就活うつとは、就職活動や転職活動をしていく上でストレスや重圧などに耐えきれなくなり、精神にまで悪影響を与えてしまう状態のことを指します。

「たかが就活で？」と思う人もいるかもしれませんが、就活がうまくいかないことでうつ病にまで進展してしまうこともあるんです。

一度就活うつを引き起こすとそこから修復していくのはとても難しいとも言われ、そのまま引きこもりになることもあるんですよ。

だから、「就活なんて短い期間だけだから大丈夫だろう」と簡単に考えてかかってはいけないんですね。

就活になってしまう原因やその症状、さらにどのように改善していくことができるのかについて考えていきましょう。

就活や転職活動をしている過程でうつになる、就活うつが増えている

現在、就活うつになる人は7人中で1人の割合もいると言われているほどなんです。現代は、特にストレス社会でもありますから、昔よりも就活うつになりやすい環境でもあると言えるかもしれません。

就活うつが長い期間続いてしまうと、マイナスな思考がさらに共鳴してしまい自殺をしてしまうという最悪な結果になることもあります。

就活うつで今悩んでいる人も、今自分自身で少し危惧している場合にも。就活うつを進行させないために、原因と対策を知っておくのはとても大切なことだと言えるでしょう。

就活うつになってしまうのはどうしてなのか

それでは、どうして就活うつというものになってしまうのでしょうか。それには大きな理由が2つあるんです。

企業から内定してもらえない状態が、何度も続いてしまう

まず、就活に面接は欠かせません。面接を受けるために身なりを整え、履歴書もしっかりと記入して準備し、さらに当日の受け答えも完璧にしておくところから始まります。

頑張って面接を受けますが、それでも内定がもらえなければ何度も続けて面接に行かなければならなくなります。

不採用になった場合に企業から連絡はもらえますが、どうして不採用になったのか…という理由などは教えてもらえません。

どうして自分が不採用になったのか、あれこれ考えながら納得のいかない状態のまま次の面接に向かうのは、やはり相当なストレスになってしまうことでしょう。

そしていつまでも内定がもらえないことで、少しずつ自分に自信が持てなくなっていってしまうのです。

周りの友人が次々と内定を決めていってしまう

「就活モード」にただただ飲み込まれてしまい、流れで活動してみるものの結果が出せずうつになってしまう場合があります。

自分の友人も同時に就活をしているわけで、その友人が内定をもらえればすぐに連絡が来るでしょう。

そしてそれを聞いて、「どうして自分だけ内定がもらえたんだ」とか、「やっぱり自分はダメな人間だから…」などとネガティブな気持ちになりやすくなります。

今はSNSを使っている人がほとんどですから、本人から直接連絡はなかったとしてもそのようなツールを使って知ってしまうこともあるでしょう。

就活うつチェック。就活うつに見られる症状

それでは、就活うつというのはどのような症状のことを指すのでしょうか。これから説明する症状に自分も当てはまっていないか、そのあたりを考えながら読んでみてください。

• 同じことばかりずっと考えてしまう
• なかなか寝つけられなくなった
• 食欲が落ちる
• 自分に価値がないと思うようになる
• 腹痛や頭痛悩まされている
• 一日を通して体がしんどく感じる
• 気分が常に落ち込んだ感じになってしまう
• 何をしていても楽しくない

いかがでしょうか。もし自分にも似たような症状があることに気づいたなら、あなたは就活うつ予備軍なのかもしれませんよ。

心身の症状以外では、

• 面接に行きたくない
• 自己PRや志望理由が思いつかなくて頭が真っ白になる
• 応援してくれている親への反発

という状態もみられます。

志望理由は受ける会社ごとに新しいものを考えなくては、と思いつめ、また自己PRでは不採用が続くため「これは自分だけの強みなのか？」「むしろこの自分のアピールが良くないのかもしれない」など負の思考が止まらなくなり、何も考えられなくなってしまいます。

元々どんな性格なのか、ということは就活うつに関係しやすい

実は、性格によっても就活うつになりやすいタイプがあると考えてられています。

これから紹介するタイプだと就活うつに陥りやすくなるので、注意が必要だと言えるでしょう。

柔軟性が低くプライドが高い

人生に失敗はつきものですし、むしろ失敗を通じて学ぶことは多いですよね。

しかし、失敗することを自分の中で許せなかったりする人は就活で認められないと耐えられなくなってしまいます。

そもそも面接というのは、面接官からいきなり全く関係のない質問をされたりすることもよくありますよね。

柔軟性があればそんな時にもうまく答えたりできますが、そうでない場合には何も答えられない…ということもあるかもしれません。

プライドが高いゆえに周りの友人にも相談できなかったりすることも多いので、一人で悩みを抱え込んでしまうのです。

これまで大きな失敗というものを経験したことがない

これまで生きてきた過程の中で、大きな失敗をしたことがないという若い人は意外と多いかもしれません。

そういった場合には、失敗をするという状況にまだ自分が置かれたことがないわけです。

だから内定をもらえないという大きな失敗を初めてしてしまうことで、自分の気持ちがキャパオーバーの域に達してしまうことがあるのです。

さらに、こういった人は親の期待に応えようと本気で努力していることも多い傾向にあります。だからこそ失敗はできない、という思考になってしまうのかもしれません。

自分を責めやすい性格をしている

就活だけに限らず、別の事で失敗をしてしまった時にいつもどんな考え方をしているかを思い返してみてください。

すぐに「自分のせいでこうなってしまった、自分のやり方が悪かった」と思ってしまう人は、自責的な性格の持ち主であることが分かりますよね。

自責的な場合、つい物事を悪いように考えやすいので損をすると言えるんです。

就活うつになった時に自分でできる対策

上記で紹介してきた就活うつの症状に自分もなっていると気づいたら、決してそのままにしないでください。

ここできちんと対策をするかどうかで、この先の人生も変わってくると言っても過言ではないのです。

では、これらの症状を改善していくためにどのように対策をすることができるでしょうか。

自分本位で物事を考えることができるようにする・身勝手になってみる

就活をしているからといって、常に人の顔色ばかりを伺っていく必要はないのです。たまには自分本位になってワガママを言ったっていいんですよ。

上の項目でも触れましたが、SNSで友人が内定をもらったという情報を知りたくない場合は通知オフにしておいたりすることもできますよね。

今は自分のことだけに集中するべきですから、周りのことでいちいち落ち込んでいる暇はない時期でもあります。こんな時くらい、身勝手になってみてはどうでしょうか。

そして、面接の時には第一印象がとても大事になりますから、自分に自信を持っている人はやはり好印象になりやすいんです。

就活で意識しておくべきなのは他人ではなく自分の頑張りをしっかり認めて、信じてあげること。

このようにして自分の気持ちを少しずつ高めていけば、その気持ちがきっと表情にも反映されるようになるでしょう。

ちょっと休憩して心を休ませる、気分を切り替える

何度も面接に失敗しているのに、また次の日に別の面接に向かわなければならない…この状況は本当に過酷なものです。

しかもまだ人生経験においても未熟な学生ですから、何度も失敗していくうちに思い詰めてしまうのも無理はありません。

就活うつの兆しが見えているなら、一度就活をストップさせてみることをオススメします。面接の予約をキャンセルしてしまうこともあるでしょう。

お休み期間の間は、自分の好きな趣味などに没頭して気分をリフレッシュさせてみてください。そうすると、また新しい視点なども見えてくるかもしれませんよ。

もう何も考えられない状態ならば、とりあえず心療内科へ足を運ぶ

「趣味だなんて、今はとてもそんな気になれない。そんな事していられない」という気持ちで何もしたくない状態ならば、無理にする必要はありません。

その代わり、一度心療内科に足を運んでみることをぜひオススメします。

心療内科というとハードルが高いように感じるかもしれませんが、そんなことはないんですよ。先生は優しくて話しやすいですし、しっかりと自分の話を聞いてもらえます。

「誰かに真剣に話を聞いてもらう」ということは、ふさぎこんだ気持ちを改善するためにとても効果のある方法なんですね。

さらに専門の医師によるアドバイスなども受けられるのでためにもなりますし、気持ち的にもかなりスッキリすることができるんですよ。

就活で悩むことも人生においての勉強なので、思い詰めることなく人生を進もう

就活で思い悩んでいる時期でさえも、あなたにとって大事な人生のヒトコマです。全ては自分の人生の糧になっていくわけです。

思い詰めて考えすぎて就活うつにならないように、なるべくマイナスに考えないように意識しておくことは大切ですよ。

そして、自分に就活うつの症状が少しでも現れていると感じたならば、ちょっと休んでみることも必要なのです。

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