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飲食店の店長の年収事情。店舗責任者と店長の間にある給料の差とは
飲食業界というのは、万年人手不足の業界と言われ続けて何十年と経ちます。その理由というのは、いろいろあげられますが、そういった中でこの業界で本当の意味で一番大変なポジションは店長です。
店長は、文字通りお店の長すなわちトップです。部下の社員やアルバイトの上司であるのと同時に、マネージャーをはじめとする本社の経営幹部陣からみると部下というふうになります。
いわゆる板挟み状態の企業からみると中間管理職と言えます。色々な苦労や悩みが多い中そのモチベーションの一つにもなる年収についてここでは触れていきましょう。
飲食店店長の年収事情はどうなのか?
結論から言ってしまえば、年収は350万から400万円というのが一般的と言えるでしょう。
しかし、この業界の場合、若干特殊性があって、お店に訪れるお客さんの立場から見ると、お店の責任者=店長ということになります。
しかし、実はその会社からみると、役職としては店長という役職を与えることをしない場合も多くなっています。
店長だけど、店長じゃない!?
「店舗責任者にはするけど、会社的には副店長」というように店長の役職を与えられないまま店舗責任者の仕事をしなければいけない、という不思議な現象がこの業界には日常茶飯事のように起きています。
もしかすると、本当に店長と役職をもらっている人は半数から7割ぐらいしかいないかもしれません。これが飲食業界の不思議なところです。
店長を任せてもらっているのにも関わらず、まだ「店舗責任者」になりたてだから、「売上が上がったら本当に店長に昇格させてやる」などと平気で会社は言ってきます。
ですから、お客さんからしてみれば店長である人も実は店長見習い中の人の可能性も大いにあります。むしろそのほうが多いかもしれません。なぜそういうことが起きてしまうのでしょうか?
店長という役職とそうでない場合では給料に差がつけられる
それは、店長という役職を与えてしまうと、給料に店長職の役職手当や基本給を上乗せしなければいけなくなりますが、「店舗責任者」であれば店長職ではないですから、見習い的にちょっとだけ上乗せしておけばいいからです。
とりあえず店舗責任者にはするから少しは給料上げてやるけど、実際に店舗の売り上げが向上しなければ店長職にはしないからなということです。
会社からしてみれば、ある程度モチベーション付けや目標設定をしたつもりなのでしょうが、お客さんの立場からしてみれば、そんなこと関係ないですよね。
もし、食中毒事件が起きてしまったら、そこの店長がいろいろ保健所や場合によっては警察や被害に遭われた方などの対応をしなければいけないですが、「いやぁ、私店長じゃないので」で片付けられたらどうですか?
そういった場合、その上の上司であるマネージャーなどが登場するとは思いますが、実際に責任感を強く持ってということをその店舗責任者ではできないということも実際にあるのです。
人に命を預かる仕事を飲食店ではしているという意識がなさすぎて会社存続のための利益重視に走りすぎているこの現状は問題視しなければいけないですが、あまり注目されないのは残念です。
少し話がそれましたが、本当に店長職をもらっている人は、400万円以上はもらっていることになるのですが、いわゆる店舗責任者として店長職ではないけどやっている人は、350万円程度ということと考えてもらえればいいかと思います。
他の業界と比較するとどうなのか?
同じ店長というくくりで考えた場合、他の業界ではどうなのでしょうか?アパレルショップや携帯電話ショップなど比較的一つの店舗の大きさがそこまで大きくないところですと400万から500万程度です。
一方で、デパートやショッピングモールのような大規模小売業のような業界では、1000万以上ということも言えるでしょう。
そもそも、その店舗の売り上げの大小によって当然責任の大きさや難しさもありますので、金額の差は起こるというのは普通のことと言えます。むしろそうあるべきです。
ではなぜ飲食店の店長の年収が安くなってしまうのでしょうか?それは、他業界の店長という役職をもらっている場合、その方の平均年齢を見てみると、ほぼ40代以上から50代です。
飲食業界の店長の年齢の若年化が進んでいる
その店長という役職に行き着くまで何十年も色々な販売部署を渡り歩いて、多くの知識を得て、たくさん勉強して、いくつものそこに行き着くまでの間にいろんな役職についてやっとの思いでたどり着くものだと思います。
しかし、飲食店の場合、20歳そこそこの若者が店長になってしまうのです。もちろん一生懸命役職を全うしている人もいますが、ほとんどの場合店長になっちゃったという場合が多いのです。
ですから、今世の中の飲食店の店長は若年齢化を起こしています。経験もそこまでしていないし、アルバイトの使い方もわからず、クレームの対応もちゃんとできずそんな人が平気で店長になってしまっているのです。
飲食店でクレーム対応があまり上手でない店舗が実に多くなっています。余計にもめてしまっているということもよく見かけますね。
結局人手不足だから若年層を店長にせざるを得ない
だから、まだ会社も任せ切ることができる店長とは言えないから給料が安いのです。年収も当然高くしようがありません。でも、店長にしなければ、店舗を運営できないというジレンマが会社側にはあります。
結局人手不足だから、もっと厳しいことを言えば、人材不足なんです。店長になりうる人材がいないのに人が足らないからとりあえず、その中でもまともそうな人を店長にしなければいけないのです。
だから、店長職を与えられないのです。「店舗責任者」としかできないのです。こう言った状況を飲食店を運営する会社は猛省しなければいけません。
昔の飲食店の店長はもっと威厳があり夢を持たせてくれる存在だった
20年前ぐらい私は、関東のローカルチェーンの飲食店で働いていましたが、その時の店長は、皆さん若くても30代後半以上で40代後半は当たり前でした。
そんな時、会社が急速出店を重ねる方針があがり、その煽りを受ける形で私は当時会社では最年少の23歳で店長に大抜擢を受けました。
学生時代からアルバイトもしていましたし、主任や料理長もこの間にやってきたので、自分の頑張りを当時の会社も認めてくれたんだと思いました。
でも、今考えてみると、その時の私と同じ主任や料理長の人たちの中で店長ができそうな人は正直いませんでした。いわゆる人材不足です。だから会社は仕方なく自分を店長にせざるを得なかったと思っています。
順風満帆でトントン拍子で店長まで上がっていったのですから、壁がなかったわけではありませんが、比較的スムーズに上がってしまったので、大きな苦労を知らないまま店長になってしまったのです。
恥ずかしいですが、本当に図に乗っていたんだなと今は反省しています。「俺が店長なんだから俺のいうことを聞けよ!」くらい普通に思っていました。若気の至りです。
そんな店長に誰もついてくるはずもありません。自分を過信していました。会社にも期待してもらったのに申し訳ないなと今でもその時の上司には思っています。
やはり、人の苦しみや痛みが本当にわかってあげられる最低でも30代以上が店長にならないと、店長になりたいとも思わないでしょうし、威厳もなくなってしまうでしょう。
あくまでも個人的な意見ですが、20代しかも前半でそこまで人生での経験も積まないままポンと店長になってしまう人は大概失敗しますし、若いですから、会社も大して給料を支払いません。
そんな私も実は店長と名刺には書かれていましたが、実際社内的には「副店長」でした。
しかし、私の場合は、かなり昔の話でもありましたし、残業を相当していましたので、年収は500万円オーバーでした。
ですから、当時私より一回り以上年齢の上の方々であった店長職の方はもっともらっていたのでしょう。明らかに乗る車が変わってきたりしていましたので。
こういったところが夢があります。今の飲食店の店長の年収には正直あまり夢がありません。店長という職種を掴み取ったとか勝ち取ったというわけではなく、店長になっちゃったという感じなのです。
同じぐらいの年収でもっと体も楽な仕事はいっぱいありますので、そりゃ同じ給料であえて厳しいところには行かないのが今の時代ではないでしょうか。
正しい目に見える昇格という道筋が飲食業界には少ない
当時は、店長になるためには最低でも3回の昇格試験を合格しなければ店長職をつかみ取ることはできませんでした。
でも、よほどの大手でなければ、今の飲食業界でそういった風に目に見える形で昇格というのを見せつけていい意味でのライバル心を煽るようなことをしているところはないでしょう。
でも、他の業界ではそういったことが比較的しっかりとしています。だから、店長というのは一つの夢であり目標になるということなのです。
ですから、店長の平均年齢も高く、給料も年収も高くなるのはある種当然と言えるでしょう。この部分が飲食業界には足りないところなのです。
労働環境の劣悪さは人材不足に拍車をかける
そうなってしまうのは、先ほども述べましたが、人材不足であるということです。もっと言えば、人材不足になる大きな原因は、労働環境の劣悪さであるということであると考えるのは妥当です。
- 休みが少ない
- 労働時間が長い
- アルバイトが平気で休んでしまう
- 部下の社員を休ませてあげないと退職されたら大変なので、店長の休みを削ってでも部下に休ませる
- 利益を出さなければいけないため、暇になるとアルバイトを早上がりさせて店長が体を張る
こういったことは飲食店あるあるです。私も毎月300時間以上の労働時間で、3ヶ月休みがないということなんて何回もありました。年間の休日が10日あったかなという年もありました。
ただ、それは自分に実力がないから仕方ないと割り切っていたこともありましたが、それはもちろん店長自体の責任も大いにありますが、あえて言いませんがそれだけでもないと思います。
こういったことが重なり、労働環境の劣悪さというのはひどいものです。全ての飲食店がそうではありませんが、そういう傾向が他の業界よりはあるということです。
だから、優秀な人材はもっと楽できる(この場合の楽ができるというのは、ちゃんと休みは取れてしかるべき給料をもらうことが普通に会社という意味です)ところに行ってしまいます。
そういったことが繰り返されて、いつの日からか人手不足とか人材不足とか言われ続けるようになってしまったということです。
また、環境が悪くなっていくので体力が落ち始める30代から40代の人材が減ってしまうので、体力もあって、多少のきつさにはまだ耐えられる20代しかも前半の世代が増えてきてしまっているのです。
20代前半なら、社会経験もそんなにないから、給料も安く済むということです。そのため、他の業界と比べると2倍以上に差が出てしまうということになるのです。
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食業界の現状・課題・売上高ランキング。転職するときの注意点飲
では、年収を上げるには何をすべきか?
会社に給与制度の改定をお願いして改善されるならそれが一番いいのですが、それができるのならもっと早い時にそれを会社もやっているはずなので、正直それは難しいでしょう。
そうであれば、「転職する」これが一番手っ取り早い方法です。
しかも、しっかりと評価をしてもらって、給料も現状以上は確実にもらえて、休みがしっかり取れる欲を言えば定休日などがあり休みが保証されるようなところがあればなおいいです。
では、そんな夢のような会社をどうやって探すのかということですが、よくあるような求人サイトで探すというのもありではあるのですが、正直私は転職エージェントをオススメします。
しかも、飲食業界特化型の転職エージェントです。なぜ業界特化型のエージェントをオススメするのかというと、まず大きいのは、通常の転職サイトでは見ることのないような案件に出会える可能性があるということです。
あとは、年齢層も40代ぐらいはもちろん、50代でも転職のチャンスがあるのです。確かに店舗勤務というのは50代の場合難しいかもしれませんが、本部職やスペシャリスト系の職務などなら十分狙うことが可能です。
そういった求人案件を業界特化型のエージェントは持っていることが多いですので、是非とも狙ってみてほしいです。
ただし、20代の方とかであれば、そういった業界特化型だけではなく、大手の転職エージェントにも登録をしていくのはもちろんすべきです。
オススメの大手転職エージェント
ここは、転職エージェント最大手のリクルートエージェントと、業界2位のDODAの2ヶ所です。
やはり、業界の大手トップ2社ですから、抱えている案件は相当数ありますので、いろんな企業に出会える可能性は極めて高いでしょう。
しかし、30代後半から40代以上にかけての方にとっては、狭き門になってしまう可能性もありますので、あまりオススメしません。まして、業界を変えようなんていうのはその年齢では極めて難しいと思います。
オススメの業界特化型転職エージェント
飲食業界特化型は今では徐々に増えてきていますが、あまり表に目立つようなことはありませんので、初めて聞くようなところばかりかもしれませんが、それでも力はちゃんと持っていますので頼って見る価値はあります。
まず、エフジョブです。飲食業会専門の転職コンサルタントが常駐しつつ、ヘッドハンティングのノウハウも組み合わせながらサポートをしてもらえます。
次に株式会社itkです。業態は、フレンチやイタリアンから居酒屋まで幅広く持っていて、職種も店長や料理長候補をはじめとする基本的に正社員採用にこだわっています。特に関東圏で転職される時にはオススメです。
最後に、ヒューマンアラウンドです。ここは、飲食はもちろん、ホテルやブライダル、流通専門の転職エージェントです。飲食経験を活かしたキャリアアップを目指す方や経験を活かした上で、異業種チャレンジされる方にもオススメです。
年収を上げたいならやはりエージェントを活用した転職をすべし!
飲食業界の店長の年収というのは、今まで述べてきたような要因も含めてどうしても他の業界と比べても平均よりかなり下の金額になっています。これは現実ですので、どうしようもありません。
そうであるなら、自分自身の給料を年収を上げていくしかありません。正直に言って、業界の平均がいくら低くても自身の年収がアップすればいいわけです。
ですから、それが叶うようにしていくなら、やはり転職をするのが一番です。そして、自身をしっかりと評価してもらえて、一般的な業界と同じような働き方ができるところで働くことです。
休みがしっかり取れて、残業も少なくて、いい労働環境の中で働くことができるようにすることが一番と考えるのもいいです。
または、とにかく成果をあげれば給料に反映するという会社がいいという人もいるかもしれません。それはそれで希望として持っていることはいいでしょう。
しっかり自分の中で考えを持ってこうしたいということがいかに具現化しているかで勝負は決まってきますので、それをしっかり自分の言葉でまとめられるようにしておくべきです。
そして、在職中から少しずつ転職活動を進めていくことも大切です。会社をやめてからというのは絶対にしないほうがいいです。
いくつもエージェントに登録しながら、いい案件をゆっくり腰を据えて探していくほうがいい案件に出会えたりしますよ。
そして、自身の希望が少しでも叶う年収に見合うまたはそれ以上の仕事ができますように、頑張りましょう!
こちらで転職エージェントに関する記事をご紹介しています。
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