SEのデスマーチ、炎上プロジェクト。原因とSEが取るべき行動とは

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SE(システムエンジニア)の「デスマーチ(通称:デスマ)」というワードを耳にしたことはありますか?

SEの人で「デスマーチ」というワードを聞いたことがないという人はほとんどいないと思います。もし聞いたことがなかったら、いまの職場はとても良い職場なのかもしれません!

「デスマーチ」というワードは聞いたことはあるけど詳しくは知らない人、デスマーチをやったことがある人のどちらもいると思います。

この記事ではデスマーチについて理解するだけでなく、デスマーチをやったことがある人も楽しめる内容を盛り込んでいます。

ぜひ、SEの方や「デスマーチ」というワードを聞いたことがある人は読んでいってください。

SE(システムエンジニア)の「デスマーチ」とはいったい何?

SEの方やSEに転職を考えている方は「デスマーチ(通称:デスマ)」について詳しく知っているかと思います。

ですが、SEへの転職を考え始めたばかりで「デスマーチ」というワードを聞き、何なんだと思っている方も多いことでしょう。

そこで、まずは「デスマーチ(通称:デスマ)」の一般的な定義(特に何か法律で定まっているわけではありません)を説明します。

  • エンジニア数が通常必要な人数の半分以下であること。
  • 与えられた期間が常識的な期間の半分以下であること。
  • 予算やその他のリソースが必要分に対して半分であること。
  • 機能や性能などの要求が倍以上であること。

「デスマーチ」とは上記のような状態のことを指しています。つまり、無理難題を押し付けられている状態のことですね。

このような状態が発生してしまう一番の原因はお客様の要求に対して甘い見積もりを出してしまうことが挙げられます。

これを防ぐには営業担当者と技術担当者の人間が普段からコミュニケーションを図ることが欠かせません。もし時間が許すならば見積もりの場に技術担当者も同席することが最短の解決策でしょう。

しかし、時間が許すタイミング、営業担当者との関係などすべての条件が揃うことはまれですが、「デスマーチ」を無くすことを諦めないようにしましょう。

デスマーチ(デスマ)、炎上プロジェクトが起こる原因

なぜそのようなデスマーチが起こってしまうのか?原因は様々考えられますが、主なものを紹介します。

見積りが甘い

そもそも見積もりが甘く、実際の期間に対して作業量が多くなった場合、プロジェクトは炎上します。

営業とSEの部署が分かれている会社では、営業の理解が浅かったり、ズレていたりする場合、見積もりが甘くなるケースがあります。

そういった場合、仕事を取ってきたものの、最初から炎上が予想される案件だったということが多々あります。

設計者の無知

要件定義から設計まで、スタート時点で予算や技術を含めて、できる事を設計しなければいけません。

なのにできそうだ、とかあっちの言語でできるからみたいな設計されて、実際は実現不可能であったというケースや、業務パターンがきちんと洗い出せずに、いざ開発段階において問題が発覚するというケースはよくあります。

要件定義ではきちんとお客様の要件を聞き出し、作りやすいように提案し、設計段階できちんとどう作るか考え、持てる技術でできるものを設計することが大切になります。

プロジェクト初期の要件定義、基本設計がきちんとしていないと、後々プロジェクトが炎上しデスマーチを招くことになります。

お客様との交渉力不足

「◯◯をいつまでに決めてください。」、「こういう資料をください。」など、お客様に決めてもらう事や調整してもらう事は多々あります。

しかし、お客様はシステムの知識が乏しい場合も多く、戻ってきた返答も意図したものと違ったり、返事が遅かったりすることも当然あります。

なのでコチラからの追加の提案や催促といったことをする必要があるのですが、そういったことができない人がお客様と交渉すると、プロジェクト中に爆弾を抱え込むことが多々あります。

技術者のアンマッチ

人が居ないのはわかるけど、JavaのプロジェクトにJava技術者が1人も居ないという、訳が分からない状況になっていることもあります。

そういったケースでは、もちろん言語にそった設計なんてできるわけもなく、手戻り続発します。

技術者がいないため、設計書の不備にも開発段階まで気づくことができず、作ってみるまでそれもわからずデスマーチ前進!ということが起こっています。

炎上プロジェクト、デスマーチに遭遇したSEが取るべき対処法

炎上プロジェクト、デスマーチに遭遇したSEは、どのような対処法を取ればよいのでしょうか。

原因の究明

まずはなぜ炎上しているかを究明します。

力技で人数で火消しにいくということはよくありますが、火の元を絶たねばさらなる炎上を招くのみです。期限が迫り急ぐときこそ、一度立ち止まってみんなで話し合ってみましょう。

タスクの洗い出し

闇雲に作業をしては駄目です。何を置いてもまず整理が大切になります。やらなければならないこと、決まっていないことの洗い出しから始めることが大切です。

そして、今後何をやるべきかを明確化し、メンバー全体で短期目標と長期目標をきちんと共有していきます。

ここで抽出すべきタスクが漏れるとあとで「やっぱりコレが足りてない!手戻りだ!」なんて事になりまた炎上してしまいますので、注意が必要です。

課題の洗い出し

タスクと同じように課題を洗い出します。何が問題か、何が決まってないのか、何ができないのかをとにかく洗い出しをします。

後回しにせず優先的にやる作業、全体的な課題はもちろん、個人の抱えている小さな課題も皆で共有していきます。

優先順位の決定

タスクと課題が洗い出されたら優先順位を決めていきます。

まず決めないと後に響くこと、手戻りが大きそうなものの優先度を高く設定します。目の前に山積みになった事をどういう風に片付けていくか、順番をきちんと整理することも大事です。

人的リソースの割当的にも、優先順位の決定は非常に大事な作業になります。

調整

そしてついた優先順位にそって人員調整をしていきます。

人の割り振りはもちろん、どうしても足りなければ人の調達、更には予算の調整も必要になってきます。

お客様とスケジュールを調整し、優先順位が低い機能については最初の期限の後に追加リリースをさせてもらえるように、交渉できるケースもあります。

もちろんリリース厳守であれば、機能削減や納品物のドキュメントを減らしたりして何とか納期に間に合うように調整していきます。

作業を減らすための努力をしながら、ひたすら頑張る

では現場はどうするか、ひたすら努力で頑張ります。やり方は色々あれど現場はひたすら頑張るのみです。そして手は動かせども動かす量は減るように自動化などに励みましょう。

前段に有ったとおり生まれた課題や疑問点は抱え込まずに、すぐに共有して、打ち合わせは時間がかかるなら隣の人と簡単に相談することも大切です。

周りも切羽詰まって相談できないような状況であればそれは炎上の入り口です。

SEの飲み会で使える不幸自慢話列伝

SEの方はデスマーチに参加し、帰れない、寝られない辛さを熟知しています。

また、直しても直しても消えないバグとの熾烈な戦いや辞めていく同僚を日々見ているため他の職業と比べ飲み会で話したくなる話が多いかもしれません。

すべてのSEがこのような辛い境遇にあるわけではありませんが、ここではデスマーチあるあるの不幸自慢エピソードを紹介します。

あくまで例ですが、あてはまる部分もあるかと思いますので、気軽に読んでいってください。

エピソード1:無限に膨らむ労働時間

SEのデスマーチ話で欠かせないのが労働時間にまつわるエピソードです。一般的には1日8時間の勤務を月20日間こなした場合、月160時間の労働時間となります。

平日の日数によって多少前後はすると思いますが残業時間が40時間を超えることは稀でしょう。

これを頭に入れてSEの月労働時間を紹介します。

Aさん:私は一年間ほどシステム保守のシステム開発に携わっていました。このときは月350時間ほど働きましたね。

Bさん:それはすごいですね。でも私も負けていませんよ。2年間ほどあるシステム開発のプロジェクトに所属していたときのことです。このときは最高で月400時間勤務しました。

Aさん:400は大台超えていきましたね。やはりクライアントが大手企業だったのですか?

Bさん:よくわかりましたね。大手企業に良い顔したいがために無理をしてしまったパターンです。

Aさん:良い顔したい気持ちはわかるんですけどね。身内にも優しくして欲しいですよね。

Bさん:その通りです。こっちの身を考えて欲しいものです。

いかがでしたが。今回はAさんとBさんの二人の対談形式で労働時間について紹介しました。SEの方で負けていないという人もいるかもしれませんが、月400時間の大台は確実に働き過ぎです

SEの方でデスマーチに参加している方も無理だけはしないようにしてください。

エピソード2:会社と家、どっちが家だかわからなくなる現象

引き続きAさんとBさんの対談形式で不幸自慢話を紹介します。今回はデスマーチ期間中家に帰れない状況についての対談となっています。

つらいときの話を自慢しているため、いつもこのような状況にあるわけではないことをご了承ください。

Aさん:デスマーチ期間って帰れないの?とよく聞かれるけどそんなことはないですよね。

Bさん:そんなことありましたよ(笑)。私最長で2週間帰れないことありましたよ。

Aさん:本当ですか!そんなに自慢することではありませんよ。

Bさん:いや、いまは不幸自慢話の時間なので。

Aさん:家に帰れるかどうかはプロジェクトによって様々ということですかね。

Bさん:そうなりますね!

いかがでしたか。デスマーチ期間は1日、2日は帰れないこともあるかと思います。ですが、ほとんどの場合は家には帰れるそうです。

会社に残った方が楽という場合もあるかとは思いますが、家で少しでも多く休めるといいですね。

SEの労働環境改善に向けた取り組み

ここまではSEの厳しい労働環境(デスマーチ)について紹介してきました。そんなSEの厳しい労働環境も「過労死の問題」や「働き方改革」に影響をうけて改善する方向へと動いてきています。

現状ではまだまだSEの労働環境は改善されてはいませんが、今後どのように改善される見込みがあるのか紹介させていただきます。

  1. 好条件での求人・待遇
  2. 長時間労働の是正
  3. エンジニアという仕事に対する理解

まずは好条件での求人・待遇についてです。現在エンジニアのニーズは非常に高まっております。そのため、エンジニアの足りない企業が多いのが現状です。

そこで、よい条件(給料、残業時間、福利厚生)でエンジニアの求人が出るようになりました。また、過酷な労働環境(長時間労働など)をさせ、他社に移られたら元も子もないので待遇での改善も見られるようになってきました。

次に長時間労働の是正についてです。いまや過労死や働き過ぎが原因の自殺などが起き、長時間労働に対する見直しが国会でも話題にのぼるほどの社会的問題となっています

また、働き方改革が政府主導で目指されています。この法案自体がSEの労働環境の改善に直接つながることはあまりないかもしれませんが、社会的に長時間労働が問題になっている事実を企業は見逃すことが出来ません

このように長時間労働に対する見直しが社会的に進んでいるため、SEの長時間労働がなくなる日も遠くはないかもしれません。

最後にエンジニアという仕事に対する理解についてです。ひと昔前まではエンジニアという職業に対する理解が乏しく、ソフトウェアにお金をかけることに抵抗がある人が多くいました

しかし、現在はエンジニアになんでも頼んでいいという風潮は減り、ソウトウェアにお金をかける時代になりました。

そのため、無理難題を押し付けられることも減少傾向にあります。まだまだSEの労働環境は良いとは言えませんが、今後はより良い方向に改善していくことでしょう。

デスマーチはいずれなくなりSEは大人気職業になる!

いまSEは3Kもしくは7Kの職種と言われたりもします。特にデスマーチがこの3Kもしくは7Kに当てはまります。

  • きつい
  • 帰れない
  • 給料が安い
  • 規則が厳しい
  • 化粧がのらない
  • 結婚できない

最初の3つが3K、全部含めて7Kと言われています。特にデスマーチの際はきつい、帰れないという状況が続きます。

しかし、社会の長時間労働に対する見方は大きく変わってきています。また、AIなどの登場により、さらにエンジニアのニーズが高まってきています。

現在、パソコンの無い日常を想像することはできません。そのパソコンを用いた便利なソフトはすべてエンジニアが開発したものです。

小学生からパソコンをさわる時代となった今、エンジニアの人気はどんどん高まっていくことでしょう。

デスマーチは非常にきついですが、このような状況は長くは続きません。そして、SEは人気な職業になっていくことでしょう

この記事を読んでデスマーチの大変さや労働環境改善に向けた明るい兆しを知っていただけたら幸いです。

精神や身体に支障がきたすようなデスマーチからは、すぐに逃げ出そう

炎上しており、非常に過酷な労働が続く場合もシステム開発の世界では多々あります。

そういった場合、限界まで頑張ることも時には大切になってきますが、あまりに酷い労働環境の場合、プロジェクトをリリースしてもらう、会社を辞めるなど、逃げることも大切です。

レバテックキャリアなどのエンジニア専門の転職エージェントを利用することで、社内SEやWEB系のエンジニアの求人など、デスマーチを経験しにくい求人を紹介してもらうことができます。

うまく活用して、デスマーチから脱出することをおすすめします。

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