ボーナスなしの給与体系は意外と悪くない?メリットとデメリットとは

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転職活動を行っている方が、外資系の企業や年俸制の日系企業にエントリーしない、内定をもらった際に、辞退する理由を挙げたときに、真っ先に来る理由が「ボーナス」がないからというものが挙げられます。

このように、日本人において夏冬2回ボーナスというのは当然のように重要なものだと位置づけられています。

しかし、本当にボーナスがないことは悪いことなのでしょうか。本編では、ボーナス無しの給与体系についてお話をしたいと思います。

紐解いてみよう!理論年収の構造について

では、まず、ボーナスがある会社と賞与の無い会社について年収とその内訳について見ていきたいと思います。まずは年間におけるボーナス支給分が3か月ある会社で年収600万円出る方の給与を見てみましょう。

年収600万円 3か月分賞与がある方の内訳について
年収600万÷15(12ヵ月+賞与3か月)=40万円
月収40万円×12 カ月 賞与分40万円×3か月分

次に年俸制で年収600万円で賞与なしの方の内訳についてご紹介します。

年収600万÷12カ月=50万円

これを見て皆さんは何を思うでしょうか。当たり前といえば当たり前ですが、年俸制の方のほうが賞与がない代わりに、月給の金額が上がっています。

実は、この事実が非常に重要で、賞与アリの会社であれば、賞与があるがゆえに月収の金額が下がっており、月々に使えるお金というのは年俸制の会社より低くなってしまいます。

そのため、月々の生活においては、年俸制の会社のほうが月々裕福な暮らしができるということになります。

これから見てもわかる通り、賞与があるとかないとかを論じるということは実はあまり意味のないことで、理論年収と、月々使えるお金というほうが重要視すべきポイントと言えます。

見たまんまではないかとおっしゃる方も多いかと思いますが、求人票を眺めていて以下のような記載の場合、「賞与がない」からこの会社にエントリーしないという判断が生まれてくるのです。

  • 年収400万円~600万円
  • 年俸制・賞与なし(業績連動賞与あり)

こちらの記事でもボーナスの金額の計算の仕方を詳しく説明しています。
簡単!ボーナスの手取り計算式。控除される種類と金額別の計算例

知ってる!?ボーナスの落とし穴

とはいえ、ボーナスが出る会社も出ない会社も結局もらえる金額は変わらないとおっしゃる方もいらっしゃるのではないのでしょうか。

実はボーナス込みの支給となった場合、ボーナスなし年俸制より年収が下がるケースがあります。それはどういうことなのでしょうか。 その要因は2点あります。

  • ボーナスは業績不振等になるともらえなくなる、カットされる可能性がある
  • 退職時において、賞与支給日に在籍していないと賞与は支払われない

ではそれぞれもう少し詳しく見ていきましょう。

入社した初年度は理論年収にふくまれているボーナスが支給されない

まず、認識していただきたいのは、内定通知書で提示される「理論年収」とは「前年度の実績」を元に算出された仮の数値であり、実際支給される年収ではありません。その不確定要素は「ボーナス」があるからです。

そして、ボーナスは入社1年目にまともに支払われることはありません。なぜなら、賞与に関しては「賞与査定期間」があり、その期間中に就労していないと満額賞与支払われません。

もう少し詳細に説明すると、12月賞与の場合、一般的な賞与算定期間は4月~9月となり、7月1日に入社した場合、ボーナスに組み込まれる金額は7~9月の就労分です。

その際に1回に支払われるボーナスの金額が50万円だとすると、実際に手にすることができるお金は50万円×1/2の25万円となります。

このケースはまだ半分の賞与が支給されますが、査定時期・入社時期によっては1年目の賞与分の年収は期待できないケースもあります。賞与があるが故、入社1年目の年収は下がることが多いのです。

ボーナスは業績不振等になるともらえなくなる、カットされる可能性がある

さらに、ボーナスは賃金と異なり、必ず支払わなければならないものではありません。どういうことかというと以下をまずご覧ください。

労働基準法第11条(賃金)
この法律で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう

昭22.9.13 発基17
定期又は臨時に、原則として労働者の勤務成績に応じて支給されるものであって、その支給額が予め確定されていないもの

昭22.9.13 発基17
定期的に支給され、かつその支給額が確定しているものは、名称の如何にかかわらず賞与とはみなされない

労働基準法とは言わずもがな労働における法律ですが、発基とは今の厚生労働省が出した「通達」です。その通達には「賞与」、すなわちボーナスとは 定期的に支給され、かつその支給額が確定しているものは賞与ではないとされています。

つまり、理論年収で「3か月分」や「5か月分」の「賞与」というのは支給額が確定していないものではなく、所詮目安でしかないということなのです。

加えて、みなさんの意識だと賞与は半年ごとに支払われると印象をお持ちかと思われますが、定期的に支払われるものは「ボーナスではない」とされていることから、時に支払われなくても問題がないということになります。

少し話は逸れますが、ボーナスがある会社はボーナスの金額を会社と交渉してくれる労働組合の存在が重要となりますが、労働組合のメンバーは出世コースの1つという会社も多く、会社の腰巾着、お飾りになっているケースも少なくありません。

退職時において、賞与支給日に在籍していないと賞与は支払われない

ボーナス算定期間に在籍していても、賞与支給日に会社に在籍していないと大半の会社においてボーナスは支給されません。

違法でないかと思う方も多くいらっしゃるかもしれませんが、「支給日在籍要件」といって、ボーナスの算定期間に勤務していても、支給日前に退職した場合の条項が各会社の人事規定に記されていて、このような規定は違法でないということが大和銀行事件という過去の判例で示されています。

そのため、退職日によっては示された年収が満額出ないということも少なくないのです。

このように、ボーナスは会社の都合やそれぞれの会社の人事規定に左右されるものであり、絶対ではないのです。その点についてここでは認識してもらえたらと思います。

実例!これが高年収を稼ぐ外資系社員の年収

では、ボーナス制を取らない外資系社員の年収を改めてみてみましょう。ここでは、35歳外資系医療機器メーカーの社員の年収をご覧いただきます。

  • 年収860万円
  • 月収55万円×12カ月(手当込)
  • 年間インセンティブ200万円

まず最初に外資系の年収が素晴らしいということをお伝えしたい訳ではありません。ここでお伝えしたいのは、年俸制の会社というのは年収+αでインセンティブが支払われる会社が多いです。

これは外資・日系企業問わず多く存在しています。賞与というのは「労働者の勤務成績に応じて支給されるもの」ですが、インセンティブというのは年俸+αで支払われるため、理論年収以上の金額を稼ぐことができます。

外資系・年俸制会社の年収が高いのは、このような仕組みになっているのです。

外資系の会社は成果を出さないといわゆる「クビ」になるのが厳しい点ですが、年俸制の会社は理論年収以上に稼げる可能性があるのです。

ボーナスがないほうが実は年収が上がる!ボーナスにこだわりを持たないほうがいい

ここまでご覧いただけたら分かるように、実は皆さんがこだわっているボーナスは実は理論年収を上げるうえでの「下駄」であり、本質的には年俸制のほうが確実に金額が保証され、年収アップの可能性が高いのです。

もちろんご自身の努力が大前提となりますが、「ボーナスがないから」といったステレオタイプの考え方から、本質を見ながらご自身の年収について考えたほうがより建設的に年収を稼げるのです。

自身の年収について今一度見直してみてはいかがでしょうか。

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