薬物治療知識を持つ薬剤師のことです。

がんの薬物治療は、患者さんの遺伝子の変異に合わせて投与する薬の種類や量を厳密に管理して行われています。

プレシジョンメディスンという言葉をどこかで聞いたことはないでしょうか。

プレシジョンとは、「精密な」という意味ですので、プレシジョンメディスンとは、精密な薬物治療ということを意味します。

これまで薬の用法用量は、治療方法によって決められており、ひとによって用法用量を変えるということはあまりしませんでした。

しかしながら、ひとには個体差があり、また同じひとでも遺伝子の変異が起きれば、それまで効いていた薬も効かなくなってしまうといった現象もあります。

そのため、患者さんの遺伝子を診断するなどして効くことがある程度確認された薬を選択し、投与する用量や服用回数などを患者さんに合わせて決めていくのが、プレシジョンメディスンの本体です。

そうした意味合いにおいて、一部のがん薬物治療では、すでにプレシジョンメディスンを実施していると言えるでしょう。

また、ある薬について、日本ではまだ認可されていない使い方が海外ではすでに適用例があるというように、ある薬に対する新たな治療法が海外では論文等で認められているといったケースがあります。

つまり、日本ではすでにある疾病に対してのみ認可されている薬が、海外では日本とは異なる疾病に対しても効果があるとして用いられている場合があります。

こうした海外の事例を日本でもいち早く取り入れることで、いまはあまり治療がうまくいっていない患者さんに対して、新たな治療法を提供できる機会につながるわけです。

こうしたケースにおいては、管理薬剤師のような学術的知識や論文を読み解く語学力がたいへん重要になってきます。

チーム医療でも、薬剤師としての高度な専門性が必要とされていますし、ターミナルケアや在宅医療というように現場によって薬剤師の必要なスキルも異なってきます。

このように、今後の薬剤師には、細分化された現場に応じた専門性がより重要視されるようになってくるでしょう。

医師の処方箋にしたがって調剤するだけの薬剤師でなく、自身の持つ専門知識をフルに活かして医療現場へ積極的に関与していくことが、これからの薬剤師に求められていると言えるのではないでしょうか。

ずばり!薬剤師に将来性はあるのか、ないのか?

ここまでで同じ薬剤師であっても働く場所によって大きく違うということが分かってもらえたと思います。

欧米などでは薬剤師とは別に、調剤技師といってテクニシャンが調剤をやっているということはご存知でしょうか。

今後、薬剤師に専門性が求められてくるようになれば、むしろ調剤のようなルーチン作業は薬剤師の仕事ではなくなってくる可能性が日本でもあります。

AIの活用がよく話題に上りますが、調剤のようなルーチンのみならず、薬などの飲み合わせをチェックするような機能もAIで可能になってくる時代がくるかもしれません。

そのような時代の流れの中で薬剤師に求められるものは何でしょうか?

それはやはり専門性だと思います。専門薬剤師のように専門的な知識でもって治療方針を創出していくということはAIでは限界があるかもしれません。

かかりつけ薬剤師もまた患者さんとのコミュニケーションといった点でAIにできる仕事ではないと考えられるかもしれません。

たしかに、調剤薬局やドラッグストアに勤めれば高い初任給は得られるかもしれません。

けれども、あなたが薬剤師を目指した理由は初任給だけではなかったのではないでしょうか。

そもそも、あなたが薬学部に入学しようと思った動機は何だったのでしょう?

薬剤師になってどんなことがしたかったのでしょうか。あるいは、薬剤師以外にどんな仕事がやりたかったのでしょうか。

もっとも肝心なのは、あなたがどんな薬剤師になりたいのかということです。

薬剤師の将来は、まだ不透明なところがあるかもしれません。

しかしながら、医薬分業やかかりつけ薬剤師のように新たに始まった制度、また専門薬剤師のように臨床現場で薬剤師に求められる役割は急速に変わりつつあります。

そうしたことも踏まえると、薬剤師のあり方が大きく変わろうとしている転換期なのかもしれません。

これを薬剤師の仕事が奪われつつあるとして危機感に思うのか、新しいことが始められるチャンスだと捉えるかはあなた次第です。

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