薬剤師で年収1000万円を稼ぐには?就職先の選び方、働き方

0 コメント
twitter
はてな
facebook

“年収1000万円。誰しもそんな夢を描きますが、では実際にそれほどの年収があるひとは日本にどれくらいいるのでしょうか。

日本で年収1000万円を超えているひとは全体の5%にも満たない程度です。

その5%の中に薬剤師はどれほど含まれているのでしょうか?

実際には薬剤師で1000万円という年収は非常に難しいところがあります。ただし、まったく無理な話かというとそうでもありません。

ここでは、薬剤師として、もしくは薬剤師として得た知識を活かして年収1000万円を稼ぐ方法について考えてみました。

薬剤師の皆さんにとって、少しでも参考になれば幸いです。

薬剤師の年収ってどれくらい?職業別に比較してみた

まず実際に一般的な薬剤師の年収とはどれくらいでしょうか?

一例として、30代の薬剤師の年収を職業別に比較してみると以下のようになります。

  • 調剤薬局: 450~500万円
  • ドラッグストア: 450~600万円
  • 病院: 400~500万円

それぞれの職業で働き続けたとして、50歳くらいになったときの年収は、調剤薬局やドラッグストアの薬剤師であれば、700万円以上になる可能性はありますが、さすがに年収1000万円には届きません。

やっぱり薬剤師で1000万円は無理なんじゃないかと思ったあなた。まだあきらめるのは早いです。

それでは、薬剤師で年収1000万円を超えるにはどうしたらよいのでしょうか。いくつか考えてみましたので見てきましょう。

薬剤師の勤務先別の平均年収については、勤務先別、薬剤師の平均年収の記事でも説明しています。

薬剤師で年収1000万円を超えるにはどうしたらいいの?

薬剤師で年収1000万円を超える方法を以下のようにまとめてみました。

  • 薬局を開設して独立する
  • 地方で薬剤師を探す
  • 大手ドラッグストアでスーパーバイザーになる
  • ダブルワーク

なるほどいくつか方法がありそうですね。それでは、ひとつひとつ詳しく見ていきましょう。

薬局を開設して独立する

いまでは病院の近くや駅前に調剤薬局があるのはすっかり見慣れた風景になりましたが、医薬分業以前は、病院内の薬局で薬を受け取るのが普通でした。

医薬分業とは、医師の処方に対して、調剤を薬剤師が分担することで処方薬へのチェック機能を強化しようとする目的で始められました。

これによって処方箋は病院の外、すなわち院外処方箋という流れが一気に広まりました。

そのため、当初は医薬分業を薬剤師の独立と捉える風潮がありました。

医薬分業の流れに乗って、病院の近くに薬局を構える、いわゆる門前薬局が相次いで開設されました。

病院の薬局長・薬剤部長が、まさに病院から独立して調剤薬局を開設しました。

薬局の開設は、たいへんなことと思われるかもしれません。

たしかに薬局を開設するというのは、けっして生半可な気持ちでできるものではありません。

しかしながら、病院内の薬局で出していた処方箋を院外の薬局でそのまま受け取ることができるのであれば、薬局を開設した場合の収入も見当がつきます。

そのため、何も分からないところで新たに薬局を立ち上げるのとは違い、開設したときのリスクを見積ることができます。

そうした時代とはすっかり変わってしまいましたので、いまや薬局を開設するハードルはかなり高くなりました。

とはいえ、例えば、地域に密着した在宅医療に貢献できる薬局を開きたい、というようなしっかりしたビジョンと熱意を基にきちんと練られた計画があれば、薬局開設は十分に可能だと思います。

独立して自分の薬局を開設してからすぐに黒字化するのはさすがに難しいとは思いますが、安定して処方箋がくるようになれば徐々に経営は安定していくでしょう。

薬局の経営が安定してくれば、年収1,500万円くらいはゆうに超えてくるでしょう。

収入が安定してきたなら、次はいよいよ薬局で自身がやりたかったことを始めていきましょう。

安定的に黒字が得られるようになるとすぐやみくもに店舗数を増やしていくことを考えたくなるかもしれませんが、その前にご自身の薬局の強みは何であるかをはっきりさせておいた方がよいでしょう。

薬局を開設するということは、あなたは経営者になるということです。

くれぐれも年収を単に上げたいがために薬局を開設して独立しようなどと思ってはいけません。

年収を上げたいから会社を起業しましたというひとはまずいないでしょう。

やりたいこと、社会に貢献したいことがあって、それをビジネスにすることで利益を生み出すことができる見込みがあるから起業するというのが定石であるはずです。

薬局を開設して独立する前に自分は何がやりたいのか、何ができるのかをしっかりとよく考えて、十分な準備をしましょう。

地方で薬剤師を探す

薬剤師としてもっとも多くの収入を得る方法として、一番手っ取り早い方法が地方で薬剤師をすることです。

地方の薬剤師といってもチェーン系列の調剤薬局やドラッグストアで働いても給料体系はほとんど変わりませんので意味がありません。

年収1000万円を狙うのであれば、地方で個人経営の薬局を選びましょう。

地方で薬学部がない都道府県であれば、薬剤師が不足している可能性が高く、かなり高額な給与で募集をかけている薬局があります。

田舎ですので、中には一軒家の借家付き、車まで貸してくれるというような募集まで実際に耳にしたことがあります。

地方であれば、都市圏で住むのに比べて食費など生活費の負担が軽くなるというメリットも考えられます。

生活費が少なくて済むなら、同じ1000万円の年収をもらうにしても、地方で薬剤師をする方がよりお得といえます。

また、将来的に自分の薬局を開設したいと考えている薬剤師のひとであれば、地方で個人の経営する薬局で働くことは、非常によい経験になるに違いありません。

田舎暮らしに抵抗がないひとであれば、地方の薬剤師は、高収入ながら薬局経営も学べる、うってつけの就職先かもしれません。

大手ドラッグストアでスーパーバイザーになる

ドッグストアは、薬剤師の中でも高収入な就職先になります。

ドラッグストアでのキャリアとしては、管理薬剤師や店長になることは容易に想像がつくと思いますが、それだけでは年収1000万円にはとてもではないですが届きません。

ドラッグストア薬剤師でさらに年収を上げる方法として、複数店舗を統括するエリアマネージャーになり、ドラッグストアの経営にも関わるような立場になれば年収1000万円も夢ではないでしょう。

ただし、そこまで出世するのは容易ではありません。

通常の薬剤師業務以上にお店の管理や経営について考えていかなければなりません。さらにひとをマネージメントすることも求められます。

これらのスキルや知識を学びながら獲得すると同時にお仕事で実践していかなければなりませんので、普通の薬剤師に比べて何倍もの仕事量やプレッシャーを抱えた日々を送ることになるでしょう。

年収1000万円を稼ぐわけですから、対価に見合うそれ相応の働きをしなければなりません。

ただ、一方、見方を変えるなら、普通に調剤やOTCだけを扱う薬剤師に比べて経営からマネージメントまで幅広い知識を得ながら仕事をしていくということは、ひとによってはかなりやりがいを感じることができるでしょう。

働くことを単に年収だけで推し測ってしまうとたいへんだとかキツイといったネガティブなところばかりに目がいってしまうかもしれません。

ですが、本来、仕事とはやりがいや自分がそこにいることの意義を感じながら働けることがもっとも大切な要素であり、それがあればひとは幸せに働けるのではないかと思います。

この際、多額の年収がほしくて大手ドラッグストアでスーパーバイザーになるという発想は捨てましょう。

自分は、薬剤師としてのお仕事以外に多くのビジネススキルを学んでそれを活かした結果、年収1000万を超えていたという方がきっといいはず。

薬剤師以外のことにも果敢に挑んでみたいと思うひとは、大手ドラッグストアでスーパーバイザーを目指してみるとよいかもしれません。

ダブルワーク

薬剤師免許を持っていることの強みを最大限に活かすのであれば、調剤薬局とドラッグストアの薬剤師を掛け持ちするダブルワークという働き方があります。

ダブルワークは、正社員薬剤師をしている場合は、会社の規定を確認する必要がありますが、派遣薬剤師であれば可能な働き方です。

ただし、たとえ派遣薬剤師であってもすでに働いている職場の許可がいる場合もありますので、十分な確認をしてから始めることをおススメします。

しかしながら、いくらダブルワークとはいえ、年収1000万円を超えるのは相当たいへんです。

参考までにダブルワークで年収1000万円を超えるケースを単純計算で考えてみました。

仮に2つの職場の平均時給が3,500円として、毎日10時間、週に6日間という働き方をすれば一年の収入は1000万円を超えてきます。

ですが、これはかなりハードは働き方になりますし、時給3,500円というのも結構よい好条件ですので、探すのは決して不可能というわけではありませんが、少し難しいかもしれません。

他にも薬剤師の経験や知識を活かした副業を考えてみるという選択肢もあります。

薬剤師専門のライター業務や医療関係の英語論文などの翻訳の在宅ワークを探してみるとよいでしょう。

薬剤師として働くかたわら、こうした新たな副業にチャレンジしてみることは、単に収入を増やすだけでなく、自身の経験と幅を広げてくれます。

とくに翻訳のように専門性の高い仕事であれば、1本の単価も高いため、収入もかなり期待できますので、興味のある方は探してみることをおススメします。

ただし、未経験から始めていきなり高額な収入が得られるわけではありませんのでご注意を。

ライターや翻訳は、経験を年単位で積んでいくことで徐々に収入アップへとつながっていきますので、長い目で見る必要があります。

医薬品や医療に関わるライターや翻訳といった専門性の高いスキルは、将来的にはフリーランスとして独り立ちできる可能性もあります。

そのため、例えば、いまは薬剤師をしているひとでも定年後の仕事としてライターや翻訳を若いうちから取り組んでみるというのもよいかもしれません。

薬剤師以外で年収1000万円を超える仕事ってあるの?

最後に薬剤師以外で年収1000万円を超える職種について簡単に紹介いたしますので、参考にしてください。

薬剤師以外で年収1000万円を超える仕事がしたいのであれば、以下のようなお仕事が考えられます。

  • 製薬会社のMR
  • 製薬会社の研究員
  • メディカルライティング

上記はいずれの職種も薬剤師の免許を必要としない仕事ですが、製薬会社のMRはMR認定センターの試験に合格し、MR認定証を取得する必要があります。

大手製薬会社のMRで課長や部長クラスになれば、年収1000万円も夢ではありません。

製薬会社の研究員もグループリーダーや主席研究員といった立場になれば、年収1000万円は得られるようになるでしょう。

しかしながら、昨今、多くの製薬会社がリストラを実施していますので、十分に考えて検討する必要があります。

メディカルライティングは、製薬会社だけでなく化学・化粧品メーカーなど様々な企業で活躍することができます。

先ほどダブルワークの副業の選択肢のひとつとしてライターを挙げましたが、メディカルライティングもかなり専門性の高い仕事であるため、経験を多く積めば、年収1000万円も可能な職種といえます。

メディカルライティングの仕事は、勤め先によってかなりバリエーションがあります。

例えば、医薬品の承認申請書類の作成、臨床試験などの関連書類(計画書、プロトコールなどと呼ばれます)の作成、科学論文の執筆補助、書籍や雑誌、インターネットサイトなどのメディア向けの記事作成などが挙げられます。

いずれにしても薬機法などの法規制や薬学以外に医学や科学などの専門知識、さらに語学力も必要となります。

メディカルライティングは専門性が高ければ高いほど年収も上がりますが、そこにいたるまで何年もかけてキャリアアップしていく粘り強さが必要です。

▼関連記事
製薬会社の平均年収。他業種よりも高く安定している理由

世の中から求められる薬剤師になろう

以上のように、年収1000万円を目指す薬剤師について考えてみました。

薬剤師として働くことで年収1000万円を得ることは決して夢でありません。

しかしながら、それほど高い年収を得るためには、それ相応の努力は必要でしょう。

ただ、多くの収入を得たいがためにがむしゃらに働くということはもうやめましょう。

それより、これから求められる薬剤師の仕事について考えたり、自分の専門性をどのように伸ばしたいか、それによってどのように世の中の役に立ちたいのかといったことを考えたりしてみてはどうでしょうか。

自分のやりたいこと、目指したい薬剤師像をしっかり描くことが、質の高い仕事を生み、その結果として安定した高収入を得ることにもつながるのだと思います。

bg
あなたの性別は?
  • DODA 第二新卒歓迎!働きながら業界トップレベルの技術を学ぶモノづくりエンジニア募集
  • リクナビNEXT 約8割が未経験からのスタート!大手商社でグローバルに活躍できる人材を募集中!
  • マイナビ転職 女性の働きやすさ抜群!有給消化率98%の有名メーカーで事務スタッフを募集中
  • エン転職 フレックス制で自由な社風!未経験者OK!平日夜・土日面接OK
  • @type 残業月20h未満/年休125日/定着率95%【入社祝金アリ】
12月4日 02:32 求人更新
0 コメント
twitter
はてな
facebook

pagetop