有効求人倍率でみる人手不足の業界5つ。会社と働く側にある問題とは

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職業には非常に多くの業界があります。おそらく今の時代において、不必要な業界はないでしょう。多くの各業界が悩みを必ず抱えているのではないでしょうか。

そのひとつに人手不足があります。こもちろん、すべての業界、その業界内の全てが人手不足というわけではありませんが、問題になっていることは事実です。

人手不足の会社は、人材獲得に躍起になっているのは間違いありません。ただ、躍起になっていても何の計画性もなく募集をかけていてもダメですし、きっとそんな会社はすぐに嫌になってしまいます。

ここでは、人手不足の業界の現状やそこに至った理由や、会社の人手不足解消における動きなどをさまざまな側面から見ていき、転職する側の取るべき行動を見ていきましょう。

有効求人倍率でみる、人手不足の業界ワースト5

まず、人手不足に頭を抱えているであろう業界を挙げていくことにしましょう。ただし、ここで勘違いしていただきたくないのは、人手不足=ブラック企業ではありません。

しかし、人手不足なので仕事自体の負荷がかかりやすいのは事実ありますので、ブラック企業のように見えてしまう可能性はありますが、ほとんどの企業はブラック企業になりたいわけでは決してありません。

ここで表すカッコ内の数字は、有効求人倍率です。有効求人倍率のデータは、常用者で、パートタイマーを除いた数字になっています。それでは結果を見ていきましょう。

  • 1位 建築躯体工事の職業(9.62倍)
  • 2位 保安の職業(6.89倍)
  • 3位 医師・薬剤師(6.73倍)
  • 4位 建築・土木・測量技術者(5.61倍)
  • 5位 建設の職業(4.26倍)

見ていただいてもよくお分かりでしょうが、圧倒的に建設業界の人手不足が顕著に表れてしまっています。

これについては、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに伴う施設等の建設ラッシュが大きな要因になっているというのは周知の事実と言えます。

医療福祉系も相変わらずの人手不足です。ここには出てきていませんが、介護サービス系についても2.90倍で12位にきています。以前から比べると減少傾向になりつつあるものの、依然として高水準です。

また、公共料金の集金員などの仕事になる外勤事務の仕事も6位で4.10倍、クリーニング屋さんや美容師さんなどの生活衛生サービス業も7位で3.93倍と人手不足が表れています。

その他、接客業や調理関係の職業についても3倍に近づく数字が出ており、人手不足の傾向は消えていません。食事に行っても、店員さんが必死に動き回っている姿を見ると大変そうです。

これらを見てみると、全てが何らかの形で身体を酷使する仕事であるということです。やはり、キツいと思える仕事にはつきたくないという気持ちがあるのでしょう。

逆に人手不足とは無縁な職業ベスト5

一応念のために、逆も見ておきましょう。いわゆる有効求人倍率が1倍を超えないという職業です。

  • 1位 その他の運輸、清掃、包装等の仕事(0.20倍)
  • 2位 一般事務(0.30倍)
  • 3位 事務用機器操作の職業(0.43倍)
  • 4位 美術家、デザイナー、写真家、映像撮影者(0.48倍)
  • 5位 船舶・航空機運転の職業 / 鉄道運転の仕事(0.58倍)

1位の仕事は商品仕分けや軽作業、公園設備などが当てはまります。2位のオフィス系事務職は人余り状況は継続していて、なかなか求人が出ることはないです。

一般事務をはじめ事務職全般は女性から人気の高い仕事です。大人気!事務職への転職の現状もご覧ください。

その他の仕事については、専門知識や特殊能力等が必要なものばかりで、なかなか人あまりという一言で言うのは若干の違和感はありますが、そこまで求める方も多いわけではないです。

特にオフィス系の仕事は、システムの構築による効率化や機械化が進んでいて徐々に人手を必要としてこなくなってきている傾向にあります。そういう背景を考えても今後もこの流れは続くということです。

身体を酷使しない仕事がいいという傾向が強すぎる

しかし、出来るだけ体を酷使しなくてもいい仕事につきたいというのがここ近年は如実に出過ぎていて、人手不足と人余りのギャップが相当大きくなってきています。

先程の人手不足ナンバー1の建設躯体工事の職業の場合、1人応募しても、会社が9.6社あるということです。要するに人の取り合いというか、会社を自分の求める高待遇などで選べるということです。

一方で、人余りナンバー1のその他の運輸、清掃、包装等の仕事については、採用しようとすると、5人に1人しか採用できないという現実に直面するということになります。

やはり、身体を使うことの少ない仕事を希望する傾向にあるという表れなのでしょうか。人手不足業界の共通点になってしまっているのが現実です。

なぜ人手不足になるのかという問題に会社側から原因を見る

業界では、身体を使う仕事に人手不足の傾向があると述べましたが、実際の原因はいったいどうなんでしょうか。一般的に言われるところから見ていきましょう。

少子高齢化による労働者の高齢化

今も若年層の割合が少なくなってきていますが、今後はもっとそれが顕著になってきます。それが少子高齢化による高齢者の人口増大です。

企業としては、できるだけ長く働いて欲しいという願望があるので、どうしてもできるだけ若い人を採用したいと考えます。長い目で見れば当然そうなるのは自明の理です。

そのため、中途採用においては、年齢制限を設けていたりしている企業は多く存在しています。しかし、この先はそんな理想ばかり追ってはいられません。

当然、高齢者に当たる方の採用枠を広げていかなければいけません。その人に年齢的に無理な仕事を押し付けてはいけませんが、その方の体力などを考慮した上で仕事を分担しないと未来はないかもしれません。

人口減少による労働者の減少

少子高齢化になれば、必然的に人口減少の波は止めることが難しくなってきます。そうなると、産業用ロボットであったり、AI(人工知能)の急速な発達で人間でなくてもできてしまうことが増えてきます。

また、仕事がないとか様々な理由で海外から海を渡って日本に来て仕事をする外国人労働者が確実に増えていくことになります。

今でも、地域によっては外国人のが多いのではないかというぐらいのところもあるぐらいです。市営団地も外国人ばかりというところも今でもあるんです。もうそういう時代になり始めています。

労働条件に求めるものが増えている

給料は上がらないのだけれど、仕事の責任範囲ばかり広げられて、労働条件が厳しくなってきてしまうということも多くなってきています。

労働時間が長くなっても残業時間の上限を作られてしまったがために給料が実質減ってしまったということや、労働時間だけ長くなったとか、単純に給与が上がらないなどです。

非正規雇用の増加

人件費削減の名の下、正規社員を減らして非正規社員(派遣や契約社員など)を増やしていくというまさに会社都合だけで、働く社員のことを考えない現象です。

若者の離職率が高い

今まで触れてきたことを総合すると、若者がそういう会社に入社してしまうと、キツいという気持ちが先行して、仕事にはりあいやモチベーションは当然上がりません。

当然、最後はもっと楽な仕事をしたいと辞めるという言葉を使って、その会社から逃げ出してしまうということです。

特に最近の若い人は昔に比べて叱られ慣れていないといいますか、注意されただけで会社を辞めたり、逆ギレしたりといろんなことが起こります。基本的に打たれ弱いです。

コンピューターゲームと同じです。やられたと思えば、自分の思うように行かなければすぐリセットしちゃえばいいじゃんとなるわけです。だから、気に入らなければ、転職すればいいとなってしまうのです。

なぜ人手不足になるのかという問題に働いている側から原因を見る

今まで触れてきたことはニュースとかそういった専門家からよく発せられることかもしれませんが、働く方々からしてみれば、なんか違和感がありませんか?ピンとこない人が多いと思います。

なぜなら、立場が違うので、やはり働く側はどうしても自分達の権利を主張したがる傾向にあるのはある種当然ですので、仕方ないかもしれません。

ただ、本当に人手不足を実感して日々大変な想いをしているのは、どうしても労働者側になってしまうのでこちら側の気持ちも実際はくみ取らないといけません。

仕事がキツい

人手不足になってしまうと、どうしても毎日の仕事の負荷がかかってしまいます。3人でやっていた仕事を2人でしなければいけなくなってしまうと、1.5倍の仕事量になってしまいます。

それが一日だけというなら仕方ないかもしれませんが、毎日となってしまえば、仕事量も増えてしまうので身体はもちろん、精神的にもきつくなってしまうでしょう。それが積み重なれば、仕事が嫌になってしまうかもしれません。

そういった負のスパイラルが重なってしまうと、また人手不足に拍車がかかってしまうのです。

給料が安い

これは、人手不足になるスタートを切るぐらいのものになるかもしれません。給与が上がるかどうかは、当然人事考課制度などの仕組みの中から公平公正に評価されたうえで決まらなければ納得しにくいものになってしまいます。

そのため、そういった目に見えるものがない中で、成果を上げている中でも正当な評価がされない中では、どうしても不満分子が大きくなってしまうのは仕方のないことです。

仕事はきれいごとを抜きに考えれば、給料をもらって生活をしていくためにしているものであり、結果も出している中で給料が上がらないということになってしまえば、納得できないですし、辞めたくなってしまうのも納得です。

また、人手不足になってしまった後でも、そんな中一生懸命頑張ってきているのにもかかわらず、給料というある意味目に見える形で見えてこなければ、よりモチベーションも下がってしまいます。

労働時間が長い(サービス残業が多い)

人手不足の中においては、仕事量の負荷が必然的に上がってきてしまいますので、当然労働時間も長くなってしまいます。しかも、それがサービス残業になってしまうということもままあり、二重でショッキングな出来事です。

企業によっては、もしくは役職や雇用契約上、残業手当が使いない契約になっていたりすると、いくら労働時間が増えてしまっても、残業手当が1円もつかないなんてことになってしまいかねません。

身体もキツくなってしまいますし、精神的にもキツくなってしまうことになるでしょう。また、給料にも反映しないということになれば、やはりモチベーションが低下してしまいます。

こういった中でも企業自体が働く社員のことを思いやる姿勢が感じられなくなれば、企業としての進歩も何もありません。

サービス残業についてはサービス残業の定義・サービス残業がなくならない理由の記事でも紹介しています。

企業のイメージが良くない

今上に挙げられたようなことが起これば、辞めていく社員も多くなってきて、それが口コミなどで広まってしまえば、当然企業としてのイメージは悪くなることになってしまうでしょう。

今では、会社の口コミサイトや、SNSの大きな広がりなどでいい口コミはなかなか広がることはないですが、悪いイメージの広がり方はいいイメージの何十倍も何百倍も広がるスピードが速くなるものです。

場合によっては、週刊誌などでも出てしまえばもう企業としては終わってしまいます。これは最終的なことかもしれませんが、確実に企業イメージが悪いという様になってしまえば、社員もそんな企業にいたいとは思わないです。

当然、結果として人手不足を決定的にしてしまいますし、より人手不足の度合いも拍車をかけてしまいます。

人手不足かどうかを見極める方法

今まで触れてきた人手不足ですが、業界で如実に出てくることはあるかもしれませんが、しかし業界に属する企業は全てが人手不足かどうかといえば必ずもYESではありません。

業界の中でも、しっかりと人員を確保して働きやすくしている企業というのもあることも事実です。であるならば、せっかく転職などでそういった業界で働きたいと考えている人は、そういった会社で働きたいと考えるのが普通です。

人手不足かを見極めるのは、企業が自らそれを発信することはあまりないですから、我々が得ることができる内容をできるだけ探していくしかありません。そういったいくつかの例を挙げていきます。

求人サイトから見極める

求人サイトは転職を考えていたりしていれば、当然毎日のように閲覧することになるはずです。そうすると、いろんなことが見えてくるようになってきます。

  • 継続的に求人情報が出続けている
  • 飲食店や販売系に多い「リニューアル」という文言
  • 「みなし残業」という文言
  • 役職や給料が高い人の情報を強くアピールしている
  • 極端な高給料にフォーカスしている

これだけではないですが、なんとなくこれを見ていただくとそんな広告あったなと思われるのではないでしょうか?

求人広告を作る側も、当然相手(求人をかけてほしい企業)は、人材募集している企業ですから人が集まりやすい広告を作ろうとするのは当然ですので、多少の誇張表現はあるかもしれません。

しかし、毎週毎週同じ企業が写真や多少の内容変更はしていたとしても、募集している人材の内容が同じであれば人手不足であることはまず間違いありません。

あと、最近飲食店などで「リニューアル」という文言が求人サイトで出てきているのですが、これにもいろんな見方があります。

本当に店舗などを改装してリニューアルすることはあるのですが、よく考えてみてください。リニューアルするのに、スタッフまでリニューアルする必要があるのでしょうか?そんなことないですよね。

今飲食店などの店舗は、人手不足が如実です。一昔前ではお店の店長は、かなり権威のあるもので30~40代の方が一般的でした。

しかし、今般20歳そこそこの若い人がもう店長になっている現状があります(もちろん、年齢だけで判別するのはいけないというのは当然ですが)。そういった方はクレーム対応など人生経験が少ないので上手ではないです。

また、若気の至りで世の中を知らなすぎたり、若いがゆえになめられたくないという気持ちからついつい荒い対応を社員などにもしてしまったりします。そうなれば、人手不足になってしまいます。

そういったことで、リニューアルという文言で人材もリニューアルしますという意味で求人広告を出しているところもあります。

給料がすごく高いとかそういうことをやたらフィーチャーしているところも多いですが、そんなこと簡単になるはずはありません。なったとしても、何年も年十年も先の話です。

もし、本当に最初から高給になる人というのは、ヘッドハンティングなどで完全即戦力になりうる人しかありえません。

そういう人材募集は、だれでも見られる公開案件ではありません。そんなはずないことは冷静になってみればそうだなぁと納得できることではないでしょうか?

転職活動では、求人票の記載内容をしっかり見極めることが大切。求人票の見方をおさえておきましょう。
転職サイトで求人票を見る時の注意点

転職エージェントを利用する

先程ふれたような求人広告に注意することはもちろんですが、口コミや企業のホームページをじっくり読み込むことも大切なことです。しかし、それだけではわかりにくい巧妙な広告も出始めています。どうすればいいでしょうか?

そんな悩みをお持ちであるならば、転職エージェントを利用してみませんか?転職エージェントは、求職者と企業をつなぐ橋渡し役です。求職者の気持ちもより理解してくれますし、企業の思いも理解しています。

そういった双方の気持ちが合致するように一人でも多くの人に「心からよかった」と思えるような転職ができるように手を差し伸べてもらえるところであると思っていただいていいです。

求職者の方にはエージェント側に必ず担当になる方がつくことになります。ですから、企業側には面接などではなかなか聞きづらいことも多いとは思います。

エージェントには企業の細かな情報もある程度理解していますので、聞きづらいことなども心を開いて質問したり相談したりしていくことはむしろどんどんしていくようにすべきです。

人手不足の企業で苦労しないために

人手不足の業界はこの先もなくならないと思いますが、ご自身の経験上そういった業界に行かざるを得ないとか、行きたいと考える方もいらっしゃるでしょう。

ぜひ、利用できるところを有効活用して、失敗しない転職ができるようになるとよいと考えます。誰でも、悩むことはあるでしょうが頑張るしかありませんね。

少し大変な作業にはなるかもしれませんが人手不足の企業に入って大変な思いをすることのないよう、いろいろなことを見極めていきましょう。

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