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ライターとしての仕事の魅力とは。ライターソムリエ北村守康さんインタビュー
この記事の専門家
北村 守康ライターソムリエ
合同会社ライトスタッフ
クライアントから依頼を受けて取材記事やコピー(広告文)を作成するのがライターの仕事です。
一般には「専門性の高い特殊な仕事」として知られてきました。しかし、紙媒体に加えウェブでコンテンツを発信するスタイルが増え、ライターの需要が高まっていることから、未経験者、プロではない人がアルバイト感覚でライターとして活動するケースも増えてきています。
今回は「合同会社ライトスタッフ」の代表でライターソムリエの北村守康さんに、ライターという職業に就くにはどうすればいいか、その魅力や苦労についてお話を伺いました。
▼目次
ライターという職業の実情とその魅力。ライターソムリエの北村さんにインタビュー
ライターのコーディネート、情報媒体の制作業務、広報・宣伝に関するコンサルティング・プランニング業務を手がける「合同会社ライトスタッフ」。
日々、依頼の執筆案件に合うライターをソムリエのように厳選して提案、また自らもライティングに励まれているライトスタッフ代表の北村さんに”ライターとは”を伺いました。
ライターの仕事内容
ライターとしての仕事内容とは、どのようなものでしょうか。
このようなコンセプトでサービスを展開しているところは他になく、決まった職業名はありません。
以前はライターコーディネーターと名乗っていましたが、相手の好みや状況に合わせてワインを選定するソムリエのように、依頼者の要望や条件、仕事内容を考慮して最適なライターを選定することから、現在ではライターソムリエと名乗っています。
ライターの選定こそがこの業務の生命線で、その意味を含んだこのネーミングはしっくり合っているように思います。
もともとライターとして活動していましたが、2006年に合同会社ライトスタッフを興してからは、ライターのコーディネート業務に徹して来ました。
最近ある新聞社が運営するニュースサイトの編集部とご縁ができ、ライターとして記事を執筆させていただいています。本業の合間に書きたい記事テーマとコンセプトを、メディアの編集部に提案して承諾を得られたら書くというスタイルです。
報酬を頂いて執筆していますが、自分の書きたいテーマを書かせていただいているので、仕事というより趣味感覚で楽しくさせてもらっています。
しかし本来のライター業務は、記事作成の依頼を受け、テーマや内容の好むと好まざるに関わらず、依頼者の指示と要望を満たす原稿を納品しなければなりません。
前者は編集記事を書き、後者はコピー(宣伝文)を書きます。
小説家、脚本家(シナリオライター)、放送作家も広い意味ではライターですが、こちらはフィクションが多く、書き手の発想や感性を重視されるアーティスト的な執筆に対して、出版・広告業界で活動するライターは、各媒体の読者の好みを把握したうえで、事実を読者に興味深く理解しやすく、正確に伝えることを第一とする、いわば職人仕事の執筆といえます。
編集記事とは、広告ではない新聞や雑誌などのメディアが発信する記事でことです。コピーとは宣伝文や広告記事のことです。
メディア記事や企業広告のほとんどは東京で制作されています。東京一極集中といわれるように、ライターの執筆業務も9割以上が東京で発生すると考えます。
東京では出版系・メディア系ライターと、広告系のコピーライターとが棲み分けされています。しかし弊社が活動する関西では、東京に比べて執筆業務が少なくライターがコピーを書いたり、コピーライターが編集記事を書いたり、業界・ジャンルの垣根を越えて活動する人が多いです。
企業の採用サイトや採用パンフレットは、企業が費用を出して制作会社に依頼している広告ですが、社員のインタビュー記事や社員同士の座談会記事は、編集記事っぽい(宣伝っぽくない)テイストが求められ、編集記事を書き慣れているライターを起用する傾向にあります。
ライターの多くはフリーランスです。もちろん制作会社や編集プロダクションに所属する人もいますが、多くは後にフリーランスとして独立します。
フリーランスは自営業なので自分で仕事を獲得しない限り、収入はゼロです。ライターの主な取引先は制作会社、編集プロダクション、出版社です。IT系のコンテンツ会社も外注ライターを募集していますが、私の感覚ではセミプロやライター経験のない人が執筆しているケースも多いように思います。
- 発注フロー1.「編集記事」
-
メディア(出版社、新聞社、サイト運営企業)
↓
編集プロダクション
↓
ライター※編集プロダクションを通さず、メディアから直接ライターに発注することもあります。
- 発注フロー2.「広告記事、コピー」
-
企業
↓
広告代理店
↓
広告制作会社
↓
ライター※広告代理店を挟まないケースもあります。
- ライターの業務フロー
-
依頼者(編集プロダクション、制作会社など)から仕事の相談
↓
条件(費用、スケジュールなど)等が合えば受注
↓
打ち合わせ
↓
必要に応じてインタビュー取材
↓
執筆
↓
入稿(原稿納品)
↓
依頼者の修正要請があれば対応
↓
再入稿(基本、依頼者がOKするまで続きます。OKが出れば業務終了)
またライターを探している業者や個人にアクセスしてもらえるHPやブログ、SNSなどの仕事依頼をもらう窓口を持つことも仕事を獲得するには大事です。
ライターの大変なところと魅力
完成した冊子を手に取ったり、画面で確認したりしたときの喜びは何ものにも代えがたく、それまでの苦労が吹き飛びます。作品として残るのもうれしいです。
ライターの執筆は情報の正確性と理解しやすさが求められる職人仕事と述べましたが、筆者のフィルターが記事に反映されるため、書く人によって大きく印象が変わります。
編集者やディレクターが同じ指示を出しても、書くライターによって情報の取捨選択、記事の展開は異なります。制限がある中での自己表現という点でいえば、作家や脚本家の執筆に通ずるところがあるといえます。
例えば、A業界の第一人者であるB氏をインタビュー取材する場合、A業界とB氏に関する情報収集をして、自分の知識にするインプットをいい加減にすると良質なインタビュー取材はできません。
取材や執筆する対象にまったく縁がなかったり、興味がなかったり苦手意識のあるものだと、モチベーションを上げるのが大変です。
依頼を断ることもできますが、新しい分野に挑戦できるチャンスでもあります。断ることで依頼者との関係がギクシャクするかもしれない、もう依頼をしてくれないかもしれない、そんな懸念はぬぐえません。
得意とする分野の依頼だとしても、インプットを含めた仕事全体の労力と費用とがまったく見合っていないときはつらいです。
また編集者やディレクターの指示が曖昧だと、ライターは大変困惑します。記事の方向性と着地点が分からないと、雲をつかむような取材執筆になるからです。
さらに大変なのが、ライターに指示を出す編集者やディレクターが不在の場合です。
クリエイティブ(雑誌や広告の制作)とまったく縁のない企業が自社でパンフレットや広報誌を作ろうとしてライターに依頼することもあるのですが、ライターにさえ頼めばパンフレットや広報誌が完成すると思っているのです。家づくりに例えるなら、設計図、現場監督の指示なしに、大工に家を建てろと言うようなものなのですが、よく考えられがちです。
それと、いろいろな分野のことを学べることです。好奇心が旺盛な人にとっては、こんなに面白い仕事はないと思います。
先述したようにライターの多くはフリーランスです。
ライターに限ったことではないですが、フリーランスだと細かな取り決めをせずに仕事のスタートを強いられることがあり、当初話に無かった業務をさせられたのに、その分の費用は反映されない。難癖をつけられて減額される。仕事はとっくに終わっているのに、いつまで経っても請求ができないなど、依頼者の都合に振り回されることもあると考えます。
フリーランスは自分自身が商品であり、その商品を売るのも、スケジュール調整や費用交渉などマネジメントするのも自分自身です。
スケジュール管理は重要です。スケジュールの組み方が悪いと、執筆や取材が重なったりします。結果、依頼者に迷惑をかけてクライアントを失うことにも。仕事の重なりを恐れる余り、仕事を詰めないと結果、売上げ・収入は伸びません。
ライターに求められる能力、向いている人とは
読書家で、語彙力やいろんな方面に知識があるに越したことはありませんが、あまりにも知識があり過ぎて、一般読者との間に大きな乖離が生れることも無きにしも非ずで、それでは、読者視点で記事は書けません。
知識はそれ程なくても、インタビュー取材前や執筆前には関連情報をインプットするプロセスがあるので、「物知り博士」である必要はありません。
それよりも好奇心旺盛で、他人からいろんなことを聞いて伝えたいという欲求のある「聞き上手」「伝え上手」の人がライターに向いていると思います。
しかし、最初に「お好み焼きとは日本風のピザ」あるいは「肉やエビやイカなどが入った日本風パンケーキ」と説明すれば、聞き手は一気にイメージが膨らむと思います。
それから、インタビュー取材で得られた情報を執筆する際、取材対象者の言葉や表現をそのまま使ったり話の内容を忠実に伝えたりしても、会議の議事録のようになります。
インタビュー取材で得られた情報を自分なりに咀嚼して、時には取材対象が放った言葉のその奥の奥にある真意をひもとき、読者に伝える工夫をすることで、実際以上の臨場感が生まれることもあります。これが伝え上手で、ライターの文章力に大きく影響する咀嚼力です。
では、逆に向かない性格というものはありますか。
自分一人が時間を守らないと多くの人に迷惑をかけます。また記事の情報の正確さも問われるので、いい加減でルーズな人には向かないと思います。
作家や脚本家と違い、自分の名前が出ることはあまりなく、著名人や専門家のゴーストライターとして本を執筆する機会もあり、ライターは基本黒子です。
守秘義務契約などにより、仕事内容や仕事をしたこと自体公言できない場合も多いので、自己顕示欲が旺盛で、内部情報をSNSなどで安易に発信しがちなライターはお客さん(執筆依頼者)が離れていきます。
これは私の考え方ですが、ライターという職業はある意味、通過点に過ぎないと思っています。ライターになることが目的やゴールではなく、ライターになって何をしたいかが大事だと思います。10人ライターがいれば、10通りの活動スタイルがあっていいと考えます。
例えば、
・業界や分野を問わず、文章で読者に伝えるスペシャリストになる。本来のライターの姿を追求する。
・特定の業界・分野の取材・執筆を多くこなし、ライターに留まらず、その業界・分野をよく知るスペシャリストになり講演やセミナーを行い、取材される側にもなる。
・ライティングの技術を活かして、企業PRにおけるライティングというような新たな概念を創造し、その第一人者になる。
・インタビュー取材の技術を応用して、コミュニケーションの専門家の仕事とライター業とを両立させる。
ライターという職業のスタイルは人それぞれで、特定の枠に収まるものではありません。
いろいろなライターという職業の形があり、創意工夫や熱意次第で、自分色の何者にもなれる、そんな職業だと考えます。私自身もライターから、ライターソムリエという唯一無二の存在に変貌し、今を生きています。
コネクションのあるライターの方の傾向
即戦力を求められ、40代以降のライターに仕事が集中します。20代30代の若いライターは、経験不足・実力不足を理由に良質な仕事が回ってこないのが現状です。
ライターになるには、いくつかの職業遍歴のパターンがあります。ここでいうライターとは、フリーライターです。組織に属し、組織で定年を迎えるライターもいますが、在籍年数を重ねるとライター業だけでなく、ディレクター業や営業、マネジメント業の管理職に重心が変わることも少なくなく、ライターとして書き続けたい人はフリーライターとして独立する道を選びます。
一番多いのは、編集プロダクションや制作会社のスタッフとしてライターや編集、ディレクションの業務をしたのち、フリーライターになるパターンです。
出版社の編集部で編集者をした後にフリーライターになる人、新聞社で記者をした後にフリーライターになる人もいます。
そして異業種から、いきなりフリーライターになる人もいます。
ライターは資格が不要なので、自分がライターと名乗れば、その瞬間からライターになれます。それだけに、プロと素人の境界線が曖昧です。
弊社では、出版業界・広告業界での仕事経験ある人をプロととらえ、一つの判断基準にしています。出版の編集者は売れる本・雑誌作りのプロで、広告のクリエイティブディレクターは成果を出す広告作りのプロです。これらのプロの依頼を受けて執筆するライターは、プロであるという理屈・解釈です。
IT関連会社が運営するサイトのテキストやSEO対策のための記事しか書いたことがないという自称ライターも最近は多いです。
執筆を依頼するIT関連の人たちが編集のプロでないため、書き手に求めるのは正しい日本語、違和感のない展開程度です。
編集者やディレクターのように特定のターゲットに対してのテーマ選び、コンセプト作り、情報のチョイス、明確で最適なゴールを想定する、読者へのマーケティング意識がない記事やコピー作成はプロの仕事とは呼べないと考えます。
理由として考えられるのは、フリーライターは自分のペースできるので女性は主婦業の傍らしている人も多く、男性は仕事が安定しないため転職する人もいるからです。
得意分野も様々です。広報誌、社内報、社史など媒体をウリにする人もいれば、医療系、教育系、流通系など業界に強いことをウリにする人もいます。
関西では、特定の分野だけでいくつもの媒体、いくつものクライアントを抱えるのは難しく、いろいろな分野や媒体の執筆をして生計を立てている人が多いです。
書くテーマや媒体によって異なりますが、編集者やディレクターは自分の年齢に近い、あるいは年下のライターを選ぶ傾向にあるので、ライターになるのなら若いうちがいいです。
仕事の流れとして、編集者やディレクターがライターに指示する形になるので、自分よりかなり年上だとやり難さを感じるのです。ただ特定の分野にめっぽう強く、その分野の情報や人脈を持っていて、この分野ならこの人しかいないという存在になれば、年齢は関係ありません。
異業種から転職する場合は、あらかじめ取引き先を確保するなどしてからライターに転職するほうがいいと考えます。仕事実績を示すことができないければ、出版・広告系の仕事受注は難しいです。
異業種から転職する人の多くは、社会人向けの編集教室やライター養成講座を修了しています。講師は、出版・広告業界で活躍している人たちなので、受講期間中に講師の方々とコミュニケーションを重ね、熱意を伝えるなどし、コネクションを作っておくのも大事です。
ライターに限らず、フリーランスの仕事はクライアント(依頼者)の信頼のうえに成り立っています。時間や指示をきっちり守るのは当然ですが、クライアントに「このライターとは、楽しく前向きに仕事ができる」と感じてもらうことが大事です。
ライターとしての実績と実力は認めるが、融通がきかなかたり、妥協できない性格だったり、冷たい印象やネガティブな発言が多いと、クライアントにとってそのライターとのやり取りは苦痛でしかありません。
私もライターソムリエとして、依頼者から「一緒に仕事を楽しくできる人をお願いします」とよく注文を受けます。良きライターである前に良き社会人であれ、当然のことだと思います。
ライターというと机に向かってひたすら執筆しているイメージもありますが、実際にはクライアントである編集者やディレクターとのコミュニケーションや、取材対象者とのやり取りも多く、社交性が問われることも多いです。
ライターはサービス業だとも言えます。ちょっとした相談でも気軽にしてもらえる、そんな関係性をクライアントと築いておくことは、仕事依頼を継続してもらううえでとても重要です。
ライターを目指すならば知っておいてほしいこと、人一倍努力してほしいこと
異業種からの転職を考えているなら、まず編集教室やライター養成講座に通って、ライターとはどんな仕事で、どんな姿勢で取り組むべきかをまず学んでほしいです。
それを学ばず「文章作成には自信があります」「国語の成績はずっとトップクラスでした」「〇〇業界、〇〇の分野にとても詳しいです」と、編集プロダクションや制作会社など、外注ライターを募集しているところへ自分を売り込みに行っても正直相手にされません。
フリーライターというと、サラリーマンや公務員と違い、職場の人間関係とは無縁のイメージを持たれがちですが、すでにお話ししたように依頼者から仕事発注が来ない限り、1円も稼げません。多くのクライアントを獲得して継続的に仕事を依頼してもらうには、時にはクライアントの機嫌を取ることも、サービス精神旺盛で仕事することも必要だと考えます。
取材・執筆で大事なのが、全体像を(できれば瞬時に)把握する力(俯瞰力)です。この逆は、「木を見て森を見ず」タイプの人です。
全体像を把握しないと、枝葉末節なことの取材や執筆になり、本質的な内容の記事やコピーを書けず、ライターとしての資質が疑われます。
取材執筆の対象だけでなく、自分が携わる仕事の全体像も把握できれば、自分の位置づけが分かり、プロジェクトの一員として自分が何を期待されているが明確になり、それを仕事に反映できれば、ライターとしての評価も上がります。
好奇心はとても大事だと思います。
私もライターソムリエとして、ライターに仕事の相談をする場合、その仕事の分野の実績や知識が豊富でも、仕事内容に興味を示さず条件面ばかり気にする人よりも、その分野の実績や知識がなくとも、前向きで仕事内容に興味を示す人のほうをコーディネートしたいです。
そのほうが、仕事が上手く運びます。もちろんその前提として、ライターとしての実績があって、ビジネスパートナーとして信頼できる人である必要はありますが。
それから精神的にタフでないと難しいです。
依頼者からの理不尽な修正依頼や、方向性の急な変更、夜中に連絡が来て、すぐに対応を迫られることも日常的にあり、それが過度なストレスになる人もいます。
寛容に対応できる方がいいと思います。性格というよりも、意識と心づもり、ライターとして生計を立てて行くんだという覚悟は大切ですね。生半可な気持ちでできる職業ではないです。
特に「人間関係の悩みとは切り離される」という考えは間違っている点、ライターはある意味サービス業とも言える点は、世間の認識とちょっと違っているかもしれませんね。
ライターを目指す方へメッセージ
10人いれば、10通りの仕事スタイルがあります。ライターになってどんなことをしたいか、ライターとして、社会人として、あるいは人として、どういうふうに展開していきたいのかビジョンを持つことが大事です。ライターとは、自分スタイルに変貌していける、そんな職業だと考えます。
ライターのコーディネート、広報・宣伝にかかわるコンサルティング・プランニング、そしてご自身もライターとしてご活躍されている北村さんだからこその、ライターというお仕事への熱い想いを伺えました。
ありがとうございました!
ライターになるのはどんな人?楽な仕事?世間がライターに持つイメージとは
ライターといっても多種多様であること、ライターの多くがフリーランスで一般の方が仕事の様子を目にする機会は少ないことから、世間ではさまざまなイメージを持たれているようです。
実際にどんな人がライターになるのか、世間一般の人が持つライターのイメージ、また、ライターに求められる本質について、再認識してみましょう。
どんな人がライターになっているのか
「そもそも、どんな人がどうやってライターになっているのか?」という疑問を持つ人もいると思います。
従来のライターは企業で経験を積んでからフリーライターに独立するパターンが多かったのです。
しかし、近年は文章を書きたい一般の方が執筆業で収入を得るケースが増えてきています。中には趣味にとどまる人もいますが、実力あるフリーライターになって生計を立てている人、他業種からの転職でフリーライターになるケースも多いようです。
株式会社ウィルゲートは、在宅ワークを紹介するサービス「サグーワークス」の会員を対象に、ライターの仕事や在宅ワークに関するアンケートをおこなっています。ここでは、その結果を参照してみたいと思います。
在宅ワークをしているライターにワークスタイルを質問したところ、ライターを本業にしているのは4割、それ以外の方は副業としてライターをおこなっていました。
(参照:株式会社ウィルゲート「サグーワークスでの働き方」についての意識調査)
また、アンケート回答者の属性を見ると、30~40代の方、女性が多く、フリーランスや主婦(主夫)として在宅ワークをしている方だけでなく、会社員も多いことがわかりました。
「働き方改革」によって自由な働き方が認識されるようになったこと、副業解禁の企業が増えたことから、在宅でライターの仕事を始める人も増えているのではないかと思います。
次に、副業紹介サービス運営している株式会社ホールハートがおこなったアンケートの結果を見てみると「副業でやってみたい職業は?」との設問では、ライティングが1位に選ばれ、4割を占めていました。
(参照:株式会社ホールハート 副業に関するアンケート「やってみたい副業のジャンル」)
男性に人気のあるFX投資、主婦が作業しやすいデータ入力にも大差をつけて1位に選ばれていることからも、ライティングは収入を得る確実な手段として注目されていることがうかがえます。
また、副業でライターをする理由としてよく聞かれるのが「本業で習得している知識を生かして記事を執筆し、世の中のために役立つ情報を発信したい」という動機です。「副業のライティングで身につけたスキルを本業に還元したい」という声もあります。
アンケート結果からも、ライターは副業としての人気も高いことがわかりました。それならば、ライターはあくまでも”副業として”の魅力しかない仕事なのでしょうか。
同アンケートによると、副業をした人の6割以上が、副業でかかわった企業(仕事)を気に入り、その方面へ転職してもよいと感じていることがわかりました。
(参照:株式会社ホールハート 副業に関するアンケート「副業をきっかけとした転職もあり得るか」)
空き時間を利用して始めたライターの仕事だったのが、続けてみると楽しいと感じたりスキルが上達したため、本腰を入れてライターの道に進むケースも増えているようです。
ライターという職業に持つイメージは?
では、ライターの仕事は世間からどのようなイメージを持たれているのでしょうか。
ライターについては、そのまま「文章を書いてお金がもらえる専門的な仕事」という印象を持つ人が多いなかで、良いイメージ、悪いイメージ、またライターの仕事を誤解していて現状とは異なるイメージを抱いている人もいることがうかがえました。
- ライターの良いイメージ
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文章力や魅力的な情報を発信する才能があり、役立つ記事、面白い記事を書いているところに憧れる、という声が聞かれました。また、クリエイティブ系の仕事ということで、カッコいいというイメージが持たれやすいようです。
また、ライターにはフリーランスが多いことから「自由な働き方をしているところがカッコいい」「通勤のストレスがなくてうらやましい」という感想も聞かれました。
一定の収入を得ているブロガーもおり、クラウディングサービスを利用してライティングをしている一般の方も増えていることから、ライターの仕事を身近に感じている人は増えているようです。
- ライターの悪いイメージ
- 一方で、フリーランスのライターは、仕事が安定していないところがデメリットととらえられています。また、執筆業ということで、1日中部屋に閉じこもって作業している「孤独で不健康そうな仕事」というイメージも持たれがちです。
- ライターの誤解されているところ
- ただ、ライターの仕事を知らない人からはあまり理解されていない部分も多いです。たとえば、このようなイメージを持たれることもあります。
- 好きなときに休みが取れる
- 休みが多い
- 仕事がどんどん舞い込んでくる
- 好きなことを書いて楽にお金がもらえる
- 他人とのコミュニケーションが不要な仕事
仕事が無ければ必然として休みが多くなりますが、これらは、おおむね良い面だけを見た結果の誤解と言って過言ではないでしょう。
ライターに求められる本質
ライターは、クライアント、文章を読む人のために、求められている情報を的確に表現する必要があります。そのため、情報収集力や筆力などのスキルが求められます。
基本的に仕事は自分で探していかなければならないので、営業スキルが必要になる場合もあるでしょう。
孤独な仕事に見えますが、そもそもクライアントと共同でプロジェクトに取り組む仕事なので、打ち合わせや交渉、時には取材も必要になり、ある程度のコミュニケーションスキルも必要になってきます。
ライターになってみると「働いているときの感覚は、会社勤めの苦労とそれほど変わらないのでは」と感じることもあるかもしれません。
ワークスタイルにもよるのですが、ライターは楽に稼げる自由な仕事というよりは、真摯な姿勢と責任感が求められる仕事といえそうです。
合同会社ライトスタッフ(WRITE STAFF)のご紹介
最後に、今回のインタビューにご協力いただいた北村守康さんが代表を務める「合同会社ライトスタッフ(WRITE STAFF)」のサービスについて紹介いたします。
ライトスタッフは、2006年の設立からライターのコーディネート、ライティング等の制作業務、広報・宣伝にかかわるコンサルティング・プランニング業務を手がける会社です。
メイン事業である「ライターコーディネート」では、社外にプロのライターを探している企業とフリーライターとの最適なマッチングをおこなっています。
様々な実績、得意分野を持つフリーライターのなかから依頼案件に最も相応しいライターをコーディネート。様々な依頼に応えられるようライター募集は随時おこなっています。ライターが取材・執筆に専念できるよう、条件面を整える「ライターのマネージャー的な役割」を担っているのがライトスタッフの特徴といえるでしょう。
北村守康代表のプロフィール
ライトスタッフ代表の北村守康さんは奈良県吉野郡のご出身、学生時代に打ち込んだバスケットボールと同じくらい大好きな映画制作の世界に足を踏み入れます。
映画の脚本について学び、東京にあった松竹シナリオ研究所や映像制作会社などに籍を置いて映画シナリオの基本を学びます。
その後、関西に戻りライター業のかたわら、新たな形態のサービス「ライターコーディネート」の土台となる関西ライター名鑑という冊子を2005年に発行します。
2006年には、他業界のビジネスパートナーらと「合同会社ライトスタッフ」を設立、代表社員に就任します。
翌年から関西ライター名鑑をWEBで展開し、多種多様なライティング依頼、ライター手配のニーズに応えています。
また、北村さんはプレスリリース(報道発表資料)の作成に明るく、セミナー講師として多数教壇に立っています。
これらの経験を活かし、地元である奈良吉野の情報発信に携わり、観光客そして移住者の誘致に貢献していきたいと考えています。その第一歩として、ライターとして活動を再開し、ニュースサイトで吉野に関する取材記事を執筆しています。
ライターコーディネートサービスとは
「ライターコーディネート」は、依頼者(ライターを探している企業や個人)から執筆案件の依頼を受けた際、ライターの選定から完成した原稿の納品・検収までの流れを一貫して手配するサービスです。
ライトスタッフは、執筆案件のテーマや依頼者のニーズを聞き出したうえで最適なライターを手配します。それにより執筆案件とライターのミスマッチングを防ぎ、クオリティが高い記事の納品・検収が可能となるのです。
ライター陣の執筆業務は多岐に渡っているため、またライターコーディネーターとしての経験が豊富なため、依頼者のニーズに合った、仕事内容にマッチしたライターの手配が可能です。
コーディネートできるライターの大半が関西在住のため、現場取材を伴う依頼案件は関西エリアが多いですが、電話やWEBを活用した取材も可能なので、サービス対象地域は問いません。
北村 守康ライターソムリエ
合同会社ライトスタッフ
(本記事の情報は2019年11月時点のものです)
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