退職したら年金ってどうなるの?退職時の年齢、進路別に解説

現在は普通に働いていて厚生年金を毎月給料から天引きされているけど、今度この会社を退職する…そうしたら一体、年金はどうなるの?国民年金に変わる?それとも厚生年金?と、心配の方。

退職後の進路別・年齢別にそれぞれ自分の年金がどうなるかを、フローチャートに沿って解説していきます。

これを見ればバッチリ、不安も解消されるはずですよ!

今回使うフローチャートとそれぞれの年金について

今回の退職後の年金に関して、まずは自分がどの進路に当てはまるか、早速フローチャートを用いて確認していきましょう。

退職年金フローチャート

ご自分がどこに当てはまるか、確認はできましたか?

なお、この表で一部灰色になっている部分は何も加入しなくても65歳になったら年金が貰える、もしくは退職して一ヶ月経過で老齢年金の金額が改定される人ということになりますので、今回は説明をいたしません。ご了承ください。

それでは、次からは当てはまる項目まで記事をスクロールしてください。

60歳未満の場合

フローチャート60歳未満の場合

ここで見るのはフローチャートの左、60歳未満の方のパターンです。

再就職をする人

退職後にまた厚生年金の適用がある企業に再就職をする場合、そのまま厚生年金の被保険者になります。

このパターンでは、厚生年金被保険者としての期間が継続するため、特に自分で届出をする必要はありません。

しかし、事業主が再就職日から5日以内に加入の手続きをしなくてはならないため年金手帳を事業主に提出する必要があります。

また、同時に厚生年金保険の被保険者は、同時に健康保険にも加入することになります。

ただ、その健康保険が全国健康保険協会か、健康保険組合かはその会社によります。

ちなみに厚生年金の被保険者は、すべて同時に国民年金の第2号被保険者になります。

第2号被保険者の特徴

第2号被保険者の特徴としては、図の通り国内居住要件、ならびに年齢制限がないということです。

その他に国民年金の被保険者として存在する第1号、第3号、そして任意加入被保険者には全て20歳以上60歳未満、などの年齢制限があります。

そのため、第2号被保険者となった時点で仮に18歳だった場合でも厚生年金、そして国民年金の被保険者になるのです。

厚生年金保険の保険料は、

  • 標準報酬月額
  • 標準賞与額

によって定められています。

標準報酬月額、標準賞与額については以下の図を確認してください。

標準報酬月額
標準賞与額

厚生年金の当然被保険者の場合、保険料は労働者一人が負うものではなく、事業主と折半で保険料を納めるようになっています。

自営業、無職、適用事業所以外に勤める人など

続いては会社を退職した後、自営業を始めたり、就職先が決まっていなかったり、厚生年金保険の適用事業ではないところに勤める人の場合です。

このパターンでは、厚生年金保険と国民年金保険の2階建てだった被保険者から、国民年金保険のみの被保険者になります。

また、国民年金の第2号被保険者から、第1号被保険者に種類が変わります。

第1号被保険者の特徴

国民年金の第1号被保険者というのは、図に記載の通り《20歳~60歳まで》という年齢要件があります。

また、法定16業種以外の業種というのが何かという疑問があると思いますが、

  • 農林水産業
  • サービス業(飲食店、美容院など)
  • 法務業(弁護士、社会保険労務士など)
  • 宗教業(寺社仏閣、教会など)

このような業種になります。

もちろん、法人であれば第1号被保険者ではなく第2号被保険者になり、厚生年金の適用が受けられます。

飽くまで個人経営の、というところに注意が必要です。

ちなみに、日本国内に居住しているのであれば外国の方でも第1号被保険者になります。

国民年金の第2号被保険者から第1号被保険者になるため、このパターンの場合は種別変更の届出が必要です。

第1号被保険者への変更の手続き

この図の通り、自分の住んでいる場所の市役所や区役所に、退職の日の翌日から14日以内に必要書類を持って加入の手続きをしなくてはなりません。

第1号被保険者になると、基本的には毎月末日にその前月の保険料を自分で払込票などを用いて払いに行くことになりますが、口座振替の手続きを取ると引き落としに変える事もできます。

更に、6ヶ月前納、1年前納、口座振替で当月末に納付したりすると、保険料が少しだけ割引になります。

なお、今年度の国民年金保険料は、16,340円です。

この金額は毎年度変動します。

厚生年金保険加入者の被扶養配偶者になる人

第2号被保険者、つまり会社勤めをしている人の被扶養配偶者になる人の場合です。

健康保険において夫または妻の被扶養者になっている人、と言い換えると少しは分かりやすいでしょうか。

この場合、その人は国民年金の第3号被保険者になります。

第3号被保険者の特徴

第3号被保険者は、第1号被保険者と同様に《20歳~60歳まで》という年齢要件はありますが、日本国内に居住している必要はありません。

というのも、配偶者である第2号被保険者が長期の海外出張などで国内から住居を移した場合、同行する第3号被保険者が国内居住要件を必要としていたら、その時点で資格を失ってしまうことになるからです。

それだとちょっと可哀想ですよね。

そのため、年齢要件はあるものの、国内居住要件に関しては第2号被保険者と同様に必要がないのです。

第2号被保険者から第3号被保険者になる時は、届出が必要になります。

しかし、第1号被保険者のように自分でする訳ではなく、配偶者の勤務しているところの事業主を経由して提出します。

健康保険の被扶養者配偶者の届出と同時に行われるため、年金手帳を提出必要がある以外は特に難しいこともなく終わるはずです。

ちなみに、結婚が20歳より早かった場合にはどうなるのでしょうか?

その場合は、20歳になった時点から第3号被保険者の扱いになり、それまでは被保険者ではありません。

さらに、被扶養者自身の収入が一定金額を超えたことや離婚をしたことによって第3号被保険者でなくなる場合において、被保険者自身の健康保険が全国健康保険協会でない時は「被扶養配偶者非該当届」を提出することが必要です。

全国健康保険協会の場合は被扶養者配偶者から抜ける時に同時に手続きが取れるので、非該当届はいりません。

結婚離婚にともなう該当の変更

以上2つの話題を一つの例として挙げると、こうなります。

18歳で結婚しても、20歳から第3号被保険者になり、40歳で離婚した段階で種別が切り替わり、第1号被保険者になるということです。

そうなると、今まで配偶者の厚生年金保険から拠出されていた保険料を自分で払わなければいけないことになるので、毎月の納付の義務が発生します。

60歳以上70歳未満の場合

フローチャート60歳以上70歳未満の場合

続いては、フローチャートの真ん中、60歳~70歳未満の方の場合です。

再就職をする人

退職後にまた厚生年金の適用がある企業に再就職をする場合、20歳~60歳の人と同じく、そのまま厚生年金の被保険者になります。

このパターンでは、厚生年金被保険者としての期間が継続するため、特に自分で届出をする必要はありません。

しかし、事業主が再就職日から5日以内に加入の手続きをしなくてはならないため年金手帳を事業主に提出する必要があります。

また、同時に厚生年金保険の被保険者は、同時に健康保険にも加入することになります。

ただ、その健康保険が全国健康保険協会か、健康保険組合かはその会社によります。

ちなみに厚生年金の被保険者は、すべて同時に国民年金の第2号被保険者になります。

第2号被保険者の特徴

第2号被保険者の特徴としては、図の通り国内居住要件、ならびに年齢制限がないということです。

その他に国民年金の被保険者として存在する第1号、第3号、そして任意加入被保険者には全て20歳以上60歳未満、などの年齢制限があります。

そのため、第2号被保険者となった時点で仮に18歳だった場合でも厚生年金、そして国民年金の被保険者になるのです。

厚生年金保険の保険料は、

  • 標準報酬月額
  • 標準賞与額

によって定められています。

標準報酬月額、標準賞与額については以下の図を確認してください。

標準報酬月額
標準賞与額

厚生年金の当然被保険者の場合、保険料は労働者一人が負うものではなく、事業主と折半で保険料を納めるようになっています。

なお、60~70歳の方の場合は一旦定年等で会社を退職した後すぐ同じ会社に再雇用、ということもあるかもしれません。

その場合は「被保険者資格喪失届」と「被保険者資格取得届」を同時に届け出ることで、今までのお給料よりも下がった給与が払われるようになった場合にも保険料の負担を軽くすることができます。

受給資格期間が足りない人

ここからは60~70歳未満の方のうち、60歳代前半の60~64歳の方、または昭和40年4月1日以前にお生まれの65歳~70歳未満の方のみが対象のお話です。

老齢年金を受給するには、下記の期間を合算して10年(120月)以上あることが必要です。

  • 厚生年金や共済組合等に加入していた期間
  • 国民年金保険料を納めた期間
  • 国民年金保険料の納付を免除された期間
  • 国民年金の第3号被保険者であった期間
  • 学生納付特例や若年者納付猶予が認められた期間
  • 合算対象期間(カラ期間)
ちなみに、この期間は平成29年までは25年(300月)必要でした。

25年から10年、だいぶ短縮されましたね。

なお、カラ期間というのは以下のような期間を指します。

主な合算対象期間

どれも、加入期間としては数えますが年金額には反映されないものです。

これらの期間を全て足しても10年に満たない場合、もしくは満たしていても満額の保険料をもらえない(=40年加入していない)場合は、65歳まで国民年金の任意加入被保険者になることができます。

任意加入被保険者の特徴

任意加入被保険者は、このような60歳~65歳の方だけでなく、海外に在住している日本国籍で20歳~65歳までの人も届出をすることでなることができます。

なお、この任意加入被保険者は所謂「老齢年金の繰り上げ受給」をしている人はすることができません。

保険料は第1号被保険者と同じく今年度は16,340円ですが、後述の保険料の免除制度はありません。

自分が任意で加入しているにもかかわらず、払えないので一部免除……という話は流石に通りませんので……!

そして、任意加入の場合は基本的に口座振替になります。

どうしても口座振替では無理、という場合は正当な事由であることを証明することで口座振替でなくすこともできます。

70歳以上の場合

フローチャート70歳以上の場合

最後はフローチャートの右側、70歳以上の方の場合をみていきましょう。

受給資格期間が足りない人

厚生年金保険では、70歳になると被保険者の資格は喪失します。

しかしながら、受給資格期間の10年(120月)を満たしていない場合、70歳以上の場合でも「高齢任意加入被保険者」として厚生年金保険に加入することができます。

高齢任意加入被保険者の特徴

今まで厚生年金の被保険者になっていた方であれば、事業主の許可がなくとも申請することができます。

ただ、事業主が保険料を折半することに同意してくれれば、本来自分一人で払うことになる保険料を、70歳未満だった時と同様に折半した分の保険料だけ払えば済むことになります。

また、納付の手続きも事業主がしてくれます。

同意がなければ原則どおり、保険料は全額自己負担になり、納付の手続きも自分で行わなくてはなりません。

ちなみに、厚生年金の適用事業所でない会社に勤めている場合であっても、事業主の同意を得た時に限り保険料は折半の上で高齢任意加入被保険者になることができます。

この場合、幾ら高齢任意加入被保険者になりたいと思っても事業主の同意がない場合は不可能なので注意しましょう。

退職後の進路によっては免除制度が適用になることも

ここまで、退職後の年金がどうなるのかを年齢別、進路別のパターンで見てきました。

その中でも国民年金の第1号被保険者になる場合に限り、免除制度というものがあります。

退職した後の給料では中々生活が厳しくて保険料を払えない……という場合は、「全額免除、3/4免除、半額免除、1/4免除」という区分で保険料の免除を申請することができます。

もちろん、きちんと前年度の所得が一定以下の時、と線引きがされているものですので、誰でも申請すれば通るというわけではありません。

それぞれ、以下の金額の範囲内に前年の所得の金額が収まっていることで申請することができます。

  • 全額免除
  • 3/4免除
  • 半額免除
  • 1/4免除

全額免除
3/4免除
半額免除
1/4免除

また、法定免除という制度もあります。以下のような場合に該当する方が届けることで、保険料が免除になります。

法定免除

なお、どの場合であれ加入期間には参入することはできますが、法定・全額免除以外の場合には納めるべき保険料をきちんと納付しないと未納期間になってしまいます。

また、保険料を本来納付する期日から10年以内であれば、免除してもらった金額を追納することができます。

追納をした場合、追納が行われた日に追納が係る月の保険料が納付したとみなされ、第1号被保険者が普通に払ったのと同じように年金の金額に反映されることになります。

なお、未納期間に対して追納、ということはできません。注意しましょう。

気になったときに自分の年金と向き合ってみよう

というわけで、今回は退職後の年金についてのお話でした。

自分の年金がどうなるのか、という不安は少しでも解消されたでしょうか?

もしも、もっと詳しく知りたい!という方がいらっしゃれば、日本年金機構のホームページにも、退職後の年金についてのガイドが載っていますよ。

この記事と併せて読むことで、少しでも年金に対する理解への一助になったら幸いです。