設立4年目でえるぼし最高位認定企業になったファーストコネクトの取り組み

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宮副 俊彦代表取締役

株式会社ファーストコネクト

歯科衛生士の求人倍率は2018年で約20倍まで上昇するなど、現在の歯科業界は深刻な人手不足に陥っています。

そのような中で、ある企業が立ち上がり、歯科従事者の安定的な雇用の促進に貢献しています。それが今回ご紹介する「株式会社ファーストコネクト」です。

こちらの会社は女性が活躍する職場でもあり、設立からたった4年で女性活躍推進法に基づく「えるぼし」最高位(三ツ星)認定され、様々なメディアから注目を集めています。

そこにはどのような努力があったのでしょうか。えるぼし最高位認定企業になった取り組みについて、株式会社ファーストコネクトの宮副俊彦代表取締役にお話をうかがいました。

株式会社ファーストコネクト 宮副代表取締役インタビュー

2014年設立の新しい会社でありながら、すでに歯科医療の発展に大きく貢献している株式会社ファーストコネクト。

勢いのあるベンチャー企業がえるぼし最高位認定企業となるまでの取り組みを、宮副代表にインタビューいたしました。

株式会社ファーストコネクトの、えるぼし認定取得に向けての取り組み

編集者顔画像

厚生労働省ページでは、認定項目として「採用」「継続就業」「多様なキャリアコースなどが掲載されておりますが、それぞれについて貴社が行った取り組みについてお聞かせください。

宮副代表お顔お写真

実は、そもそも弊社がえるぼし認定取得を検討したきっかけとしては「すでにある程度の要件を満たしているのではないか」と考えたからなんです。

弊社は創業以来、採用にはずっと積極的な姿勢でおりまして、応募者にPRできるような認定は積極的に取得していこうと考えていました。

そんな中えるぼしの存在を知ったわけですが、当初は大企業向けの制度かと思っていたものの、弊社では多くの女性社員が活躍しており、人数的にも男性よりも女性が多い状況でした(今もですが)。

そこでえるぼしについて調べてみた結果、十分に認定取得のチャンスがあると考え、人事マターとして取得に向けて動きだしました。

最初は最高位ありきではなかったのですが、一定の制度設計を追加すれば取得できる!との担当者の熱意によって最高位を目指すことにしました。

編集者顔画像

もともと女性が活躍されていた企業であったことに加えて、宮副代表取締役が自ら積極的にえるぼし取得に向けて関わりを持ち、さらにご担当者様の熱意があり最高位を目指されることになったのですね。素晴らしいです。

宮副代表お顔お写真

とはいえ数値の集計や言葉の定義の確認、申請書類の作成など事務的な手間がかなりかかりますので人的リソースの少ないベンチャー企業にはそれなりに負担はあり、実務の担当者は正直大変そうでした。

しかし、認定のために女性を多く採用したり、女性管理職を新たに登用したりする必要はありませんでしたのでそこは幸いであったと思います。元から活躍してくれていた女性社員のみなさんには感謝しないといけませんね(笑)。

宮副代表インタビューお写真1

宮副代表お顔お写真

もちろん、制度的に不足している部分はあって、具体的には産休育休明けの復職者に対する研修の実施や産休育休中の社員に対するコミュニケーション窓口を新たに作ったりしました。

これらは実際に弊社に不足していた部分だったと思いますし、よりよい企業文化を作るための良い機会であったのではないかと思っています。

なぜ女性の活躍推進に積極的に取り組まれたのですか

編集者顔画像

設立4年目にして最高位の3段階目を認定されるとは、快挙であると思います。なぜ、貴社は女性の活躍推進についてここまで理解が深いのでしょうか。

宮副代表お顔お写真

正直に言いますと、弊社がとりたてて「女性に活躍して欲しい」と考えているのかと言われますとそんなことはありません。当然、男性社員にも活躍して欲しいですし、実際に活躍してくれている男性もたくさんいます。

一方で、今までの私の社会人人生の中で、能力や熱意が高いものの働き方に制限があるがために活躍の機会が十分に与えられない方を数多く見てきました。

典型的なものは「子供の送り迎えがあるので長い時間は働けない」という方が特定の職種にしか就けなかったり管理職になれなかったりするパターンで、結果的に女性が多いと感じていました。

それらは本人はもちろん、会社的にも社会的にも損失だなと思う気持ちもあり、逆に言えば例えば「残業0でも管理職になれる!」みたいな会社にすればよい人が集められるかもしれないということも考えたりしていました。

実は弊社も創業当初は管理職のMTGを朝や夜の時間外に実施することが多く、実際に子育て中の社員は参加できない(≒実態面としては子育てをしながらでは管理職になれない)状況でした。

編集者顔画像

なるほど。では、その点についてどのように改善されたのでしょうか。

宮副代表お顔お写真

当時はそのせいでチャンスが与えられない人がいた訳ではないのですが、そもそもそんな状況では良い人が集まったり、チャンスをめがけて頑張ろうとも思わないだろうと考え、現在では早い段階で重要な会議の時間を変更したり、勤務時間を融通して特定の人だけのシフトも運用したりしています。

とはいえ、全員にバラバラのシフトを許容することも今のところできませんので、「会社が融通をきかせて活躍の機会を作る」ことと「フェアネス」のバランスをどうとるか、特別扱いされていない多くの社員がどう前向きに協力する企業文化を醸成するか、といったことが今後重要になってくると考えています。

取り組みの中で特に大変だったこと

編集者顔画像

現在の制度を整えるまでに、ご苦労されたことにはどのようなことがありましたか。

宮副代表お顔お写真

先ほどお話ししたとおり、制度をがらっと変えたり配置転換をしたりしたわけではないので、社内に混乱をきたす等の問題は起きませんでした。

人事以外はえるぼし認定取得のプレスリリースが出るまで何か動いていたことも知らなかったと思います。

取得を目的としてそのために何かを変えた、というよりも、現状の我々でもチャンスがあると考えて取得に動いた、という感じです。

人手は足りなかったので、採用活動や広報をしながら申請などに必要な工数を確保するのは大変でした。

編集者顔画像

”認定を得るために体制をかえるわけではない”ということは当然なのですが、それでも宮副代表取締役のお言葉には、「か、かっこいい~…!」と痺れさせられるものを感じました。

取り組みを実施したことによる効果

宮副代表お顔お写真

この手の取り組みは定量的に効果を計ることは難しいのですが、えるぼしについてはやはり注目度が高いと感じます。

弊社の求人に応募してきてくれる方で一定数認定取得のことをご存知の方もいらっしゃり、基本的にはポジティブな印象をもってくれています。これはまさに弊社としての狙いでもあるので嬉しいですね。

あとは、意外だったのは取引先の会社さんや金融機関さんで認識してくれているところもあることです。

えるぼしって超メジャーな制度ではないですし、一般認知度合いも正直微妙だとは思うのですが、実際知っている方は簡単に取れるものではないし、ベンチャー企業で取得しているケースは非常に少ないとわかってくれますのでみなさん驚かれますね。

既存の社員はあまり意識していないと思います。今も昔も女性が多い職場で、女性が活躍していますので特に変化はないのではないかと(笑)。

編集者顔画像

女性の活躍推進にかかわる取り組みに対して、実際に働かれている方よりも、求人応募者や取引先の方がご存知でありその反応がわかりやすい…というのは、ここまでお話を伺っていて株式会社ファーストコネクト様らしいと感じました(笑)。

女性活躍にかかわる取り組みの展望

宮副代表インタビューお写真2

宮副代表お顔お写真

弊社は決して「女性だけに」活躍して欲しいわけではないのですが、「女性にも」活躍して欲しいですし、ライフイベントやそれらによる制約で活躍の機会が制限されるケースはなくすべきだと考えています。

一方で弊社はバリバリのベンチャー企業ですので性別年齢問わずパフォーマンスに対する要求水準も高いですし、評価も結果に対してシビアです。もちろんそれは子育て中の女性社員であっても変わりません。

「ファーストコネクトであれば女性であっても仕事をしやすい」は我々の望む姿ではありますが、それは事情があればパフォーマンスを出さなくても許されるからではなく、事情があってもパフォーマンスを出すために努力をする人に対しての支援を惜しまないからです。

「女性だけど」、成果を出したい、責任のある仕事をしたい、ビジネスパーソンとして成長したい、という熱意と能力をもった方たちはたくさんいるはずです。

しかし、多くの企業では家庭とキャリアのどちらかの選択を迫られ、どちらかをあきらめる方がたくさんいます。

ハッキリ言うと札幌では東京よりも顕著でしょう。繰り返しになりますがこれは本人にも悲劇ですが、社会的にも大きなマイナスです。

働き方改革云々でふわっと労働者全体の立場を強くするよりも、「ポテンシャルがあるのに制約条件があって実力を発揮できていない人たち」にも機会を与えられるようにするべきだと私は思うんです。

そして、その人たちを受け入れられる制度や文化を持っていることは企業側にとっても大きなチャンスだと思います。

ファーストコネクトがそういった女性たちの活躍の場となって、彼女たちとともに成長していくことができると最高ですね!

編集者顔画像

特に女性で、事情があるからと諦めざるを得なかった活躍の場が、株式会社ファーストコネクトではしっかりと支援され現実のものとなっていること、よくわかりました。今後も、「株式会社ファーストコネクトで実力を発揮したい!」という女性からの応募が増えそうですね。

本日は大変ありがとうございました。

株式会社ファーストコネクトのご紹介

今回のインタビューに協力いただいた株式会社ファーストコネクトの事業内容を紹介いたします。

株式会社ファーストコネクトは、札幌から全国を商圏として、歯科、介護従事者向けの人材紹介サービス等を行っている会社です。

運営事業
  • 歯科業界、介護業界特化型人材紹介サービス「ファーストナビ」
  • プロの口コミが見られる歯医者ガイド「プロレコ」
  • 介護求人検索サービス「ジョブコロ介護」

2014年設立の新しい会社でありながら、すでに業界のリーディングカンパニーに成長し、顧客のニーズにマッチしたサービスを提供することで歯科医療、介護業界の発展に大きく貢献しています。

「社会のひずみを解消し、四方よしを実現します」を企業理念に、顧客、社会、従業員、会社の「四方」が幸せになるサービスを心がけています。

企業理念
企業理念「社会のひずみを解消し、四方よしを実現します」

「四方よし」は、良い商売の理念をあらわす格言「三方よし」から派生した造語です。売り手と買い手が満足するだけでなく「従業員も幸せを感じるべき」との考えから、三方に「従業員」を加えた「四方よし」の理念が生まれました。

「社会のひずみ」とは、解決すれば会社や社会がもっと良くなる問題、例えば、歯科従業者の離職率が高く就業率が低いため、歯科従業者が不足して医療の質が低下してしまう問題を指しています。

ファーストコネクトは、こうした社会のひずみを解消するため「ファーストナビ」のサービスを通して、求職者や事業所が抱える就転職上の問題を解消し、歯科従事者の安定的な雇用を促進していきます。

従業員は顧客(求職者や事業所)に価値あるサービスを提供し、顧客が発展すれば社会も発展していく。会社は社会に必要とされる企業として発展していく。そして会社は従業員の貢献に感謝することで、従業員に新たな活力がみなぎる。

…これがファーストコネクトの目指す「四方よし」のサイクルです。サービス運営によってこのサイクルを繰り返すことが、ビジネスの好循環を作り出していきます。

ファーストコネクトの事業内容

ファーストコネクトは、求職者と事業所の間に入って、両者にとって有用な情報を収集し、精度の高いマッチングを実現しています。

運営する人材紹介サービスは、求人の量、マッチングの質で共に定評があり、2014年サービスの開始からユーザーが全国へ急速に広がっています。サイトの見やすさ、事業所の場所が一目で把握できるマップ検索機能も好評です。

ファーストナビ歯科衛生士・ファーストナビ歯科医師
業界最大級の歯科衛生士、歯科医師に特化した求職サイト。全国の歯科医院に対応し、業界に精通した転職エージェントが、求人情報の紹介から入職準備までフルサポートを行います。
ファーストナビ介護
業界最大級の介護職専門の人材紹介サービス。豊富な求人を用意しており、介護従事者を対象に、専任の転職エージェントによる転職支援サービスを提供しています。
プロレコ歯医者
プロの口コミ9,000件以上を掲載した歯科医院の検索サイト。歯科医師や歯科衛生士の口コミに限定し、宣伝目的のコメントを除外した、信頼性の高いサイトです。全国にある歯科医院の詳しい情報がわかります。
ジョブコロ介護
2019年6月に開始した、介護職に特化した求人検索サービス。求職者が職場をイメージしやすい求人情報を提供しています。

企業づくりの取り組み

ファーストコネクトは「何をするか」ではなく「誰と仕事をするか」を大事にしている企業です。

「どんな人たちを仲間とし、どんな価値観を共にしたいか」「どんな組織でありたいか」にこだわり、そうして集まったメンバー同士で組織を拡大し続けています。

ファーストコネクトは学歴・経歴不問で採用を募集しており、集まる社員は未経験者から経験豊富な転職者まで経歴もさまざまです。

社員の教育体制は整っているため、未経験でも転職でも実務を通し、スキルを習熟していくことができます。実際に、他業種から入社された方がたくさん活躍していらっしゃいます。

原則として残業・仕事の持ち帰りは禁止、土日祝休、年3回の長期休暇、産休・育休を取得しながら働けるなど、女性もライフイベントの変化に合わせて働きやすい職場です。実際に社員の男女比は、4:6と男性より女性のほうが多めです。(2019年現在)

職場は風通しが良く、社員の誰もが互いに思ったことを話せるフラットな環境が自慢です。その良い空気の中で行われる活発なコミュニケーションが生産性を高め、就業時間内の業務遂行、残業ゼロを実現することへつながっています。

福利厚生も充実しており、社員のインフルエンザの予防接種や歯科メンテナンスにかかった費用も全額補助しています(2019年現在)。こうした補助をしている例は他になく、まさに社員の健康面やデンタルIQにまで高い意識を持つファーストコネクトらしい取り組みといえるでしょう。

ファーストコネクトの業績

ファーストコネクトは、2014年に東京で創業、2015年に札幌へ拠点を移しました。電話、メールなど利用した営業スタイルをとり、設立2年には歯科特化型人材紹介サービスのトップシェアをほこる企業に急成長しました。

「ファーストナビ」は歯科衛生士・歯科医師・歯科専門学生から最も選ばれる求人サイトとなっています。※2018年5月実績(ファーストコネクト調べ)

また「プロレコ歯医者」は、その独創性や革新性、便利さなどが高く評価され、たびたび賞を受賞しています。

受賞歴
2017年7月 札幌市「ワーク・ライフ・バランス企業」認証
2017年12月 厚生労働省「えるぼし認定」最高位三つ星認定
2018年1月 札幌市「SAPPOROベンチャーグランプリ」優秀賞を獲得
2018年7月 経済産業省「おもてなし規格認証」認定
2019年1月 札幌商工会議所「北の起業家」表彰奨励賞を受賞
2019年10月 「プロレコ歯医者」がNoMaps「NoMaps NEDO Dream Pitch” with 起業家万博」審査員特別賞を受賞

2017年7月には「ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)」に積極的に取り組む企業として、札幌市から「ワーク・ライフ・バランス企業」に認証されました。

また、インタビューにもお話が出てきましたように、もともと女性が多く活躍していたことからも、2017年12月15日付で道内ベンチャー初の「えるぼし」最高ランクに認定されています。

産休中・子育て中の正社員が在籍しているベンチャー企業はそれほど多くないといわれていますが、ファーストコネクトは男性社員の2人に1人がパパ、1割程度のワーキングママが働いています。

時短勤務制度が利用できるので正社員のママも働きやすく、産休・育休を取得された方の100%が育児休暇後に復帰しています。

まさに「四方よしを実現」のミッションどおり、社員の働きやすい環境を整え、それによって社員がやりがいをもって働くことができ、その力で企業が社会へ貢献できている…というグッド・サイクルが目に浮かびます。

四方よしの精神で男性も女性も輝きながら働けるファーストコネクト

今回ご紹介した株式会社ファーストコネクトは、仕事を通して医療・福祉業界に貢献し、大きなやりがいが得られる会社です。

これだけ勢いのあるベンチャー企業でありながら残業がなく、決められた時間内にしっかり成果を出すスタンスを実現しています。

ファーストコネクトが掲げる「四方よし」の精神にあるように、社員が幸せを感じながら働いて会社や社会を発展させていく形はどの企業も見習うべき、日本の労働文化としてもっと浸透していくと嬉しいですね。

この記事の専門家
宮副代表お顔お写真2

宮副 俊彦代表取締役

株式会社ファーストコネクト

1979年生まれ。東京都出身。早稲田大学第一文学部卒業後、2001年株式会社ゴールドクレストに入社。ゴールドクレスト退職後、2004年株式会社エス・エム・エス入社。スタートアップの設立第2期からマザーズ上場、東証一部上場まで経験。2014年株式会社ファーストコネクトを設立し、代表取締役に就任。
同社が運営する歯科従事者特化型人材紹介サービス『ファーストナビ』は業界トップシェアを誇る。

(本記事の情報は2019年12月時点のものです)

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