産業カウンセラーの魅力。オフィス秋山 秋山代表インタビュー

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この記事の専門家

秋山 幸子代表

株式会社総合心理研究所 オフィス秋山

社員の健康管理に積極的に取り組む企業は増えてきましたが、メンタル管理がきちんとできている企業はまだ多くはないようです。

そこで静かな注目を浴びているのが「産業カウンセラー」です。産業カウンセラーは働く人のこころを守る専門家。カウンセリング業に興味がある方にはチェックしていただきたい分野の仕事です。

今回は「株式会社総合心理研究所 オフィス秋山」代表の秋山幸子様より、今後の産業カウンセラー業界の展望、産業カウンセラーを目指す方へのメッセージなどをうかがいしました。

産業カウンセラーの魅力とは。オフィス秋山の秋山代表にインタビュー

「メンタル経営」をキーワードに職場のメンタルヘルスを手厚くサポートしている、株式会社総合心理研究所 オフィス秋山。

この株式会社総合心理研究所を設立後も、日々産業カウンセラーの社会的地位の向上に貢献するべく、精力的に活動されている、秋山代表にお話を聞かせていただきます。

産業カウンセラーの仕事内容

編集者顔画像

株式会社総合心理研究所 オフィス秋山様では、様々なメンタルヘルス管理に関わる業務をされているかと存じますが、産業カウンセラーとしての業務内容とは、どのようなものでしょうか。

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開業してからの8年間は実績を積むために個人のカウンセリングを主にしていました。当時は、1日平均3~5人の方の相談を受けており、年間で約1000名の相談を受けていました。ただ、その相談の中には、無料で行っていた相談(大学生と障碍者の方については、無料)もあります。

その後は、個人ではなく、企業との顧問契約を主に切り替えたので、企業訪問の日は月に6時間常駐して社員のご相談に応じています。

1社100人~300人の企業との契約を行うので、年に1度は全社員と面談を行うように予定を組んでいますので、やはり年間1000人以上の面談を行っています。

そのほか、企業研修や講演に呼ばれることもあるので、月に6、7日は県内外含めて出張で仕事を行います。

産業カウンセラーをプロでやっていくためには、自分の勉強時間も仕事のうちですので、1日2時間程度は、書籍や論文を読んだりをほぼ毎日続けています。

午前中は、勉強や事務仕事に充てることが多いです。

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年間1000人以上との面談、企業研修や講演で月に6,7日ほど県内外への出張、そして毎日の書籍や論文での勉強…ご多忙の中でも研鑽を欠かさない秋山代表のポテンシャルに脱帽です。

産業カウンセラーの大変なところと魅力

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産業カウンセラーの難しいところは、カウンセリングだけの仕事ではニーズに応えられないことが年々増加傾向にあるということです。

カウンセリング(傾聴を主)だけ行っていても、問題解決にならないことも多くあります。

自分のネットワーク(人脈)をフルに活用して、専門家が連携して問題に当たらなければいけないご相談もあります。

ハラスメントや、DVなどは弁護士と連携することもありますが、警察や自治体の力をお借りしなければ上手く支援ができない問題もあります。

また、メンタル疾患や、職場への復職支援になると、主治医や産業医とのコーディネートをしなければいけないこともありますので、問題解決に向けてのチーム作りやご家族とのやりとりなどは、どのケースでも決して楽とはいえません。

最近のご相談の傾向としては、一人一人の「生きがい・働き甲斐」をお手伝いすることも支援の中に入ってきますが、個々の課題をいち早く読み取り、その方の人生の充実度が促進するような助言や、時には教育的な指導もできなくてはいけない時代になってきています。

おこがましい言い方ですが、よく契約していただく企業様から「経験を大いに活かして関わってください」と依頼されることがあります。

カウンセラーとして、一人の人間として、また家庭人だったり企業人としての自分の、生きた経験値を求められることがよくあります。

そうした時には、かつて、心理の先輩に「すべての経験が活かされる職業ですよ」と言われたことを幾度となく思い出します。

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問題解決のために、多くは多岐にわたる分野の専門家とのコネクションが必要であり、またそこでうまれたご経験がすべて、産業カウンセラーというご職業に活きているのですね。

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そうなのです。

現代社会の中で、ストレスを抱えて働く人、ストレスを抱えて生きていかなくてはいけない人が多くなっているのは現実ですが、その現実に立ち向かう相談援助者として、自分自身を大いに活用しながら取り組んでいく産業カウンセラーという仕事は、若さだけでは通用しない部分が多いものですから、40代以降に実践活躍できる職業として、まだまだ我が国に必要な仕事だと考えています。

AIが主流になる時代がきても、求められる職業の一つといえるかもしれませんね。

残念なのは、カウンセラーの資格を取得しても、ボランティアで十分と言われる方も多い職業ですが、プロフェッショナルなカウンセラーが増えることを願っています。

産業カウンセラーは、自分の人生や自分の全てをかけても価値のある、素晴らしい職業と思います。

産業カウンセラーに求められる能力、向いている人とは

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産業カウンセラーに求められる能力や向いている性格とは、どのようなものでしょうか。

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産業カウンセラーに向いている人は、やはり「人のお役に立ちたい」と心底思えることが基本と思います。

カウンセリングは「対人間」で常に対等の立場を保持しなければいけません。

相手に媚を売ったり、下手に出たり、褒めれば良いだけとか、激励だけすれば良いかというと、そんな単調な話では到底務まりません。

相手に誠実であり、謙虚であり、信頼関係を築く努力のできる人が求められる職業ともいえるでしょう。

また、時代に応じた産業現労働現場での問題解決能力は必須ですし、自己管理能力も必要です。プロとしての高いスキルを目指すのは当然ですが、人間的な魅力(人間性)を研鑽し続けていることも重要です。

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では、逆に向いていない人の傾向はありますか。

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私が絶対に向いていないと言い切れる人は「孤独に弱い人」です。言い換えると、「孤独力のある人」が向いているのです。

私たちカウンセラーのもとへ来られる方は、皆さん、何かしらの「問題」「課題」をお持ちです。カウンセラーは、その「問題」「課題」が解決したら、クライアントとは「お別れする」のも仕事なのです。

クライアントの成長の妨げになったり、別れが寂しくて相手を追いかけたり、依存するようなことは決してやってはいけないことです。

人との別れは寂しいものです。が、その寂しさに囚われたままで、相手にしがみつくようでは、プロとは言えません。

時に、こうした失敗をされるカウンセラーの話を見聞きすることがありますが、その都度、自分を戒めていくことが義務だと思っています。

ただ、興味本位で人に接するとか、同情する気持ちが強い方も向いていません。人を「救う」仕事ととらえる方は、最も向いていません。

人が好きでカウンセラーになりたいと言われる方にもお会いすることがありますが、好きと嫌いは表裏一体ですので、主役は自分ではないということも戒め続けていく必要があります。

主役はあくまでもクライアント。カウンセラーは裏方であり、黒子に徹することができる方が、向いていると思いますよ。

産業カウンセラーを目指す方へ

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「産業カウンセラー 難易度」「産業カウンセラー 試験 難しい」などのキーワードで検索されている方は多く、産業カウンセラーになるまでの道のりは険しい、とイメージされている方が多いことがわかります。

秋山代表の現在までの道のりをふまえて、産業カウンセラーとして今後活躍したい!と考えられている方へお伝えしたいことはありますか。

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まず、産業カウンセラーは、国家資格でもありませんし、臨床心理士と違って大学院まで行く必要はありません。理論を勉強することも大事ですが、実践的な能力を重要視されることが多くあります。

産業カウンセラーの資格取得は、産業カウンセリングや、働く人を対象に行う相談援助者として、基本的なことを習得するという意味ではベストな資格だと思います。

しかし、資格を取得できたからといって、たちまちそれでビジネスができるとか、開業してうまくいくかというと、それほど容易いことではありません。

私も資格を取得した当初は、「産業カウンセラーといっても、ボランティア程度の仕事しかないでしょう?」とか「それを生業にできるのですか?」とか「日本ではカウンセラーのプロを目指すのは難しいでしょう」などと言われることばかりでした。

資格のための勉強も試験も簡単とはいえません。1度試験に落ちたら、もう次は受けないという方も結構おられます。が、1度で挫けず、何度でも受けられたら良いと思います。

そうして勉強していくうちに、知らず知らずのうちに、身に就くこともたくさんあるのが、産業カウンセラーへの道のりの面白さでもあると思います。

また、カウンセラーを生業にしていくにあたって、日々の過程の中で「自己実現」を体現していくことも、自分自身を高め続けることや、モチベーションの強化にもなるでしょう。

どんな体験も、日々の積み重ねも、すべてがカウンセラーとしての血肉になるといっても過言ではありません。

基本が出来てこそ、次は、「自分流」を見出していくことで、自分を更に進化させることもできます。

アマチュアにはアマチュアの良さがあるように、プロにはプロで在るための努力と義務と試練があるという意味では、産業カウンセラーの仕事も、どんな仕事も、一流になるまでは厳しい職業の一つといえるでしょう。

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難しそうだな、試験に落ちるのは嫌だな、と「なんとなくの不安感」を持たれている方には、きっとささるメッセージでしたね。

どんな経験も産業カウンセラーとしての血肉になり、また自分をステップアップさせてくれる材料になる…秋山代表のように体験や努力に対する考え方がどっしりと構えられていれば、どんな試練も乗り越えられそうですね!

産業カウンセラーの重要性と展望

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日本では、企業の中で雇われている社員が、産業カウンセラーとして活躍されていることが一般的です。

ただ、それでは真に中立性が保たれるかというと、案外難しいことが多いように思います。もちろん、常に公平に接しておられる方も多くいらっしゃることも存じ上げています。

私が目指してきたのは、社内にも担当の相談窓口があり、外部からも気軽に組織へアプローチできたり、社員さんが安全に安心して相談のできる「居場所」があれば、働く人のストレスがもっともっと楽にならないだろうか・・・ということでした。

現在、弊社が行っている「メンタル経営」は、組織管理上、経営者から新入社員まで、すべての人が産業カウンセラーを利用することができ、なおかつ、個々の会社の経営理念や哲学を損なうことなく、一人一人の自己成長を促進するツールとして、ご契約していただいております。

誰もが成長する可能性がありますので、そのためのお手伝いをさせていただいているわけですが、この10年で随分と差がでてきたのは、経営者の意識の差だと、つくづく感じています。

人の心は、他人の思い通りにはなりません。ましてや、経営者の思い通りに動いてくれる社員ばかりでもありません。

一人一人の違った能力や考え方の差を認め合いながら、それらをマネジメントしていくときに、トップのリーダー力の差が現場の働きやすさや、組織の強さを左右していく時代です。

私自身、人事労務担当者と連携しつつ、経営者の「思い」に寄り添いながら、会社の発展に尽力しています。言い換えれば、自分も会社の一員、経営者の片腕だと考えながら仕事に関わらせていただかなければ、各現場の力にならないこともあるのです。

産業カウンセラーは、これからの時代にこそ求められる職業です。

AIやロボットとは異なる、まったくのアナログ的能力やスキルで、あくまでも「対人間」を支援していく職業です。

そこには、データや解析だけでは通用しない、答えなどない世界があり、その世界の中で、ただ誠実に「人に向き合う」ことが求められる職業なのです。

ややもすると、自分自身が「機械的に」なりやすい現代社会の中にあって、いつまでも「人間らしさ」を失わずにいられることは、いずれの企業にもなくてはならない、かけがえのない「存在」になるのかもしれません。

産業カウンセラーの仕事は、まだまだ世界中で必要な職業です。

国境を越えてグローバルに人が流動する時代ですから、時代に応じた柔軟な思考と行動のできるカウンセラーを、これからも多く輩出していきたいと願っております。

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「自分も会社の一員、経営者の片腕だと考えながら仕事に関わる」、これは企業と社員という、人と人の架け橋になる産業カウンセラーという職業だからこその流儀ですね。

また人間らしさを持ってできる仕事であり、そこから誰かの、そして企業にとっての「かけがえのない存在になれる」という点も、産業カウンセラーならではの”やりがい”のひとつと感じました。

本日は産業カウンセラーについてお話しいただき、大変ありがとうございました!

産業カウンセラーが求められる時代へ

産業カウンセラーとは、一般社団法人「日本産業カウンセラー協会」が実施する資格を取得した人のこと。働く人を対象にメンタルヘルスに関する様々な教育・研修、カウンセリング、ケアをおこないます。

同じ保健産業スタッフのなかでも、専任義務のある産業医や衛生管理者などにくらべると認知度はそれほど高くなく、今までは産業カウンセラーの必要性をあまり感じない企業も多かったようです。

しかし労働者にメンタルヘルスの不調が増えていることからも「こころの専門家である産業カウンセラーの役割が欠かせない」との考え方が徐々に広まっていっています。

産業カウンセラーの需要を探るべく、労働者がかかえるメンタルヘルスの現状についてデータをチェックしてみました。

働く人の6割が強いストレスを感じている

仕事上でストレスを感じている労働者は年々増えています。仕事上の強いストレスは、メンタルヘルス不調の引き金になりかねません。

厚生労働省は、全国の事業所がおこなっている安全衛生管理等の状況、労働者の健康状況を把握するため、毎年、事業所や労働者を対象に「労働安全衛生調査」を実施しています。

「労働安全衛生調査(平成30年)」によると、調査した約14,000事業所において「メンタルヘルス不調が原因で1か月以上休職した労働者がいる」と回答した事業所は約7%、 「退職者がいる」と回答した事業所は約6%存在していました。

また、現在の仕事や職業生活に関し、労働者の約6割が「強いストレス」を感じていると回答していました。

平成30年はピーク時の平成28年よりは少ないものの、過去5年のスパンで見れば、ストレスを強く感じている人の数はそれほど減ってはいません。


(参照:平成30年「労働安全衛生調査」労働者調査 第5図 )

そして結果を世代別に見ると、強いストレスを感じている人は、働き盛りの30~49歳に集中していました。

ストレスを感じている人を対象に、どのようなことに強いストレスを感じているのか尋ねたところ、以下の回答が特に多くなっていました。

  1. 仕事の質・量(59%)
  2. 仕事の失敗、責任の発生など(34%)
  3. 対人関係(セクハラ・パワハラを含む)(31%)
  4. 役割・地位の昇進、昇格、配置転換などの変化(23%)
  5. 会社の将来性(22%)

1位の「仕事の質・量」と答えた人は40~59歳に集中し、2位の「仕事の失敗、責任の発生など」と答えた人は特に20~29歳に見られました。

また3位の対人関係(セクハラ・パワハラを含む)は、どの世代にも見られるものの男性より女性が少し多く、雇用形態では派遣社員に多い傾向が見られました。また、男性は「会社の将来性(4位)」に大きな不安を感じやすいようでした。

総合的な悩みも専門家へ相談する時代に

ストレスを感じた場合、その相談相手としてまず家族や友人、職場を選択している人が多いのですが、近年は専門家や公的機関の相談窓口を利用する人が増えています。


(参照:一般社団法人日本産業カウンセラー協会「PRESS RELEASENo.1803」 )

相談窓口として、一般社団法人日本産業カウンセラー協会が実施している無料電話相談「働く人の悩みホットライン」や同協会と日本労働組合総連合会が開設している「働く人の電話相談室」、産業カウンセラーによる相談室(対面相談)が知られます。

一般社団法人日本産業カウンセラー協会が公開しているデータを見ると、利用件数は年々増えており、働く人の悩みが増えていること、女性の利用者が目立っていることに気づきます。


(参照:一般社団法人日本産業カウンセラー協会「PRESS RELEASE No.1701」)

また2017年、2018年に「働く人の電話相談室」へ寄せられた相談の内訳を見ると「職場の悩み」「メンタル不調・病気の悩み」が上位を占め、特に職場以外の悩みが増えている傾向がみられました。


(参照:一般社団法人日本産業カウンセラー協会「PRESS RELEASENo.1803」)

実際に窓口へ寄せられる相談の具体的な内容については、働き盛りといわれる30~40代を対象に集計したグラフがあるので、こちらを見てみましょう。


(参照:一般社団法人日本産業カウンセラー協会「PRESS RELEASENo.1701」相談室・働く人の悩みホットライン 30代~40代の相談室利用者 分野別割合)

このグラフを見ると、仕事そのものに関わる悩みよりも、パワハラ・セクハラ・いじめを含む人間関係の悩み、自身に関する悩みといったメンタルに関連する内容が多くを占めていることがわかります。

現代人にこういったデリケートな悩みが増えていることを知ると、やはりカウンセリングのプロ・産業カウンセラーの傾聴や対話が必要になってくる気がしてきます。

職場のアドバイザーとして期待される産業カウンセラーの力

メンタルヘルスに問題を抱えている労働者が年々増えていることから、平成27年には労働安全衛生法にストレスチェック制度が導入されました。

これにより、事業所は労働者のストレス度や職場のストレス要因を把握し、高ストレス者(医師の直接指導が必要と評価されるストレスレベルの人)を発見するなど、労働者のメンタルヘルス不調を防ぐ努力が求められるようになりました。

データによると、ストレスチェック制度を含むメンタルヘルス対策を行っている事業所はゆるやかながら増加しています。


(参照:平成30年「労働安全衛生調査」事業所調査)

従業員数が50人以上の事業所はストレスチェック制度の導入が義務付けられているため、9割程度がストレスチェックを実施しています。

ストレス
チェックを
実施
職場環境等
の評価・改善
事業所内
での
相談体制の
整備
他の外部機関
等を利用し
メンタル
ヘルス対策
 を実施
労働者数
10人以上の事業所
(平成30年計)
62.9 32.4 42.5 15.4
労働者数
50人以上の
事業所
90.9 51.2 50.1 19.8

(参照:平成30年「労働安全衛生調査」事業所調査「第2表メンタルヘルス対策の取組内容別事業所割合」より抜粋)
※ 他の外部機関=精神保健福祉センター、日本産業カウンセラー協会などのメンタルヘルス支援を行っている機関

事業所の規模が大きくなるほどメンタルヘルス対策の導入率が高く、またストレスチェックをした事業所の8割はそのデータを分析し、改善のために活用していました。

しかし、従業員数50人未満の中小企業ではメンタルヘルス対策が行き届いていないという問題点が浮き彫りになっていました。

また、ストレスチェックを実施して高ストレス者の発見とケアはできている企業でも「高ストレス者以外の労働者のケアまでは行き届いていない」という企業はまだ多いようです。

その点については「ストレスチェックをしているだけで、具体的なケアの推進までは不十分な企業が多い」との指摘の声も聞かれます。

上述のアンケート結果からもわかるように、ストレスを抱える労働者は増えています。しかし、何年も前からメンタルヘルス対策の重要さが叫ばれるようになっているにもかからわらず、強いストレスを感じる人、実際に相談窓口へ助けを求める人の数は思うように減っていません。

労働者が感じるストレスも多様化し、職場環境の問題に限らずデリケートな内容になってきていることもわかりました。

各企業はマニュアル通りの施策を導入して満足するのではなく、きめ細かいメンタルヘルス対策をおこない、労働者ひとりひとりによりそったメンタルケアをしなければ意味がないのではないか、と考えます。

また、社員のメンタルヘルス管理をまかされる30~40代こそが最もストレスを抱える世代であり、社内のメンタルヘルス管理どころではない企業も多いのではないか、という指摘もあります。

このことからも、中小企業をはじめメンタルヘルス管理が行き届いていない企業は、産業カウンセラーのような専門家のサポートが必要になるのではないかと感じました。

株式会社総合心理研究所 オフィス秋山の活動内容をご紹介

最後に、インタビューにご協力いただいた秋山様が代表をつとめる株式会社総合心理研究所 オフィス秋山をご紹介いたします。

株式会社総合心理研究所 オフィス秋山は「メンタル経営」をキーワードに職場のメンタルヘルスを手厚くサポートします。

「メンタル経営」とは、メンタルヘルス管理を戦略的に取り入れる手法のことです。2015年に商標登録もされています。

秋山幸子代表のプロフィール

岡山県にてカウンセリングの勉強を続け、プロカウンセラーとして活動を開始。2006年に東京で「オフィス秋山」東京事務局を開設、法定外紛争がコーディネートできるカウンセラーとしてエグゼクティブ層から厚い信頼を集めます。

2008年には、ベンチャー起業家支援組織「日本エンジェルズフォーラム」支援会員となり、経営者向けのエグゼクティブカウンセリングを開始。

2012年に「株式会社 総合心理研究所」を設立し、事業拠点を岡山県に移転します。以降、産業カウンセラーの社会的地位の向上に貢献するべく精力的に活動を続けています。(社)産業カウンセラー協会認定産業カウンセラー、 PMTメンタルトレーナー。

業務内容のご紹介

オフィス秋山は、法人・個人を対象としたサポートやカウンセリング、開業カウンセラーの養成講座など幅広い業務をおこなっています。

外部から組織のメンタルをサポート
外部から企業の人事労務担当者をサポートし、組織を健全に維持するためのヒントを提示していきます。
顧問契約
企業の顧問として、メンタルヘルス対策を柔軟に提案し、社内の経営課題を見つけていきます。
産業カウンセラー専任契約
産業医と連携しながら、専任の産業カウンセラーとして社員のメンタルをサポートします。
オリジナル研修プログラムの開発・実施
顧問契約または産業カウンセラー専任契約を利用している企業を対象に、問題に特化したオリジナル研修プログラムを提供します。
メンタルヘルスに関する社内講師の育成
社内で研修をおこなう講師を育成したい企業を対象に、社内講師の育成支援をおこないます。
講演・研修
心身脳の3つのバランスで考えるメンタルヘルス研修を提唱して講演・研修を行っています。「ハラスメント防止」「ストレスマネジメント」「キャリアアップと自己管理」など、実際の現場から得た知見を盛り込んだセミナーは、わかりやすいと大変好評です。
ビジネスパーソンのためのメンタルトレーニング
アメリカのトレーニングプログラムをもとに日本人向けに開発した「秋山幸子のPersonal Management Training」を、管理職・リーダー層、女性経営者、海外駐在員、公務員向けに提供しています。

トレーナーとのマンツーマンセッションによるプログラムを受講することで、効率良く課題を解決することができるようになります。

個人向けのカウンセリング
個人向けのカウンセリングもおこなっています。メンタル的な問題、トラウマやPTSD、更年期障害、職場や家庭の悩みなどに対応、効率良く問題解決できる方向性を導き出していきます。
開業カウンセラー養成講座
取得した資格を活かして実際にプロのカウンセラーとして活躍できるよう、具体的なノウハウをマンツーマン形式で指導します。

今後の活躍が期待できる産業カウンセラー

今までは産業カウンセラーとして業務をおこなっている人が少なかったことから、その名や具体的な業務内容はあまり知られていませんでした。

近年は、産業カウンセラーが常駐する企業も少しずつ増えており、今後も活躍の場は広がっていくことが予想されます。

働く人や企業を元気にして大変感謝される、やりがいのあるお仕事です。産業カウンセラーの仕事に興味のある方はぜひ挑戦してみてください。

この記事の専門家

秋山 幸子代表

株式会社総合心理研究所 オフィス秋山

一般社団法人 日本産業カウンセラー協会認定産業カウンセラー・ PMTメンタルトレーナー。
自営業で飲食店・製造業などを営むかたわらカウンセリングの勉強を続け、2006年に東京事務所を開設。2012年に法人化し、株式会社 総合心理研究所を創立。得意分野は、パワーハラスメント、うつ病、復職支援などを含む組織内の環境調整とコンサルテーション。

(本記事の情報は2019年11月時点のものです)

 

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