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データで見るタクシー運転手の年収。安いイメージだけど実は儲かる?
タクシーの運転手は中高年男性の転職先に多い職業のひとつです。ドライバー歴がなくても、免許があれば誰でも手っ取り早く仕事を始めることができます。
気になるのは「キツイ割に安い」と言われているその給料。
タクシー運転手はもうかるのだろうか?転職にはおすすめできる職業なのか?気になるタクシー運転手の年収について説明していきます。
▼目次
タクシー運転手の仕事は、長時間労働で低収入?
タクシー運転手の平均年収は、約332万円と推定されています。全産業労働者の平均年収は約549万円なので、タクシー運転手の平均年収は水準より4割下回っているということになります。(平成28年の場合)
出典:一般社団法人 全国タクシー・ハイヤー協会「平成28年タクシー運転者の賃金・労働時間の現況」タクシー運転者(男)と全産業男性労働者の年間賃金推計額の推移
また、タクシー運転手は、月間労働時間が平均して193時間、全産業労働者の平均は約181時間とほかの職業より長いため「労働時間が長い割に収入の少ない、つらい仕事」といったイメージが持たれています。
さらに、タクシーの営業収入そのものが減少してきているので、タクシー業界そのものがあまり景気が良いとは言えません。
平成6年には2兆7千5百万円あった営業収入は、平成27年には1兆7千万円まで減少しています。これは、リーマンショックのあおり、利用客の減少などが影響しているようです。
このようにデータだけを見ると、タクシー運転手は決して条件の良い職業とは言えません。しかし「タクシー運転手の働き方は他の職業と比べ特殊な部分がある」という事情を知れば、収入アップを図ることが可能になります。
頑張るほど稼げる?タクシーの給料は基本的に歩合給
タクシー運転手の収入は、基本的に「歩合給」です。歩合制は、売上げに応じた賃金が支払われる方式、出来高払いのことで、頑張れば頑張るほど高収入が狙えるチャンスがあります。
歩合制にはいくつか種類があり、タクシー運転手の給与体系も働き方や会社の方針によって異なっています。
知って得する最低賃金豆知識の記事でわかりやすく説明しています。
給与、手当の設定は会社、地域によっても少しずつ異なります。少しでも有利な条件で仕事ができるよう、働き方、職場をじっくり選びましょう。
どちらが高収入?法人タクシーと個人タクシーの違いは
タクシー運転手は、大きく分けて法人(企業)タクシーと個人タクシーの2種類があり、就職の条件、賃金体系などが少し異なります。
法人タクシーと個人タクシーの違い
法人タクシーの運転手は、タクシー会社に属し、会社の車を使って業務を行います。
個人タクシーの運転手は、企業に属さずに個人事業主として開業し、自分の車を使って業務を行います。(個人タクシーの正式名称は「1人1車制個人タクシー事業」です。)
法人タクシーと個人タクシーの違い
| 法人タクシー | 個人タクシー | |
|---|---|---|
| 免許 | 第2種免許 | 第2種免許 |
| 条件 | 特になし | タクシー運転者等の経験が10年以上 法令地理試験に合格している 一定期間無事故である |
| 資金 | 特になし | 160万円(関東の場合) |
| 設備 | 会社が支給する | 自己負担する |
| 定年 | 会社によって異なる | 75歳 |
| 運転者数 | 318,924名 | 38,112事業者 |
※運転者数の参照先:国土交通省「タクシー事業の現状について」(平成26年3月31日現在)
法人タクシーと個人タクシーの賃金体系
個人タクシーは完全歩合制です。
法人タクシーも基本は歩合制ですが、固定給や賞与がつく会社も多くなっています。
法人タクシーの場合、歩合給は売上げ額に歩合率をかけた金額で算出され、売上げの50~60%は会社に納めることになっています。
「歩合給+固定給」を採用している会社は、完全歩合制よりも会社に納める売り上げの割合が高くなっているのですが、とにかく固定給だけはもらえるので、売上げが少なくても手堅く収入は確保できます。
どちらがしっかり稼げるのか
法人タクシーと個人タクシーの運賃や割引料金などの設定は基本的に同じなので、どちらのドライバーであっても、お客さんを乗車させればほぼ同じ条件で売上げが得られます。
ただ、法人タクシーの運転手は頑張って売上げを伸ばしても、売上げの一部が会社に回収され、全てふところに入るわけではありません。
そのような事情もあって、一般には個人タクシーのほうがもうけやすく収入が高いというイメージが持たれています。
確かに、個人タクシーは頑張って売上げを伸ばすほど収入もアップしていきます。
しかし、法人タクシーと異なり、開業資金や経費(ガソリン代、車両の維持費など)が自己負担になります。経費等を差し引きすると、儲けがぐっと少なくなってしまう可能性があるので、しっかり自己管理をしなければなりません。
法人タクシーの運転手は、新卒、転職者にかかわらず未経験でも採用してもらえますが、個人タクシーの運転手は、タクシー運転手の経験が10年以上あって要求される条件をクリアしている人だけがなれるため、スキルは熟練しているはずです。
培ったノウハウを生かして効率良く働けば、個人タクシーを運転しながら水準を上回る高収入を得ることも夢ではなくなるでしょう。
定年後の転職が人気!タクシー運転手の年齢層が高い事情
タクシー運転手の平均年収は、年齢階級ごとに全産業労働者と比較しても、残念ながら水準を下回っていることに変わりありません。
出典:一般社団法人 全国タクシー・ハイヤー協会「 平成28年タクシー運転者の賃金・労働時間の現況」年齢階級別月間給与の比較
しかし、ほかの職業からタクシー運転手の転職することで、むしろ有利に傾く人もいます。
それは、タクシー運転手は年功制(年功序列制)ではなく、年齢やキャリアに関係なく収入を得るチャンスがあるためです。どの年齢でとびこんでも、すぐそれなりの収入は得られます。
たとえば、20代ならばほかの職業よりも高い収入がいきなり得られるチャンスもあります。また60代、70代でも現役で働き続けられるところも大きな魅力です。
中高年の転職者が多いタクシードライバー
実際に街で目にするタクシーの運転手は、どちらかというとシニアが多い印象を受けますよね。
そのとおり、タクシーの運転手は平均年齢が高い職業です。タクシー運転手の約7割が60歳以上、最も多いのが60~64歳で、ドライバーが全体の3割を占めています。
タクシー運転手の平均年齢は全産業労働者と比べ、15歳も年齢が高くなっています。また、タクシー運転手は年齢層が高い割に、勤続年数は全産業労働者より短いのも特徴です。
| タクシー運転手 | 全産業労働者 | |
|---|---|---|
| 平均年齢 | 58.9歳 | 43.0歳 |
| 勤続年数 | 9.3年 | 13.3年 |
参照…全タク連事務局「平成28年タクシー運転者の賃金・労働時間の現況(平成28年)」タクシ-運転者・全産業労働者(男)の賃金・労働時間(平成28年)
これは、中高年がほかの職業からタクシー運転手に転職するケースが多い実情を物語っています。
法人のタクシー会社は新卒も募集していますが、中途採用の求人も多くなっています。第2種普通免許を取得すればドライバー未経験者でも採用されやすく、すぐ仕事が始められるので、実際に転職者も多いのです。
タクシー運転手は年金をもらいながらマイペースに働ける仕事
また、タクシー運転手は70代でも仕事が続けることが可能なため、ほかの職業を定年退職してからタクシー運転手へ転職するケースも目立っています。
タクシー運転手の約2割は、週所定労働時間が40時間未満で働く「定時制乗務員」です。つまりパートで働くドライバーです。
60代、70代のほとんどは定時制乗務員です。定年退職をしてからタクシー運転手に転職し、年金収入を得ながらバランス良く自分のペースで働いている人が多くなっているのです。
稼げる地域はどこ?タクシー運転手の年収の地域差
全国のタクシー運転手の平均年収は332万円ですが、地域によって220~440万円と格差が生じています。
平均年収が高い都道府県トップ5
| 都道府県 | 平均年収 | 平均年齢 |
|---|---|---|
| 東京都 | 443万 | 55.2歳 |
| 千葉県 | 388万 | 59.9歳 |
| 大阪府 | 368万 | 57.8歳 |
| 神奈川県 | 360万 | 58.6歳 |
| 埼玉県 | 359万 | 56.4歳 |
平均年収が低い都道府県ワースト5
| 都道府県 | 平均年収 | 平均年齢 |
|---|---|---|
| 大分県 | 217万 | 58.0歳 |
| 鹿児島県 | 221万 | 63.3歳 |
| 鳥取県 | 221万 | 58.2歳 |
| 岩手県 | 226万 | 60.9歳 |
| 秋田県 | 229万 | 62.5歳 |
参照…全タク連事務局「平成28年タクシー運転者の賃金・労働時間の現況(平成28年)」タクシ-運転者・全産業労働者(男)の賃金・労働時間(平成28年)
その年の景気も影響し、タクシーの営業収入やドライバーの年収は毎年変動しているので、年収の低い地域が働きにくいというわけではありません。しかし、地域の事情もドライバーの年収には多少の影響を及ぼしていることがうかがえます。
- 年収が高い地域にみられる傾向
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タクシー運転手の年収は、大都市や人気の高い観光都市で高くなる傾向があります。それだけタクシーの利用客が多く回転率が良いので、売上げが発生しやすいためです。
大都市は競合するタクシー会社の数も多いので、顧客が分散されやすいのですが、交通機関の利用者数が多くタクシーの需要も多いため、顧客が獲得しやすいのです。
特に東京23区内はタクシーの需要が高く、上手に働いて高収入を得ているドライバーもいます。
夜遅くまで人が多く集まる所もタクシーの需要が高く、また22時以降は深夜割増料金になるので、繁華街の多い地域では効率良く働くことができます。
観光都市では観光者の利用客が多く、観光スポットを巡ったり道を流している時に観光客を拾ったりして、容易に売上げを伸ばすことができます。
- 年収が低い地域にみられる傾向
- 地方などのマイカーの所有者が多い地域、交通機関の利用者が少ない地域は、タクシーの利用客が少ないため、なかなか収入が上がりません。
北海道や沖縄県のように、観光地として人気の高い地域でありながら、タクシー運転手の年収に反映されていない低い地域もあります。
北海道は積雪が多くタクシーの利便性が悪いこと、沖縄県はレンタカーで移動する観光客が多いことなどが売上げ伸び悩みの原因となっています。
また、定時制乗務員や70代以上のドライバーの割合が多い地域も、平均年収に影響が出ています。
ベテランや女性にもおすすめ・高収入のチャンスも
長時間労働の割に収入が少ないといわれるタクシー運転手ですが、働き方に自由がききやすく誰でも挑戦しやすい点は、ほかの職業にない魅力といえるでしょう。
タクシー運転手は「1日に20時間勤務」といったように拘束時間が長く、労働時間も長いのが特徴です。ただしその間には待機時間や休憩が含まれているので、ずっと働き詰めというわけではありません。
また時間的、体力的に長時間労働が難しいという場合は、定時制乗務員を選ぶこともできます。
シニア向けの職業といったイメージもありますが、もちろん若い人の転職や主婦の再就職先にもおすすめです。タクシードライバーへの転職で収入アップを目指すなら、
- こまめに研究してタクシーの乗客が捕まりやすい場所、時間帯を見極める
- 割増料金のある「夜勤乗務」を選ぶ
- ハイヤー運転手、外国語対応(バイリンガルタクシー)へのスキルアップを目指す
といった工夫をされることもおすすめします。
職業の分類では、タクシー事業は運送業の一種に含まれます。タクシー意外のドライバーの職業事情もチェックしてみましょう。
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