運送業界の現状と将来性。ランキングでみる業界の年収と売上

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私たちの生活を維持する上で、欠かせない根幹となっている産業に運送業界があります。

昨今は、アマゾンやその他の通信販売サイトなどが充実している関係でこうした運送業界の人たちの仕事は大幅に増えています。

一方で、運送業界が独自に抱える問題などもあり簡単には解決しない問題も存在しています。

ここでは、こうした運送業界の現状とどのような将来性を備えているかなどの点についてまとめました。

運送業界とはどのような仕事があるのか

ではまず、運送業界に就職することを希望した場合、どのような職種があるのかを考えていきましょう。

運送業界という括りで考えた場合には、大まかにわけてふたつの方向性が考えられます。

1つは、物流を担う役目としての運送業です。陸路、海路、空路に主に分類されそれぞれトラックや船、飛行機などがその役目を果たしています。

日本において物流の90%以上を担当しているのはトラックによる輸送です。そのため、トラック運送業は、規制緩和されてから特に企業数が増えています。

海路や空路による輸送は、基本的にそれぞれ特別な資格が必要になります。航海の技量や飛行機の場合は操縦士の資格が必要となり、それぞれ特に専門的な勉強と経験が必要になってきます。

このため、一般的に転職や就職先としての運送業という意味ではトラックによる輸送や、宅配業を考えることが一般的です。

そして2つ目の方向性としては、乗客を運ぶ運送業としての仕事です。こちらは、多くの人にとってより身近な存在となっています。

わかりやすい例としてはタクシーの運転手や、バスの運転手、そして電車の運転手などがあります。どの例も、お客さんからお金をもらって指定された場所まで輸送することを職務内容としているためです。

このため運送業界に転職、或いは就職を考えている場合にはこの方向性のうちどちら側に進みたいのかを考えておく必要があります。

トラック輸送などに就職したい場合には、まず大型免許の習得が必須になります。普通自動車免許を習得して3年経過することが必要など、お金と時間の双方の条件が必要になるので注意が必要です。

大型免許なしでもこうした運送業に就職して勤務することはできますが、限られたトラックしか運転することができないので、結果として収入的には差をつけられることになります。

一方で、タクシーや大型バスを運転する場合の運送業に就職したいと考える場合には、第2種免許が必ず必要になってきます。お客さんを乗せて、料金を取って運転するために法律上必ず必要な免許であるためです。

運送業と一言で言っても、大雑把に分けてこれだけの違いがあります。どちらも関連する免許を求められることは間違いないので、その点を把握しておく必要があります。

運送業界の現状と発生している問題

それでは、まず運送業界の現状と発生している問題を見ていきましょう。

ここでは、主に物流側の運送業としてよくあるトラック輸送に関連した現状と発生している問題を見ていきましょう。

一部問題については、タクシーやバスをはじめとする旅客運送側で当てはまらない場合があります。

これらを踏まえて、運送業の現状とそれに起因する問題点を見ていきましょう。

最も現状を顕著に表している内容として、業界に従事している人数自体は増えていないのに仕事だけが増えている状況であることです。これはどのようなことなのでしょうか。

仕事が増えていることは、通常はいいこととして捉えることができます。仕事が発生しなければ料金を得ることができず、引いては給料を得ることができないためです。

しかしその一方で、適正な仕事量という考え方があります。休憩時間や有給などについて全く考えないで業務を遂行していれば、短期的には大きな利益を上げることができますがやがて働いている人が疲弊して稼ぐことが難しくなります。

この点が、今の運送業には当てはまっています。代表例としてアマゾンや楽天などの通信販売サービスが、以前に比べて極めて充実してきたことが挙げられます。

これらのサービスは、インターネットの販売サイトを通じて多種多様な物を簡単に取り寄せることができるようになりました。以前は、電話がほぼ唯一の通信販売の手法でもありましたが、最近はこれにインターネットが増えています。

クリックひとつで、自分の必要な物をすぐに発注することができます。消費者にとっては便利な世の中になっていますが、その便利な部分のサービスを担っている人がこうした運送業に従事する人たちです。

このような状況になったことによって、具体的に以下のような問題が発生しています。

  • 恒常的な長時間労働
  • サービスの追及による過当競争
  • 下請けによる運賃の低下

では、それぞれの問題について見ていきましょう。

恒常的な長時間労働

初めに紹介する問題は、恒常的な長時間労働です。飲食業などと並んで、運送業は特に勤務時間や拘束時間が長いことが有名でもあります。

これには、特にトラック運転手の場合には事情があります。

通常トラック運転手には、特定の時間までに特定の物を運ぶという仕事が課せられます。それが無理のない範囲であればよいのですが、昨今は時間ギリギリで運ぶことを要求されることが少なくありません。

また、荷物の梱包や荷降ろしといった本来の職務ではない範囲も市場などの人員削減などによって、ドライバーに転嫁されてきています。そのため、それらの時間も併せて計算しながらトラックを運転する必要があります。

そのため、本来ならば4時間ごとに30分の休憩をとるという目標が国土交通省によって定められていますが、こうした時間をギリギリまで削ってなんとか時間を間に合わせる、という働き方をしている場合が少なくありません。

また、長時間労働と同時に不規則労働でもあります。

例として野菜や果物などを市場に販売して競りにかける、という流れがあります。このため、午前3時や4時などに目的のものを延着させないようにしなければならない、という一種の職務的義務が課せれられます。

そのため、時によっては事実上の深夜勤務をしなければならない場合が少なくありません。また、一度会社を出ると数日間から1週間は帰ってくることができず、トラック内で寝泊りをしなければならないという面もあります。

こうしたさまざまな事情を勘案すると、長時間労働かつ休む時間もままならないという極めて厳しい状況になってしまうことが問題点の1つです。

サービスの追及による過当競争

次に挙げられる問題点は、サービスの追及による過当競争です。これは、特に日本の場合発生しやすい問題であると言われます。

日本は、良くも悪くも奉仕の精神が発達した国です。そのために、運送業界のみならずさまざまな業界や業種、分野で料金に含まれることがないサービスが発達しています。

しかし、これが弊害を生む事があります。運送業界は、その顕著な例の1つでもあります。

諸外国と比べて、日本の運送業のサービスは極めて充実しているとも言われます。それは、配達日時及び配達時間の指定によく現れています。

海外の場合では、一定の郵便局や営業所までは配達してくれますが、配達後に電話番号などから連絡を受けて自分で取りに行くことが普通です。

配達してもらえる場合もありますが、こうしたサービスは有料であったりクレジットカードのステータスが必要などのなんらかの条件が必要になることが多いです。

しかし、これらのサービスを日本はサービスとして全て無償でやってしまいます。

お客さんを自社に獲得するためにこうしたサービスを始めたことが一番始まりではありますが、一社がやるとそれをやらなければお客さんが流れてしまうために追従しなければならない、という部分もあります。

そして、無償のサービスとはいえその分の労働力は誰かが負担することによって成立するものです。こうした負担は、末端の運転手やドライバーに押しつけられることになります。

特に運送業の中でも、ラストマイルと呼ばれる最後の個人宅までの配達を担当する郵便局や宅配業にこの傾向が顕著に見られます。

どうしても配達時間の厳守やそれに加えて営業なども担当することが多いために、必然的にそれらの労働をしなければならなくなります。

消費者が無意識に当たり前だと思っているサービスの中にも、こうした隠れた問題が潜んでいるのです。

下請けによる運賃の低下

次に紹介する問題は、下請けによる運賃の低下です。これは、トラック運送をはじめとする物流側の企業に多く見られる問題です。

物流の仕事は、通常大企業である有名企業に大元の仕事がまず回ってきます。それを、自社で捌ききれなくなってくると、次の自分の直下の下請け企業に仕事を回します。

ただし、この時に親元の企業は一定の割合の手数料を差し引いて仕事を回します。つまり、親元の企業であればあるほど、実際には何も仕事をしなくてもお金だけ手に入れることができる仕組みになっています。

これらのために、下請けが下に行けばいくほど物を運ぶ際の運賃が低くなります。そして、低くなった運賃のしわ寄せは給料に反映され、ドライバーの手元に残るお金の量に反映されることになります。

同じ仕事をしていても、自分の属している企業が上流に属する企業なのか下流に属する企業なのかによって、その所得は大きく変わってきます。

当然ですが、上流に属することのできる人はほんの一握りです。大半は、親元企業からの厳しい要求と条件下で働くことを余儀なくされている人たちです。

こうした点から仕事は厳しいが給料は安いという点がでてきてしまいます。この点も、運送業界に従事する人数が減る大きな要因の1つとなっています。

運送業界の特徴と将来性

では次に、運送業界の特徴とその将来性について考えてみましょう。

運送業界には、トラックのドライバーを初め旅客運送も含めて、基本的には特定の乗り物を運転することによって、利益を生み出す業界であるとも言えます。

トラックの場合には、運転して物を運ぶことによって収入を得ることになりますし、旅客運送の場合には、そのまま運ぶ対象であるお客さんから料金をもらって運送をすることになります。

そのため、特徴としては客商売の特徴がほぼそのまま当てはまることになります。サービス業に分類されるために、サービスを受けてくれるお客さんがいなければ商売が成立しないことになります。

この点は運送業界にとっては頭の痛い問題でもあります。自分たち自身の都合で動くことはできず、基本的にお客さんの要望があってはじめて仕事は発生するような仕組みになっているためです。

お客さん商売である以上、の無理な要望にもできるだけ答えていく必要があります。時間指定配達のサービスや24時間営業、無料サービスの増加などといった内容はその顕著な例でもあります。

そして運送業として物や人を運ぶことが仕事であるために、時間を厳しく求められることが大きな特徴です。

特に日本の場合には、この特徴が極めて強く求められます。時間にルーズなことを悪とする文化であるために、守ることが到底無理な場合でも守ることを強く要求され、遅れれば罰金などの形で処理をされることが多いのです。

こうした意味で、肉体的にも精神的にも極めて大変な仕事です。

しかし、こと将来性という点で考えていくとその伸びしろは大きいものがあります。

なぜなら、仕事量そのものは以前よりも徐々に増えているためです。

上述したとおり、アマゾンや楽天などの影響により物理的な荷物量自体は増えています。つまり仕事それ自体は増え続けています。それに対応するだけの人数が不足しているという状況でもあります。

つまり、十分な人数さえ確保できれば大きな利益を生み出すことが可能な業種でもあります。そのために、人数を確保するための待遇の改善や職務内容の改善が求められているのです。

年収の相場、ランキング

では、こうした厳しい条件が際立って目立っている運送業界ではありますが実際の年収はどの程度あるのでしょうか。

年収の平均は大手と中小企業との間にかなりの額の差がありますが、大手で500万円前後、中小企業だと300万円程度も存在するようです。

そして運送業界に限った場合の年収のランキングは以下のようになります。

  • 1位 ヤマトホールディングス株式会社(持株会社)平均年収866万9521円(※持株会社・2017年3月決算)
  • 2位 株式会社日立物流平均年収773万円(※2017年3月決算)
  • 3位 株式会社近鉄エクスプレス平均年収734万7096円(※2017年3月決算)
  • 4位 郵船ロジスティクス株式会社平均年収709万9000円(※2017年3月決算)
  • 5位 SBSホールディングス株式会社(持株会社)平均年収679万2075円(※持株会社・2017年12月決算)
  • 6位 セイノーホールディングス株式会社(持株会社)平均年収668万8000円(※持株会社・2017年3月決算)
  • 7位 丸全昭和運輸株式会社平均年収638万9831円(※2017年3月決算)
  • 8位 株式会社丸運平均年収635万7857円(※2017年3月決算)
  • 9位 日本通運株式会社平均年収608万5815円(※2017年3月決算)
  • 10位 株式会社アルプス物流平均年収607万6700円(※2017年3月決算)

ご覧の通り、上位には大企業がほとんどを占めます。こうしたところは、運送業界の最上流の位置に存在する企業であるために、他中小企業に比べれば極めて潤沢な資金と売り上げを誇っています。

売上ランキング

続いて、給料の額や将来性を判断するために必要なデータである売り上げのランキングを見ていきましょう。

従業員の給料はほとんどが、この部分を強く反映しているためにほとんどが同じ内容ではありますが、よく見ると特徴が出ている部分もあります。

以下がその内容になります。

  • 1位 日本通運株式会社売上高1兆8643億100万円
  • 2位 ヤマトホールディングス株式会社(持株会社)売上高1兆4668億5200万円
  • 3位 株式会社日立物流売上高6653億7700万円
  • 4位 セイノーホールディングス株式会社(持株会社)売上高5675億3900万円
  • 5位 山九株式会社売上高5100億2700万円
  • 6位 株式会社近鉄エクスプレス売上高4743億3000万円
  • 7位 センコー株式会社売上高4554億3500万円
  • 8位 郵船ロジスティクス株式会社売上高4391億4100万円
  • 9位 鴻池運輸株式会社売上高2583億3200万円
  • 10位 福山通運株式会社売上高2556億7700万円

この中でも特に1位と2位は売り上げが兆を超えていることもあり、だからこその年収を従業員に対して支給することができると考えられます。

運送業はサービス業です

運送業の特徴や現状、それに対する将来性などをまとめましたが、基本的に運送業はサービス業になります。直接お客さんに対する物ではありませんが、いわゆるBtoBに該当するサービスになります。

生産農家などから集められた野菜などを、市場に時間までに輸送するという仕事などは正にこのような内容の仕事になります。

どの運送形態であっても、基本的には長時間労働と厳しい労働環境が待ち構えているので働きたいと思った時にはある程度の覚悟が求められる環境です。

しかし、その一方で都会の大動脈とも呼ばれる運送業でもあります。運送業なくしては、国民の生活が成り立たないという面もあります。

このような意味で、大きな視点に立ってみんなの役に立ちたいと考えている人にはピッタリの職業であると言えます。

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みなさんのコメント

  • コウキ運送業

    運転手以上に役員やその他の給料がバカ高いから、全体の年収が上がっているだけ、現場の給料だけ見たら、かなり低いことが解るよ。

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