介護職の辛いところ。3Kだけじゃない問題は人間の醜さが見えてくる

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仕事は、生活していくために必要なものです。いくら自分がやりたいと思って始めたことでも、義務である以上、楽しい気持ちだけでやっていくのは難しいものがあります。

心が折れてしまいそうなときは、ぜひ、この記事を読んでみてください。辛い気持ちを分かち合い、その打開策を考えていきましょう。

本当に辛い介護職の実態。その事例を紹介します

介護の仕事はやりがいはありますが、辛い思いをすることも多い仕事です。仕事は生活の大部分の時間を占めます。仕事が嫌になると、生きていくのもつらくなってしまいますよね。

介護職には、ほかの職種にはないつらさを感じることがあります。

よく言われているのは、3K(きつい、汚い、給料が安い)ということ。

しかしそれだけではないのです。その特徴をいくつか挙げてみましょう。あなたが抱えているつらさにも、共通するものが見つかるかもしれません

要介護者からの暴言・暴力

介護職として対応をするのは、なんらかの理由で日常生活にお世話を必要とする方々です。身体的な障害や疾病で要介護状態になった方もいますが、なかには認知症や精神疾患を有している方もいます。

認知症の方をお相手していると、突然言いがかりをつけられたり、つじつまの合わない理由で突然殴られたりすることもあります。本人の中では何かしらの理由があったとしても、それが他者には理解できない場合も多々あります。

暴言や暴力は、介護拒否の表現としても見られます。排泄の介助や入浴、移動の付き添いなど、介護する上でやむを得ない行為でも、本人がそれを理解できず、暴力に発展してしまうケースもあります。

認知症や精神疾患を有する方からの暴言や暴力は、「やめてほしい」と伝えても、なくなるものではありません。また、「こうすれば解決できる」という手段も見つけにくく、暴力を振るった側に責任を問うことも困難です。

介護職が遭う暴力や暴言は、日常のトラブルやケンカなどで遭うそれとは、まったく異色のものです。理不尽な暴言や暴力に晒されることは、他の職種ではなかなかないことですよね。介護職だからこそ味わう、仕事のつらさのひとつです。

要介護者の方からのセクハラに悩む人も少なくありません。実は多い介護職のセクハラ被害の記事で詳しく説明しています。

要介護者の家族からのクレームや非難

お客様からのクレームは、サービス業ではつきものですよね。介護職もサービス業に分類されますから、多少のクレームは業務のうちと思うかもしれません。ですがやはりここにも、介護職だからこそのつらさがあります。

要介護者の家族は、大変な心的・肉体的負担を抱えています。家族に要介護者がいるということは、それをお世話する家族もまた、通常通りの生活ができないということです。自分の生活ペースを崩され、時には満足に眠れもしない状況にもなります。

自分が辛い状態では、誰かを思いやることは難しいですよね。介護職は、そういった家族との関わりも多い仕事です。ですから、介護職は時に容赦のない負の感情を向けられてしまうことが多々あります。

注意や要望をいただく際にも、必要以上に乱暴な言葉を投げつけられたり、悪意のある表現をされることもあります。時には、人格を否定されるような言葉を投げかけられることもあります。

仕事として関わっているということや、対人支援の専門職という立場ゆえでもあるのでしょう。「相手は介護職なのだから、これくらいのことを言っても許される」という雰囲気もあるのかもしれません。

対人支援職である介護職だからこその、辛いところですね。

人間の醜い部分を見なくてはいけない

介護職は、さまざまな人の生活に関わっていく仕事です。その人の生き方や、それまでに築いてきた人間関係などにも、関わっていく機会が多くなります。だからこそ、人間の醜い部分を見ることも、多くなってしまいます。

要介護者は、多くの場合、体の痛みや苦しさへの苦痛を抱えて生きています。加齢や障害などで体が思い通りに動かないという、不自由さへのストレスも感じていることでしょう。「生活のなかでの不満をどこかで晴らしたい」気持ちもあります。

それらの悪感情は、いじめや嫌がらせ、愚痴や悪口などとして現れる場合があります。仕事として関わっていくなかで、誰も見ることがなかったその人の一面を見ることもあるでしょう。

認知症がなかったり、あっても軽度だったりする方々に、特に多く見られる傾向です。入所施設では、入所者間での陰口の言い合いや、派閥を組んでのいじめが発生することもあります。

また、通所介護では、様々な介護度の方が集まることが多い場所です。そういった場所では、認知症のある方や、要介護度の重い方に対して、聞こえよがしに悪口を言う方もいます。家族やご近所の方への愚痴や不満を聞くこともあるでしょう。

苛立ちのはけ口は、介護職に向くこともあります。特定の介護職を悪く言ったり、些細な内容でクレームをつけたり、理不尽な要求をしたりと、いじめのような行為をされる場合もあります。

高齢者は人生の師として敬うべき存在です。そういった方々の人間的に醜い場面は、あまり見たくはありませんよね。ですが、介護職はそのような場面を目の当たりにしなくてはいけない場合が多々あります。

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介護職のいじめ問題・要介護者の方からいじめにあうことも

生活が不規則になり、周囲と合わなくなる

入所施設に勤める介護職は、多くの場合、交代勤務制です。一般職の方々と同じ勤務時間の日勤帯のほかに、早番や遅番、夜勤などがあり、不規則な勤務時間を強いられることになります。

職場によっては、人手不足で夜勤が増えることもあり、必然的に生活サイクルが乱れていきます。夜勤には仮眠時間が設けられますが、リラックスして休める人など、そうそういないでしょう。

また、入所施設には、要介護者が施設に入所して生活をしています。つまり、365日営業していることになるのです。週休が曜日で固定されているケースは少なく、お盆や正月など国民の休日にも休める保障はありません。

通所介護など日勤帯しかない仕事の場合でも、残業したり、自宅に仕事を持ち帰ったりする方は多いでしょう。通所介護を利用される方に取り組んでもらう工作などの用意を、業務時間内におこなうことが難しいからです。

このように、介護職の生活は一般職の方々とはズレが生じます。自分のプライベートな時間を確保したり、一般職の友人と休日を合わせて遊んだりすることは、難しくなることもあるでしょう。

悩みを解消したいなら、転職という選択肢を考えてみよう

このような「介護職だからこそ」というつらさは、周囲に理解してもらいにくい部分があります。相手が社会的弱者だからということもあるでしょう。「介護職はなんでも受け入れて当然」と思われている風潮もあります。

「誰かの役に立ちたい」という立派な志をもって入職した方も、辛い思いをして心が折れてしまうことがあるかもしれません。そんな時には、転職を考えてみてはいかがでしょうか。

他の職種に転職する

介護職に嫌気がさした方は、思い切って、別の仕事に転職してしまうのも良いかもしれません。活きる糧を得られる仕事は、何も介護職だけではないのです。

対人援助に疲れてしまったのなら、人とあまり接することのない仕事に移るのも良いかもしれません。要介護者に限られない、一般の方を対象とした接客業に就くのも良いでしょう。本や食品など、趣味が活かせるジャンルを選ぶ手もありますね。

一度きりの人生です。嫌々ながら今の仕事を続けるよりも、本当に自分がやりたいことを仕事にしたいですよね。どうにも我慢できないほどに「介護職が辛い」と思うのなら、耐えきれなくなる前に、自分が楽な方へと軌道を修正してしまいましょう。

ただし、リストラや非正規雇用も増えてきている今の時代では、相応の年齢であるにも関わらずフリーターをされている方も少なくありません。正社員になりたくてもなれず、パートや派遣社員などで生計をたてている方もいます。

介護職から他職種への転職は、そう甘いものではありません。正規雇用が望めなかったり、お給料や勤務時間が希望とは違ったりすることがあります。そのことだけは、心に留めておきましょう。

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介護から転職するときの志望動機&自己PR。介護出身の強みとは

転職のための資格を取得する

介護職を辞めたいと思ったとき、有利な条件で転職をしたいのならば、やはり専門的な資格を持っておきたいところです。

新聞の折り込みチラシや、書店で販売されている雑誌などで、情報を集めることができるでしょう。講座を修了するだけのものや、修了後に試験があるもの、通信教育や通学制など、実にさまざまな講座が開催されています。

自分で調べて資格を取得するのも良いですが、公的制度を利用するという手段もあります。利用してみたいと思った方は、ハローワークに行ってみましょう。

ハローワークでは、雇用保険を受給されている方向けの公共職業訓練、雇用保険を受給できない方に向けた求職者支援訓練など、さまざまな助成をおこなっています。面接の練習や履歴書の書き方指導も受けることができるのです。

雇用保険への加入期間が一定以上ある方は、教育訓練給付制度や専門実践教育訓練給付金が受けられるかもしれません。ハローワークの窓口で相談すると、給付の条件や対象の講座などを教えてもらえます。

公共職業訓練の利用法についてはこちらをチェック。
ハローワークで利用できるサービスの色々
ハローワークの公共職業訓練とは

休職期間を設け、その間に専門学校へ通うという手段もありますね。しっかり履修して試験を受ければ、専門性の高い国家資格を取得することもできます。

資格は、持っていて損はありません。転職までに時間的な猶予を設けることができるのなら、自分が転職したい方向性と照らし合わせて考えてみることをお勧めします。

介護職というカテゴリー内で転職する

「介護職以外に転職する自信はない」という方も、諦めないでください。今辛い思いをしている原因は、職場を変えることで解決できる場合もあります。思いつめてしまう前に、少しだけ視野を広げてみましょう。

あなたが「つらくて仕方がない」と思っている原因がなんなのか、考えてみましょう。

介護職と一口に言っても、その職場の体制はさまざまです。全ての条件が良い職場を探すのは難しいかもしれませんが、「お給料は安いけれど雰囲気が良い」など、あなたが妥協できる職場がみつかるかもしれません。

他に、「同じ介護職で別の業種へ転職する」という手段もあります。夜勤が辛いなら、日勤しかないデイサービスに転職するのも良いでしょう。大人数の対応をする老人ホームが辛いのなら、少人数のグループホームへの転職はいかがでしょうか。

自分が重視したい条件を思い浮かべ、その条件を満たしてくれる職場を探してみましょう。介護職はいつでも人手不足ですから、介護職から介護職への転職は比較的容易におこなえるはずです。

面接だけでは雰囲気がわからない部分もありますから、可能ならば、施設内の見学などをさせていただきましょう。そこで働いているスタッフさんの表情や、要介護者との接し方などを観察させていただくのをお勧めします。

耐えるのはここまで。一線を引こう

最近のニュースでは、仕事を苦にして精神を病んでしまう方がよく取り沙汰されています。過労が原因での自殺を労災認定するよう求めた事例もありました。

仕事は生きていくために必要なものですが、仕事のために病気になってしまったり、死んでしまったりしては、元も子もありません。

仕事である以上は義務が伴います。楽しいだけの気持ちでこなすことはできませんし、嫌な気持ちや辛い思いをすることもあるでしょう。ですが、「自分が耐えきれない」と思ったのなら、それ以上は頑張らずに少し休んでも良いはずです。

人生は長いのですから、一度挫折したくらいでは、そこでダメになってしまうことはありません。方向転換したり、軌道修正したりしながら、自分が生きていける手段を探していきましょう。

皆さんが抱えている介護職特有の悩みについて、こちらの記事でも紹介しています。
介護職のやりがいを感じる時、感じない時。職場ごとの経験者の声

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