猫をテクノロジーで見守る株式会社RABOの「Catlog」誕生のきっかけとは

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この記事のご協力者様

伊豫 愉芸子 President & CEO

RABO, inc.

ペットのなかで最も人気の高い猫。ペットの家族化が進み、人間の生活に密着して暮らす猫は増えています。

しかしながら、猫はひとりで留守番して過ごすことが多いため、留守中の愛猫が気になって仕方ない飼い主さんは少なくありません。

そのようななか、猫をこよなく愛するメンバーでプロダクトが開発され、待望の猫専用ウェアラブル端末「Catlog(キャトログ)」が誕生しました。Catlogがあれば、猫の様子がいつでも遠隔チェックできるんです。

このCatlogはどのような想いで開発されたのでしょうか。Catlogを開発・販売している「株式会社RABO」の伊豫 愉芸子(いよ ゆきこ)代表にインタビューしました。

Catlogに込められた想いとは。株式会社RABO 伊豫代表インタビュー

「愛猫の見えない時間を、見えるようにしたい」「離れていても、もっと近くに猫を感じられる世界にしたい」という声のもと、バイオロギング(動物行動学)を応用して誕生したCatlog。

猫の一生を見守り、日々の記録を蓄積する”母子手帳”のような役割になれば、とこのCatlogを開発された、株式会社RABOの伊豫 愉芸子代表に、猫様への思いとCatlog誕生のきっかけなどを伺ってきました。

猫の生活をテクノロジーで見守る「Catlog」

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晴れてAndroid版アプリもリリースされました「Catlog」とは、どのようなサービスでしょうか。

伊豫代表お顔写真

Catlogは猫様を24時間365日、そして一生見守るサービスです。

  • Catlog Pendant
  • Catlog Home
  • Catlogアプリ

の3つで構成されています。

Catlog Pendantは猫様に装着いただく首輪型のデバイスです。加速度センサーが内蔵されており、このセンサーで猫様の行動を把握、ロギングします。

Catlog HomeはPendantから受信したデータをサーバーに送信するハブ機としての機能と、Pendantの充電器という機能を持っています。

また、Homeには温度計が搭載されているため、室内の温度を計測し、常に猫様にとって心地の良い温度を維持するためにも活用いただけます。

Pendantから送信されたデータを確認するためにご利用いただくのが、Catlogアプリです。

外出先からでも、お手元のスマートフォンから猫様の様子を見守ることを可能にしています。

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そばにいられない時でも見守ることができ、また環境も管理してあげられるとは、素晴らしいですね!

では、それらの充実した機能の中でも、もっともアピールされたい、Catlogの強みとはどういった点でしょうか。

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Catlogでは日々のデータを蓄積することが可能です。

ご飯を食べた時間やその回数、睡眠時間や運動時間はどのくらいか、といったことが日々記録されていきます。

その日の記録を見返して「何回ご飯を食べた」「どのくらい運動した」ということを把握するのはもちろん、「今日はいつもと比べてあまり運動していないな」といったことも把握できます。

いつもと違うことを把握することはとても大切で、もし猫様の調子が良くない場合も、いち早く察知することが可能になります。

例えば1週間の中で、今日だけ運動した時間がとても短かったら、もしかしたら猫様は不調なのかもしれません。

そういった飼い主さんが感じるちょっとした違和感を、数字で後押しできるのはデータを蓄積するCatlogならではのメリットです。

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細かく行動を把握し、データとして日々比較できるのですね。たしかに、24時間そばで見守っていなければ気付けないような、小さな異変にも気づいてあげられますね。

では、Catlogリリースまでにもっとも苦労されたことはどのような点でしょうか。

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代表はじめプロダクト開発にたけたメンバーは多いものの、ハードウェアに関してはみな初心者だったため、ハードウェア部分の要求仕様の検討や開発管理、テストなど含めて市場に出せる状態に持っていくまでは苦労しました。

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得意分野でない領域でも、試行錯誤、テストを繰り返されてチームで完成されたのが、Catlogなのですね!

株式会社RABOとCatlog誕生のきっかけ

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株式会社RABOの立ち上げとなったきっかけや、「すべては、猫様のために。」という言葉にこめられた思いをお聞かせください。

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猫様と20年以上一緒に暮らしており、大切な家族なので1秒でも一緒にいたいと思っていました。

共働きのため毎日ずっと大事な猫様たちのことを見ているわけにもいかず、もし体調に変化があったとしても気づけないかもしれない…

これをどうにかできないだろうかと考えていたときに、大学院まで専攻していた「バイオロギング(動物行動学)」がまさに見えない動物の時間をみえるようにするという研究領域であり、これを活かせるのではないかと思ったのです。

かつ、私は社会人になってからはプロダクト開発や事業開発がメインのキャリアで、「バイオロギング(動物行動学)」「プロダクト開発」そして「猫様」というこの3つに対して、知識と熱量をかけあわせて持っているのはまさに私だけなのではないか、という思いで起業に至りました。

プロダクト検討時に、30人ほど猫様と暮らす方にインタビューした際に、私が感じていたことと同じ課題感を持っている方はとても多く、そしてそれは猫様のことを本当に大切に想う気持ちが共通しているからこその悩みでした。

そこから、「すべては、猫様のために。」という言葉がうまれています。

株式会社RABOを支えるブリ丸くん、おでんくん

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Catlogの開発に携わられていますCCO(チーフ キャット オフィサー)のブリ丸くん、ブリ丸くんのアシスタントを務められていますおでんくんのプロフィールをここでご紹介いただきます!

ブリ丸

2016年3月24日産まれ、ショートヘアソマリの男の子。

人懐っこくとても頭がよいので、「おすわり」「お手」「かしゃぶん」「とりむね」「ごはん」など言葉もいくつか覚えていて、写真にも撮り慣れているためみんなの人気もの。ただ、頑固で孤高を好み、ちょっと偏屈。しつこく遊びを仕掛けてくるおでんに対してや、自分が居たい場所を誰かが侵食しようとすると怒る。

2018年2月22日よりRABOのChief Cat Officerに就任、テストデータ収集やプロダクト開発、カスタマーサクセスを担当。世界中の猫の幸せのため日々奔走している。

おでん

2019年2月6日産まれ、ベンガルの男の子。

甘えん坊で遊び好きで、とにかくごはんが大好き。あっという間に自分のごはんを平らげて、ブリ丸のごはんを奪うため、いつも怒られている。ベンガルの割にベビーフェイスで、朝は「パッポー」と鳩のように鳴いたりおちゃめな一面も。運動能力が高く、オフィスのキャットタワーにもバリバリ登り、ブリ丸よりさらに人懐っこいためみんなの人気もの。

ごはんが大好きでCCOのごはんを奪っては怒られる毎日。データ収集や撮影モデルなどCCOのお手伝いを開始している。

伊豫代表ならびに株式会社RABOの展望

伊豫代表お顔写真

猫様の行動は万国共通。そしてペットのなかで世界で一番飼われているのは猫様。

早期にグローバル展開を実施し、世界中の猫様と飼い主が1秒でも長く一緒にいられる世界をテクノロジーで実現します。

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今よりももっと安心して猫様にお留守番を頼めるような、離れている時間でももっと猫様を身近に感じられるような、そんな世界をつくる株式会社RABOのご活躍を今後も応援しております!

伊豫代表、CCOブリ丸くん、CCOアシスタントのおでんくん、本日は大変ありがとうございました。

株式会社RABOならびに「Catlog」サービスのご紹介

今回のインタビューにご協力いただいた伊豫 愉芸子代表が運営する「株式会社RABO」と「Catlog」サービスについて紹介いたします。

株式会社RABOは「世界中の猫と飼い主が1秒でも長く一緒にいられるように、猫の生活をテクノロジーで見守る」Catlogを開発している会社です。

学生時代にバイオロギング研究に従事し20年以上猫を飼っている伊豫代表と、猫好きなスペシャリストがチームを組み、2018年2月22日(猫の日)に会社が設立されました。

オフィスは猫と同伴出勤が可能で、CCO(チーフ・キャット・オフィサー)のブリ丸くんも一緒に働いています。

ちなみにRABOでは「猫」ではなく「猫様」と呼びます。

社名のラボは、スペイン語でしっぽを意味するraboとLaboratory(研究所)の音にかけてつくられたものです。

ピンと立った猫のしっぽはHappy、Friendly、Helloなどの前向きな意味を表し、Laboratoryのラボは、科学的根拠のあるプロダクトを作りたいという伊豫の想いが込められています。

そして、バイオロギングを応用して「愛猫の見えない時間を、見えるようにしたい」「離れていても、もっと近くに猫を感じられる世界にしたい」と、誕生したのがCatlogです。

RABOは、Catlogが猫の一生を見守り、日々の記録を蓄積する”母子手帳”のような役割になることを望んでいます。すべては、ねこ様のために、です。

Catlogとは

Catlogは一般的な首輪と同じように使えて、飼い主の代わりに愛猫を見守ってくれる次世代の首輪。

「バイオロギング」によって収集された情報を機械学習によって処理し、実際の行動に分類する、という先端技術を搭載したウェアラブルデバイスです。

バイオロギングは海洋生物などに小型センサーを装着し、生体行動を調査する手法。開発にあたっては、東京大学 大気海洋研究所 海洋生命科学部門 行動生態計測分野の佐藤克文教授らも、アドバイザーとして協力しています。

このCatlogは、製品の「Catlog Pendant」「Catlog Home」「Catlog_App」をセットで使用します。そうすることで、猫の活動データが24時間計測され、飼い主さんはいつでもアプリから愛猫の様子を確認することができるようになります。

Catlogには猫の情報が蓄積され、留守番中の猫の歩く・食べる・寝るなどの行動をチェックすることで、猫の健康管理に役立てることができます。

アプリの機能を使用して他の飼い主、獣医、キャットシッターなどと猫の情報を共有することも可能です。(※有料プランにて「共同飼い主」機能の使用が可能です)

全国の猫からデータが蓄積されていけば、猫の研究にも役立ち、いずれ世の中の猫のしあわせな一生のために活用されることにつながります。

製品の特徴

Catlogの製品は、猫を愛してやまないRABOチームによって企画開発され、 猫に負担のかからない安全な設計になっています。

Catlog Pendant、Catlog Homeは、オフィシャルストア「Catlog_Store」で販売中です。また、Catlog_Appは、App Store・Google Playからダウンロードできます。

Catlog Pendant
猫の首に装着するウェアラブルデバイスです。

【主な特徴】

  • 猫の活動を24時間計測
  • アプリで見守り
  • 多頭飼いにも対応

3軸加速度センサーを搭載し、猫の走る・歩く・食事・睡眠などを24時間計測、猫の行動データは「Catlog Home」へ送信されます。

専用アプリ「Catlog_App」をインストールすることで、いつでもどこでもスマホ画面から愛猫の行動データがチェックできます。

重さや大きさが猫の負担にならないよう軽量化&小型化。猫の首のカーブに沿い、毛が絡まないデザインを採用しています。また、セーフティ・アジャスターを使用しているので、万が一ベルトに力が加わったら外れて安全です。

ベルトはS~Lサイズがあり、定番カラーはレッド、ネイビー、ベージュ、ホワイトの4色です。

ペンダントカラーは「猫鈴ゴールド」と「キトンブルー」の2色。

(キトンブルー=「子猫の青い瞳」のこと。子猫の時だけ瞳に見られる貴重なブルーです。)

デザインにもこだわり、色は毛色図鑑を見てどの毛色にも似合う色を選んでいるので、猫の美しさも引き立ちます。愛猫がおしゃれだと、飼い主さんも嬉しくなっちゃいますよね!

Catlog Home
ワイヤレスLAN環境に接続し、Pendantから送られてくる行動データをCatlogのサーバーへ送信します。室温を測定する機能、Pendantの充電をする役割もあります。
Catlog_App
猫の行動データのチェック、Home・Pendantの設定をするための専用アプリです。現在、今日の様子、1週間の推移などがチェックでき、記録としても役立ちます。

プランは次の3つから選べます。

  • プチみまもりプラン(無料):今日の猫・猫日誌(前日)・猫グラフ(1週間分)
  • みまもりプラン(¥380/月):「飼い主追加」を付加
  • 猫バカプラン(¥580/月):「飼い主追加」を付加、猫日誌・猫グラフが無制限

みまもりプランもしくは猫バカプランの「飼い主追加」機能を利用して家族や獣医師などと猫様の情報を一緒に見守ることができます。また、多頭飼いしている場合も、猫たちの様子が一つのアプリで管理できます。

実績

Catlogは、2018年10月から「Makuake」でクラウドファンディングを開始、1時間20分で100%達成、約一か月で1000%を達成しました。

2019年9月に正式発売すると、わずか1.5週間で4カ月分に相当する在庫を販売し、業界でも話題になりました。その後も、猫の飼い主さんやメディアから常に熱い注目を浴び続けています。

メディア掲載実績
  • Rentio PRESS「Catlogを共働き家庭で2週間使ってレビュー」
  • TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」
  • TBSテレビ「あさチャン!」
  • テレビ東京「池上彰vsニッポンの社長100人大集結!SP」
  • 日経ARIA「留守中が心配 猫への愛情が導いた起業家への道]
  • HOME APPLIANCE「猫家電」
  • Yahoo!ニュース IT・技術
  • ジャパンタイムズ「Keeping kitty in purrfect health」
  • 起業サプリジャーナルに掲載
  • 毎日新聞・朝日新聞・中日新聞

ほか多数

2019年2月には「きふる」とコラボし、Catlogの売上金の一部を動物愛護団体に寄付するキャンペーンを実施。

2020年1月からは「アニコム先進医療研究所株式会社」と、傷病と行動の関係性について共同研究を開始。猫の24時間365日の行動データを活用し、疾病予測・予防医療の発展に貢献しています。

RABOはこれからも「すべては、猫様のために。」を掲げ、IoTプロダクトCatlogを通した事業を展開されるとのことです。

Catlogで楽しみながら愛猫の生活を見守ろう

Catlogは「何をしているかわかって安心」「留守中も愛猫とつながれて癒される」と飼い主さんからも好評です。

留守中の猫をモニタリングしたいと考える飼い主さんの中には「病気があるから」「愛猫がシニアになってきたから」という理由を挙げる方もいらっしゃいます。

猫は具合が悪いことを隠す習性もあるそうですが、Catlogがあれば留守中の行動から異変に気づくきっかけが生まれやすいので、いつから具合が悪くなったか獣医師さんに伝えやすくなります。

猫は寿命が延び、飼い主が猫の一生に添う時間はぐんと伸びました。ずっと元気で長生きしてもらうためにも、きめ細やかな健康管理をしてあげたいですね。飼い主の皆さま、Catlogで楽しく愛猫の生活を見守ってみませんか。

この記事のご協力者様

伊豫 愉芸子 President & CEO

RABO, inc.

東京海洋大学大学院博士前期課程修了。東京大学大気海洋研究所 佐藤克文教授のもと、ペンギンやオオミズナギドリに小型センサーをつけ行動生態を調査するバイオロギング研究に従事。大学院修了後、株式会社リクルートに新卒入社し、インターネットサービスの企画やプロダクトの設計、新規事業開発を担当。2018 年 2 月 22 日の猫の日に、株式会社 RABO を創業。猫様と20 年以上共に生き、現在は3歳のショートヘアソマリ のブリ丸と1歳のベンガルのおでんと暮らしている。一般社団法人日本ペット技能検定協会認定キャットケアスペシャリスト/キャットシッター資格所有。

(本記事の情報は2020年4月時点のものです)

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