ブライダル業界の現状と働く上での注意点。実は激務で有名!

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特に女性にとって、憧れの業界の1つともいえるのがブライダル業界です。人生に一度の結婚式を、新郎新婦にとって最高の思い出として演出するのがブライダルの仕事。

何ともやりがいがありそうで、楽しそうな仕事ですよね。しかし、もし実際にブライダル業界の求人に応募しようとしているのなら、その前にブライダル業界についてよく知っておいた方がいいでしょう。

華やかな世界ではありますが、意外な現実もあります。何も知らないまま飛び込むと「こんなはずではなかった」と後悔することにもなりかねません。

ブライダル業界の具体的な仕事内容や現状、ブライダル業界で働く上で、注意したい点などをあげました。

実に様々!ブライダル業界の仕事内容

ブライダル業界は文字通り、結婚式や披露宴など挙式に関連するサービスを扱う業界です。ブライダルに関する仕事は非常に種類が多く、しかもそれぞれが密接に繋がっています。主なものとしては、

ウェディングプランナー
顧客である新郎新婦の要望をヒアリングし、希望に沿った結婚式を提案する。
日程や式場、予算はもちろん、会場の設営や料理、引き出物など結婚式に関する全てを統括し指示を出すリーダー的立場でもある。(プランナーは営業までを担当し、そこから担当者が分かれる場合もある)
バンケットスタッフ
会場の設営や撤収、料理のサービスや招待客の誘導などあらゆることを担当する。
ヘアメイク
新郎新婦の当日のヘアメイクを担当する。お色直しや写真撮影時など、それぞれのタイミングに合わせてメイクする。
ドレスコーディネーター
新郎新婦のタキシードやドレス、またドレスにあったヘアメイクなど、当日のファッションコーディネートに関する全てを引き受ける。
フラワーコーディネーター
会場に飾る花を担当する。会場の雰囲気やドレス、料理などに合う花をその結婚式だけに合わせて選び、管理する。
テーブルコーディネーター
結婚式に合わせて会場の各テーブルを美しくセッティングし、会場の雰囲気や料理を最大限に引き立たせる。
司会者
当日、結婚式をスムーズに進行し、かつ盛り上げるための司会を担当する。
介添人
当日、新郎新婦に付いて、自由に動くことのできない2人のサポートを担当する。

など、華やかな表の仕事もあれば裏方の仕事もあります。また、それぞれの仕事は種類ごとに分かれてはいるものの、例えばフラワーコーディネーターの場合、料理に合わせた花を選ばなければならないため料理に関する知識も必要になります。

バンケットスタッフは招待客の案内もするため、式全体に関する知識が必要でしょう。

このように、それぞれのスタッフは自分の担当する領域だけではなく、全体的な知識を幅広く勉強していく必要があります。

ブライダル業界の平均年収

ブライダル業界の場合、平均年収は250万円~450万円となっています。この年収は他業界と比べてもやや下の水準です。

若い女性が多いことも、給与平均が低めである要因の1つといえるでしょう。平均の勤続年数が短いために、平均収入はなかなか上がりません。

また、ブライダル業界の中でも花形ともいえるウェディングプランナーは成約件数によるインセンティブが収入に大きく影響します。

契約件数が多ければ多いほど当然収入は上がりますが、契約数が少なければ年収は平均を下回ることになるでしょう。

特に未経験の場合、月収20万円以下ということもざらです。ブライダル業界の仕事は全体的に厳しいので、人によっては仕事に収入が見合わないと感じてしまうかもしれません。

どれだけブライダルのお仕事が好きで、やりがいを感じられるかという点がモチベーションを保つポイントになるでしょう。

ブライダル業界の現状と今後

近年、ブライダル業界はやや伸び悩みを見せています。背景としてはまず、少子化や晩婚化の影響により、そもそも婚姻件数自体が減っていることが挙げられます。

また、結婚しても式を挙げない「なし婚」のカップルも増えており、「結婚式」と聞いてイメージするような華やかで豪華な式は好まれなくなってきているのが現状です。

また、2000年代からブームに火がついたハウスウェディングも、他の結婚式のスタイルに比べて費用がかさみがちなこともあり、徐々に下火傾向になってきています。

しかし、一方で実は、ブライダル業界への新規参入は年々増えています。特に、結婚式に対しての価値観の多様化から、レストランやアパレルなど異業種からの参入が相次いでいます。

近年「結婚式は式場であげるもの」という価値観が薄れ、「ハウスウェディング」「レストランウェディング」「リゾートウェディング」といったように独自のスタイルで結婚式を挙げるカップルの割合が増えています。

そこで、異業種の個性的なアイデアがカップルに受けているのです。実際、ブライダル業界は他の業種と比べても参入の条件がゆるく、新規参入しやすい環境です。今後はますます業界内での競争が激化していくでしょう。

価値観が多様化する中、どれだけ客のニーズに応えたプランを展開できるかも生き残りの鍵となりそうです。

ブライダル業界における主な企業の売上高ランキング

ブライダル業界の業界規模は他と比べても小さく、2888億円となっています。その中でシェアはどのようになっているのかの参考として、ブライダル業界における売上高トップ3(平成27~28年)をご紹介します。

1位:テイクアンドギヴ・ニーズ(595億円)
2位:ツカダ・グローバルHD(538億円)
3位:ワタベウェディング(438億円)

1位のテイクアンドギヴ・ニーズは全国に式場を持つブライダル会社です。

ブライダル業だけでなくホテル事業やレストラン事業、ドレス事業など幅広く進出しており、それを利用して「ハウスウェディング」や「レストランウェディング」など顧客の要望に合った様々なプランを展開しています。

また、海外ウェディングやリゾートウェディングにも強く、ハワイやグアム、バリや沖縄といったアジア圏での拠点を持っているのが特徴です。業界トップだけありブライダルに関して非常に幅広いニーズに対応しています。

2位のツカダ・グローバルHDはブライダル事業だけでなく、ホテル事業やレストラン事業にも進出して幅広い展開を見せている会社です。

国内だけでなく海外にも拠点を持ち、ハウスウェディングやリゾートウェディングなど豊富なプランを揃えています。また、ワタベウェディングやワールドブライダルといった同業他社との提携による格安挙式プラン「楽婚」も展開中です。

3位のワタベウェディングは主に海外・リゾートでのウェディングを得意とするブライダル会社です。

1位のテイクアンドギヴ・ニーズがアジア圏での挙式に対応しているのに対し、ワタベウェディングはアジアだけでなくヨーロッパやカナダ、オーストラリアなど幅広い海外展開が特徴になります。

また、海外だけでなく国内でもリゾートウェディングを展開しており、数多くの拠点を持っています。

働いてよかった!ブライダル業界の魅力

業界としては伸び悩んでいるものの、ブライダル業界は依然として特に女性に根強い人気があります。そんなブライダル業界で働く魅力をご紹介します。

オンリーワンの結婚式を作るため、やりがいがある

ブライダル業界で働く人が口を揃えて言うのが「ブライダル業界はとにかくやりがいがある」ということです。カップルによって、どんな結婚式になるのかは全く異なります。同じことを繰り返すような日々とはブライダル業界は無縁です。

毎回異なる結婚式を1から相談して作り上げるという「もの作りの魅力」は、他の業種ではなかなか得られるものではありません。試行錯誤しながらチームで作り上げた結婚式が大成功に終わった時、それまでの苦労が全て報われるのです。

人を笑顔にできる

結婚式は夫婦にとって、一生に残る思い出です。一生の記憶だからこそ、新郎新婦にも出席者にも最高の笑顔でいてほしいですよね。そのためには、最高の結婚式を用意することこそが必要不可欠。

つまりブライダル業界のお仕事は、結婚式に参加する全ての人を笑顔にできる、素敵なお仕事なのです。自分のしたことで誰かが笑ってくれるということは、ブライダル業界で働く上でのモチベーション維持に大きく貢献するでしょう。

マナーに強くなる

結婚式という正式な場を扱う以上、マナーには自然と詳しくなるでしょう。ブライダル業界で働いたという経歴があるだけで、「この人はマナーはしっかりしているのだろうな」という印象を持ってもらうことができます。

マナーが身についていれば転職に有利になるのはもちろん、実生活でも大いに役立ちます。キャリアアップしたいと考えた時、ブライダル業界で経験を積むことは大いに有効です。

ブライダル業界で働く上で注意すべき点

一度働いてみると、他の業界では物足りないという人さえいるブライダル業界。しかし、実際にブライダル業界への就職を考えている場合、以下のようにあらかじめ覚悟しておくべきこともあります。

競争率が高い

そもそも、ブライダル業界の場合は競争率が高く、未経験からの転職の場合は採用が厳しくなりがちです。求人はあっても、採用されるのは経験者か、ホテルなどマナーに厳しい業界からの人材ばかりということになります。

もちろん、未経験からでも転職できたケースもたくさんありますので諦める必要はありません。しかし、ブライダル業界だけに応募先を絞っているとなかなか転職できず、時間が経過していくということもあるでしょう。

ブライダル業界に転職を考えている場合は、武器になるような経歴、スキルを用意しておくか、あるいは長期戦を覚悟するのがおすすめです。

激務

ブライダル業界で働く上で最も注意すべきなのは、ブライダル業界は意外と激務だということです。

ブライダル業界に憧れている人の中には、「ブライダル」という華やかなイメージだけで内容を考えてしまう人もいます。

しかし、ブライダル業界は他の業種と比べても勤務時間が長い傾向にあります。

1日12時間労働などは当たり前の世界です。また、結婚式の前数週間はほぼ休みが取れない状態になります。

さらに、結婚式の主役であり顧客でもある新郎新婦の都合に合わせて動かなければならないため、早朝や深夜に仕事をすることや、休日を返上することさえあります。

それでいて給料が特別に高いというわけでもないために、激務に耐えきれず辞めていく人もたくさんいるのです。楽をして働きたいという人にブライダル業界はまず向きません。

ブライダル業界で働くならばまず、激務でも、つらいことがあっても、耐えられるかをよく考えてみましょう。

その上で、それでもブライダルという仕事を好きでいられる、やりがいを持って取り組めるという場合にのみ応募するのがおすすめです。

決してミスが許されない

一生の思い出となる結婚式を取り扱う以上、どんなに小さなミスであっても決して許されないということも覚えておかなければなりません。ブライダルの仕事は接客業でもあります。

  • ほんの少しカトラリーが曲がっていた
  • スタッフの案内が不十分で進行が遅れた
  • うっかり忌み言葉を使ってしまった

というようなわずかなミスでもクレームになってしまいます。誰だって結婚式は完璧にしたいものです。決してミスが許されず、完璧な対応が望まれるというプレッシャーに勝ち続けることのできる精神力も必要になります。

もちろん、誰にだって右も左も分からないような新人時代があります。しかし、分からないことやミスをしたことをそのままにしない人、次同じことをしないために努力し続けることができる人こそが、ブライダルの仕事に向いています。

結婚後に働き続けるのが難しい

ブライダル業界は激務なので、結婚後も女性が働き続けることを考えた場合、他の業種に比べると難しいのが現実です。ブライダルという仕事の性質上、女性が多い職場であり、一見結婚や育児などには理解がありそうに思えますよね。

しかし、客商売である以上自分の都合を優先させることはできません。例えば結婚後、「子供が急に熱を出したから会社を休みたい」と思ったとしても、結婚式当日であれば当然休むことができません。

結婚後もブライダル業界で働くためには、家族や親戚、友人など、結婚後の生活や育児をサポートしてくれる人物を見つけておかねばならないでしょう。

離職率が高いといわれるブライダル業。離職率が高い仕事には、ほかにどのようなものがあるのでしょうか。
離職率が高い職業、共通する意外な特徴

ノルマがきつい

ウェディングプランナーといえばブライダル業界の花形。カップルの要望に合わせて様々な結婚式を提案するのがお仕事です。

なんとも夢のあるお仕事に思えますが、現実的にはほぼ営業ノルマがあります。特に結婚式といえば数百万規模の高額な出費です。しかも一生に一度とあって、カップルはどのブライダル会社に依頼すべきか、真剣に比較検討しています。

たくさんのライバルがいる中、ウェディングプランナーはブライダル会社の指定するノルマをクリアするために、駆けずり回らなければなりません。

ある意味腕の見せ所ではありますが、営業が得意でない場合はノルマがきついと感じて挫折することもあるかもしれません。イメージだけで選ぶ前に自分の適性をよく考えておきましょう。

勉強することが多い

ブライダル業界で働く場合、顧客の要望に答えるために幅広い知識が必要となります。例えば和風と洋風ではマナーが違います。

また、ウェディングプランナーは全てを統括する立場であるために、料理や食器に関する知識、着付けやメイクに関する知識なども必要です。

ジャンルが多岐に渡るため、時には自分のプライベートを削って勉強することもあるでしょう。どうしてもブライダル業界で働きたいという熱意と向上心が必要になります。

ブライダル業界は狭き門。よく検討してから応募しよう

ブライダル業界は規模としては小さいものの、華やかで人気があり、非常に競争倍率の激しい業界です。しかしその一方激務でも知られ、実は人の出入りが激しいのも特徴になります。

ブライダル業界に憧れて入ったものの、想像以上に営業ノルマが厳しく転職せざるを得なかったという人もいます。憧れるだけではなく、実際に自分がついていけるかどうかもよく検討した上で応募しましょう。

激務ではありますが、ブライダル業界の仕事はとてもやりがいのあるものです。実際の金銭ではなく「お客さんの笑顔」を報酬と考えることのできる人は、ぜひブライダル業界に就職してみてはいかがでしょうか。

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