派遣社員にはボーナスがない!?派遣の給与事情と正社員との比較

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年に2回のボーナスといえば、正社員の特権のようなイメージがありますよね。ボーナスが出る度、何を買おうかと浮かれ悩んでいる人たちの姿は、非正規雇用者の立場からすると非常に羨ましいものです。実際、これがアルバイトの立場であるなら、ボーナスがなくてもしかたありません。

しかし一方、派遣社員として働いている場合だと、時には正社員と同じ仕事をすることもあり、ボーナスが出てもいいのではないのかと考える人もいるのではないでしょうか。

派遣社員の働き方は独特なので、ボーナスが出る可能性があるのかないのか、気になりますよね。そこで派遣社員として働く上でボーナスが出る例や、ボーナスが出る派遣会社についてご紹介します。

ガッカリ!派遣社員には基本的にボーナスがない

大変残念ながら、大前提として、派遣会社に登録して働く場合にボーナスが出ることはありません。ボーナスというと、単純に「頑張ったご褒美」として出るもの、というようなイメージがありますよね。

しかし実は、日本国内においてはボーナスを出すことは、雇用されている側ではなく、企業側において大きなメリットが存在するのです。派遣社員にボーナスが出ない理由として、この企業側のメリットが関係しています。

例えば、正規雇用と非正規雇用で、ボーナス以外にもうひとつ存在する大きな違いが退職金です。この退職金の額を計算する時、実はボーナスが含まれません。

そのため、会社側は正社員の普段の給与を低く、ボーナスを高く設定することで退職金の金額を抑えることができるのです。

さらに、正社員を安定して長期間雇うにあたっては、会社の業績が良い時もあれば悪い時もあります。悪い時にたくさんの給与を払うのは大変なので、もともと給与を低めに設定しておいて、ボーナスで調整するのです。

ボーナスはもともと法律で「契約で定められていない金額(=毎回一定しない額)」となっています。

そこで、業績の良い時はボーナスを上げ、業績の悪い時はボーナスを下げることで会社を経営するにあたっての人件費をコントロールしています。

ボーナスを出すことによって、会社側は優秀な人材を確保しつつも、実は大きくコストを抑えることができるのです。

一方で、残念ながら、派遣社員の場合はこのようなメリットがありません。派遣社員は正社員と違い、契約期間が決まっていますから、退職金も必要ありません。

また正社員と比べるとアルバイトに近いような仕事も多く、いつ辞めるかもわかりません。常にたくさんの人材が雇用され、またたくさんの人材が辞めていくのが派遣会社です。

長期間働くことを前提とされていないので、年に2回ボーナスを出すといったような、正社員と同じ方法は不向きなのです。ボーナスを出すメリットが会社側にないので、派遣社員ではボーナスが出ません。

また、もう1つ、派遣そのものの仕組みにも大きな理由があります。派遣という働き方は、「派遣会社が、派遣先企業からお金を受け取る代わり、自分の会社から社員を派遣する」という仕組みになっています。

派遣会社は派遣先企業から、派遣した時間に応じて一定の額を受け取っています。この額のいくらかが派遣会社の取り分になり、残りが派遣社員の給与として支払われるわけです。

この時、派遣先に請求する金額はあくまで時間で決まりますから、そこにボーナス分は含まれません。派遣先にボーナスの金額まで要求することはできないので、必然的に派遣社員にもボーナスが支払われることはないのです。

ボーナスの支給は義務ではない

ちなみに、残念ながら、法律上ではボーナスの有無は決まっていません。派遣社員はもちろん、正社員ですらボーナスがないこともあります。

ボーナスの支給が会社にとって義務でない以上、派遣社員でボーナスがなくてもそれは仕方のないことです。正社員と同じだけの仕事をしていても、派遣社員だけボーナスがないというのは納得がいかないという人もいるかもしれません。

しかし、派遣社員には派遣社員特有の給与面でのメリットも存在します。

単純に「ボーナスが出ない」からとその派遣会社や派遣社員という働き方そのものを敬遠するのではなく、他の面での条件の良さも充分に考慮して選ぶのがおすすめです。

ボーナスがなくても給与が正社員以上?派遣社員のメリット

正社員の場合、ボーナスは年収の多くを占めるため、非常に重要な要素です。しかし一方、ボーナスがない派遣社員の場合は正社員より不利かというと、時と場合によっては必ずしもそうでないことがあります。

例えば、派遣社員特有の、「ボーナスがないことでのメリット」としては、以下のようなものがあります。

ボーナスが出ない分時給が高い

派遣社員として働く給与面でのメリットといえば、何と言っても時給が高いことです。

「ボーナスが出ないなんてがっかり」と思ってしまうかもしれませんが、派遣社員の場合、あるいは「すでに時給にボーナスが含まれている」と考えることもできるのです。

ボーナスを出す上での会社側のメリットのひとつに、「ボーナスのある会社の方が、人が集まりやすい」ということがあります。

しかし、派遣会社の場合はいつ辞めるかもわからず、契約期間も定められているためボーナスを出すのは難しいものです。そこでボーナス代わりに、アルバイトよりも高い時給で仕事を斡旋し、人を集めています。

実際、全く同じ職場でも、アルバイトと派遣社員両方がおり、同じ仕事をしているにも関わらずアルバイトは時給1000円、派遣社員は時給1300円、といったようなことは非常によくあります。

仮に、フルタイム勤務で8時間×5日労働とすれば、時給は100円上がるだけでも、週に4000円の差がつきます。4週間、つまり約1ヶ月で16000円ですので、年間に直せば20万近くにもなる計算です。

時給100円の差でこれだけの金額になるため、当然、時給が200円、300円違うのなら40万、60万もの違いになります。

こう考えると、時給の高い派遣社員はたとえボーナスが出ないとしても、ボーナスをもらっているのとほとんど変わりはないとも言えるでしょう。

逆に言えば、派遣会社の中でもほとんどアルバイトと変わらない時給や、低い時給と数万程度のボーナスを提示しているようなところは避けるべきです。

このような派遣会社を利用するのは、「実質ボーナスがもらえているのと同等の賃金がもらえる」という派遣会社の大きなメリットを1つ潰している状態です。派遣会社で働くのであればできるだけ時給の高いところで働きましょう。

ボーナスが出ない分ある意味収入が安定している

派遣社員の収入は、時給と労働時間が全てです。正社員の場合だと、サービス残業や「会社の業績でボーナスカット」なんてことになるとぐっと収入が減ってしまいます。

しかし、そもそもボーナスがない派遣社員はこのような事態には無縁です。派遣社員であれば、働けば働いただけ、当初の契約通りに給料が入ります。そのため、ある意味では常に安定した、一定の収入を見込めるという側面もあります。

ボーナスを期待していたら、結局思ったほどボーナスをもらえなかった、ということもよくあるもの。きっちり時給計算の派遣社員の方が、予想収入との食い違いが起こりにくくなるのです。

短期間で稼ぐなら、正社員の収入を超えることも!

勤続年数の浅い、ボーナスありの正社員と比べれば、実は時給次第でボーナスなしの派遣社員の方が収入が高いこともよくあります。

勤続年数が長くなれば、さすがに昇給や役職手当などの豊富な正社員の方が大きく有利ではあります。しかし、あくまで短期間で考えるならば、派遣社員の方が実は有利であり、ボーナスが出なくとも何ら問題はありません。

派遣社員として働くならば、ボーナスが出るか出ないかということよりも、あくまで時給の高さで派遣会社を選び、短期間の利用で効率よく稼ぐのが断然お得です。

意外!派遣会社でもボーナスが出るパターン

ここまで、派遣会社ではボーナスが出ないとお話ししてきました。しかし、実は派遣社員であってもボーナスが出るケースが存在します。例えば、以下のような場合です。

常用型派遣(特定派遣)として働く

派遣会社での働き方には

  • 登録型派遣
  • 常用型派遣(特定派遣)

という2種類が存在します。

一般的に、「派遣会社で働く」というと大抵は登録型派遣です。派遣会社に登録し、派遣社員としてそのまま、派遣先企業に派遣されるという働き方が登録型派遣になります。

一方で、常用型派遣(特定派遣)の場合は登録型派遣とは性質が異なります。常用型派遣はいわば、「派遣会社の正社員」にも近い立ち位置です。その派遣会社に「常時雇用されている」派遣社員として、様々な派遣先に派遣されます。

登録型派遣の場合は、気に入った仕事がなければ引き受けなかったり、はたまた別の派遣会社に移ったりすることも気軽にできます。また、契約期間が終了すればそこでいったん派遣会社との雇用関係は終了します。

しかし、常用型派遣の場合はそういうわけにはいきません。あくまでその派遣会社の専属のようなかたちで、派遣会社の指定する派遣先へと派遣され続けることになります。このため、常用型派遣となると一般的な派遣とは異なり、

  • 月給制
  • 各種の福利厚生を受けられる
  • ボーナス有
  • 契約期間が切れても、派遣会社との雇用関係は継続し給与が発生する

といったように、各種の待遇が正社員に近くなります。あくまで近いだけであって正社員ではないのですが、ボーナスが出る派遣の一例としてはこのような働き方もあります。

ちなみに、待遇が正社員に近いこともあり、常用型派遣は「誰でもなれる」というわけにはいきません。登録型派遣は登録してしまえば派遣社員として働くことができますが、常用型派遣は正社員のように書類選考や面接などの審査があります。

実際、審査に通るのは一定以上の優秀な人材のみです。また、「人材派遣」という性質上、専門技術に特化したスキルを持っている人たちが多いのも特徴です。

同じ派遣でも、登録型派遣とはかなり異なる働き方ですので、検討する際は慎重にした方がよいでしょう。

ボーナスがつく派遣会社もある!

派遣会社では基本的にボーナスがつきません。しかし一部の派遣会社では、あえて「ボーナスが出ます!」ということを売りにしている会社もあります。例えばボーナスがつく派遣会社としては、

  • 株式会社イー・エス・エージェンシー
  • 株式会社セイシン・コンピタンス・サポート

などがあります。それぞれ条件はありますが、ボーナスを支給すると明示している派遣会社です。なお、ボーナスが出る場合は就業規則に必ず書いてありますのでよく確認するとよいでしょう。

このように、最初からボーナスが出るということを明示している派遣会社を選ぶことで、確実にボーナスをもらうことができます。

派遣先で貢献していると、ボーナスが受け取れる場合もある

例えば派遣先で「あなたがいなければ仕事が回らない」と思われるほどに貢献し、しっかりと働いて高い評価を受けている場合、まれにボーナスが出ることがあります。

派遣先が特定の個人の分だけ時給を上げてくれることもあれば、ボーナスそのものが支給されることもあります。

派遣先が「この派遣社員さんには辞めてほしくない」と思った時、派遣会社に「この人はとても重宝しているので、給与を上げてでも残ってほしい」とお願いしてくれるのです。

あまりあることではありませんが、可能性のひとつとして覚えておいてもよいでしょう。また、働きに自信があるのであれば、直接派遣会社と交渉するという方法もあります。

また、もし、派遣先の企業で当初聞いていた仕事内容よりも、明らかに多くの仕事を望まれているような場合も、やはり交渉次第で時給を上げてもらいボーナス代わりにすることができます。

ただし、上がっても時給50円程度いうこともあるので、あまり期待し過ぎないようにしましょう。

出るだけマシ!?派遣のボーナス相場

ところで、実際にボーナスが出たとして、いったいどのくらいの額が相場なのでしょうか。ボーナスと聞くと、少なくとも給与1カ月分くらいはもらえるようなイメージがある人も多いかもしれません。

しかし、このボーナスには会社によってかなり差があり、まとまった金額をもらえると思っているとがっかりしてしまうこともあるので注意が必要です。

例えば、正社員であっても、1回のボーナスの額が2~3万、という企業は多くあります。

また、アルバイトにもボーナスを出している会社では、年に2回、それぞれ2万円程度のボーナスを支給する代わり、時給を抑えて結果的にコストを低くしているというところもあります。

両方とも出るだけマシという程度であり、派遣会社でボーナスが出る場合でもこのように雀の涙の可能性もあります。

もちろん、中には1~2カ月分太っ腹に支給してくれるという派遣会社もありますが、一概に「ボーナス=最低でも10万円以上」というようなイメージでいるのは禁物です。

ボーナスが出ない分時給は高い。上手に派遣を使いこなそう

派遣会社はボーナスが出ないのが普通です。しかし、その分時給は高いので、できるだけ時給が高い仕事、派遣会社を選んで上手に利用するのがおすすめです。

時給が100円上がるだけでも、年間にすればボーナスといっても過言ではないほどの金額の差が生まれることになります。

また、どうしてもボーナスを受け取りたいのであれば、ボーナスが出るとあらかじめ明示されている派遣会社を選ぶのがよいでしょう。

正社員と派遣社員で大きく違う待遇ですが、派遣社員には派遣社員なりの良さがあります。ボーナスに関わらず、働く目的に応じて選択していきましょう。

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