都会から地方へ転職。Iターンを選択する人が増えている理由

「自然豊かな場所でのびのび暮らしたい」「通勤ラッシュのない地方へ移住したい」など、ゆったりと時間が流れる田舎での暮らしに、誰でも一度はあこがれるものです。

近年、あわただしい都会の生活から離れ、地方に移住して仕事をはじめる人が増えています。

以前は、セカンドライフとしての地方移住というイメージが強くありましたが、若年層の間でもIターン・Uターンなど、自分のライフスタイルにあわせた就職・転職に関心が高まっているようです。

都会で大企業に就職し、一生懸命働き続けたとしても、将来の安定が必ずしも約束されているわけではありません。

自分自身の生活を充実させながら仕事ができる場所として、地方がクローズアップされることは当然かもしれませんね。

今回はIターンのメリットやデメリットについてまとめました。

都会の生活から離れたいと考えている方や、安定した環境で子育てをしたい方など、地方への転職・移住を考えているという方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

都会を離れて地方へ移住しよう!Iターンってどんな意味?

主人公が都会にあこがれて上京するというシーンを、小説や映画でも見たことがあるかと思います。

私も地方で育ったので、都会はどんなものでもそろっていて、交通機関も便利で、華やかな場所だというイメージをもっていました。

実際に都心で暮らしている現在、たしかに都会はコンビニやスーパーに徒歩で通えたり、映画館や美術館などの遊び場も豊富で、生活に困ることがありません。

しかし、朝の通勤ラッシュや家賃や食材が高額であるなど、デメリットも存在します。

あわただしい都会の生活に疲れて、ホームシックになってしまうことも。

自然に囲まれた暮らしへのあこがれが高まっている近年、ロハスな生活がメディアや雑誌で取り上げられることも多いですよね。

ロハス(LOHAS)とは、自然に囲まれた環境で、自分自身の健康や心の充実を保つ暮らし方で、「Lifestyles Of Health And Sustainability(健康で持続的なライフスタイル)」の頭文字をつなげたものです。

文化や生活スタイル、物価など、さまざまなものが大きく異なる都会と地方。

都会のなかで生まれ育った人が、旅行など、なにかのきっかけで地方の暮らしを体験し、豊かな自然や穏やかな生活環境など、都会にはない魅力を感じて地方移住を決断するというパターンが増えてきたようです。

このように、都市部で生まれ育った人が、地方に移住して働くことをIターンといいます。

例えば、東京で生まれ、大学も東京で通っていた人が、就職をきっかけに四国のとある町で働くことなどを指します。

また、都会で生まれ育った人がそのまま都会の企業へ就職し、その後地方へ転職することをIターン転職といいます。

Uターン?Jターン?就職活動用語について知っておこう

Iターンとよく似た言葉に、Uターン・Jターンという用語があることをご存知ですか?

募集要項に、「Uターン・Jターン歓迎」などと記載されている求人を見かけることも多いと思います。

就職活動で使われるさまざまな用語について、その意味をしっかり理解することで、就職・転職活動をより有利にすすめていきましょう。

やっぱり地元が一番?!生まれ育った故郷で暮らすという選択

地方で生まれた人が都会の学校に進み、卒業後、また故郷に戻って就職することをUターンといいます。地方(地元)→都会→地方(地元)という流れです。

また、地方で生まれ育ち、就職で都会に移住しても、休暇に帰省すると「やっぱり地元が一番だなぁ」と思うことも多いかと思います。

このように、地方で生まれ育ったあと都会の学校へ進学し、そのまま就職したものの、さらに別の仕事を求めて故郷に移住することをUターン転職といいます。

慣れ親しんだ場所で働くことは、地域の発展に貢献することにもつながります。

さらに、実家で暮らすことで生活費を抑えられたり、同居ではなくても近くに住むことで何かあったときいつでも駆け付けられるというメリットもあります。

かけがえのない家族と過ごす時間は、何にも代えがたい最大の魅力かもしれませんね。

都会から地元以外の地方へ移住するJターンとは

前述したように、Uターンは生まれ育った故郷から都会へと進学し、また故郷へと戻ることを指します。

JターンはUターンとすこし意味が異なるので、ちがいを覚えておきましょう。

Jターンとは、地方出身の人が都会へ進学し、その後生まれ育った故郷とは別の地方へ就職することを意味します。

また、Uターン転職と同じように、一度は生まれ育った故郷を離れて都会で就職したものの、また地元とは異なる地方へ転職することをJターン転職といいます。

例えば、岡山県笠岡市で生まれ育った人が進学をきっかけに東京へ移住し、就職場所として岡山県岡山市などの地元と近い地方を選び、移住することもJターンのひとつです。

Jターンは、実家や地元から近い場所で働きたいけれど周辺には企業が少ない場合や、故郷には帰りたいが都会の利便性も捨てがたいというときに選ばれることが多いようです。

ゆとりのあるライフスタイルと、故郷にはない便利さを併せもった、故郷にほど近い地方都市は、都会と地方のメリット・デメリットを考えたうえで最強の選択肢かもしれませんね。

家族や地元の友人との適度な距離の近さや、地方ならではの豊かな自然に囲まれて生活できることも魅力のひとつです。

都会ほど家賃や物価は高くないけれど田舎よりも利便性が高く、暮らしやすい地方都市への移住は、近年若い人たちの間で広がっているようです。

地方活性化の流れを知って就職・転職活動を有利に進めよう

近年、地域の活性化を図る自治体や、優秀な人材を確保したい地方の企業が、前述した

  • Uターン
  • Iターン
  • Jターン

の制度を充実させはじめています。

人材を求める地方の企業のなかには、東京や大阪で会社説明会を開催したり、都会から地方への就職希望者を優遇して採用するなど、好待遇を前提として人材確保をすすめる企業もあります。

また、自治体によっては、都会から移住する人に向けてリーズナブルな公共住宅などを用意する制度があることも。

名称にも個性を出そうと、Aターン・Fターンなどの造語もつくられています。

Aターンとは、秋田県へU・J・Iターンすることの総称です。

「秋田出身の人もそれ以外の人も、みんな秋田に住んでほしい」との願いを込めて、「All Turn」と「Akita」のAをかけてつくられました。

同じように、Fターンは「Fukushima」のFからつけられました。

さらに、子どもの健康や育てやすさを考えて地方への移住を選択するCターンも増えているようです。

地方への就職・移住が活発化しているなか、あこがれていた田舎での暮らしと現実とのギャップに悩み、また都会へと移住する人もいます。

このように、一度Uターン転職をして地方で暮らしてみたものの、利便性や仕事を求めてふたたび都市に移住することをOターンといいます。

何かと話題の地方移住ですが、メリットばかりではないということを覚えておきましょう。

実際に地方で就職・移住するためにはどうすればいいの?

都会から地方へ就職・移住する人は年々増えています。

地方暮らしを希望する人により具体的な地方の情報を提供する「NPO法人ふるさと回帰支援センター」という団体によると、2016 年度の問合せ・来訪者は、前年の16%増の 27,700 件と発表されています。

では、実際に地方へと移住し、働くためにはどうすればよいのでしょうか。

まずは、移住するにあたって候補地を探しましょう。

「地方」や「田舎」と一言にまとめられることが多いのですが、

  • 地方の大都市
  • 地方の中規模都市
  • 地方の田舎

の3つに大きくわけられます。

地方の大都市であれば、電車やバスの利便性も高く、首都圏とほとんど変わらないような生活を送ることができます。

さらに、東京の近郊と比べれば住居費も安いので、生活費をおさえることも可能です。

人口10万人ほどの地方の中規模都市を選択すれば、都会と比べると娯楽やお店も少ないですが、日常品の買い物には不自由しません。しかし車は必ず必要になります。

地方の田舎は都会とは別世界です。

自然が好きな人からみれば好条件ですが、車はもちろん必須ですし、ご近所との付き合いも濃くなることがあります。

ゆとりのある暮らしができる一方で、さまざまな不便さもあることを覚えておきましょう。

ちなみに、2018年に発表された移住ランキングは、

  1. 長野県
  2. 山梨県
  3. 静岡県
  4. 広島県
  5. 新潟県

でした。

長野県は2017年にも一位に輝いた、人気の高い移住地です。

雄大な自然だけでなく、自治体の移住支援制度が充実していたり、就職先の相談会が多く行われていることも人気の秘密です。

このようなランキングも参考にしながら、移住する目的や、ゆずれない移住先の条件などをまとめ、条件に合う候補地をリストアップしてみましょう。

移住したい候補地がそろったら、情報収集をはじめましょう。

インターネットで情報を得ることももちろん必要ですが、実際に自治体の窓口に問い合わせてみたり、移住相談会やセミナーなどに参加し、移住の先輩からリアルな声を聞くことも大切です。

移住候補地がひとつにしぼることができたら、実際に現地を訪問してみてください。

地域によって人との付き合い方や文化が大きく異なりますし、行ってみたら思っていた雰囲気とちがったなんてこともありえます。

時間に余裕があれば、旅行で訪れるだけでなく、何週間か現地で暮らしてみましょう。

自治体によってはお試し移住プランもあるので、積極的に利用してみてください。

実際に暮らしてその土地での生活を体験することで、引っ越してからのギャップに悩まされることも減ります。

移住したい地方が決まったら、さっそく転職・就職活動をはじめましょう。

もともと地方に住んでいる人から見れば、都会から移住者が増えて地域が活性化することはもちろん喜ばしいことですが、一方で「都会の人がなぜこんな田舎に引っ越してくるのだろう」と不思議に思う場合があります。

まわりの人だけでなく、地方企業の採用担当者もそう感じているかもしれないということです。

面接では、あなたがその地域や仕事を選んだ理由について、明確に話すことができるように準備してください。

あいまいな志望動機では、「田舎でのんびり暮らしたいだけなのか」とやる気を疑われる場合もあります。目的意識を強く持つことが大切です。

移住地が決まり、就職も決まったら、そこから住居探しにうつります。仕事を確保してから住居を決めることができればベストです。

地方での暮らしに気持ちが先走りすぎて、仕事を決める前に引っ越してしまうと、生活費も苦しくなり、「やはり移住しなければ・・・」と後悔しかねないので注意してください。

仕事や住居の準備が整ったら、いよいよ移住です。

周囲との付き合いは、その後の移住生活がうまくいくかを大きく左右します。ご近所へのあいさつまわりは忘れず行いましょう。

都会から地方へ移住するメリットとは?

自然であふれている地方では、あわただしい都会の生活からは考えられないほどゆったりとした時間が流れています。

自分の理想とする生き方を求めて地方へ移住する人は、年々増えているようです。

地方移住のメリットについてご紹介します。

豊かな自然に囲まれたゆとりのある暮らしが叶う

地方に暮らす最大の魅力は、なんといっても自然です。

おいしい空気や四季の移ろいを感じながら暮らすことは、せわしなく働いている都会では経験できないことかもしれませんね。

地方に移住することで、都心ではふれあえないような豊かな自然のなかで、ゆとりのある暮らしを実現することができます。

また、地方へ旅行に出かけたとき、魚や野菜の新鮮さに驚いたことはありませんか?

流通が整備された現在、都会で暮らしながらおいしいものを食べることはたしかに可能です。

それでも、やはり近場でとれた食材にはかないませんし、おいしいだけでなく地元の市場や直売所で安く手に入ることも魅力のひとつです。

また、休日はどこへいっても混雑していたり、毎朝の渋滞に悩まされている都会とはちがい、地方では比較的ストレスの少ない暮らしをすることができます。

地方で暮らしていた人にとって、毎朝の通勤ラッシュは地獄のようなものです。

私も地方から東京へきてすぐは、ぎゅうぎゅうの電車のなかでひどい乗り物酔いに苦しんだことを覚えています。

ピーク時の東京の混雑率はほとんどの路線で150%を超えており、なかには190%を超えている車両まであります。これは東京特有の現象です。

電車の本数が少ない地方では車での移動がメインとなるので、通勤ラッシュが発生することはほとんどありません。

身動きできないほど混雑した電車内に長い間閉じ込められてしまう通勤ラッシュは、体力だけでなく、精神的にも疲労してしまいます。

通勤のストレスから解放されるだけでも、気持ちに大きなゆとりがうまれるはずです。

地方では職場から自宅までの通勤時間が短い環境をつくりやすいので、子育てや趣味などにより多くの時間を費やすことができます。

ワークライフバランスがとりやすい暮らしのなかで、時間に余裕がある毎日を過ごすことが、身体や精神の健康を保つことにもつながるのではないでしょうか。

家賃・食費・日用品など、地方は生活費が安い!

都会での暮らしはたしかに便利ですが、どうしても生活コストが高くなってしまいます。

場所にもよりますが、都心ではワンルームマンションであっても月額7~8万円の家賃がかかることが多く、駐車場を借りるとさらにプラスでお金がかかります。

地方ではその家賃で3LDKのマンションや、ファミリータイプの広いコーポを借りることも可能です。駐車場付きでも、月額7~8万円ほどで借りることができるアパートもあります。

住宅費をおさえることは、貯金や旅行など、日々の暮らしを充実させることにもつながるのです。

また、一戸建てやマンションを購入するときも、都会に比べて安価になります。

「子どもが大きくなってきたから、そろそろ持ち家を・・・」と考えたとき、地方で土地を買い、家を建てることは、都会よりも実現しやすい環境であるといえるでしょう。

もちろん、寒い地域は冬の暖房費や、豪雪地帯では雪下ろしなど、首都圏に住んでいた人には考えられないような費用がかかることもあります。

その地域の気候や利便性も考えながら、安くて良い物件を探してみてください。

独立や起業を目指している人は、都会ではなかなか地価が高くてむずかしいかもしれませんが、地方なら比較的安価に土地を購入することが可能です。

  • デザイナー
  • ITエンジニア
  • WEBディレクター
  • ブロガー

など、WEB系やIT系の仕事は場所にとらわれず仕事ができるので、地方への移住が向いているかもしれません。

地方でもインターネットを使えば都会にいるときと変わらない環境で仕事ができるだけでなく、都会では実現が難しいビジネスモデルも、地方では成り立つことがあるようです。

自治体によっては、移住・定住を伴う起業に対して、助成金などの制度を設けているところや、働く業種によっては、転職支援や、毎月の支援金を受け取れる地方もあります。

就職・転職活動をはじめる前に、自分が住みたいと考えている候補地の制度を調べてみましょう。

また、地方では住居費だけでなく、生活費も安くおさえることができます。

都会に比べると年収が低くなる傾向もありますが、地方は物価が安いこともあり、年収が下がってしまったとしてもカバーできるでしょう。

地方では子育てしやすい環境が整っている

都会と地方では、子どもを育てる環境も大きく異なります。

「待機児童」という言葉を聞いたことがあるかと思いますが、都会では子供を保育園に預けることができずに、仕事を続けられない人が多く存在します。

子どもを産んだあと、職場に復帰したくてもできないという人も多いようです。

都会は、必ずしも仕事と子育てを両立しやすい環境であるとはいえません。

一方地方では、子どもの数が少ないので、都会に比べて幼稚園や保育園にも入りやすいというメリットがあります。

地方の待機児童数は都会ほど多くないので、仕事をしながらでも子育てしやすい環境だといえるでしょう。

自治体によっては子育て支援金を受け取れる制度もあり、仕事と子育てのどちらも叶えることができるのです。

また田舎では地域の人同士が顔見知りになりやすく、安心できる環境で子どもを育てることができます。

水や空気がきれいな自然のなかで、子どもたちをのびのびと遊ばせることができるところも魅力的です。

人間関係の希薄な都会に比べて、地方では仕事だけでなく、プライベートでも人とのつながりを大事にする傾向があります。

子育てと仕事の両立に悩んでいるとき、近所で助け合ったり、頼れる人がいるということが心の支えとなるかもしれません。

良いことばかりじゃない!地方で暮らすデメリットとは

前述したように、地方では豊かな自然のなかで、ゆったりとした日々を過ごすことができます。

山や川など、緑あふれる環境で子どもをのびのびと遊ばせたり、長時間の通勤ラッシュと無関係の毎日は、確実にあなたのストレスを減らしてくれるでしょう。

地方での生活はたしかに魅力的ですが、もちろん良いことばかりではありません。

就職を決めて地方へと移住したあとに、「想像していた生活とちがう」と後悔してしまわないように、地方での暮らしにデメリットがあることをきちんと把握してから就職・転職活動をはじめましょう。

行事が盛りだくさん!なじめないとつらい田舎の習慣とは

あなたは今となりの部屋に住んでいる人の名前を知っていますか?

都会では隣人の顔や名前を知らないこともめずらしくないほど、近所との人付き合いが希薄だといわれています。

一方地方では、町内会や冠婚葬祭、地域の行事など、生活と居住地周辺の人間関係が密接に結びついているようです。

冠婚葬祭は基本的に親戚のみで行うものですが、田舎になればなるほど、近所の冠婚葬祭に参加しなければならない場合があります。

都会では考えられないことかもしれませんが、直接の親戚ではなくても、となりに住んでいるからという理由で参加が義務付けられることがあるのです。

たびたび出席しなければならない地域の集まりを面倒に思う人は、地方での暮らしに向いていないかもしれません。

このように、地方に移住してきたものの 人付き合いが不可欠な生活やしきたりになじめない人も多いようです。

地域によっては、これらの活動に参加しない場合、不参加料金が発生するなんてことも。

郷に入っては郷に従えという言葉もあるように、地方へ移住したときは地域の行事にも積極的に参加し、何かあれば協力するよう心がけましょう。

特に人口の少ない田舎では密着した人付き合いを重んじる傾向にあるので、深い人間関係を築くことに自信のない人は、比較的大きな地方都市への移住が無難かもしれません。

地方移住は会社でバリバリ働きたい人には向いてない!?

人口の多い都会では、仕事でも多くの人たちと接する機会があります。

その分、幅広い考え方が身についたり、勉強会やセミナーに参加することで、スキルもどんどん磨かれていきます。

地方に移住すればゆとりのある暮らしを送ることは可能かもしれませんが、仕事面での変化は否めません。

もちろん、都会で身につけた高いスキルは、地方でも生かすことができます。優秀な人材を歓迎する地方企業も多いでしょう。

しかし都会に比べて、年収のダウンは避けられません。

さらに、都会への就職・転職の場合、

  • 求人サイト
  • 派遣会社
  • 人材紹介会社

など、選択肢はさまざまですが、地方ではそもそもの企業数が少なく、求人の案件が限られてしまいます。

希望にぴったりの職種がない場合も多いので、地方への就職・転職を考えている人は、職種や業種をひとつにしぼるのではなく、働き方の選択肢を広げることが必要です。

できれば現職の経験やスキルを活かした仕事につきたいですが、望んだ職種に就くことはむずかしいかもしれません。

希望の移住先に自分が就きたい業種や職種の求人募集がない可能性もあるということを覚えておきましょう。

都会に比べて地方の企業は少人数で構成されていることが多いので、専門性を極めることが強みとなる都会での転職活動とはちがい、専門分野周辺の業務を包括できる人が重宝される傾向にあります。

一人ひとりが専門の分野を担当するというよりも、営業もできるし企画書もつくれるといったように、これまで行っていた以外の業務を担当することもありえるのです。

地方への移住で環境の変化にストレスを感じているうえに、仕事面でもまったく新しいことをはじめると、精神的な負担も大きくなってしまうかもしれません。

また、地方は都会に比べて情報の量が少ないというデメリットもあります。

インターネットでどんな情報も手に入れられる時代かもしれませんが、やはり情報は都会に集まりやすいといえます。

仕事においても最新の技術や知識はまだまだ都会に集まりやすいので、仕事を通して日々成長したり、さらなる出世や昇進を願う人にとっては、地方での仕事環境が物足りなく感じるかもしれません。

もちろん、最近ではオンラインで受講できるセミナーもあるので、自主的なスキルアップは可能です。

しかし、やはり都会でバリバリと働くというイメージをそのまま地方で実現することはむずかしいといえるでしょう。

コンビニが19時閉店!?便利な生活に慣れているとつらいかも

地方では、人口が少なければ少ないほど、お店の数も少なくなります。

観たい映画や展覧会、ライブなど、さまざまな娯楽はやはり都会の方が圧倒的に充実しているといえるでしょう。

都会に比べて百貨店やお店自体が少ないので、インターネットショッピングが充実しているとはいえ、実際にほしいものがすぐ手に入る環境ではないことはたしかです。

飲食店や洋服を購入するお店だけでなく、近所のコンビニまで車で行かなければならなかったり、24時間営業のお店がゼロの地域もあります。

都会であれば夜の10時以降や24時間営業している店舗も多いですが、地方ではお店の閉店時間が早いので、注意してください。

あこがれて移住した地方ですが、いざ生活をはじめてみると退屈だと感じてしまうことも。

地方で暮らすメリットのひとつとして通勤ラッシュがないことをあげましたが、地方では通勤ラッシュどころか電車やバスなどの公共交通機関自体が少ないこともあります。

行きたいところに電車ですぐ行けるような環境ではないので、不自由を感じることもあるかもしれません。

また、地方では仕事に行くときも、買い物するときも、遊びに出かけるときも、車が必要です。

就職の条件として「要普通免許」という企業がほとんどなので、免許のない人は取得してから移住する必要があります。

車は購入価格も高いですが、ガソリン代や税金など、維持費のことも考えなくてはならないので、意外とお金がかかります。

このように、都会で生活しているときは考えたこともないような不便さが、地方の特徴のひとつでもあります。

都会とは異なる地方の暮らしを、デメリットととらえるかどうかは本人次第です。

生活スタイルの変化を理解してから、移住計画をすすめましょう。

都会から地方へ。ライフスタイルを広げるという選択

都会はストレスであふれています。

通勤ラッシュや職場での競争、高額な家賃など、自分のライフスタイルを見直したとき、ふと田舎での暮らしに魅力を感じることもあるでしょう。

もちろん、都会と地方、どちらがより優れているということはありませんが、同じ土地で長年暮らしていると、いつの間にか同じ人たちばかりとのつきあいになり、自分の価値観も狭まってしまうのではないでしょうか。

いつもの友だちや仕事仲間との縁を切るべきだというわけではありません。

今まで暮らしたことのない地方に移住して新しい環境へ飛び込み、さまざまな人や文化と出会うことは、自分の可能性を広げることにもつながります。

コストを抑えたミニマルな働き方や生活にあこがれる一方、利便性の悪さや仕事が少ないなど、地方で働きながら暮らすことにデメリットがあることも事実です。

しかし同時に、地方でしかできない仕事や、ゆとりのある暮らしなど、都会では得ることができない豊かなライフスタイルを手に入れられる可能性も広がるのではないでしょうか。

地方では人口が流出し、労働人口が減っているため、働き手が求められています。

優秀な人材を確保するために支援制度を設けている自治体も増えてきているので、働きやすい環境づくりも整ってきているようです。

ワークライフバランスや本当に充実した暮らしを求めて就職・転職に踏み出すとき、地方への移住についても視野に入れてみてはいかがでしょうか。