女性が輝く建設業界。松江土建株式会社の「建設業らしくなさ」の追求とは

0 コメント
twitter
はてな
facebook


この記事の取材ご協力者様

周藤 司 経営企画室 係員

松江土建株式会社

私たちが普段利用している施設、道路、橋などを建設し維持しているのが建設業。

このように私たちの生活に不可欠な業種であるにもかかわらず「建設業は3Kの代表的な職業」というイメージが強く、建設業の就労者減少が問題となっています。

近年は、国が「働き方改革」や建設業界での女性躍進を推進していることもあり、若者や女性が働きやすい体制の建設会社が増えています。実際に建設会社で活躍する女性も増えてきているのです。

島根県にある松江土建株式会社もそのひとつ。具体的にどのような取り組みをしているのでしょうか。松江土建株式会社 経営企画室で採用担当をしている周藤司さんにお話をうかがいました。

女性の活躍が建設業界を変える!松江土建株式会社 周藤さんインタビュー

これからの建設業を支えていくためには若者や女性のパワーが必要だと考え、「新3K(希望のある業界づくり・給料アップ・休日の確保)」を掲げて、若者や女性の雇用を積極的に推進している松江土建株式会社。

リクルートサイトでも女性社員の石川さんのインタビューコンテンツを掲載し、バナー画像にも採用するなどその姿勢が全面にあらわれています。

経営企画室 係員の周藤さんに、建設業界の現状と今後について、女性活躍推進の面でインタビューしました。

建設業界で女性活躍の推進をされる理由

編集者顔画像

建設という女性に敬遠されがちな業界で、女性からの応募を期待される理由はどういった点にあるのでしょうか。

周藤係員お顔写真

女性だから感じる建設業界・建設会社の問題点や改善点を受け止め、弊社の発展につなげていきたいと考えているからです。

元来、建設業は”男社会”であり、昔からの”建設業界特有の常識”というものが存在しています。

弊社は「過去の延長線上に未来はない」という考えのもと、古い考えから脱皮すべく「建設業らしくなさ」を追求しています。その中で、弊社の石川のような、若い女性技術者の考えは、弊社の変革にとって、大変貴重な存在であると思っています。

女性だから感じる問題点や改善点を、会社として真摯に受け止め、時代の流れに取り残されない姿勢を追求していきたいと考えています。

周藤係員お顔写真

また、弊社には、大型構造物や住宅の建築や修繕・リフォームを行う建築部にも多くの女性技術者が在籍しています。

女性ならではの目線でお客様に対応をしておりますし、女性の建築士も在籍しており、母親、女性の視点で、建物の設計を行っており、建設業に女性ならではの考えや工夫を活かす取り組みを全社で行っています。

女性の活躍によって感じられた変化

編集者顔画像

日々、石川さんが現場で活躍されていますが、女性を採用したことによる現場での変化や効果はどのようなものがありましたか。

目に見えて変化があった点、多方面から聞けて嬉しかった声などがあればお聞かせください。

周藤係員お顔写真

弊社は、社会貢献活動の一つとして、中学生の職場体験や、高校生(高専生)のインターンシップの実習の受け入れを積極的に行っています。

私が、高校生の頃に比べ、建築や土木を学んでいる女子生徒の割合が増加しています。多くの女子生徒を、職場体験・インターンシップで受け入れています。

石川が実習現場において、工事概要をプレゼンしたり、施工管理の業務を生徒の前で行います。

女子生徒が、今後の進路を考える際に、女性が施工管理を行うメリットやデメリットなど参考になったという話や、石川が現場で施工管理を行っている姿を見てカッコイイと感じた。と感想を聞く事が増えており、次の世代の育成に繋がっているのではないかと感じます。

女性採用を機に新たに始められた取り組み

編集者顔画像

女性を積極的に採用されるにあたって、新たに導入された社内制度や設備などはありましたか。

周藤係員お顔写真

弊社は、「しまね子育て応援企業 こっころカンパニー」、「しまね女性の活躍応援企業」として島根県から認定されています。

以前から育児休業した女性社員の短時間勤務制度の推奨を行い、職場復帰しやすい職場づくりを行ってまいりました。

2018年7月、新社屋での営業を機に、「女性社員が行っていた総合受付業務を無人化し、来客への湯茶の提供を、対応する社員自身が実施する」「女性専用のリフレッシュルームの完備」を行い、女性社員が本来の業務に専念し、女性の職務の幅が拡がるよう取り組んでまいりました。

女性専用のリフレッシュルームの写真1
女性専用のリフレッシュルームの写真2
松江土建株式会社 社内に完備された女性専用のリフレッシュルーム

周藤係員お顔写真

現在、新しい作業服のデザインの選定を進めており、建設業のイメージアップを図る取り組みを進めています。

編集者顔画像

女性専用のリフレッシュルーム、とても綺麗で落ち着けそうです。作業服のデザインは特にわかりやすくイメージアップに直結しそうですね。新しい作業服のデザイン、楽しみです!

建設業界で女性が働くということの展望

周藤係員お顔写真

通信技術の発展により、業務形態は常に変化しています。5Gとなれば、遠隔で重機が操作できる、WEBカメラで現場をリアルタイムでスムーズな動画で確認できる時代になります。

現場事務所だけが”現場事務所”ではなくなり、オフィスなどの遠隔地からの施工管理が行われる時代が訪れます。

弊社は、現場事務所ばかりではなく、本社からも、ITスキルを利用して施工管理のサポートを行う「建設ディレクター」※の育成を進めています。

建設ディレクターの普及によって、従来の役割分担や、職域に捉われないことで、労働力不足や、職場の活性化が図られることを期待しております。建設業での女性の活躍が、建設業界を変えると思っています。 

※建設ディレクター・・・「一般社団法人建設ディレクター協会」が推進するオフィスから現場支援を行う職種

編集者顔画像

施工管理、積算、CADなどの建設業の基礎知識を学び、現場とオフィスの架け橋になってくれる重要な存在ですね。

建設ディレクターとして多くの女性が活躍され、3Kのイメージが払しょくされていき、建設業界が変わる日も近い!と、周藤さんのお話を伺っていて感じました。

今後の松江土建株式会社での女性の活躍、そして建設業の変化を楽しみにしています。周藤さん、本日は大変ありがとうございました。

松江土建株式会社の事業内容や実績のご紹介

今回のインタビューにご協力いただいた松江土建株式会社について紹介いたします。

島根県松江市にある松江土建株式会社は、県下一円の建築工事、土木工事、環境事業等を行っている総合建設会社です。

1944年の創業から、「誠実」「堅実」を社是に、また「わが社は総合建設業を核とした事業を通じて、社会資本の整備、また水と自然環境整備の担い手として 地域社会の豊かな発展に寄与するため、全社員が一致結束して地球環境の改善とそこに暮らす人々の幸福を追求する。」を経営理念とし、地域の発展と共に歩んできました。

「お客様から一番に選んでもらえる地域No1企業」を目指し、顧客の「感動」を追求しながら、ものづくりの技術を磨いています。

グローバル化や高度情報化といった急速な時代の変化にも柔軟に対応。2018年に策定した第5期の中期経営計画のテーマを「業務革命100作戦」とし、全社一丸で「建設業らしくなさ」を追求した一歩先行く企業づくりに取り組んでいます。

そして、これからの建設業を支えていくためには若者や女性のパワーが必要だと考え、新3K(希望のある業界づくり・給料アップ・休日の確保)を掲げて、若者や女性の雇用を積極的に推進しています。

事業内容

松江市に本社を構える松江土建株式会社は、山陰に3拠点の営業所を展開し、公共・民間工事、住宅工事などを手がけています。

主要事業
  • 土木事業(道路、河川、トンネル、舗装に関する事業)
  • 建築事業(施設・学校・事業所・戸建住宅等の建築)
  • 環境事業(水質浄化事業)
  • 不動産事業(不動産の売買、交換・所有・所有等に関連する事業)
  • リノベーション事業(ビル・マンション・戸建住宅等の修繕)
  • ボウリング場「しんじ湖ボウル」の経営

また、CSR活動として、本社周辺の清掃奉仕作業、レガッタや登山などのスポーツ活動にも積極的に取り組んでいます。

地域の子どもに好評なのが「松江一受けたい授業」です。この企画は、若手社員が先生になって子どもたちに授業を行うというもの。体育(ボウリング)や宍道湖の水質を改善する実験などの楽しい授業を通し、子どもの健全な育成促進にも貢献しています。

企業づくりの取り組み

松江土建は、男性も女性もいきいきと働ける地域一番のリーディングカンパニーを目指し、さまざまな取り組みを実践しています。

5つのクレド
良い社風を築いて社員の資質を高めるため「5つのクレド(約束)」として「責任を持つ」「率先して明るい挨拶をする」「声掛けと感謝を伝える」「1日1回誰かをほめる」「前向きな姿勢を保つ」を励行しています。

松江土建は、時代の変化に伴い建設業界の風向きが変わっていることから、ただ建設技術を追求するだけではなく、お客様に寄り添う人材力が必要だと考えています。

5つのクレドの実践により、社員が笑顔で働ける明るい環境づくりができ、お客様の立場に立ったコミュニケーションがとれるようになることで会社のブランド力向上にもつながっている、とのことです。

「生産性向上」&「働き方改革」の追求
働き方改革の一環として、新しい就業体制を構築し生産性を高める業務改革に取り組んでいます。

業務改革の3本柱に「業務の効率化、標準化、平準化」を掲げ、働きやすい環境を構築しながら継承すべき技術は若者へしっかり伝え、男女公平に、キャリアの浅い若手が早くから躍進できる環境づくりに力を入れています。

また、2018年にはIT推進室を設置し、土木、建築、住宅の各部門へIT、AIを積極的に導入。従来のルールを見直し、無駄の多い作業を省略化することで、時短勤務の実現、休日・時間外労働の削減につなげています。

男女が共に働きやすい職場環境づくり

島根県は、育児をしながら働いている女性が特に多い県です。そのような背景もあり、県内でも早くから育児休暇制度、育児時短勤務など女性も働きやすい制度を取り入れてきました。

仕事と家庭の両立支援として、育児、看護、介護休暇制度の充実、制度の活用を推進しています。また、年次有給休暇の計画的取得を促進しています。

2013年には、子育て中の従業員を積極的に応援する企業として、島根県から「こっころカンパニー」にも認定されました。

育児、介護休暇は法定以上の日数を確保しており、中学校就学始期まで取れる看護休暇があるので「子どもが病気になったときに助かる」と女性社員からも安堵の声が聞かれます。もちろん男性も育児休暇を利用し、仕事と育児を両立しています。

また、疲労をとるためにリフレッシュする時間、家族と過ごす時間を尊重し、休暇の確保に取り組んで社員の働く活力につなげています。

部門や工事によっては時間外労働も発生しますが、基本は週休2日のため、男性も女性もワークライフバランスがとりやすい職場です。プライベートではしっかり育児を楽しむ、家庭的なパパ社員も多くいらっしゃるようです。

女性の採用・職域の拡大
女性には不向きととらえられてきた建設業ですが、これからの時代には女性ならではの感性や細やかな気配りが必要と考え、女性の採用・職域の拡大に力を入れています。

事務職のほか、営業職、技術職にも女性の職域を拡大し、女性管理職研修の実施、研修参加を推奨、男女を問わない人材育成を行っています。

明るく爽やかなリクルートページは、女性もワクワクする雰囲気となっています。採用情報はLINEのお友達登録で見ることができて便利。お仕事に興味のある方は、是非チェックしてみてください。

業績

松江土建は土木工事を中心に実績を築き、地域にたくさんの風景を残してきました。

「○○橋を工事したよ。」と同級生に話したら「ありがとう!」「便利になったよ。」と喜んでもらえ、ほこらしく思えた。松江土建の社員の方はそのようなエピソードをたくさん持っています。

松江土建は業界、官公庁、地域から厚い信頼を得ており、ジョイントベンチャーによる大規模なプロジェクトにも多数参画して他企業からも高く評価されています。

2000年には環境部を新設し、湖沼やダム湖の酸素不足を解消する水質保全(WEP)システムを開発しました。海外にも事業展開するなど、水質保全技術のリーディングカンパニーとしても飛躍しています。

また建築事業では、強度が高く品質の安定した「構造用集成材」を採用した「SE構法」により、木造建築でありながら、「耐震性能が高く、開放的な大規模空間」を実現しています。

松江土建は今後も「ふるさとの発展、より良い環境づくりに貢献する企業」を目指し、さらに努力を重ねていきます。

女性が活躍できる建設業界を目指してみませんか

建設業らしくなさを追求する松江土建株式会社は「地域No1企業」「100年企業」「100億円企業」を目指して夢の実現に協力してくれるメンバーを募集しています。

ゼネコン会社に入社したヒロインと同期の仲間が奮闘するドラマも記憶に新しいのですが、メディアの情報から刺激を受け、新たに建設業に興味を持たれる女性も多いのではないでしょうか。
新世代に向け、建設業界は両手を広げて女性の就労を歓迎しています。

建設業に興味はあるものの「男性の職場だから女性には無縁」だと思っていた方、ものづくりで社会に大きな貢献をしたい方、完成の感動とやりがいが待っている建設業界へ進んでみませんか。

この記事の取材ご協力者様

周藤 司 経営企画室 係員

松江土建株式会社

1987年生まれ。島根県出身。慶應義塾大学経済学部卒業後、参議院議員秘書(永田町・地元選挙区)。2018年松江土建株式会社に入社。経営企画室に配属後、採用活動の広報、リクルートサイト新設を担当。

(本記事の情報は2020年1月時点のものです)

 

0 コメント
twitter
はてな
facebook

pagetop