JAL採用試験の概要。企業が求める人物像から各選考の対策をみる

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JALは、日本を代表する航空会社のひとつです。実にさまざまな苦難を乗り越えて見事に再生を果たしたJALは生まれ変わってさらなるパワーを発揮しているといって良いでしょう。

業界としての人気は非常に高いランキングにあるひとつであり、子供からの憧れの職業には、常にパイロットやCAさんはあり続けています。

当然人気のある企業であるわけで、倍率はとてつもないぐらいのもの、難関中の難関といっても過言ではありません。

しかし、チャンスはどんな方にもあるわけで、夢がある人にはチャレンジしてみる価値は十分にあり企業です。

ここでは、JALの選考過程やそれにおけるポイントなどをご紹介してみなさんの参考にしていただきたいと考えています。

JALの企業としての特徴

新生JALは2010年2月1日に誕生したまだ10年にも満たない企業です。正式名称は、日本航空株式会社で、略称でもあるJALは、Japan Airlines Co.,Ltd.からとったものです。

いまでは、イギリスのスカイトラックスによる航空会社の格付けにおいて実質最高評価の「ザ・ワールド・ファイブ・スター・エアラインズ」の認定を受けるようにもなりました。

全日空(ANA)が国際路線を就航するまでは、国内では唯一の航空会社でしたし、実際にも業界では、日本のフラッグキャリアでした。

しかし、長年にわたっての経営方針がうまくいかず、結果的に多額の負債を抱えて、2010年1月に会社更生法の適用を申請するまでになって事実上の倒産状態に陥りました。

同年2月にすぐ企業再生支援機構が支援しながら、新体制がスタートし、2011年3月末には会社更生法の適用も終了して、2012年9月無事に東証1部上場にも復帰するにまでなりました。

その後は、順調に業績を伸ばしていき、新型機種を導入したり、無線LANによる機内インターネット接続サービスのJAL Sky Wi-Fiにも対応するようになってきています。

当初はこのWi-Fiも国際線だけの対応でしたが、今では国内線でもこのサービスを提供するなど積極的に新たなサービスにも取り組んでいます。

企業理念は、

JALグループは、全社員の物心両面の幸福を追求し、
一、お客様に最高のサービスを提供します。
一、企業価値を高め、社会の進歩発展に貢献します。

全社員の物心両面の幸福を追求するには、「お客様に最高のサービスを提供」するのも、「企業価値を高め、社会の進歩発展に貢献」するのもすべて全社員の努力の結晶があって初めて達成できるということからきています。

社員が一生懸命努力するには心の底から「JALで働いていてよかった」、「JALの一員として頑張ろう」と思うことが大切という考えがあります。

また、物心両面の幸福とは、経済的安定や豊かさに加え、仕事に対する誇り、働き甲斐、生き甲斐といった人間の心の豊かさを求めていくことで、素晴らしい人生を送ることができます。

それとともに、心を一つにして、一致団結しお客様に最高のサービスを提供できるよう必死に努力しなければいけないということに思いを込めています。

しかし、国際線定期便の運航が1986年3月に開始されてからというもの、今では国内線はもとより、国際線も国内最大規模を誇るようになりました。

JALは航空事業だけではない

JALといえば、飛行機のイメージが大きいと思いますが、その事業内容は実に幅広いです。

  • 航空運送事業
  • 空港旅客サービス
  • グランドハンドリング
  • 整備
  • 貨物
  • 空港周辺事業
  • 旅客販売
  • パッケージ旅行の販売
  • クレジットカード事業
  • その他

それぞれに複数のJALグループ各社が傘下にいる状態になっていて、航空事業を支えるためのさまざまな事業も自社で展開しているのです。

今回はJAL航空運送事業の分野だけで進めていきます。JALでは、以下の5職種を募集しています。

  • 業務企画職(地上職 事務系)
  • 業務企画職(地上職 数理・IT系)
  • 業務企画職(地上職 技術系)
  • 自社養成パイロット
  • 客室乗務員

JALが求める人物像とは?

では、JALが求める人物像について細かく説明していきます。JALでは、人物像ではなく、人財像と呼んでいます。人材は「人財」会社にとって財産という考えからです。

JALは、どの職種にも共通して社員に以下のような人財像を求めています。

感謝の心をもって、謙虚に学ぶ

感謝の気持ちを常に持ち、世の中全てから謙虚に学び、自己成長できる人財

果敢に挑戦し、最後までやり遂げる

失敗を恐れず常に新しいことに挑戦し、人任せにすることなく最後までやり遂げる人財

プロ意識を持つ

自分の仕事に誇りと責任を持ち、地道に自分の専門を極める人財

採算意識を持つ

JALグループが社会から必要とされ、永続的に発展するために、強い採算意識を持つ人財

多文化を尊重し、適応する

世界の多様な文化と積極的にふれあい、異なる文化・価値観を尊重できる人財

仲間とともに働く

仲間とともに働き、仲間のために頑張ることに誇りと喜びを感じられる人材

お客様に心を尽くす

全てのお客様に感謝の気持ちを形にしてお返しすることができる人財

以上の内容ですが、これは経営再建しているときに決められたもので、過去に決別をして、お客様商売の原点に返るという気持ちがかなり込められていると思います。

特に大きな赤字を計上してきた経緯もありますので、採算意識を持つというようなことも含まれていますが、基本的にはお客様に満足してもらうことを忘れないでほしいという気持ちが込められているということです。

全社員の胸に深く突き刺さる言葉「感謝」と「謙虚」

また、JALとしてこれらの人財像の大前提になっているベースの言葉があります。それが、「感謝の心をもって、謙虚に学ぶ」ということです。

ANAが求めている人物像とはどういった人なのでしょうか?職種が大きく異なりますが、それはあくまで組織を円滑に運用できるようにするためのことです。

これは、すべての社員が必ず共有すべき言葉です。

JALの魅力は、仲間と分かち合う達成感

華やかにみられがちなこの業界であっても、その華やかさはあくまでもほんの一部分でしかなく、実際は地道な取り組みの積み重ねでしかありません。

そういった仲間とのチームワークの集積があってこそ、飛行機は安全に飛び立つことを認識しなければいけません。

悪天候時の出航や、不定期のチャーター便の運航などイレギュラー対応をしている時こそ企業の力を試される場面です。こういった時の仲間と困難を乗り越えた時の達成感はより大きなものとなるはずです。

新しいJALはみんなが挑戦者として戦い続けている

再生に踏み出して5年余りが経過し、法的な整理は終わってはいますが、再挑戦は始まったばかりで、これからが本番でもあります。この状況を新しい皆さんとも戦い続けることが大切です。

JALは一切飾ることなく、いいことばかりではなくよくないこともすべて素を出していくことを一番に考えています。その代わり全員で同じ目標と目的に向かって進んでくれる人を求めてもいることを忘れてはいけません。

実際の採用試験はどのように進むのか?

JALに応募してから内定までの選考過程については、職種に応じて選考過程が異なります

業務企画職(地上職 事務系、地上職 数理・IT系)

業務企画職(地上職 事務系、地上職 数理・IT系)の選考過程は同様です。

  • 基本情報登録
  • 応募職種・採用コースの選択
  • 書類選考
  • 適性検査
  • 面接試験など(面接は複数回)
  • 内定

このパターンはあくまで一例ですので、場合によって変更になる場合もあります

業務企画職 (技術)

次は技術職です。

  • 基本情報登録
  • 書類選考
  • 面接・筆記試験(面接は複数回)
  • 内定

このパターンはあくまで一例ですので、場合によって変更になる場合もあります

自社養成パイロット

次は、パイロットさんの流れです。

  • 基本情報登録
  • エントリーシート提出(WEB上で提出)
  • 心理適性検査
  • グループ面接
  • 個人面接
  • 飛行適正検査
  • 英会話面接・身体検査
  • 最終面接
  • 内定

このパターンはあくまで一例ですので、場合によって変更になる場合もあります

客室乗務職

最後に客室乗務職の流れです。

  • 基本情報登録
  • 書類選考・筆記試験
  • 面接・健康診断・体力測定・適性検査など(面接は複数回)
  • 内定

このパターンはあくまで一例ですので、場合によって変更になる場合もあります

見ていただいたように、職種も違えば、選考過程も当然異なってきます。それは、特にこの業界自体がつく主なことも多いですし、安全性をとにかく追い求めなければいけません。

人の命を預かる仕事ですので、このぐらいの慎重かつ詳細の試験が進んでいくということになります。

エントリーシートについて

このエントリーシートについては、他社と比べても特徴的なのは、よくありがちな学生時代の経験や、頑張ったことなどの質問だけではないということです。

「仕事をしていくうえで大切なこと」「技術職として、どんな人生を送りたいのか」などの長期的キャリアプランや、その人の信念に近い質問もあるということです。

挑戦などの比較的アグレッシブな人材を求めているANAに対して、キーワードともいえる「感謝・謙虚」「地道さ」「チームワーク」「プロ意識」というワードが人財として求められているJALとの違いです。

やはり、破綻から再生を経ている今、決して派手さはなくても堅実にビジネスに取り組む姿勢があるので、そういったことについて共感できるとか、やってみたいという方はアピールすべきです。

そういったことに付随するような内容を具体的な事例を挙げながら、JALが求めている人財像に沿った形でエピソードをまとめていくようにするといいでしょう。

また、志望動機のところで漠然と飛行機が好き、憧れていた、JALが好きなどといったものが挙げがちではあるのですが、それではJALが採用する際には理由とはなりません。

JALという企業のために何がしたいのか、そのためにはどんな能力を自分では発揮できるのかということの経験をもとにアピールできるといいでしょう。憧れで応募していないということが大切といえます。

筆記試験について

JALでは、本選考時には、SPIの WEBテスト(テストセンター方式)を採用しています。科目は、言語・非言語・英語・性格検査が多いと言われています。

また、年度によっては、SPIを選考の最初に受験してもらった上で、再度選考の半ばでも受けてもらうということもしています。これは、替え玉対策と言われるほど念の入れようもすごいです。

そして、パイロット職では、内田クレペリン検査、ロールシャッハテストが性格検査として導入されています。

対策としては、SPIについては、対策本をひと通りやっておけば大丈夫と思われます。ただ、英語が苦手という方でも選考を通過しているということもありますので、ここでのボーダーはそこまで高くないかもしれません。

グループディスカッションについて

一次選考の段階で、グループディスカッションを行う職種があります。業務企画職(地上職 事務系)です。所要時間は30分程度です。学生さん5人1組で行われるようです。

過去に行われた内容として、テーマとしてあげられたのは、「架空の百貨店のレストランフロアにて、3つの出店候補があるがどの店を出店させるか」というものがありました。

流れは以下のようになっていて、

  • 約20ページの顧客情報や店舗情報の読み込み(10分)
  • どの店を出店させるか個人発表(5分)
  • ディスカッション(15分)

特に地上職の仕事は、多様な意見を調整し、まとめていく能力が必要です。相手の意見を引き出しながらも否定することなく、それらをどう活かしていくのかを考えながら進めることが大切です。

面接試験について

面接については、職種に応じてまったく異なった選考になるのですが、全体的に共通していることを中心に述べていきます。

初めの面接では、事前に大学名を名乗ることを禁止しています。そのため、学校名で選別をするという不公正さは回避できます。あくまで人物重視ということをアピールしているということでしょう。

回答については、「1分で話してください」など、簡潔に回答することが求められていることも注意しなければいけません。

大元の質問について突っ込んだことのような補足の質問をしてくることはそこまでありません。ということは、面接官が引き出してくれるようなヒントは出てこないということです。

よって、事前には最低でもエントリーシートの項目ひとつひとつについては1分程度でポイントを凝縮した上で話すことができるようにしっかりと準備をしておくことは必須です。

また、最終面接は必ず役員が担当します。それぞれフリースタイルで質問してきますが、

  • 働き方に関するスタンス
  • 社会人としての覚悟
  • 周囲とのかかわり方(チームワークや困難が起きた時の対処法など)

というような理念に関するところは必ず聞かれます。自己分析を深めて、そこにJALフィロソフィを織り交ぜながら話すというよりも伝えることをしていくのが必要です。

時に、びっくりするような想定外の質問も飛んでくることもあります。それはJALだからということではないですが、落ち着いて笑顔を心がけて回答することに気を付けていきましょう。

JALの採用ホームページに記載されている「求める人財像」はJALフィロソフィをまとめられたものですので、ここはしっかり理解した上で覚えておきましょう。

人事が解説!インターンシップ選考で輝くエントリーシートの書き方

JALの採用に向けた近年の動きや近年の現状

JALでは、近年採用に向けての選考ルートを一般選考とは別のルートを確立しています。

それは、「オンリーワン選考」というものです。ちなみにこのオンリーワン選考は、業務企画職の3職種のみで、パイロットと客室乗務員には適応しません。

あともう一つは、障がい者選考もしっかりと枠を設けて募集をかけていて、誰でも分け隔てなく仕事の機会を得ることができるようになってきています。こちらも業務企画職の3職種のみです。

ではひとつひとつ説明していきます。

オンリーワン選考

これは、学生生活において、誰にも負けないような努力によって実績を上げた方に応募してもらおうというもので、2019年卒業見込みの新卒募集から導入されました。

資格は、通常の新卒である当年度の卒業見込みの方だけではなく、それ以前の3ヶ年に卒業、修了されている方も対象です。エントリーシートに職務経歴が記載されていれば、就業経験があってもOKです。

実績に該当するのは、「文化、学業、スポーツ、社会的活動、グローバルなどの分野において、実績を残した方」となっていて、主な実績例としては、

  • 文化・学業:全国または、国際レベルの大会で本気で目指し、実績を残した方
  • スポーツ:全国レベル以上の大会を本気で目指し、実績を残した方
  • 社会的活動:ボランティア活動などに精力的に取り組み、実績を残した方
  • グローバル:海外での活動に精力的に取り組み、実績を残した方

このような実績をお持ちの方は、ぜひチャレンジしてみるとよいでしょう。

強みとして活かせるエピソードは積極的にアピールしたいですね。
履歴書の課外活動の書き方のポイント【部活・ボランティア・インターン】

障がい者選考

資格は、オンリーワン選考通常の新卒である当年度の卒業見込みの方だけではなく、それ以前の3ヶ年に卒業、修了されている方も対象です。

こちらもオンリーワン選考同様、エントリーシートに職務経歴が記載されていれば、就業経験があってもOKです。そして、障害者手帳を持っているということが条件になります。

障がい者選考においても、通常とオンリーワン選考と2種類ありますので、いろいろとチャレンジができるのはうれしいところです。

選考過程は、どちらの選考も同様に進んでいきます。

  • 基本情報登録
  • 応募職種・採用コースの選択
  • 書類選考
  • 適性検査
  • 面接試験等
  • 内定

となっています。

こういった選考方法を積極的に取り入れている企業というのはとても就職活動をしている方にはチャンスが広がってとてもいいです。

JALは人物重視で、感謝の心と謙虚な姿勢がどれだけある人かを見る

JAL会社更生法を適用し事実上の倒産を経験しての再出発をして今の地位を再度築き上げました。

ここまでに持ち直すまでには、国の支援をはじめ、非常に多くの支援や理解を得てきたことがとても大きな要因になっています。そういったさまざまなところから支えられたという経験があります。

そのことから、企業として今迄についてどうかは別にして、感謝の心と謙虚に学ぶ姿勢がいかにあるのかどうかが大きなポイントになってくると考えて間違いないと思います。

そして、決してあきらめない最後までやり遂げることができる人であることも大切ですし、プロ意識や採算意識など、ビジネスをしていくにあたって、利益を上げることも忘れてはいけません。

そして、一つの目的を達成するためにいろんな部署に人材が集まります。そこで、その部署の事情だけではことは決して進むわけではありません。お互いを理解することも必要です。

その結果、物心ともに満足できる人生を送ることができるということを体現できる自信があるという人にはとてもやりがいのある職場ではないかと思います。

そして、オンリーワン選考や障がい者選考など誰でも、どんなことがあっても受け入れてくれる環境をJALは持ち合わせているということは就職活動している皆さんにとってはうれしいことでしょう。

JALの内定を狙っている学生さんはぜひインターンにも挑戦しましょう。
JALインターンシップの特徴・選考フロー

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