株式会社ジュンコーポレイションがえるぼし最高位認定を取得するまでの取り組み

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この記事の専門家

小板橋 義和代表取締役

株式会社ジュンコーポレイション

株式会社ジュンコーポレイションは、他社にない高度な技術を強みにプラスチックを製造している企業です。

社長を中心に幅広い年代の男性・女性社員、外国人実習生が一体となって仕事に取り組み、公的機関から数々の賞を受賞しています。そして群馬県では2番目に「えるぼし」最高位の3つ星認定を取得しました。

そこには、どのような努力や工夫があったのでしょうか。えるぼし最高位認定企業になった取り組みについて、株式会社ジュンコーポレイションの小板橋義和代表取締役にお話をうかがいました。

えるぼし最高位認定企業、株式会社ジュンコーポレイション小板橋代表インタビュー

技術系の女性採用も歓迎しており、若手社員は男性も女性も国家資格である技能士の取得を目指しながら働いている、さらに係長職の50%は女性が占め、さまざまな部門で活躍されているという株式会社ジュンコーポレイション。

「社員を幸せにする」という熱い思いを持たれている小板橋代表に、えるぼし最高位認定企業となるまでの取り組みについてインタビューいたしました。

株式会社ジュンコーポレイションの、えるぼし認定取得に向けての取り組み

小板橋代表お顔写真

当社は田舎の中でも田舎と呼ばれる場所に位置する中小企業です。

この地域の男性は基本的によりマチ(都会)へ就職先を見つけるのが当然で、自宅より田舎へ働きに行くことなんてまず考えられない。

一方、女性はご両親が心配しない近隣の企業を探したり、結婚して田舎にやってくる場合など、より有能な人材が多い。

人材確保には大変苦労しますが、田舎の中小企業という環境の中で多くの経営者に笑われても、女性の活用をせざるを得なかったわけです。

昨今、ブラック企業だとか働き方改革であるとかメディアを騒がしていますが、当社がやむを得ずやってきたかたちに、国(厚生労働省など)の方針が被さってきた感じです。

「えるぼし」の案内チラシを見ていたら、全部やってるなあと思い、労働局へ行って相談したら、三ッ星とれちゃいますねってことで、いただいてしまいました。

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国が理想としていたかたちを、もっと早い段階からすでに実装されていたわけですね。素晴らしい考えと取り組みに、田舎だ都会だなんて関係がないことがよくわかります。

なぜ女性の活躍推進に積極的に取り組まれたのですか

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大学を卒業後、同業の企業に就職し2001年に当社へ入社したとき、社員駐車場には新車ではない軽自動車が並び、中小企業の現実を見た気がしたんです。いつか高級車(フェラーリなど)が並ぶ会社にしたいと思ったのを覚えています。

社員を見渡すと、正社員(主に男性)は働かず文句のオンパレード、パート(主に女性)は寡黙に頑張っている光景を目にしました。いっそのこと逆にした方が実態に合っていると感じていたのです。

2004年社長就任の際、パートを廃止し全社員を正社員とし、社会保険に全員加入させました。

能力主義による賃金体制を構築し、役職選定にも基準は見識や能力のある者から選定したため、女性の課長、係長も誕生することになりましたね。

マネジメントセミナーなど多くのセミナーにもその時に適した人物に声をかけ、ぜひ行きたいという者に参加させたため、前向きな女性が参加することなり、参加後の変化が顕著に出るのも女性で、会社内でリーダーシップを発揮しはじめていったのです。

取り組みの中で特に大変だったこと

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先ほどのお話で、「女性の積極的な活用について多くの経営者に笑われてきた」というものがありました。当時の社員の方にも、ナンセンスだと異論を唱える方はいなかったのでしょうか。

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男女関係なく皆が認める能力のあるものを登用してきたため、反対意見など苦情のようなものは全くなかったですね。

年功序列的な威張っている男性も中にはいましたが、公正な評価の下では地位も、賃金も低く恥ずかしいものです。

能力による順序に男も女も年齢も関係ないので、公正な評価の下で決まった地位に誰も文句は言わないのです。

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誰もが納得する「公正な評価」とは、どのように決められているのか気になります。

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公正な評価とは、【技能評定】と【人事考課】を課長以上の役職者で評価して決めています。

製造課の【技能評定】の他にお客様に笑顔で好評だったりすると営業課の項目の点も加算され、品質面で優秀だったりすると品質管理課の項目が加算されるなど、組織を超えた観点からも評価しています。

【人事考課】はあいさつとかあたりまえのことができるかの評価です。あたりまえのことをバカにしないで、ちゃんとすることを重視しています。

取り組みを実施したことによる効果

小板橋代表お顔写真

これまでは技術的な面でメディアや省庁に評価されていましたが、昨今では社員を幸せにする会社とかで取り上げていただくことの方が多くなってきました。

「はばたく中小企業300社」に選定された時も技術面だと思っていましたが、担い手確保部門で選定されていたんです。受賞するほどのことしてないのにな…と思いながらも、いただいてしまいました。

マネジメントセミナーに参加させた女性からは、「視野が狭かった。今までの自分が恥ずかしい。」「もっと早く知りたかった、そうすればもっとましな人生を歩めたのに」など、自己中心的な考えから、大局を見る(経営的視点)ようになり、みるみる成長する姿を見れるのが大変うれしいですね。

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私も株式会社ジュンコーポレイション様のサイトを見ていて、「社員を幸せにすることへの姿勢がとにかくすごい!」という印象を受けました。サイトは小板橋代表自ら作成されているということで、直接的に熱い思いが伝わってきました。

まわりの男性社員だけでなく、女性自身の意識がガラリとかわるという点も大きな効果ですね。

女性活躍にかかわる取り組みの展望

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男性が主力の力仕事などは、設備の進歩により電動化され、操作もタッチパネルが主流になってくると、腕力は不要になり繊細な調整にはかえって女性の方が向いているかもしれません。

最近の若い男性は技術というとPC(CADなど)に向かうことをいい、現場に向かうものがいなくなってきたように思います。

逆に女性の中に現場をやりたい、技能を身につけたいという人が少なからず増えてきて、そうであればぜひ当社で活躍してほしいし、技能士(国家資格)を目指し、さらに他社にはない当社の特殊技術(ガスインジェクションやヒートアンドクール)を身につけ、よりスキルを高めていただきたいと考えています。

当社の得意先は紳士的な上場企業が多く、試作開発などで参加いただきたいです。

また、ビッグサイトなど展示会出展の際にはスーツを着て当社のアピールをするなど、活躍できる場所はたくさん提供したいと考えています。実際、女性に聞いてみると楽しいらしいです。

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国家資格である技能士を目指し、さらに特殊な技術を身につけられる環境は、まさに技術職で輝きたいと考えている女性には天職ですね。

これからの株式会社ジュンコーポレイション様の技術の躍進だけでなく、女性活躍の展開からも目が離せません。

本日は大変ありがとうございました。

株式会社ジュンコーポレイションの事業内容をご紹介

群馬県安中市にある株式会社ジュンコーポレイションは、特殊な技術「ガスインジェクション」「ヒートアンドクール」によってプラスチック製品を製造しているメーカーです。

現在は、2代目の小板橋義和社長が会社を経営、初代の小板橋純治社長が確立した技術をさらに強化しながら技術開発や知名度アップにも力を注いで、独自の技術をブランド化させています。

ガスインジェクションとは
プラスチック製品は、樹脂を金型に流し入れ、冷却して固める「射出成形」によって成形しています。ガスインジェクションは、金型に樹脂を注入した後に窒素ガスを金型に充填する、射出成形の応用技術です。成形サイクルの短縮、製品の軽量化、寸法精度の向上などのメリットをもたらします。

従来の射出成形は圧力が不均等なため、どうしてもバリ(樹脂がはみ出ること)、ソリ(変形)、ヒケ(不自然なくぼみ)などの不良現象が生じやすくなります。

しかし、ガスインジェクションならば全域に均等な圧力をかけることができるので、これらの不良現象が大幅にカットできるのです。

ジュンコーポレイションは、国内でガスインジェクションが普及し始めたときにいち早く導入し、さらに開発を進めることで”世界一のガスインジェクション”と言えるレベルにまで技術を磨き上げていきました。

かつて形成不可能だった製品の製造にも取り組みし、幅広い分野でお客様のニーズに対応しています。

また、自動車メーカーなどの研究開発部門と共同研究をおこない、新しい技術の開発を進め、業界に幅広いネットワークを構築し他社と共存共栄することで、業界や地域の活性化もはかっています。

企業理念

  • クリーン・アンド・オープン
  • ジョイフル・アップ・ニュー
  • ハートフル・プロダクション

社員一人一人を幸せにし、社員の開発能力に努めることを企業理念としています。人・設備・製品に愛を込め、取引先や協力先と互いの繁栄を望み、活躍する製品を送り出せる工場でありたいと考えています。

事業内容

ジュンコーポレイションは、自動車・住宅設備・OA機器・家電・医療機器などのプラスチック射出成形製品、金型の製造と販売をおこなっています。

1970年に創業し、1973年に有限会社小板橋プラスチックスを設立して自動車や住宅設備などの部品を製造してきました。1992年に社名を株式会社ジュンコーポレイションに変更し、1997年には国内でもいち早くガスインジェクション技術を導入。2004年に小板橋義和氏が代表取締役に就任されました。

以降は技術の改良を繰り返しながら、射出成形に伴う問題点をクリアし、複雑な形状でも常に高品質な製品を提供し続けています。

ジュンコーポレイションは、金型を加熱・冷却する技術「ヒートアンドクール」にもこだわり、外観に線が入るという問題も解消。これにより、従来は塗装が必要だった高級感のある「ピアノブラック」を塗装なしで実現しています。

そして、対象素材を拡大したことで、幅広い用途の製品を提供することが可能になりました。ガスインジェクションにおいては、他社と比べても圧倒的に高度な水準の技術と装備を保有していることから、経済産業省の委託事業に採用され、自動車メーカーの研究開発にも協力しています。

外国人技能実習生制度を導入し、毎年インドネシアの実習生を受け入れるなど「人づくり」にも積極的です。

企業づくりの取り組み

2代目社長となった小板橋代表は「社員を幸せにすること」を目的とし、社員が精神的、物質的な幸せを得られるよう、以下の取り組みを始めました。

社員を幸せにするための取り組み

(1)技能の向上、平等な評価、知識の向上、改善活動により、自分自身が成長していく。
(2)メディアへの登場、各種認定制度への挑戦、関連企業での知名度・信頼度の向上により、会社に誇りを持つ。
(3)社員とその家族を幸せに。社員とその家族の誕生日にお祝いをする。

そして、2004年から改善活動をおこない、コスト削減と稼働率の向上をはかりました。同時に、社員のマナーやモラル、個々のモチベーションを高める社員教育を始めました。

改善活動では、設備や備品の無駄を大胆に見直し、通信費や電力費、経費などの削減に成功しました。

ISO9001やエコアクション21(環境省が策定した環境マネジメントシステム)などのテーマも盛り込み、「整理・整頓・清掃の3Sプラス挨拶」にも取り組むなど、社員ひとりひとりが意識を持って活動をおこなっています。

社員活動では、年度毎に発表する経営方針に対してチーム編成したグループ活動をおこない、各チームがその成果を発表して順位を競っています。

その結果、自分たちで現状や問題を明確にすることができ、社員の意識が変わっていきました。また、社員間の雰囲気も良くなり、素晴らしいことに退職者も出ていません。 

企業や技術の認知度を高めるため、展示会やメディアには社員も積極的に進出しています。これには販路拡大だけでなく、社員の成長を促し会社に誇りを持ってもらう効果もあるそうです。

また、2017年に「ぐんま女性活躍大応援団」に登録し、女性も働きやすい職場を目指しています。社員と社員の家族の幸せを大切にし、子どもの学校行事や親の介護などがあっても休みやすい雰囲気づくりを心がけています。

制服は35色のポロシャツを用意し、社員は好きな色を選んで良いとのこと。ユニフォームがかっこいいと職場に行くのが楽しみになりますね。

業績

ジュンコーポレイションはさまざまな取り組みが認められ、厚生労働省・経済産業省・群馬県優良企業にたびたび表彰され、多数の賞を受賞しています。

受賞歴

2003年 ガスインジェクションの技術を「群馬県1社1技術」に認定
2006年 「特定ものづくり基盤技術」に認定、「エコアクション21および群馬県環境GS(ぐんまスタンダード)」認証
2010年、2014年 労働基準監督署より表彰
2012年 プラスチック射出成形において、群馬県より「優秀技能者賞」受賞
2015年 「群馬いきいきGカンパニー(ゴールド)」に認証 2016年には奨励賞
2017年 厚生労働省「えるぼし」の三つ星に認定、三菱電機「グリーン認定証」取得
2018年 経済産業省「はばたく中小企業・小規模事業者300社」選定、群馬県「優良企業表彰」選定

技術系の女性採用も歓迎しており、若手社員は男性も女性も国家資格である技能士の取得を目指しながら働いています。係長職の50%は女性が占め、さまざまな部門で活躍しています。

社長が社員を幸せにして繁栄していくジュンコーポレイション

今回インタビューに協力いただいた株式会社ジュンコーポレイションは、小板橋代表の「社員を幸せにする」という熱い思いがとても印象に残りました。

企業サイトは小板橋代表が手作りで毎日更新し、技術や応用例、改善活動のひとつひとつが惜しみなく公開されています。各ページからは企業、社員、製品への愛情が本当に伝わってくるようでした。

ガスインジェクションという用語を初めて聞いた方もいるかと思いますが、ワクワクしながら読めて勉強になる情報が満載ですので、興味を持たれた方はぜひ企業サイトもチェックしてみてください。

この記事の専門家
小板橋代表プロフィールお写真2

小板橋 義和代表取締役

株式会社ジュンコーポレイション

2004年、株式会社ジュンコーポレイションの代表取締役に就任。財務体質が悪く、知名度の低い、この会社をどうすべきなのか、このままでは家族をも巻き込んでしまうであろうことに悩む日が続いた。ある時、家族が幸せそうに遊んでいるのを見ていて、ふと自分自身の幸せを感じた。愚痴をこぼす社員を見ていると気分悪く、楽しそうな社員を見ていると幸せを感じた。だったら、社員を幸せにするということが経営の理念でいいんじゃないか。笑われてもいいし、ダメだったら、それでしょうがないと決意して、常に迫られる選択肢には社員が幸せかという判断基準で経営してきた。

(本記事の情報は2019年12月時点のものです)

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