転職を成功させる履歴書の書き方。学歴職歴、志望動機、自己PRなど

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履歴書は、どんな人なのか、どんな強みを持っているかという情報を1枚の用紙にギュッと凝縮したもの。

求人にエントリーして最初に待ち構えているのが履歴書による書類選考ですから、是非ともこの関門を突破するため、採用担当者の心をつかむ履歴書を作成したいです。

しかし、いざ履歴書の用紙を前にしてみると、意外に作成には手間取ってしまうもの。履歴書の書き方のコツをチェックし、自信をもって提出できる履歴書を作成しましょう。

まずは履歴書の役割・項目・種類について基礎知識をおさらい

履歴書に記入してある情報は、求人の応募者が企業で働くにふさわしい人材かするため、また給与を査定するための材料に用いられます。

それだけでなく、記入欄の使い方、字のきれいさ、顔写真から得る印象から、応募者の人柄も判断されています。

履歴書は「どのようなビジネスパーソンなのか」を企業に知らせる、重要な役割を持った書類なのです。

履歴書の項目

履歴書は、主に次の項目で構成されています。

  • 基本情報(氏名、性別、生年月日、満年齢、現住所、電話番号など)
  • 学歴、職歴
  • 資格、免許
  • 志望動機
  • 自己PR
  • 特技・趣味
  • 本人の希望

さらに、フォーマット(形式)によっては、賞罰(受賞歴や犯罪歴)、健康状態、得意科目、課外活動、スポーツ活動で得たこと、通勤時間、扶養家族などの項目が設けられている場合もあります。

履歴書の種類

履歴書は、特に企業から指定がない場合は、市販の履歴書を購入し、そのフォーマットに従って作成していきます。

市販の履歴書はいくつかのメーカーから数種類が販売されていて、大きく次の4種類に分かれます。

  • 一般用…学歴・職歴欄が少なめ。新卒や職歴の浅い人向け。
  • JIS規格…学歴・職歴欄が多め。
  • 転職用…職務経歴書用紙がセットになっている。
  • パート・アルバイト用…働きたい曜日・時間帯を記入する欄がある。

基本的に「絶対にこのフォーマットでなければならない」というルールはありません。自分で用意する場合は、自由に選ぶことができます。

選ぶ時のポイントは「ここはしっかり書き込んで強調したい」「この項目は必要ではない」といった要望にあわせて記入欄の構成を選ぶことです。

フォーマットを選び分けることで、より自分の強みを生かした履歴書に仕上げることができます。

履歴書は、A4またはB5サイズの用紙に手書きをして提出する形が一般的ですが、すべてパソコンで入力し印刷したものを提出することも可能です。

また、履歴書のフォーマットは、手書き用・パソコン入力用ともインターネットで無料配布されています。好みのフォーマットをダウンロードして作成してもよいでしょう。

パソコンで履歴書を作成する場合のメリット・デメリットについてはパソコンでの履歴書作成ガイド。手書きと比較したメリットデメリットをご覧ください。
 

基本情報欄を書く時のポイント

基本情報欄は、氏名、住所、電話番号、顔写真といった、その人の基本的な情報を記入する欄です。

個人を識別する、連絡先に使う、といった重要な役割があるので、誤字・脱字はもってのほか、見やすく記入することが好印象につながります。

日付

提出する日かその前日の日付を記入します。また、面接日に持参する場合は、当日の日付を記入します。

氏名

姓と名は、読みやすいようにスペースを入れて書きます。「ふりがな」と書いてあればひらがなで「フリガナ」とあればカタカナでふりがなを書きます。

年齢・生年月日

年齢は、履歴書を提出する日の時点の年齢を記入します。

住所

都道府県からマンション・アパート名まで、省略せずに記入します。

電話番号・メールアドレス

連絡のつきやすい電話番号を書いておきます。携帯電話の番号でOKです。

メールアドレス欄には、パソコンとスマートフォンから閲覧できるメールアドレスを記入しましょう。会社用ではなく、プライベート用のアドレスを記入します。

メールアドレス欄がないけれどアドレスを書いておきたい場合は、電話番号欄のスペースに書き加えておくとよいでしょう。

意外な盲点ですが、アドレスが人事担当者に見られても恥ずかしくない文字の組み合わせかチェックしてください。できれば、転職活動用に新しくフリーアドレスを取得するのがおすすめです。

写真

履歴書の写真を貼るスペースに合わせ、3か月以内に撮影した写真を貼ります。

履歴書に貼ってある顔写真で、その人の第一印象が決まることもあります。好印象を与えるような髪型、服装、表情で写真を撮りましょう。

写真を貼ってから書き損じると、貼り直しをしなければならなくなるので、写真は履歴書を書いてから最後に貼ります。はがれた時のことを考え、写真の裏には名前を記入しておきましょう。

履歴書の写真で好印象を与えるコツについては【履歴書】写真の撮り方、貼り方、服装・髪型、背景色、サイズをご覧ください。

学歴・職歴を書く時のポイント

学歴・職歴は、採用後の給与などを査定するため、またどのような人物像か判断するために最も重要な情報です。

書くことは決まり切っているようで意外にルールを間違えやすい欄なので、注意しながら丁寧に記入しましょう。

事実と異なった経歴を書いた場合、発覚した時に「経歴詐称」とみなされ、大きく信用を失います。採用が取り消しになるなどの処分を受ける可能性があるので、注意しましょう。もちろん嘘をついてはいけませんし、うっかり間違って書くのも良くありません。

学歴の書き方

まず、学歴・職歴欄の1行目中央に「学歴」と書き、次の行から時系列で学校名と卒業・入学した年月を記入していきます。

例:平成20年3月 ○○大学△△学部××学科 卒業

記入する学歴は、中学校または高等学校卒業以降です。学校名は「○○高校」などと略さず「△△県立○○高等学校」と正式名称で表記しましょう。学校名だけでなく、学部、学科、コース名まで記入します。

中退した場合は、年月、学校名と共に「中途退学」と記入します。「○○につき中途退学」と理由を添えてもよいでしょう。

職歴の書き方

学歴の下に空白を1行もうけ、その下の行の中央に「職歴」と記入します。次の行から時系列で入社・異動・退社(退社予定)の年月と会社名を記入していきます。

会社名は正式名称で表記し、入社した時には会社名に続けて業種、従業員数、部署名を記入するとよいでしょう。

例:平成24年4月 株式会社○○入社(業種:オフィス用品の販売、従業員50名)
△△支店 営業部配属

もし、応募先の企業に関連する業務に携わっていたのであれば、会社名だけでなくその業務内容を明記してアピールするのがおすすめです。

アルバイト・インターンシップは職歴に含めません。自己PR欄に書きましょう。職歴が多く記入欄に書ききれない場合は、職務経歴書のほうに詳細を記入し「詳細は職務経歴書に記入」と一言添えておきます。

職歴を書き終えたら、次の行の中央に「現在に至る」と記入し、さらに次の行で「以上」と右寄せで書いて締めくくります。

志望動機欄を書く時のポイント

志望動機欄では、なぜその企業に応募したのか動機を記入します。「仕事に興味を持ったから」「社風にひかれたから」といった単純な動機を書く場所ではありません。

企業が強く知りたいのは、企業へ入社したい熱意がどれくらいあるか、仕事に必要なスキルはあるか、応募者と企業側の価値観が合っているかどうか、ということです。

そこで、志望動機を作成するときは、過去の職務で得たスキルや価値観を交えながら、具体的な言葉で次のポイントをアピールしていきます。

  1. その業界・企業(商品・サービス)のどこに魅力を感じているのか
  2. なぜ他の企業ではなくこの企業を選んだのか
  3. 職務経歴がその企業で活かせる強みになっているかをアピールする
  4. 入社後にどのような仕事ができるのか

志望動機で採用担当者の心をつかむには、単に企業に関する感想を書いたり、自分の希望ばかりを書き連ねるたりするのではなく、いかに企業へ貢献できるかを自分の言葉を使ってアピールするのがポイントです。

志望動機は、履歴書の内容の中でも特に重視されやすい場所です。とはいえ、書き方に明確なルールはなく自由度が高いため、多くの人が作成には頭を悩ませます。

5行くらいにまとめるのが適切なボリュームですが、どうしても文章の構成が決まらない場合は、転職サイトなどをチェックし、例文を読んで勉強するのもよいかもしれません。

こちらの記事でも、転職する人が志望動機を書くために役立つヒントを紹介しています。
履歴書の志望動機マニュアル。年代別に採用側が求めるものとは

資格欄を書く時のポイント

資格欄は、取得している資格や免許を記入する欄です。

この欄では、仕事に必要なスキルの有無と同時に、向上心を持って自己研鑽に努めているかががチェックされます。仕事に役立つような資格を取得しているならば、しっかりアピールしましょう。

ただ、書き方を間違えてしまうと逆効果になってしまう場合があるので、正しい書き方を押さえておく必要があります。

業務に無関係な資格は記入しない
履歴書には、業務に関連のある資格だけを記入します。

採用担当者は、業務に役立つスキルを持っているかどうかが知りたいので、業務に関係ない資格を書く必要はありません。

無関係な資格までずらっと羅列して書いてしまうと、アピールしたい資格が文字に埋もれてしまい、採用担当者の目に留まりにくくなってしまいます。

ただし、業務に無関係な資格でも珍しいものならば、書いておくと面接時の話のネタに役立つこともあります。

資格が採用に有利でないレベルなら記入しない
業務に必要な資格でも、応募の条件に達していない資格、またはレベルが低い場合は、履歴書に記入しません。

たとえば、求人では英検1級と条件が出ているのに英検3級と書いたり、仕事に通用しないようなTOEICの低いスコアを書いたりするのはNG。知識やスキルが不足していると判断され、採用が不利になってしまいます。

資格は取得した順に書く
取得した順に年月と資格の名称を書きます。
資格は略称ではなく正式名称で書く
資格は普段呼び慣れている略称ではなく正式名称で記入します。

  • 普通自動車免許 → 普通自動車第一種運転免許
  • MOS→Microsoft Office Specialist
  • 宅建 → 宅地建物取引主任者
  • など

勉強中の資格も記入しておく
まだ取得できていない資格でも、取得に向けて勉強中のものは「資格取得に向けて勉強中」と記入することができます。向上心をアピールすることにつながります。

資格がないときは「特になし」
資格がない時は「特になし」と記入します。

普段から自己研鑽し、なにか仕事に役立つような資格の取得に挑戦しておくとよいでしょう。

資格欄の書き方について詳しくは履歴書の資格欄の書き方。ポイントをおさえ効果的にアピールしようを参考にしてみてください。

自己PR欄を書く時のポイント

自己PR欄は、自分のアピールポイントを記入する欄です。

行動力、協調性、プレゼンテーション力…など、自分にはどのような強みがあり、企業に入社した場合にどう貢献できるのかアピールします。ほかの欄で伝えられない思いやスキルを自由に記入しましょう。

ただ、自分の長所をアピールすることに慣れていない人が多く、自己PR欄は書き方にルールがないため、履歴書の中でも作成しにくい項目になっています。

ポイントは、ダラダラ書かずなるべく簡潔に、かつ、具体的に自分の強みを裏付ける具体的なエピソードを記入することです。次のような構成でまとめましょう。

  1. まず初めに結論として、仕事における自分の強み、信条を端的に述べる
  2. 次に、それを裏付けるエピソードを書く
  3. それが仕事でどう役立っていくのかを書く

もし自己PR欄のスペースが狭く、文字数に限りがある、または履歴書に自己PR欄がない場合は、職務経歴書に自己PRをしっかり記入するという手もあります。

特技・趣味欄を書く時のポイント

特技・趣味欄には、自分が持っている特技や趣味を書き込む欄です。

仕事に関連する特技ならば、十分なアピールポイントになります。また、仕事に直接関係ない特技や趣味を記入したとしても、意外なギャップが好印象を与えたり、面接時の会話のきっかけになったりと効力を発揮する場合があるので、手を抜かず記入しておきたいです。

「読書」「音楽鑑賞」「ゲーム」は、それだけ記入すると、インパクトが弱い印象を与えてしまいます。

そこで、このようなありきたりな趣味でも、履歴書に書く場合は必ず仕事につなげて「自分にどのような影響をもたらしたか」「仕事にどう役立てることができるのか」というところまで説明します。

そうすれば、どの趣味でも好印象を与えるアピールポイントに変えることができます。

また、特技や趣味がなくても、空欄にしたり「特になし」とだけ記入するのは良くありません。何か趣味を見つけて記入しておきましょう。

【履歴書】特技、趣味の例文と書き方のポイントで、特技や趣味を書く時に役立つ、さまざまなパターンを紹介しています。

健康状態を書く時のポイント

履歴書によっては、健康面を確認するため健康状態欄が設けてあります。

健康状態に問題がない場合は「良好」と記入し、業務上で差し支える問題があれば知らせておきます。

健康状態を記入する理由は、入社後に社員が安全で快適に仕事ができるよう、社員の健康状態を把握しておくためです。もし業務に差し支える持病があるとわかっていれば、安全に仕事ができる部署に配属するなどの配慮をすることができます。

こういった理由から、持病がある場合は隠さず企業へ申告しておく必要があるのですが、履歴書に書く場合は健康状態が不利になるような書き方は控えます。

「○○の持病があるが、○○以外の業務なら問題なく遂行できる」といったように、ほかの記入欄同様に、あくまでも企業に貢献できることをアピールすることが大切です。

本人希望記入欄を書く時のポイント

本人希望記入欄は、何か希望する勤務条件がある場合に記入する欄です。

勤務条件には、職種、部署、勤務地、給与などがありますが、特別な事情がない限りは、原則として「貴社規定に従います。」と記入しておきます。

もしも勤務条件について交渉が必要な場合は、その理由も一緒に書いておきましょう

小さなミスはもったいない!履歴書を書く時の注意点

履歴書は、見る人が一目でわかりやすいよう、美しく書くことが何よりも大切です。字の上手下手とは関係なく、丁寧にゆっくり書けば、自然と整った文字になるはずです。

小さなミスを起こしがちですが、ミスをしたまま提出すると、気づかれた時に印象が悪くなってしまいます。履歴書は、次のルールを守って正確に作成しましょう。

  • 黒いペンで見やすいように書く。消せるボールペンは使わない。
  • 修正テープ(修正液)は使わない、書き損じたら新しい履歴書で書き直す。
  • 楷書で丁寧に書く。
  • 年は、西暦または元号(平成・昭和など)のどちらかに統一する
  • 先方の会社のことは、書類に書く場合は「御社」ではなく「貴社」と書く。
  • 書くことがなくても、空欄のまま出さない。必ず何か記入しておく。
  • ダラダラ書きすぎ、ボリュームの出し過ぎはNG。簡潔にまとめ、適量にとどめる。
  • 嘘は書かない。
  • 履歴書は使いまわさない。内容は同じでも、その都度新しく作成する。
  • 最後に見直して、ミスがないか確認しておく。

また、次のポイントをおさえて作成すると整った印象に仕上がります。

  • 文字の開始位置、余白をそろえて書く
  • 時間と気持ちにゆとりをもって、ゆっくり作成する
  • 下書きをしてから清書をする

一発勝負できれいに書く自信のない人は、下書きをしてから清書をするとよいかもしれません。履歴書の下書きはポイントを守ればOK!下書きの注意点とコツをご覧ください。

手間をかけ心をこめて作成すれば、その気持ちが文面にあらわれ、企業側にとっては、誠意や意欲の感じられる履歴書になります。

熱意や自分らしさをアピールした履歴書を作成しよう

採用担当者は、大量の履歴書に目を通しているので、印象の薄い履歴書は読み流されてしまう可能性があります。

数ある履歴書の中で注目してもらい、書類選考を通過するためには、熱意や自分らしさをしっかりアピールすることが大切です。

履歴書を作成する時のルール、好印象を与えるポイントをおさえて準備し、採用担当者に気持ちが伝わる1枚を作成しましょう。

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