年次有給休暇の法定日数。自分の労働日数から算出する方法

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働いている人に誰しも権利がある「有給休暇」。

入った頃は最低でも1年間に10日貰える、なんて知識はぼんやりと知っているけど、最高で何年働くと何日になるかは分からない……!

そんなあなたのために、今回は知っているようで知らない有給休暇について見ていこうと思います。

年次有給休暇とは

誰しも権利があるとは言っても、有給休暇って何時の間にか働いてたら貰えるもので、実際ルールなんてよく分かってない……!

という方ももしかしたらいらっしゃるかも知れませんので、まずはさっくり年次有給休暇自体の説明から始めていきましょう。

年次有給休暇とは、継続して6ヶ月以上勤務している人が、その間の全労働日の内8割出勤した時に与えられる10日間の有給休暇のことです。

年次有給休暇

例えば、4月1日に入社した人には原則として10月1日、5月1日に入社した人は11月1日に、それまでの期間8割勤務できていれば10日の有給休暇がもらえます。

年次有給休暇の例

また、就業規則等で基準日が定められており、その日になったら社員に一斉に付与、ということもできます。

年次有給休暇における出勤率の100%計算

その場合、例えば10月1日を基準日にします、ということになると、本来それ以降に付与される4月2日以降の入社日の社員は、切り上げられる部分の出勤率はすべて100%として計算されます。

ここで気になる単語が出てきましたね。「出勤率」という言葉です。

出勤率というのは、以下の算定方法によって求められた率のことです。

出勤率の算出方法

これが80%を超えていれば、入社してから6ヶ月、1年6ヶ月……といった節目ごとに年次有給休暇が付与されることになります。

しかし、出勤率の計算方法で、また気になる単語が増えました。

「出勤した日」と「全労働日」……一体それぞれどういう日のことを指すのでしょうか?

まず、全労働日とは就業規則その他によって定められた所定休日を暦の日数から引いた日数を指します。

出勤した日とは、その全労働日の内の出勤した日数のことです。

これだけ見ると、「何だ簡単じゃん」と思いますが……実際はそうはいきません。

例えば、休日出勤をした場合には、出勤をしているにも関わらずそもそも全労働日に含まれない所定休日に働いたことになるため、なんと、出勤率にはカウントされなかったりするのです。

このような、全労働日に含まれない日を、以下にまとめています。

全労働日に含まれない日

補足をすると、②は天災、例えば地震などで、どうやってもその日会社を運営することができない場合です。

③は例えば会社の経営が悪く、事業を休みにせざるを得ない場合や、工場で作るものの原材料の発注をしておらず、工場を動かせない場合などが該当します。

④は所謂ストライキなどの正当な争議行為による休業ですね。

⑤は割増賃金の制度を知っていないとピンとこないかも知れませんが、ある程度の時間外労働した分を、割増賃金の代わりにその時間分の休暇を所得することで代替する制度があるのですが、その制度で全日休んだ場合は含まれない、ということになります。

因みに、例えばその代替休暇が半日で、有給休暇が半日の場合は「労働した日」とみなされるので注意です。

お次は分子側。

こちらは実際には休んでいるのに、出勤した日になる、というカウントをする場合があります。

例えば、算定の期間中の殆どが産休中の労働者の人は、産休という正当な権利を使っているにもかかわらず、休んでいるという事実だけとってしまえば、有給休暇が貰えないことになってしまいます。

それだと少し可哀想ですよね。

ということで、このようなきちんとした理由の休業の場合は、たとえ出勤していなくとも、出勤した日、とみなされることになります。そういう風にみなされる日は、以下のとおりです。

出勤していなくとも出勤した日に換算されるもの

⑤の労働者の責めに帰すべき事由とは言えない不就労日の補足です。

書いてある通り、「全労働日に含まれない日」の②~④も労働者自身に責任がない休業ではあるのですが、ここでいう不就労日とは、不当解雇をされた時、解雇の無効が裁判所の判決で為された場合の解雇日から復職日の期間などが該当します。

不当解雇ですし、当然労働者自身に責任がないものですからね。

こうして出勤率を計算し、80%になった人たちが貰えた年次有給休暇は、2年間の間有効となり、付与から2年が過ぎると時効で消滅してしまいます。

因みにこの2年という期間、今度の民法の改正で5年になる可能性が高いです。そうするとかなりまとまったお休みが取れるかも知れませんね!

そして有給休暇の名の通り、お休みを取ると賃金が支払われるようになっているのはご存知の通りですね。

その賃金ですが、殆どの場合は通常働いた場合に支払われる一日の賃金です。

ただし、会社によっては平均賃金、もしくは標準報酬月額の30分の1という場合もあります。

ここでいう平均賃金とは、過去3ヶ月間に支払われた金額を、その期間の総日数で割った金額のことを言います。

標準報酬月額とは、健康保険法や厚生年金保険法で使われる、毎月の給料をある程度の区分に分けて毎月の保険料を算出するものなのですが、ある程度キリの良い額になるため、場合によっては通常働いた額より著しく低くなったり、著しく高くなったりすることもあります。

あまり見掛けない算定基準ではあります。

どの基準で支払うかというのは、会社の就業規則で定められていますが、標準報酬月額の30分の1を選択する場合には労使協定を結ぶ必要があります。

6年以上働くと1年間で20日の有給休暇が!

それでは、今回の本題。

この年次有給休暇が勤続年数によってどれだけ付与日数が増えていくかを見ていきましょう。

通常の労働者の場合

まずは、通常の労働者の場合です。

通常の労働者の場合の年次有給休暇の付与日数

なんと、入社してから6年6ヶ月働くと20日ものお休みが年間で貰えるようになります。

そのため、2年の時効を考えると最大40日のお休みを貰えることになります。

しかしながら、そうは簡単にはいきません。

労働者には、「何時に休みをとりたい!」という「時季指定権」というものがあります。

ただし、それが事業の正常な運営を妨げる場合には、使用者側が「時季変更権」というものを行使出来るのです。

というわけで、40日間お休みをとることで事業に支障が出る場合は、別の日に取ってください、と言われる場合もある、というわけなんですね。

逆に、短い時間で有給休暇を取りたい!という場合は、半日単位の有給休暇も使用者の同意があれば出来るようになっています。

有給休暇は正当な理由がないと休めない、としている会社もあると思いますが、本来有給休暇の使い方は自由ですから、どんな理由であれ拒否出来るものではないのです。

その中で唯一例外があり、それがその会社でストライキなどの争議行為をする場合です。

会社と戦うのに、会社からお給料を貰う、というのは結構本末転倒ですよね。

ただ、その会社ではなく、別の会社の争議行為に参加するために有給休暇を取る分には問題はないようですよ。

短時間労働者の場合

パートやアルバイトなどと言った短時間労働者の場合は、少し今の表とは違う日数になります。

というのも、週に5日働く通常の社員と、1~4日しか働かないパート社員等が、一緒の有給休暇日数を付与されるのは、何だか不公平ですよね。

こうしたパート社員等などの労働者には、有給休暇が「比例付与」されます。

通常の社員の働く日にちを5.2日として、それと比べてどれだけ差があるかによって付与日数が変わるため、そういう名称になっているんですね。

比例付与の対象となる労働者は、以下の通りです。

  1. 週の所定労働時間が30時間未満で、かつ週4日以下の所定労働日数の労働者
  2. 週の所定労働日数が30時間未満で、かつ年216日以下の所定労働日数の労働者

この2パターンがあります。

その人達がどのように有給休暇を貰えるかというと、以下の通りです。

年次有給休暇が比例付与の対象となる労働者

やはり、それぞれ通常の労働者よりは短くなっていることが分かります。

ただ、こちらも請求権は2年まで持てるので、週1日の人も勤続年数が長ければ、6日連続、なんてことも出来るかも知れませんね。

在籍期間の継続・時間単位・計画的付与。有給休暇のあれこれ

最後に、有給休暇を取る上で参考になるかもしれないお話をいくつかしていこうと思います。

在籍期間の継続

有給休暇は、先程学んだ通り継続期間が長いほど付与日数が増えていくものですが、「これは通算するの?」と一瞬では判断のつかないものも多いです。

ここでは、通算するパターン、されないパターンをご紹介します。

①定年になってから再雇用

定年になってから再雇用

65歳の定年を迎えた後、一旦退職して直ぐに嘱託職員などで再雇用された場合は、勤務の年数は継続していると考えて差し支えがないです。

ただし、再雇用までの期間がかなり空いていて、断続しているとみられる場合は新しく勤務年数を数え直すことになります。

②解雇予告制度の適用除外者が引き続き使用されている場合

解雇予告制度の適用除外者

解雇予告制度の適用除外者とは、

  • 日々雇用の労働者
  • 2ヶ月以内の期間を定めて雇用される労働者(有期雇用者)
  • 季節的業務に4ヶ月(季節雇用者)
  • 試用期間の労働者

のことです。

この人達が引き続き使用になった時、そこで働き始めてから6ヶ月を越えた時点で出勤率が8割を超えていれば有給が付与されます。

③臨時工が6ヶ月以上使用されている場合

臨時工が6ヶ月以上使用されている場合

工場等で働く臨時工の人が、6ヶ月以上引き続いて使用されている場合は、有給を付与される権利があります。

④在籍出向の場合

在籍出向の場合

この絵で言うと、A株式会社から子会社Bに、Aでの籍を残したままの出向、所謂在籍出向をする場合にはA株式会社の継続年数はそのまま子会社Bでも通算されます。

⑤パート等から正社員になった場合

パート等から正社員になった場合

パート・アルバイトなどをしていた会社でそのまま働くことになった場合は、最初にアルバイトなどで入った日から勤続年数が通算されます。

⑥会社が解散して権利義務関係が新会社に包括承継された場合

新会社に包括承継された場合

画像のように、A株式会社が解散し、その人員が待遇などそのままBA株式会社に移った場合はA株式会社の人は継続年数が通算されます。

⑦労働者全員を解雇して退職金も支給した後、改めて一部を採用したが実態は人員縮小・事業もそのまま継続している場合

解雇から一部採用し事業が継続している場合

画像の例の通り、会社の労働者全員を解雇し、退職金を支払った後、新しく縮小して作った会社にその内の一部を再雇用して事業はそのまま同じものを続けていたようなケースは、その再雇用された人は勤続年数が通算してもらえます。

(※注意)紹介予定派遣から本採用された場合

紹介予定派遣から本採用された場合

紹介予定派遣の人が本採用された場合には、紹介予定派遣で働いていた期間は残念ながら通算されません。

というのも、紹介予定派遣をされた人は派遣会社で雇用されていたため、B株式会社とは雇用契約をしていなかったからです。

絵の場合は8月1日にB株式会社で本採用されたため、同じ4月1日にB株式会社で働き始めた時点で本採用をされていたもう一人の労働者と違い、8割の出勤率をこえていても有給を取得することはできません。

有給休暇の時間単位の取得

労使協定を締結すると、時間単位での有給休暇の取得が出来るようになります。

つまり、本来は1日単位(使用者の同意があれば半日も)での取得ができましたが、更に半日よりも短い単位でも取れるようになるというわけです。

ただし、そのようにバラバラに出来るのは、持っている有給休暇の内5日以内に限られます。

また、基本はそのバラバラにした時間は1時間単位で取得出来るようになりますが、労使協定の締結時に、敢えて「2時間単位」などとすることもできます。

その5日間の時間はどうやって算出するのかというと、就業規則等で定められている所定労働時間を単純に5日分掛けることで可能です。

例えば所定労働時間が8時間の場合は、

8時間×5=40時間

この40時間が時間単位で取得できる有給休暇ということになります。

因みに、7.5時間など中途半端な時間の時は、時間単位に切り上げて計算します。

この場合は8時間になり、上と同じ40時間になるというわけですね。

有給休暇の計画的付与

労使協定を締結することで、有給休暇の内5日を超える部分を予め会社で定めておくことが出来るようになります。

有給休暇の計画的付与

ただ、全社が一斉に行う必要はなく、部署ごと・労働者ごとということも可能です。

5日間を残しておくのは、自由に取得して良い日がないと流石に労働者も困ってしまうからですね。

この計画的付与では、上の時間単位の有給休暇を指定することはできません。

また、5日を超える部分は前年度の繰越分も含むので、例えば6年6ヶ月の継続勤務をこえている人は35日分を計画的付与の対象にすることができます。

有給休暇は法律上当然の権利!上手に活用しよう

というわけで、今回は有給休暇の基本をはじめ、付与日数や計画的付与など、様々なことを見てきました。

少しでも有給休暇の理解が深まったでしょうか?

有給休暇は法律上当然の権利です。上手に活用して、日頃の息抜きを出来るようにしましょうね。

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