社会保険完備とは。その重要性と、それぞれの種類を簡単解説

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社会保険完備という言葉を転職活動中に見かけた方も多いことでしょう。しかし、その意味を正しく答えられる方は少ないのではないでしょうか。

社会保険を支払っている認識はあっても、会社側から提示される事に疑問を抱く方も多いでしょう。

社会保険とは何を意味しているのか?完備している事で働く人にとってどのようなメリットはあるのかについて説明します。転職するなら社会保険完備の条件についても確認しておきましょう。

社会保険完備があらわす意味とは?保険の種類を知っておこう

正社員採用を行っている会社への就職を希望する場合、まず確認するのは給与や賞与、年間休暇日数などの条件でしょう。社会保険完備の項目を確認している方はどのくらいいるのでしょうか。

具体的にどのような社会保険が完備されているかを知らずに採用され、採用後に社会保険が完備されていなかった事に気づく方もいるのです。

社会保険とは何かをまず正しく理解しておきましょう。

企業が求人を行う場合、インターネットや広告などで採用条件や福利厚生を告知しています。

各種社会保険完備と書かれている場合、以下の保険に加入可能な事をあらわしています。

  • 健康保険
  • 厚生年金保険
  • 労働者災害保険(労災保険)
  • 雇用保険

上記の保険の内容を具体的に説明していきます。

健康保険とは

健康保険とは、仕事以外でケガや病気をした場合に、治療費の補てんを行ってくれる保険です。加入すると、健康保険被保険者証が交付されます。

本人以外の扶養家族も一緒に加入できることが、他の保険と大きく異なる点です。

厚生年金保険とは

厚生年金保険は将来年金の支給を受ける際に、国民年金に上乗せされる形で老齢年金が支給される保険です。その他、万が一、障害を負う事があった際に、障害年金を死亡の際には遺族年金が支給されるという仕組みもあるのです。

労働者災害保険(労災保険)とは

労働者災害保険に関しては、仕事中や通勤途中の怪我や病気に対して、治療費や治療中の賃金を保障する為の保険です。労働者災害保険は全額企業の負担となるのが特徴です。

雇用保険

雇用保険とは、失業した際に、再就職先が見つかるまでの間、失業手当を受け取る為の保険です。別名失業保険と言えば馴染みがあるでしょう。

働く意思のある方が支給の対象となり、実際に支給を受け取る為には、会社都合の場合は6ヶ月以上、自己都合による失業の場合は12ヶ月以上の間保険に加入している必要があります。

また、育児や介護などの理由で働けなくなった場合にも給付を受けられる保険なのです。

上記で紹介した4つの保険の全てに加入できるということが社会保険完備の意味なのです。企業側もこのうち一つでも欠けていれば社会保険完備の条件を提示する事はできません。

社会保険完備のメリットとは

社会保険完備をうたっている会社であれば、正社員は加入可能となります。また正社員以外でも、一定の条件を満たす方であれば、加入対象となります。

契約社員であれば、雇用契約期間が2ヵ月を超える方が該当します。採用当時は2ヵ月の契約であっても、3ヶ月目を迎えれば、その日から加入となります。

また、アルバイト、パートにも適用となる点が他の福利厚生や給与条件と異なる点です。

  • 正社員の3/4以上の勤務時間、勤務日数を働いている人
  • 週4日以上かつ1日6時間以上働いている人
  • 正社員が週5日1日8時間勤務の場合を前提として

社会保険完備はアルバイト、パートの方にとってもメリットがある条件なのです。

特に恩恵があるのが、医療保険です。社会保険証を持参する事で、病気の際の治療費の負担がかなり軽くなります。

保険がない状態で病院にかかると全額負担となる為、医療費の負担が大きくなってしましますが、負担を抑えることができるのです。

また、勤務時間中に万が一ケガをしてしまった場合には労災保険が適用されることとなります。労災保険であれば、医療費を全額負担してもらうことができます。

そして、社会保険証は免許証を持っていない場合など、身分証明書の役割も果たしてくれる非常に貴重なものになります。

このように、社会保険完備であることには非常に大きなメリットがあります。正社員以外も恩恵を受けることのできる各種社会保険に関しては、転職時だけでなくパート、アルバイトでの勤務を考える際にも条件のチェックを行いましょう。

社会保険完備してない会社もある!注意が必要な例とは?

社会保険を完備していない会社は存在します。健康保険や厚生年金保険に加入できない会社は存在しているのです。業界によっては、当然のように完備していない場合もあります。

この二つを完備していないことは雇用される側にとって得られる恩恵が少ない事を意味しますが、違法ではありません。しかしそれ以外の労働災害保険と雇用保険に加入できないのであれば、注意が必要です。

就業規則または労働契約書等で定められた労働時間(所定労働時間)が週に20時間以上あること、31日以上働く見込みがある雇用者を企業側は雇用保険に加入させなくてはなりません。

また、労働者が1人でも存在すれば、労働者災害補償保険の適用手続きを会社として行う必要があるのです。

上記の2つに加入できないのであれば、採用条件との差異が問題となる以前に法律違反となります。採用試験を受験した際に判明したのであれば、採用条件を掲示しているエージェントなどに報告しましょう。

各種社会保険完備という雇用条件をうたいながらも、会社によっては試用期間終了後に加入させる場合もあります。

法律上は雇用契約2ヵ月以内であれば、加入していなくとも違反にならない為、試用期間も2ヵ月以内であれば問題ありません。

しかし、試用期間が2ヵ月以内の会社は珍しく、3ヶ月や半年といった会社が多いのが事実です。このような場合、会社を訴えるかどうかは別として、実際は法律違反となっている事を知っておきましょう。

社会保険完備に産休育休は含まれるか

社会保険完備とはあくまで保険の条件であり、産休育休は会社の就業規則でうたわれています。しかし、社会保険が産休育休に全く無関係かと言われれば、そうでもありません。

健康保険の適用範囲として、病気以外に出産があります。出産で会社を休まざるを得なくなった際に、一定期間の賃金補填や、一時金を支給する仕組みもあるのです。出産一時金としては、1児ごとに30万円が支給されます。

このように産休育休のしくみとは異なりますが、産休時の生活をサポートする制度ではあります。

知っておきたい、社会保険完備と退職金の関係

社会保険の仕組みを知っておくことでメリットがある事をお伝えしましたが、退職金を貰う際にも知っておくべき知識があるのです。

社会保険料全般の仕組みとして、月末まで在籍している場合は、その月の保険料が発生し、月中で退職している場合には保険料が発生しません。6月30日に退職したケースでは6月の社会保険料が控除されます。

しかし、6月29日退職であれば、控除されないのです。しかし、退職後の状況により、国民年金や国民保険料が発生することがある為、一概に退職日を月末にしない方が得だといった結論には至りません。

但し、賞与に関しては、得だと言えます。賞与からは健康保険や厚生年金などの保険料も控除されます。よって、賞与が支給された後、月末前までに退職すれば、通常の保険料のみでなく、賞与からも保険料が徴収されることはありません。

上記を加味すると退職金についても同様の扱いだと考える方も多いかと思いますが、実は退職金には社会保険料はそもそもかかりません。賞与よりも大きな額の退職金を受給する際に、社会保険料の心配をする必要はないのです。

退職金は長年の勤労の対価として支払われる慰労金の役割も果たしている為、社会保険料が差し引かれることはないと覚えておきましょう。

社会保険完備に含まれる厚生年金保険の仕組み

厚生年金は社会保険の中でも重要な保険です。老後の為や、死亡、障害を負った時の為の保障となります。

会社に雇われていない方は厚生年金ではなく、国民年金に加入する事となります。

厚生年金を支払うこととなった場合は、その負担額は収入に応じて額が異なり、会社が半分、個人が半分を負担します。

社会保険料が給与明細から引かれているのを見て、引かれている金額をみて加入したくないと考える方もいるかもしれません。

しかし、会社から雇われ、条件を満たす場合には必ず加入しなくてはなりません。厚生年金に入っていない方が、国民年金に加入している点からも、支払う義務がある事からも明らかでしょう。

社会保険完備と年金手帳の関係

年金手帳はどのような時に使用するのかを正しく知っている方は少ないかもしれません。転職時に社会保険完備かどうかを確認した上で、会社側に提出する必要のある書類の中に年金手帳も含まれます。

提出する書類は以下の通りです。

  • 源泉徴収票
  • 年金手帳
  • 雇用保険被保険者証
  • 健康保険被扶養者異動届(扶養義務のある方)

会社に雇われて加入できる保険各種は転職後すぐに相応の手続きを行わなくてはなりません。よって、退職時に年金手帳を会社に預けている場合は返却してもらう必要があるのです。

転職時に前職からの入社期間に空白期間が無い場合は上記の書類提出のみで本人の手続きは必要ありません。

しかしながら、雇用の空白期間が発生した場合には厚生年金を国民年金に切り替える手続きが必要となる為、注意が必要です。各種保険は会社から雇用されているからこそ受けられる恩恵なのです。

転職の際には社会保険完備もチェックを

転職先を探す際には社会保険完備の条件をまずはチェックしましょう。給与や賞与などの条件こそ重要と考える方も多いかもしれません。しかし、人を雇うにあったっての義務でもある保険に加入させない企業が信用できるでしょうか。

例え、給与の条件が良かったとしても、労働者災害保険に加入していない企業の業務は危険が伴うものかもしれません。危険を伴うからこそ給料が高いのだと考える事もできます。

国民が皆なんらかの保険に加入している時代に、企業側が従業員を保険に加入させない事態は異常だと捉え、社会保険完備の条件の記載がない企業を候補から外す勇気も時には必要なのです。

転職先選びの最重要項目は社会保険完備といっても決して過言ではないのです。

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