魅せる履歴書の書き方。ビジネスペン字講師 谷口栄豊先生インタビュー

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この記事の専門家

谷口 栄豊先生

美文字塾 ビジネスペン字講師

就職、転職で必要な履歴書。第一次の書類審査ではまだ採用担当者と会っていない状態で提出することも多く、自身を印象付けるためにその重要性は言うまでもないでしょう。

もちろん履歴書は内容が大事ですが、パッと見たときの印象で「いいね!」と感じさせることができれば、非常に強いですよね。

「この人は良さそうだ」と文字の力で思わせる”魅せる履歴書をつくるノウハウ”を、ビジネスペン字講師の谷口栄豊先生とともに、紹介していきます。

【アンケート結果】9割以上の採用担当者が文字の「丁寧さ」を見ている

求人情報の公開を行っている株式会社アイデムが採用担当者対象に行ったアンケート調査によると、「履歴書に関してプラス評価となるポイント」は

  • 文字の丁寧さ 91.2%
  • 文字の美しさ 75.5%
  • 手書きであること 54.6%

の順となったとされています。

9割以上の採用担当者が、文字の”丁寧さ”を見ているのです。

また、ワード・エクセルで作成されている手書きではない履歴書については、評価に影響しないと回答したのは62.7%とのこと。

半数以上が手書きであることを評価するということは、これは履歴書は手書きで作成した方が、そしてなにより丁寧な文字で作成した方が、採用担当者へ与える印象は大きく良くなりそうですよね。

ビジネスペン字講師、美文字塾の谷口栄豊先生にインタビュー

どうしたら見た人に「みやすい」「これは仕事ができそう」といった好印象を与えられる手書きの履歴書が書けるのか、ビジネスペン字講師の谷口栄豊先生にお話を伺います。

本日はどうぞよろしくお願いいたします。

谷口栄豊先生写真

よろしくお願いいたします!

まず、履歴書を手書きするにあたり、キレイな字が書けるにこしたことはありません。しかし、すぐに文字がうまく書けるようになるような「魔法の方法」はありません。

履歴書をキレイな字で書く技術を身につけるには時間が必要ですが、本日はちょっとしたコツですぐに「おっ」となる履歴書がつくれるようになる、”履歴書をキレイに魅せるノウハウ”をお伝えしたいと思います。

ちょっとした字の法則を覚えることで、あなたの履歴書はすぐにでも見違えるように良くなると思いますよ。

文字のクセを直すのには時間と努力が必要ですもんね。すぐに劇的に良くなるというのは魅力的すぎます。さっそくノウハウを教えてください!

谷口先生おすすめのペンはゲルインクボールペン

谷口栄豊先生写真

その前に、まずは履歴書を書くならコレ、というおすすめのペンからお話ししますね。まずはこちらをご覧ください。

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上は「油性ボールペン0.5」、下は「ゲルインクボールペン0.5」で書きました。

下の方が適度に太くて、文字から自信を感じませんか?採用担当者であれば、この2枚をならべた時、下の応募者の履歴書をまず見るはずです。

たしかに、全然印象が違います!上と比べると、下の方がだんぜん目をひきますね。

谷口栄豊先生写真

以前はあまり主流ではなかったゲルインクボールペンですが、今では文具店でコーナーができていますから、簡単にお求めになれます。

私のおすすめは

  • ゼブラ SARASA 0.5
  • パイロット Juice 0.5

などです。色も濃くすぐに乾きますし、ボールペンで書いたときの”ダマ”もなく、非常におすすめですので、是非お試しください。

履歴書の基本!横書きの3つのノウハウ

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履歴書は基本、横書きです。そこで、まずは私が持論としている「横書きの書き方のノウハウ」をご紹介します。このちょっとしたコツさえ覚えれば、あとは活用の繰り返しなんです。

履歴書がグッとよく見えるようになる基本の理論といってもいいでしょう。それぞれ画像で解説していきますね。

横書きの3つのノウハウ

  1. 字の大きさに変化をつける
  2. 字を少し縦長に書く
  3. 字間を少し詰めて書く

字の大きさに変化をつける

谷口栄豊先生写真

違いがわかりやすいお名前で紹介させていただきます。

谷口栄豊先生写真

このように、漢字は大きく、ひらがなは小さくを意識してみましょう。さらに画数の多い漢字は大きく、少ない漢字はもう少し小さく、です。

おぉーっ!たしかにすべて同じ大きさよりも、バランスがいいですね!

谷口栄豊先生写真

漢字、ひらがな、カタカナ、アルファベットを横書きすることは実はとても難しいんです。でも、この大きさの変化を意識するだけで、かなりこなれた字に見せることができますよ。

谷口栄豊先生写真

このように文章になるとよりわかりやすいですね。履歴書では文字数の多い項目もあるので、この横文字のノウハウが活きてきます。

字を少し縦長に書く

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横書きで多い「もったいない」例が、文字の”横伸び”です。

縦長に書いた文字の比較画像

これは一目瞭然ですね!

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特に字が苦手な方に多い傾向です。少し意識して縦長に書くだけで、こんなにも大人らしい字になります。

字間を少し詰めて書く

字間を狭める比較画像

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「あ り が と う ご ざ い ま し た。」よりも、「ありがとう ございました。」というリズムとバランスが心地いいですよね。字と字の間隔を意識するとさらに大人っぽい文字のならびになり、”字を書くことに慣れている人”を演出できるのです。

たしかに、圧倒的に読みやすいです。

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以上の3つのノウハウを修得できれば、文字ひとつひとつは上手くなくても、履歴書の見栄えはグッとよくなるでしょう。言い方は良くないかもしれませんが、ビジネスシーンで使える”ハッタリ”というわけです。

テクニックで履歴書を魅せる!という感じですね。横書きの3つのノウハウ、勉強になります。

履歴書の項目別、キレイに魅せる書き方のコツ

お手本を見ながらわかりやすく教えていただいた横書きのコツ。この3つのノウハウを前提に、履歴書の名前や住所、学歴欄といった項目ごとに、谷口先生のテクニックを教えていただきました。

名前は大きく、自信を持って!

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名前は相手が一番はじめに見るところです。人間で言えば第一印象ですね。言わずもがな、非常に重要です。

まずは広い枠の大きさに負けないよう、大きな字で堂々と書くことです。

名前の文字の大きさ比較画像

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ご覧のように小さい字は弱々しい印象を与えてしまいます。自信を持って、堂々と書きましょう!

また、横書きのノウハウである文字の大きさに変化をもたせることも忘れずに。漢字は大きく、ひらがなは小さく、ですよ。

谷口栄豊先生写真

そして、名前についてとにかく伝えたいのは、「キレイな字で書けるように何度でも練習してほしい」ということ。人生で何度も書く自分の名前なんですから、名前くらい、練習しましょうよ。

おっしゃるとおりですね。私も自信を持ってドン!と書けるよう、練習します。

生年月日は数字で魅せるチャンス!

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数字は0から9までの10個しかないので、コツを知ったうえでちょっと練習するだけで、”かっこいい数字”がマスターできますよ!

数字の書き方のコツ

  1. 少し斜めに書く
  2. 細く縦長に書く
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少し斜めに、「1」の角度に合わせて書くこと。またデジタルで言うと”全角”ではなく”半角”のイメージで書くことの2点です。

数字の比較画像

谷口栄豊先生写真

「2」や「8」は難しいと言われる生徒さんが多いのですが、練習すれば大人らしい数字が普段から書けるようになりますよ。

あとはハイフンも控えめに、右上がりにならないよう気をつけましょう。

数字の比較画像2

学歴・職歴欄は横書きのノウハウをフル活用

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書きはじめは左から3ミリくらいあけるイメージで書き出しましょう。

そして、ここで活きてくるのが前述した横書きのノウハウです。

  • 字を少し縦長に書くこと
  • 字間を少し詰めて書くこと

によって学校名や会社名が引き締まり、読みやすくなりますよ。

学歴職歴の欄のお手本画像

漢字、ひらがなやカタカナなどの字がならぶので、こういったバランスは大事ですね。

行線のない枠は手間を惜しむべからず

自己PRや志望動機の欄、広い枠だけのこと多いんですよね。私もどうしてもガタガタになってしまって、いつも見栄えが悪くなるんです!

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そうですね。大きな空欄に、まっすぐに字を書くことはとても難しいというか、不可能です。私も無理ですね…(汗)

そこで、手間かもしれませんが、もう一枚同じ履歴書を用意し、行線を書きます。その紙を重ねて線を透かしながら書きましょう。

履歴書に透かしを引いている写真

ちょっとの手間ですけど、これだけでかなり書きやすくなりますね。

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良いものを作成するためには、少しの手間を惜しむべからず、です。

また、ここでも文字数が多いので、漢字は大きくひらがなは少し小さくのように、横文字のノウハウをあてはめてくださいね。文章にメリハリがついてキレイに見えますよ。

行線のない枠の書き方お手本画像

さらにクオリティを上げる!履歴書頻出文字のコツ

ここまでは文字を上手く書くのではなく、「文字が苦手でも履歴書をキレイに魅せるコツ」というものをご紹介いただきました。

さらに先生に履歴書でよく使う漢字を上手く書くコツを教えていただきました。

右上がりを意識するとグッとかっこよくなる文字

  • 平成
  • 卒業
  • 月日
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字は右上がりに書くことによって“躍動感”が出ます。

特に1画目や2画目の短い横線は、いつも以上に右上がりに書いてみてください。右上がりに書かないと、子供っぽい字になってしまいますよ。

角度と空間の調節で印象がまったくかわる文字

  • 自動車
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漢字は「角度」と「空間」に“統一感”を出すことが大切!

特に横線の多い漢字は要注意で、統一感がない字はパッと見の印象がすごく悪くなります。

縦線をまっすぐおろすことで美しくなる文字

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縦線は人間で例えると「背骨」、家で例えると「大黒柱」みたいなもの。そう考えると、傾かないよう力強い線でまっすぐに書きたいですね。

しかし縦線をまっすぐに書くのはすごく難しい!実は私も苦手です(汗)

しっかりと姿勢を正し、集中して書くよう心掛けましょう。

1本の横線を長くしてポイントにするべき文字

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横線を“1本だけ”長く書くことによって、字にメリハリがつき安定します。そして長い横線を書くときの最後は下向きに反る!

これは絶対的なルールなので、マスターすると色々な漢字にも応用できますよ。

株式会社を上手く書くコツ

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履歴書で必ずといっていいほど書く「株式会社」という文字。バランスがとりづらく、苦手な方も多いのではないでしょうか。

これらのポイントを意識して書いてみましょう!

履歴書は字が苦手でも”魅せる”ことで好印象に

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履歴書を書くうえで、最も大切なのは「相手を想い、文字でその気持ちを伝えること」。

そのためには文字に取り組む心の姿勢が非常に重要です。読み手が先にいることを想像し、キレイに、わかりやすく、丁寧に内容を届ける気持ちです。

字を書くことが苦手でも、丁寧な字で書くことはできます。百戦錬磨のプロが見る履歴書ですから、雑に作成したらそれはバレますよ(笑)

さらに、丁寧に文字を書くために、書くときの姿勢も私は大事だと思っています。「お願いします」という真摯な気持ちで履歴書と…そしてその先にいる企業と向き合うんです。

社会に出てからは書くときの姿勢を誰かに指摘される機会ってなかなかないので、自分では気づけないんですよね。姿勢から気持ちをつくる…確かにとても重要なことですね。

谷口先生にとっての美文字とは

谷口栄豊先生写真

塾に訪れる生徒さんで初めによくおっしゃるのは、「私、センスがないんです」「私は不器用なので」という言葉です。でも、字を書くことに器用さやセンスは一切必要ありません。

字を書くための正しい方法があります。その正しい方法というのは個人のクセによってくる点も多いので一概には言えませんが、これをお教えするのが私の仕事です。

一瞬で文字を上手く書けるようになる、そんな魔法のような方法はありません。でも、方法次第でそのスピードを速めることはいくらでもできるんです。

自分の文字に自信が持てるまでになるには、時間が必要かもしれません。そこで素早く一歩前へ出るために、”キレイに魅せる”コツやテクニックが活きてくるのです。

手書きの履歴書だけに限らず、受付だったり伝票だったり領収書だったり…ビジネスシーンでは文字を書く機会が多いですね。本日お話しした”魅せ方”が少しでも参考になれば幸いです。

「文字が苦手でもキレイに魅せることはできる」というノウハウは、今後何度だって訪れる文字を書く機会の不安を取り除いてくれそうです。

実際のテクニックを教えていただけて、とても勉強になりました。本日はありがとうございました!

美文字塾 谷口先生のインタビューを終えて

谷口先生は終始笑顔で、とても物腰柔らかな方でした。インタビュー中もときには笑いを交え、ときには熱く!語ってくださいました。

本当に、文字を書くことへの、そして美文字のノウハウを伝えることへの強い熱意をもっていらっしゃる先生なんだと肌で実感しました。

谷口先生の美文字塾では、スカイプによるレッスンも行っています。北は北海道、南は沖縄まで。さらにアメリカ、イギリス、ドイツ、中国など海外から先生の美文字レッスンを受ける日本人の生徒さんもいらっしゃるのだとか。

マンツーマンレッスンなので、「自分の字のどこが悪いのか」「どこをどう書けばいいのか」といったことがピンポイントで知ることができるため、過去にレッスンを受けられた生徒さんからは「理論的でわかりやすい」「無駄な時間を使わずに上達することができる」といった感想が寄せられているそうです。

効率と成果が求められる現代に合った、”大人のための美文字習得法”が美文字塾のレッスンの特徴なのです。

私自身も、インタビューの中でノウハウを教えていただいている最中、何度も「なるほど~!」と深く頷いていました。そして「ノウハウを活かして早く文字を書いてみたい!」とうずうずしたのです。

谷口先生のレッスンは、本当にわかりやすく、楽しく学べるということがよくわかりました。

字に自信がない、もっと魅せる字を書けるようになりたい!という方は、谷口先生の美文字理論で「なるほど!」体験をしてみてはいかがでしょうか。

この記事の専門家

谷口 栄豊先生

美文字塾

名古屋にあるマンツーマンレッスン専門のビジネスペン字教室「美文字塾」講師。企業の人材育成や福利厚生の一環とした美文字セミナーも開催。
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