働きがい全国1位の企業、アクロクエストテクノロジー株式会社の取り組み

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鈴木 達夫組織価値経営部 マネージャ

アクロクエストテクノロジー株式会社

「働き方改革」が本格的に指導し、多くの企業がさまざまな取り組みを行っています。しかし、かえって「かえって働きにくくなった」「仕事の効率が低下した」と不満を感じる人も出てきているようです。

企業と社員を元気にしていくには、制度を整えるだけではなく、社員が働きがいを感じながら働ける環境が必要といわれます。

どうすれば社員が働きがいを持っていきいき働けるようになるのか、「働きがいのある会社」ランキング従業員25~99名部門で3回にわたって全国1位を獲得した「アクロクエストテクノロジー株式会社」にインタビューいたしました。

アクロクエストテクノロジー株式会社 鈴木マネージャインタビュー

GPTWジャパンが発表している「働きがいのある会社ランキング」の25~99人部門で、3回にわたって1位を取得しているアクロクエストテクノロジー株式会社。

GPTWが提唱する「働きがい」とは、目に見えやすい「働きやすさ」と目に見えにくい「やりがい」、この二つが兼ね備わっている状態を指しています。

これを実現させ、評価されたアクロクエストテクノロジー株式会社の取り組みについて、組織価値経営部の鈴木マネージャにお話をうかがいました。

全社員で行う会議、MA (Meeting of All staff)

編集者顔画像

いくつかあるアクロクエストテクノロジー株式会社 独自の取り組みのなかから、まずは「MA (Meeting of All staff)」についてお伺いします。

「月に1度、会社をよりよくするための制度や事業方針について、新人から社長までの全社員が話し合う会議」というMAは、若手や新人にとっては会社の制度などについて意見を通すことができるチャンスでもあり、なかなか他企業にはない素晴らしい制度ですね。

MAで議題にあがったテーマや、実際に決定した制度やルールには、どのようなものがありますか。

鈴木さんお顔写真

氷山の一角にすぎませんが、

  • 海外支社戦略
  • 時間有休の取得
  • リモートワーク制度の導入
  • 体操タイムの導入
  • 失敗共有会の実施
  • メディテーションタイム
  • リフレッシュ休暇
  • ギブミーバジェット制度
  • 全社禁煙
  • ビジョン・シェア・ランチ(VSL)
  • 配偶者誕生日休暇
  • 全社一斉コーヒーブレイク
  • 社歌

・・・などたくんさんの議題が話し合われてきました。


(ベストMA賞を渡されているシーン)

鈴木さんお顔写真

他にも「花一輪」というのがあります。これは、誕生日の人に社員が一輪ずつ花を買ってきてプレゼントするという文化です。

忙しい日々を送っていると、つい他人への愛や感謝を忘れがちだと思います。ただ、社員の誕生日には、花を一輪渡しながら、感謝や期待を伝えたりする日となっています。

花一輪の日は特に社内が温かい雰囲気に包まれますね。


(花一輪の様子)

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花一輪、すてきな文化ですね。温かい雰囲気が伝わってきます。

様々な議題があげられるMAですが、若手や新人も積極的に参加して前に立たれているのですか。

鈴木さんお顔写真

若手や新人も実際に積極的に参加していますよ。時には出た議題の半分が若手からの提案だったりする会もあります。

若いほどフレッシュな目で会社を見て、「このルールはおかしいんじゃないか」「こうしたらもっと会社がよくなるのではないか?」という意見を持って積極的に参加していますね。

全社員で給与を決める、Happy査定360

編集者顔画像

「全社員が給料を決定する査定会に参加する」ということですが、驚きの形態であり正直その雰囲気がイメージしづらい、というのが本音です。

雰囲気はどのような感じなのでしょうか。

鈴木さんお顔写真

基本は和やかな雰囲気で進みますよ。お酒も、仮装も(!?)、OKなので、フランクにお互いの成果について考えます。

Happy査定360は給与を決める場でもありますが、本質は「その人がより成長するためにはどうすればよいか」を考える機会ですので、時には厳しい意見もあります。

ですが、裏にはその人への愛があるので、成り立ちます。

それがベースにあるという共通認識があることで、お互い感情的にならず、周りの意見をもとに自分と向き合うことができるのだと思いますね。

編集者顔画像

では、実際に出た意見で大きく給与額がアップした例はありますか。

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多くの査定項目をもとに査定していきますので、一つの意見で大きく額がかわるようなことはありません。

ただ、開発プロジェクトで成果をあげるだけでなく、採用活動や社員教育に関わったり、後輩の面倒見がよい、などの意見がまわりからでて、評価されていく例は、多数あります。

それも、360度から、その社員の活躍を見ている人たちが査定に参加するからこそ、そのコミットが正しく評価できるのだと思います。

取り組みを実施したことによる効果

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MAやHappy査定360といった独自の取り組みをされて、効果が感じられたことはどのような点ですか。

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より社員がイキイキと働くようになりました。また、会社の成長やお互いの成長に向き合うようになり、自主性が生まれ、より社員がいきいきと働けるようになったと思います。

目に見えてかわった点といえば、特に社員の視野が広がりましたね。

ベテランでも若手でも、自分のプロジェクトだけでなく、幅広く会社創りに関われる風土がMAなどにより根付いたことにより変わった点だと思います。

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嬉しかった!という社員の方からの感想はありますか。

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感想ではないのですが、これらの独自の制度があったから、この会社に入社しました、と、就活の時を振り返って社員から言ってもらった時は、嬉しいですね。

実際に、それらの社員が、MAなどで会社のことを考え、議題を出す、発言するなど行動が見れるときは、さらに嬉しいです。

独自の取り組みについて、不満の声は出たことがない?

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取り組みについて、社員の方からの不満のお声などは過去にありましたか。その意見を受け改善されたケースがあれば是非、教えていただきたいです。

鈴木さんお顔写真

不満、というわけではないですが、うまくいかないので何度もルールを変えていく、ということはあります。

例えば、先に触れた花一輪ですが、元々誕生日の日ごとに花を渡していました。しかし、それだと買いに行く頻度が増え大変だから月ごとにまとめて渡したらどうか、という意見がMAで出ました。

そしてその意見が通り、その月の誕生日の人には、その月のMAで、一斉に花を贈るという形で実施するようになりました。

しかし今度は、月ごとにまとめて渡す形だと、一人一人に感謝の気持ちなどを伝えられないという意見が出て、またMAで話し合い、この取り組みの本質である誕生日の人を祝う / 感謝を伝えるという点を再認識し、日ごとに渡す制度に戻るということがありました。

まずはやってみて、よくなかったら改善していけるという点も、ある意味全員で話し合う文化、MAの良さではないかと思います。

社内制度や取り組みの展望

鈴木さんお顔写真

具体的な新たな取り組みについてはまだ公開できませんが、ただ、これからの時代、リモートワークや副業、週4日勤務など、様々な働き方や仕事観が生まれてくる中で、いかに一人一人がイキイキと働けるためにはどうすればよいか?自分たちはどうあるべきか?という部分は突き詰めていきたいですね。

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個々が希望する働き方や仕事への考え方に理解を示し、会社と社員の双方が納得できる環境を全員でつくりあげていく‥まさに、アクロクエストテクノロジー株式会社の”全社員でイキイキと幸せに働ける環境づくりをする”という社風そのものですね。

「働きがいのある会社」として評価される理由がありありと伝わってくるお話をたくさんうかがえました。

鈴木マネージャ、本日はありがとうございました!

アクロクエストテクノロジー株式会社のご紹介

今回のインタビューに協力いただいた「アクロクエストテクノロジー株式会社」について紹介いたします。

横浜市にあるアクロクエストテクノロジー株式会社は、最先端技術を駆使してシステム開発を行っているITコンサル会社です。

創業から「地球を感動で進化させる」の使命を掲げ、1991年の設立より3つの力「開発力」「コンサルテーション力」「テクノロジストチーム力」によってサプライズを世に送り出し続けてきました。

現在は、IoT(モノのインターネット)、ビジネス改善に向けた「システムビッグデータ」の可視化、そして、ビッグデータを用いたミャンマーの発展支援の各分野で開発を行っています。

事業内容

アクロクエストテクノロジー株式会社は、約30年かけて培ってきた「システム開発+データ分析・活用」の技術を強みとし、企業がビジネスへの価値を最大限に発揮できるようサービス・ソリューションを提供しています。

事業の一例

「富士山チャレンジ」
2015年より、ビーコンを用いたシステムを用い、登山者の動態を可視化、安全を確保し、防災につなげる実証実験に参画
JAXA、国立天文台、京都大学による「JASMINEプロジェクト」
天文学における究極のテーマ「銀河系考古学」の解明に向け、高精度な星の地図を作るプロジェクトに協力、人工衛星「JASMINE」が撮影した衛星画像を分析しプログラムを開発
営農支援システム「RightARM」
テラスマイル株式会社と共に、IoT・AIによってハウス栽培における収穫量を予測するシステムを開発

ログ分析による異常検知検証、宿泊施設予約システム、医療ビッグデータ分析…など、ほかにも多数の開発実績があります。

このように、研究所に匹敵する最先端技術で世界的に評価を得ているアクロクエストテクノロジーですが「働きがい全国1位」の企業としてたいへんユニークな取り組みをおこなっていることでも大きな注目を浴びているのです。

「働きがいのある会社ランキング」1位を受賞!

アクロクエストテクノロジーは、社員の働きがいがある企業づくりに力を入れ、様々な賞を受賞してきました。

受賞歴

「働きがいのある会社」25~99人部門
ランキング第1位(2015年 、2016年、2018年)2位(2017年)

「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞 審査委員会特別賞(2015年)
「健康経営優良法人」認定(2018年、2019年)
「横浜健康経営認証」最高ランクAAA(2017年、2018年)
「よこはまグッドバランス賞」4度認定
ほか

「働きがいのある会社ランキング」は、3回にわたって1位を取得、もう「殿堂入り」と言っていいレベルではないでしょうか。

この「働きがいのある会社ランキング」ですが、GPTWという団体が世界45か国で共通の基準で行っている調査で、GPTWジャパンが行っているのは、その日本企業版となります。

第三者の視点で順位が決まるのではなく、実際に企業で働いている人の判断でスコアの決まる点が大きな特徴です。つまり、ただ会社の制度が整っているだけでなく、実際に社員が充実感を持って働いていなければ評価されない、ということになります。

このGPTWが提唱する「働きがい」は、目に見えやすい「働きやすさ」と目に見えにくい「やりがい」、この二つが兼ね備わっている状態を指します。

  • 働きやすさ…快適に働ける就労条件・労働環境
  • やりがい…仕事へのモチベーション、誇り、連帯感

ただ働きやすいのが優良な企業というわけではなく、従業員が「働きやすさ」と「やりがいを」の両方を感じていることが重要で、実際に従業員が働きがいを感じている企業は業績も上がりやすいことがわかっているそうです。

アクロクエストテクノロジーは「チームの垣根を越え、各分野のスペシャリストが横連携できる風土」をモットーに、社員が総動員でプロジェクトに取り組んでいます。

社員ひとりひとりが働きがいをしっかり感じているからこそ、その連帯感を作り出すことができるのでしょう。

働きがいを高める組織の取り組み

アクロクエストテクノロジーは、社員のことを考え、このような取り組みを行っています。

MA (Meeting of All staff)
社員全員が出席して社内ルールを決める会議「Meeting of All Staff(通称MA)」を月1回実施しています。

新入社員も社長も同席し、会社の方針や取り組み、自分たちが働きやすい環境やルール、社員のあり方について、社員それぞれが提案していきます。

  • 海外支社戦略
  • 「花一輪」制度
  • 全社一斉コーヒーブレイク
  • 失敗共有会
  • 配偶者誕生日休暇
  • ビジョン・シェア・ランチ

…など、MAの議論によって実現した案は多数あります。

合意にいたるまでは時間をかけて本音で話し合いが行われます。この、全員で会社の未来を切り拓こうとするパワーが、社員同士の一体感や信頼感につながっていきます。

Happy査定360
アクロクエストは、全社員の給料も全社員で話し合って決めます。Happy査定360では、査定会に全社員が参加し、お互いの成果や能力に見合った査定を行っていきます。
花一輪
MAから生まれた習慣の一つ。誕生日の社員に、全社員から花を1輪ずつプレゼントします。誕生日を迎えた社員の机は、全社員の想いがこもった大きな花束が1日中飾られるのです。
「ほめキングコンテスト」と「サンクスカード」
素晴らしい行動をした人をほめる制度「ほめキングコンテスト」を行い、素晴らしいことをした人にサンクスカードを渡します。
健康への取り組み
「健康企業宣言」に取り組んでおり、社員が心身健康に働ける環境づくりに取り組んでいます。(全社禁煙、体操タイム、サラダバー、「帰ろう8ボード」導入など)

「働きがいのある会社を増やしたい」という熱い想い

アクロクエストテクノロジーは「社員がいきいき働ける会社をもっと増やしたい」という思いから、視察受け入れ、講演、「組織いきいき実践勉強会」を通し、自社のノウハウを提供しています。

また、新免玲子取締役副社長が、2冊の書籍にて、いきいきした組織を作るため実際に行っている取り組みを伝授しています。

「給与も賞与も、社員みんなで決めてます」
( あさ出版 )
30年近くかけて「日本でいちばん働きがいのある会社」を作り上げるまでの試行錯誤や努力を細かくつづっています。

会社を元気にする51の「仕組み」
(日本実業出版社 )
社員が働きやすくて成果が出る51の「仕組み」を紹介しています。

社員の大半が”理系大学院出身の男性エンジニアさん”ということで、初めは静かな職場で皆さんが真剣に仕事に取り組むイメージも持っていたのですが、実際には元気で活気のある職場で、とても良い雰囲気に、働きがい全国No.1が納得できたのでした。

アクロクエストテクノロジー株式会社が行っている取り組みの中には、すぐ取り入れられるものがあるかもしれません。皆さんも、まずは会社で「こちらの会社の取り組みがすごいですよ!と」と話題に挙げてみてはいかがでしょうか。

この記事のご協力者様

鈴木 達夫組織価値経営部 マネージャ

アクロクエストテクノロジー株式会社

1973年生まれ。静岡県出身。千葉大学大学院自然科学研究科を卒業後、高い技術力と何でもできる自由な社風に惹かれて、新卒でアクロクエストテクノロジーに入社。新人の時から、技術プロジェクトだけでなく、新卒採用チームに加入。入社3年後、さまざまなことに挑戦したい、と考えて、組織価値経営部に異動。現在は、人事、総務、経理、広報、ミャンマー支社サポートなど、多くの業務に従事している。東京都健康保険局や神奈川県保健福祉局主催のセミナー等で、禁煙に関する同社のユニークな取り組みを、多数講演。

(本記事の情報は2019年12月時点のものです)

 

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