共同養育サポートで人と人を結ぶ。一般社団法人りむすび しばはし聡子代表の思い

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しばはし 聡子 代表、共同養育コンサルタント

一般社団法人りむすび

家族のあり方は多様化してしており、シングルマザーになってワンオペ育児(家事、育児、仕事を全てひとりで担当すること)を頑張っている方も多くいらっしゃいます。

しかしながら、ひとり親家庭は、子どもが寂しい思いをしたり親に負担がかかったりと問題や悩みを伴いがちでした。

本当は離婚しても子どもには親が二人いることに変わりはなく、離婚後も親が良い関係を保ちながら「共同養育」をすれば、両親、子ども共にたくさんのメリットが得られるのです。

今回は、離婚家庭の両親とお子さんを応援するため共同養育の支援をおこなっている「一般社団法人りむすび」しばはし聡子代表にインタビューしました。

共同養育への想い。一般社団法人りむすび しばはし代表インタビュー

一般社団法人りむすびは、離婚した両親が共に子育てに関わる「共同養育」の普及活動をおこなっている団体です。

主に、第三者として同居親と別居親の架け橋の役割を担い、相談業務、面会交流(子どもが別居している親に会うこと)のサポートをおこなっています。

なぜ、しばはし代表は現在のご活動をはじめられたのか。動機や業務の魅力、そして未来について、伺いました。

しばはし聡子代表のご活動の原点

編集者顔画像

共同養育について様々なかたちで日々、展開活動をされているしばはし聡子代表ですが、現在のご活動を始めようと考えられたきっかけ、そして法人化された経緯をお聞かせください。

しばはし代表お顔写真

私自身が5年前に子連れ離婚をしました。その際に、元夫と関わりたくないがゆえに、当時小学校4年生だった息子に父親を会わせることに後ろ向きだったんです。

その間に息子の気持ちが不安定になってしまったことをきっかけに、前向きに会わせるようになったらみるみると息子が笑顔に。私自身も元夫の存在を乗り越えて気持ちが楽になりました。

この経験をきっかけに、離婚後も親子関係や親同士の関係が続くこと、離婚しても子どもにとって両親が関わる「共同養育」という考え方の大切さを普及するために、20年つとめた会社員生活に終止符をうち、一念発起して一般社団法人りむすびを立ち上げました。

現在、別居離婚後の子育てや相手との関わりのご相談、離れて暮らす親と子どもが会う面会交流の付き添いサポート、別居離婚を経験しているパパママのオンラインサロンコミュニティ運営、共同養育の普及に向けた講演執筆活動などを行っています。

共同養育サポート事業の、大変なこと、魅力を感じること

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講演、講座、執筆といったメディアへの露出、また個人向けの離婚相談やカウンセリング、面会交流サポートといったご活動で日々、共同養育実践を推進されていらっしゃいますが、現在のご活動の中で、大変なこと、魅力を感じることはどのような点でしょうか。

しばはし代表お顔写真

面会交流のサポートをしていると、お子さんと離れて暮らす親御さんが会う場面に立ち会います。

お子さんが嬉しそうにしている姿を見ると込み上げるものがあると同時に、親子関係は絶対に途絶えさせてはいけないと感じます。

また、子どもを会わせることに後ろ向きな方が徐々に前向きになり、今では面会交流の間に自分の自由な時間を楽しめるようにまでなっていたり、子どもに会えなくて怒りが込み上げている方が徐々に穏やかになっていくなど、ご相談者の方の変化に伴走し、最終的には元夫婦が直接やりとりができるようになるまでサポートできることがあるので、とても意義のある活動だと感じます。

ただ、離婚するほどもめた夫婦感のこころの仲介をすることは簡単なことではありません。

時に時間がかかったり、怒りの矛先がこちらに向くようなことも稀にありますが、それでも正対し共感しながら日々サポートに取り組んでいます。

しばはし聡子代表ならびに一般社団法人りむすびの展望

しばはし代表インタビューお写真

しばはし代表お顔写真

この2年間はりむすびの活動に人生のすべてを費やしていて、振り返ればプライベートがありませんでした。

これからはりむすびの活動はもちろんですが、自分自身の趣味の時間やリフレッシュの時間を意識的に作るようにしていきたいですね。

最近は定期的にランニングしたり、オンラインヨガや英会話を始めています。小さなことでも継続すると自信につながるんですよね。

あとは息子も4月から高校生。あと数年すれば成人です。

今までは息子ファーストでいましたが、私自身これからの人生を誰とどう生きていくか、真剣に考えていきたいと思っています。

りむすびの活動は理念に賛同してくれて本気で取り組んでくれる仲間を増やしていきたいですね。

共同養育があたりまえの社会になるために、まだまだできることがたくさんありそうです。

編集者顔画像

一般社団法人りむすびのホームページや、過去のしばはし代表のインタビュー記事を拝見していると、共同養育の重要性や家族というものの在り方を深く考えさせられます。

共同養育があたりまえの社会の実現のために、今後も一般社団法人りむすびのご活躍を応援しております!

しばはし代表、本日は大変ありがとうございました。

一般社団法人りむすびの活動内容

今回のインタビューにご協力いただいた、しばはし聡子さんが代表を務める「一般社団法人りむすび」について紹介いたします。

一般社団法人りむすびは、離婚した両親が共に子育てに関わる「共同養育」の普及活動をおこなっている団体です。

主に、第三者として同居親と別居親の架け橋の役割を担い、相談業務、面会交流(子どもが別居している親に会うこと)のサポートをおこなっています。

また、講演活動や、より多くの親子が幸せになれるよう「共同養育コンサルタント」の育成や全国の支部化にも力を入れています。

「りむすび」という名前の由来は「Re.結び=あらためて縁を結ぶ」です。これは、夫婦関係の修復、そして離婚後の元配偶者や親子の良好な関係、再婚などのご縁を意味します。

りむすびの強みは、離婚と共同養育の当事者が支援できるところ、相手方との心の仲介もおこなえるところ、離婚前から離婚後まですべての時期をサポートできるところです。

離婚をしても、子どもにとっての親はお父さんとお母さんの二人に変わりありません。離婚することになっても、夫婦の問題だけでなく子どもの気持を考え、なるべく円満に解決する必要があります。

そこで、りむすびは「争うよりも歩み寄りを」をモットーに、司法だけでは立ち入れない「心の仲介」を大切にしながら共同養育普及活動をおこなっています。

共同養育とは

「共同養育」は、離婚後も両親が子育てに関わることです。共同養育には、このようにたくさんのメリットがあります。

  • 子どもが、両親から変わらず愛情を変わらず受け続けることができる。
  • 親の離婚による喪失感・環境の変化に伴う、子どものストレスを抑える。
  • 子どもが、自分のルーツを知りアイデンティティや自己肯定感を高められる。
  • 男親・女親それぞれと関わることで、子どもが多くの体験を得られる。
  • 両親の交流が続くことで、経済的なサポートを受けやすくなる。
  • 離婚しても、両親で育児が分担できる。
  • 同居親が「もしもの時」に備え、子どもが別居親に頼れる状況を作っておける。
  • ひとり親家庭に起こりやすい社会的な問題を防ぐ。

りむすびは、両親が離婚しても、子どもが親の顔色をうかがわず素直に気持ちを発言でき、両親と自由に連絡したり行き来ができる環境を作ることが大切だと考えています。

必ずしも両親が子どもの前で無理に居合わせる必要はなく、交流の頻度や関わり方などは各家庭の都合に合わせ、両親が子育てに関わっていれば、十分な共同養育としています。

サポート内容

りむすびは、離婚を考えている人、子連れ離婚した人を対象にサポートをおこなっています。

相談
別居・離婚後の子育て、相手との関わり方に関する悩みに対応し、共同養育の実践に向けた相談をおこなっています。

別居親との相談では、なぜ相手が離婚したい気持ちになったのか、同居親の気持ちを代弁しながら解決方法を導いていきます。同居親に対しては、夫婦関係が破綻した後も親同士という関係が前向きに続けられるよう、心のサポートをしていきます。

また、別居・離婚によるダメージをケアするため、カウンセリングによって自らの気づきや成長を促すお手伝いをしています。

面会交流サポート
親同士の関係再構築に向け努力をしている方を対象に、面会交流サポートをおこなっています。

同居親の子どもを送り出す不安や葛藤、別居親のつらい思いを受け止め、子どもが安心して面会できるようサポートします。

各家庭の親子関係、夫婦の葛藤度に合わせ、臨機応変にカスタマイズすることも可能。事前相談、引き渡し、付き添いなどをお手伝いしていきます。

「パパとママの話し合い離婚サポート」
離婚前の夫婦を対象に対象に、関係修復または後悔しない決断に向けたサポートをおこなっています。

まずは、関係修復に向け、それぞれの気持ちに寄り添ったカウンセリングをおこないます。

離婚を選択することになっても、子どもの幸せを考え、夫婦で今後についての話し合いをすることが大切です。

もし離婚調停や離婚裁判ということになってしまうと、お互いの関係悪化、時間や費用の負担などさまざまなデメリットが生じかねません。そこで、りむすびと弁護士が仲介に立ち、争いのない協議離婚に向けての手続きを進めていきます。

共同養育講座

りむすびは共同養育の実践や普及に向け、3つの共同養育講座を開催しています。

初めて勉強する方は「共同養育べーシック講座」を、実際に共同養育の普及活動をお手伝いしたい方には「共同養育コンサルタント養成講座」共同養育アシスタント講座がおすすめされています。

共同養育べーシック講座
別居・離婚後の子育ての基礎知識、共同養育の必要性について学べる講座です。

講座の対象者は共同養育に興味のある人、別居・離婚を考えている人、離婚後の子育てに悩んでいる人などで、受講内容は自身や子連れ離婚をした人のサポートに役立ちます。

共同養育コンサルタント養成講座

りむすびの支部として共同養育実践に向けたサポートをおこなう「共同養育コンサルタント」を養成する講座です。

講座では、相談から面会交流の現場対応までのサポートスキルの一連が座学やロールプレイで学べます。

【講座内容】

  • 理念・心得  
  • 子連れ離婚の現状   
  • 子どもの気持ち/親の気持ち
  • 共同養育の必要性
  • 社会の課題
  • 相談対応
  • ケーススタディ
  • 手紙添削
  • 面会交流サポート
  • ロールプレイ
  • 講座の開き方 
  • 支部の運営ノウハウ
  • 発信の方法 など

受講後は認定試験に合格すると「共同養育コンサルタント」の資格が取得でき、りむすびの支部として活動することが可能となります。

受講は、りむすびの理念に則って共同養育を広めたい方が対象です。特に、ホスピタリティに自信のある人、臨機応変に対応できる人、包容力・受容力のある方などに適しています。(受講前に適性審査あり。)

共同養育アシスタント講座
共同養育の普及活動、面会交流支援をアシスタントの立場でサポートするスキルが学べる講座です。

受講すると、りむすび認定「共同養育アシスタント」の資格が取得でき、共同養育の普及活動や、りむすびの面会交流サポートのアシスタントとしての活動ができるようになります。

「共同養育コンサルタントとして活動するのは難しいけれど、なにかお手伝いをしてみたい」という方にもおすすめです。(適性審査あり)

共同養育講座は、都内(渋谷・恵比寿等)の会場で開催しているほか、zoomのオンライン講座による受講が可能なものもあります。(詳細はサイトで最新の情報をご確認ください。)

りむすび共同養育コミュニティ

「りむすびコミュニティ」は、共同養育に関心のある人が会員になって、意見交換や交流をおこなう会員制のオンラインサロンです。

別居・離婚を検討している人、別居・離婚後の子育てや面会交流のことで悩んでいる人などが、Facebookの非公開グループやオフ会などを通して横のつながりを築きます。

他のグループと異なり、会員はシングルマザーだけでなく父親・母親で構成されているところが特徴。交流は、それぞれの悩みや経験を共有し、離婚を乗り越えるために役立ちます。

会員の方からも「 同じ考え方の仲間ができた」「さまざまな状況・立場での話がうかがえて大変有意義」「居心地が良い」などの声が集まっています。

(入会は、りむすびのサイトにある申し込みフォームで受け付けています。)

講演会・勉強会

行政や自治体を対象に、共同養育普及のための講演会や勉強会をおこなっています。

行政担当者・相談員向けには、日本の面会交流の現状や相談事例などを、また子連れ離婚で悩んでいる当事者の方には、共同養育に向けた親の心得や相手とのかかわり方などを伝えます。

講師が当事者で支援者であるということから離婚や共同養育のメリット・デメリットのアドバイスが具体的でわかりやすく、参加者の方からもたいへん好評です。

しばはし聡子代表のプロフィール

しばはし代表は、共同養育コンサルタント、そしてお子さん1人を持つお母さんでもあります。

  • 一般社団法人りむすび 代表
  • NPO法人日本家族問題相談連盟認定 離婚夫婦問題カウンセラー
  • 日本離婚・再婚家族と子ども研究学会 監事
  • NPO法人あごら 理事
  • 慶応義塾大学法学部法律学科卒業

大学卒業後からずっと同じ会社で広報・秘書のお仕事に勤めるかたわら、ご自身の離婚をきっかけに離婚夫婦問題カウンセラーの道へ進み、2016年4月に「せたがや離婚・面会交流相談室りむすび」設立、離婚・面会交流コンサルタントとして活動を開始されます。

世の中で共同養育普及や面会交流支援のニーズが高まっていることから、正社員を卒業され、共同養育の普及活動に専念にすることに。そして2017年10月に「一般社団法人りむすび」が設立されました。

以降はりむすびの代表、共同養育コンサルタントとして、親子関係の継続、親同士の関係再構築を目指し、講演や執筆などによる共同養育普及活動を積極的に展開していらっしゃいます。

ちなみに、しばはし代表のお子さんのお名前に「結」という漢字が使われていることもあり「すべて大事にしていきたい」との思いから「りむすび」と名付けたのだそうです。

「離婚しても子どもにとって親はふたり」を理念に、ご自身のお子さんや親の離婚を経験した世のお子さん達の幸せ、そして親の新しい人生を想い、日々の活動に奔走されています。

実績

りむすびは、講演をはじめさまざまなイベント、メディア、SNSを通して子連れ離婚家庭の現状・共同養育の必要性を説明してきました。

りむすびの活動は着々と実を結び、子連れ離婚をした親を救済する大切な支援でありながら公的な支援が行き届いていない分野ということで、活動に高い関心が寄せられています。

講演・イベント等の実績
  • 「別居と離婚 行政の子ども支援のあり方」講演会(名古屋)
  • 日本家族と子どもセラピスト学会「共同親権と日本の家族」
  • 日本離婚・再婚と子ども研究学会大会「離婚・再婚と子どもの育ち」
  • 2020年 「第9回OICHIビジネスアワード」グランプリ受賞
  • ウーマンドリームアワード2019「共同養育普及に向けて応援を!」入賞
  • ひとり親家庭支援プロジェクト実行委員会主催「ひとり親家庭作文コンクール」
  • 大阪府堺市「親支援講座」
  • チャリティサンタ研修「次世代層へ向けた共同養育普及」

ほか多数。

メディア出演実績
  • 朝日新聞社とYahoo!ニュースの共同企画による連載「平成家族」
  • ひとり親向け情報サイト「ウタリくらぶ」
  • 週刊女性「養育費を払わない元夫に父親の自覚を」
  • 弁護士ドットコム 「「面会交流の壁を乗り越える視点」」
  • 専門家ライフラボ「一般社団法人りむすび 子連れ離婚相談コーナー」
  • NHK首都圏ネットワーク「離婚後の子育て “共同養育”とは!?」

ほか多数。

執筆実績 
  • シングルマザー向け情報サイト「シグマル」
  • シングルマザー向け情報サイト「シンママstyle」
  • ベビーシッターサービス「キッズライン」

共同養育の普及で、離婚家庭の親子ももっとハッピーに

親が離婚したら、引き取った親が一人で子どもを育てていくケースが一般的でした。しかし、ひとり親家庭は、子どもに寂しい思いをさせるほか、ワンオペ育児による親の疲弊、経済困難、またネグレストや児童虐待などの原因につながるとの指摘も挙がっているそうです。

こうした問題を解決するのが、一般社団法人りむすびが普及を進めている共同養育です。もし、共同養育があたりまえの社会になれば、離婚家庭の負担が軽くなり、子どもが親の離婚の犠牲になる心配がなくなります。

ひとり親家庭になって、別居している親と会えなくなっている子どもは、毎年16万人ずつ増えているのだそうです。

そういったお子さんが一人でも少なくなるよう、これから結婚・育児をする若い世代の方も含め、共同養育の賛同者がさらに増えていくことを願っています。

共同養育に関する情報は、りむすびのサイト「共同養育woman」「共同養育ママ・パパの声」や無料メルマガ、LINE登録でも知ることができます。興味を持たれた方は、是非こちらもチェックしてみてくださいね。

この記事のご協力者様

しばはし 聡子 代表、共同養育コンサルタント

一般社団法人りむすび

1974年生まれ。慶應義塾大学法学部卒。1996年~2017年電気事業連合会にて広報・秘書に従事。
”離婚しても親はふたり”。自身の子連れ離婚の経験から 離婚後も両親が子育てに関わる共同養育を普及すべく、2017年「一般社団法人りむすび」を設立。共同養育実践に向けた離婚相談・面会交流支援・コミュニティ運営、および講演・執筆・メディア出演などを通して共同養育の啓蒙活動を行う。

(本記事の情報は2020年3月時点のものです)

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