雇用保険料率の計算。雇用保険制度の仕組み、使い道とメリットとは

雇用保険料に関する様々な疑問にお答えします。

毎月いくらくらい支払っていることになるの?実際のところ、何に使われているの?払っていれば、何かいいことあるの?

給料から社会保険料という名目で、毎月何万円も天引きされているような気がするのだけど、絶対に払わなきゃいけないものなの?

雇用保険の仕組みの概要、雇用保険によるメリット、そして雇用保険料率について、まとめてみました。

雇用保険の料率

雇用保険料は、労働者と事業主がそれぞれ支払う義務があります(実態としては給与から天引きされるので、労働者側の手続きはありません)。

平成30年度の場合、労働者の負担は失業等給付の保険料のみで3~4/1,000、事業主の負担は雇用保険二事業も含めて6~8/1,000です(事業により異なります)。

労働者負担(失業等給付のみ) 事業主負担(失業等給付) 事業主負担(雇用保険二事業)
一般の事業 3/1,000 3/1,000 3/1,000
農林水産・清酒製造の事業 4/1,000 4/1,000 3/1,000
建設の事業 4/1,000 4/1,000 4/1,000

具体的には、一般の事業の場合で労働者が3/1,000、事業主が6/1,000、農林水産・清酒製造の事業で労働者が4/1,000、事業主が7/1,000、建設の事業で労働者が4/1,000、事業主が8/1,000となっています。

例えば月収20万円の労働者の場合、給与から雇用保険料として差し引かれるのは月に6~800円になります。「月に何万円か引かれている」という誤解は、健康保険・年金保険料と合算しているからではないでしょうか。

雇用保険への加入義務

雇用保険は、労働者と事業主が

  • 31日以上の雇用契約
  • 週20時間以上の労働時間

で労働契約をした場合に、加入義務が発生します。もし正社員で入社していなくても、条件に合致すればパート・アルバイトなど非正規職でも加入義務があります。

条件に合致すれば、雇用保険加入は任意ではなく強制ですから、「払いたくないから払わない」ということは(労働者も事業主も)できません。なお手続きは事業主に実施する義務があるため、労働者側の手続きは不要です。

制度を知ろう~雇用保険って何のため?

そもそも雇用保険制度って何のためにあるのでしょう?

雇用保険制度には、大きく3つの仕組みがあります。1つは失業時にもらえる基本手当など労働者に向けたいわゆる「失業等給付」、あとの2つは雇用保険二事業と呼ばれ、事業主や労働者向けの対策としての(1)雇用安定事業、(2)能力開発事業です。

雇用保険二事業とは、具体的には企業からの失業の予防、労働者の雇用機会の増大、労働者の能力開発等に資する雇用対策を指しますが、詳細は後ほど説明します。

失業等給付の使い道

労働者の雇用保険料は、全て失業等給付のために使われています。これは失業時のいわゆる基本手当などのほかに、以下のようなものにも使われています。

基本手当をもらいきらないうちに就職した際に出る就職促進給付、在職者が教育訓練を受講した際に一部を支援する教育訓練給付などにも、雇用保険料は使われています。

また、65歳までの継続雇用を支援する高齢者雇用継続給付、育児・介護休業者の賃金低下を補填する育児休業給付・介護休業給付などにも、雇用保険料は使われています。

雇用保険二事業の使い道

また、事業主の雇用保険料は、上記のような労働者の失業等給付のほか、以下のような雇用保険二事業にも使われています。

雇用安定事業としては、雇用維持等のための事業主に対する助成金(雇用調整助成金など)の支給、中高年齢者等の再就職の緊要度が高い求職者に対する再就職支援施策、若者や子育て女性に対する就労支援施策などが行われています。

能力開発事業としては、在職者や離職者に対する職業訓練の実施、事業主が行う教育訓練への支援施策などが行われています。

これらの施策を通じて、労働者の失業の予防、雇用機会の増大、能力開発の支援など労働者に対する保護・支援対策が行われているのです。(この部分は、事業主負担による雇用保険料と国庫負担により実施されています。)

雇用保険制度を知って、有効活用を

労働者自身が支払う雇用保険料は、月収20万円で月6~800円、月収50万円で月1,500~2,000円、仮に月収100万円でも月3,000~4,000円程度です。

そこに、事業主側が労働者1人当たり月1,800~3,200円(平均月収30~40万円で換算)なりのお金を追加で支払うことで、雇用保険制度が運営されています。※実際にはさらに一定の国庫負担があります。

この金額を高いとみるか安いと見るかは人それぞれだと思いますが、いずれにせよ自分自身にとって必要な時に、雇用保険制度の必要な仕組みを有効活用していくことが大切です。

失業時の基本手当などだけでなく、教育訓練給付、高齢者雇用継続給付、育児休業給付、介護休業給付などの名称は、皆さんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

どんな制度でもそうですが、制度を正しく理解して、必要な時に有効活用していくことが大切です。