サイバーエージェントの採用対策。応募から最終面接までのポイント

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サイバーエージェントはITコンテンツの大手企業です。アメーバブログで有名ですが、売り上げとしてはゲームやネット広告事業が多くを占めております。

ゲームについてはグランブルーファンタジーで知られるCygamesが同社のゲーム部門にあたる企業です。

このように数多くの関連会社を設立し、それぞれに多くの「新卒社長」を輩出しております。大手企業ながらベンチャー気質が残る同社には独立志向の強い学生や、転職希望者が集まります。

今回はそんなサイバーエージェントの新卒採用・中途採用を紹介しながら、対策について説明します。

新卒採用の概要について

まず、これまでの新卒採用の状況を見てみると、毎年150人前後の新卒採用を行っております。IT系に属する企業ながら、文理の比率は1:1程度、男女比は2:1程度とやや男が多い企業です。

  • 2014年183名
  • 2015年172名
  • 2016年149名

上記のように頻繁に新プロジェクトや新会社が立ち上がる企業なので今後変化する可能性はありますが、大半は当初は東京に配属、1割程度が大阪、残りの少数はそれ以外の地域に配属されるようです。

さて、最も直近の2019年卒向けの新卒採用の概要を見てみると、まず、応募コースは以下の3つとなっております。

ビジネスコース

ビジネスコースはいわゆる一般的な企業でもあるような営業やスタッフ、バックオフィス業務が中心ですが、IT企業ということで、プロジェクトの企画立案やプロジェクトマネジメントといった業務もあり、業域は多種に及びます。

  • 広告立案やマーケティング、営業
  • ゲームやサービスの企画や立案
  • プロジェクトマネジメント
  • 一般的なスタッフ業務全般(人事・法務・経理・広報・IR・秘書等)

待遇については、34万円/月(年俸制408万円)です。また、家賃補助が特徴的で、最初の4年は勤務地から2駅以内というルールが課され月3万円、5年目以降はこの縛りがなくなり、月5万円となります。

エンジニアコース

サイバーエージェントのITプロジェクトを支える、設計・開発業務スペシャリストです。プロジェクトの拡大により様々ながら、現状は下記のようなプロジェクトのソフトウェア設計・開発などを専門的に行います。

  • 定額制音楽ストリーミングサービス・インターネットテレビ
  • スマートフォンゲーム事業
  • アドテクノロジー事業など

また、データマイニング・AI(人工知能)応用研究といったことも同コースの社員の業域に含まれています。

エンジニアコースは個々の能力によって最低年俸が異なることが特徴的です。一つ目は、能力別給与体系で、最低年俸450万円~能力によりこれより引き上げられることがあります。

一方、エキスパート認定というのがあり、特に顕著な経験や知見を持っている場合は最低年俸が720万円~となります。これも専門性の高さにより引き上げられる場合があります。

専門性は大学での論文やインターン・アルバイトでの実績、AI等の研究開発実績で判断されるとのことです。

専門性が高い学生は初年度より高い年収を獲得できるのも、この企業の特徴です。家賃補助はビジネスコースと同じルールが適用されます。

デザインコース

コンテンツのデザイン全般を担う専門職です。もちろんゲームについてはグラフィックやイラスト、CGなどもこのコースの業域に含まれます。

年俸については、最低額はビジネスコースと同様ですが、デザイン能力の高さを示す実績がある場合は引き上げられることがあります。家賃補助のルールは他のコースと同様です。

新卒採用の採用フローと、それぞれの対策

サイバーエージェントの採用は毎年新たな取り組みが行われることで有名で、近年は地方採用を強化した「FLAT」の立ち上げによる地方学生比率の大きな上昇がみられました。

そのため、以下の採用内容も今後変わっていく可能性があります。

そうはいってもフローも含めてすべてが変わる、とは考えにくいので、まずは例年の傾向を確認しながら、「想定外のフローとなる場合も充分ある」ことを念頭に置いて就職活動に取り組みましょう。

この会社はコースによってフローが異なるため、コースを分けて説明していきます。

ビジネスコース

ビジネスコースのフローを整理すると、このようになっております。

  • 説明会・トライアウト
  • エントリーシート
  • 面接(4回程度。人事→個別→採用責任者→最終)

この企業の就職を目指すうえでまず気を付けなければならないのは、説明会は採用の入り口を兼ねており、名実ともに「参加必須」となっております。いつの間にかチャンスを逃してしまうことのないよう注意しましょう。

また、説明会の後、そのまま「トライアウト」という個人ワークに入るのが通例です。以前はグループディスカッションでしたので、今後も微妙にスタイルは変わるかもしれませんが、この場で選好が始まる覚悟は持っておくことが望ましいです。

トライアウトは何かというと、とあるテーマについて面接官にプレゼンをし、フィードバック・改善・提案を制限時間館内に繰り返すというものです。

スピーディにプレゼンをまとめる能力、論理的思考力、そして厳しい指摘に折れずに改善する能力をチェックしています。

テーマは漠然としたものが多いです。プレゼン→意見集約→改善というフローが必要となるようなテーマが敢えて選ばれています。就活、女性の社会進出など、何らかのテーマにかかる新規サービスの企画になっているものが多いです。

エントリーシートは面接時に手渡し、もしくは説明会で直接手書きとなることもありますが、いずれにしてもWebで提出しておしまいとはならないのが通例です。

そのためいわゆる「ES落ち」はあまりなく、ESはどちらかというと面接時の質問材料という位置づけです。

質問内容はさまざまですが、ITコンテンツに関する興味、チームでの活動実績やその中での貢献実績、志望理由、困難に対して努力したこと・工夫したことなどが、質問内容を微修正して問われます。

ここのESのもう一つの特徴として、「文字数制限がない」ということが頻繁に言われます。

どの程度の長さにまとめるかも志望者のセンスになってくるのですが、面接時にそれに目を通しながら面接官が質問することも鑑みると300~500字程度が適切です。

またESでは設問以外に特殊な課題が出されることもあります。人生における「モチベーショングラフ」を書かされた年、敢えて「履歴書」の提出を早いタイミングで求められた年もあります。

ちなみに、「モチベーショングラフ」とは一般的には自分の年齢とモチベーションの高さを簡潔な折れ線グラフにし、要所要所にトピックを記入するものです。

いずれにしましても、ES(もしくは履歴書)落ちはまずないので、自分の考えを整理しつつ、また面接でその内容を基に質問を受けることを念頭に、面接での答え方も整理しながら取り組むことが大切です。

次に面接についてですが、いずれのレイヤーでもあまり奇をてらった質問はなく、ESの内容に即して、志望動機や、大学時代の取り組み、サイバーエージェントでやりたいことなどを聞かれます。

大切なのはまずESと矛盾しないことです。どの企業でも大事なポイントですが、サイバーエージェントでは面接官がその場でESを見ながら質問を受ける可能性があります。

そのため、ほかの企業以上にESの書いたことをわかりやすく、論理的に、合理的に説明することが求められます。ESを書きながら同時並行して回答内容も準備しておくことをおすすめします。

尚、ここの面接は「丁寧であること」に定評があります。よく言えば志望生全員を「財産」と考えている節があり、のちに落ちる志望者も含め、丁寧なフィードバックや改善点をもらえるという事例が多く聞かれます。

この会社で選考を進むにしても、他社に行くにしても、この面接のフィードバックは非常に助かると好評ですので、是非有効活用しましょう。

上記の通りレイヤーごとに大きく面接対策内容は変わりません。面接官は

  1. 人事部の若手~中堅
  2. ビジネスコースが配属されうる部署の社員
  3. 人事部のシニアもしくは採用プロジェクトのシニア
  4. 役員面接

上記のような人選になります。

注意したいのは、役員面接もそれまでの3回の面接同様に志望動機などの質問を受けるいわゆる普通の面接で、「意思確認」的な性質のものではありません。つまり落選するリスクが相応にありますので、油断せずに臨みましょう。

テクノロジー・デザインコース

次にテクノロジーコース、デザインコースの選考フローは以下の通りです。ビジネスコースと異なる部分を中心に解説していきます。

  • 説明会
  • webテスト(技術試験)
  • エントリーシート(ES)
  • 面接(顕著な実績がある場合は省略される場合がある)
  • 技術面接
  • 最終面接

説明会では、各々のコースの業務内容等の説明を受けますが、ビジネスコースと異なり、その場でのトライアウトはありません。ただし、説明会が参加必須なのは基本的には同様です。(「顕著に優秀」な場合は省略されるかもしれません)

これらのコースは、極めて高い実績を持つ学生を優先的に採用するスタンスが顕著ですので、該当する学生はフローの極端な短縮があります。

直近ではテクノロジーコースのエキスパート認定に該当する学生は1回の来社で内定まで至った例がありました。

ビジネスコース以上に柔軟な採用が実施されることを念頭に置いておきましょう。

さて、webテストはいわゆる普通の新卒採用で受けるSPIなどのようなものではなく、エンジニアの技術力を見るもので、現状テクノロジーコースのみ実施されています。

例として制限時間内に要求される仕様のシステムを構築する、などの課題が与えられます。

よほどの技術力の低さでない限りこれだけで合否判断されることはなく、大学での研究内容や実績も加味されて選考されます。技術面接が後続にありますので、ここで合わせて判断されることが多いです。

そもそも「技術力」を理由に落とされることは実際には多くないようで80%程度は通過しているとみられております。

両コースとも(大学でもその分野を学んだことのない)完全な素人が受けることは稀ですし、大学の学部などで一定程度専門教育を受けて入れば、技術的な面での通過ハードルはさほど高くないということです。

面接はビジネスコース同様の面接もありますが、回数はかなりまちまちです。先に書いた通り優秀な場合はほぼ皆無の場合もあります。

質問内容については概ねビジネスコースと変わりませんが、大学で学んだ専門領域については深堀される場合もあります。

さて、テクノロジーコース、デザインコース共に特徴的なのが「技術面接」で、それぞれの技術力に問題試されます。

当日は各々コースにかかわるところでの自身の取り組み内容やこれまでの成果についてヒアリングを受けます。また、事前に任意で大学での研究結果・作品や成果物を提出可能であることが多いです。

テクノロジーコースの場合はwebテスト、そして任意で提出した成果物等、技術面接での面接内容で、技術力の有無については判断されます。

これらを通過すれば最終面接で、こちらはビジネスコースと同じですが、優秀な学生の場合、事実上技術面接とセットで実施されて一気に内定というパターンもあります。

中途採用の特徴。フローとそれぞれの対策

続いて中途採用について解説します。上昇志向の強い人、新しいことをやりたい人については新卒・中途の色を付けず積極的に採用するスタンスなので、中途採用についても非常に積極的な会社です。

中途採用の場合は、通例は募集職種・部署ごとに細分化されて募集を行っており、自社のHPに今募集している案件が掲示されております。募集の仕方にも細かい決まりはなく、最初に就くプロジェクト内容まで指定されているものもあります。

また、新規プロジェクトの立ち上げなど大規模な増員を行う場合は、スモールなセミナー形式などで志望者を集める場合もあります。

中途採用については回数や上記の「セミナー有無」は自由・部門によりケースバイケースとなっておりますが、新卒採用と違いほぼ「面接」で合否を決めています。

面接回数については最終を含めて平均3回程度ですが、ここは職種や志望者のレベルの高さ、レイヤーなどによりまちまちです。

面接にはあまりこれといった形式がなく、その時々で適切な人が面接官となります。勿論、最終以外は応募している部門の社員が出てきます。質問内容はあまり突飛なことは出ないといわれています。

  • 今までやってきたこと
  • 転職理由
  • サイバーエージェントを志望する理由
  • 入社してやりたいこと
  • キャリアプラン

このようにごく一般的です。ただしテクノロジー関連など専門性の高い職種の場合は、多少異なる点があります。

これまでやってきた業務と入社してやりたいことの中で「自分が応募している職種で活躍できること」をしっかり証明する必要があるので、答え方をしっかり整理しましょう。

比較的ソフトな雰囲気で実施されることが多く、時間も30分程度と短めで終わることが多いようです。このような面接を1~3回程度実施します。

最終面接は部門の役員面接となりますが、新卒と比較して意識確認に近い性質の面接となる例が多く、やわらかい自己紹介と人なりに関する質疑程度で終わることも多いです。

時間も前の面接よりさらに短くなり、15分程度で終わったという例も聞きます。

このようにこの会社の中途採用は目立った特徴がりません。強いて特徴をあげるとすれば選考自体ではなく、募集案件の多様性にあります。

面接を受ける前の入り口として「自分のスキルや経験とキャリア志向に合った案件を慎重に選択」することを大事にしましょう。

あまり突飛なことをされない分、自身のスキルやキャリア志向等が合致していれば合格率はグッと上がりますし、逆にミスマッチがあれば、面接で見破られ落選する可能性が高いです。

新卒中途共に多くの人が志望する企業!採用を勝ち取るには

このようにサイバーエージェントは新卒採用・中途採用共に積極的に行っておりますが、いずれも自由度の高い採用活動が特徴です。従って常に選考内容が変更されうることを想定しながら、予想外の流れとなっても動揺しないようにしましょう。

フローがどう変化しても、自身の経験やスキル(学生なら修学内容)、今後の志向すべてが応募コースや職種と合致していることが肝要です。

採用が業務内容で細分化されておりますので、一般的な総合職以上にこの点はポイントになります。

まず大前提として、自分が合致するコースをしっかりと選択し、そのうえで「自分がいかに応募コースに合っていて、サイバーエージェントに役立つか」を合理的・論理的にESや面接でアピールできるよう準備を進めておきましょう。

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