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仕事のストレスによる吐き気。疲れた脳と身体が限界になり起こる症状

吐き気をはじめ、頭痛、不安や緊張で起こる動機などといった仕事のストレスから起こる体調不良のサイン。あなたは「仕方がない」と我慢してしまっていませんか?実は、その症状の継続によってあなたは深く蝕まれてしまっているかも。

仕事をすることの本質は人それぞれかもしれませんが、仕事によって健康を害してしまってはいけません。

今回は仕事に関わるストレスを対処する方法や、職場での人間関係のとらえ方、さらには転職へのアプローチにも迫りたいと思います。

仕事が原因…不意に襲われる吐き気などの体調不良のサイン

朝起きたら吐き気に襲われるようになってしまった・・・そんな経験をした人は意外と多いです。はじめは消化不良かな?と思ってやり過ごしても、吐き気が徐々に慢性化して、さらには原因不明の頭痛、極度の不安に襲われることも。

朝起きたときだけでなく、上司から叱られたときにも吐き気や不意に訪れる頭痛に悩まされ、徐々にちょっとした指摘さえ上司からの叱責、さらには嫌味のように感じられることもあります。これは「うつ」の傾向です。

吐き気やちょっとした頭痛だけでなく、うつをはじめもっと重篤な疾患を招く危険もあるのが仕事のストレス。少々の吐き気や頭痛は「病気のサイン」と考えることもできます。と同時に、「転職のサイン」となることもありますよね。

仕事のストレスによる吐き気は重要なサイン!深刻な身体的問題の危険も

仕事のストレスによる体調不良は吐き気だけではありません。むしろ吐き気は最も軽い不安症状の1つであると解釈することができます。仕事のストレスで自覚した吐き気は、もっと大きな病気の危険を示すサインかもしれません。

仕事のストレスが原因で起こりうる病気や体調不良の種類を部位別にまとめます。脅かすつもりはありませんが、吐き気を自覚している人には、以下の病気・体調不良にもなりうるという参考にしていただきたいです。

発症部位・系統 ストレスが原因の疾患・体調不良
呼吸器
  • 気管支ぜんそく
  • 過喚気(かかんき)症候群(=過呼吸が原因で起こるさまざまな問題の総称)
循環器
  • 本態(ほんたい)性高血圧症(=原因がはっきりしない高血圧症)
  • 冠性心疾患(心筋梗塞、狭心症などの冠動脈疾患)
消化器
  • 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
  • 過敏性腸症候群
  • 潰瘍性大腸炎
  • 心因性嘔吐・吐き気
内分泌・代謝不良
  • 単純性肥満症
  • 糖尿病
神経・筋肉
  • 筋収縮性頭痛
  • 痙性斜頚(けいせいしゃけい=首が上下左右のいずれかに傾くなど首系統の問題)
  • 書痙(しょけい=字を書く/書こうとするときに手が震える)
皮膚・アレルギー
  • 慢性蕁麻疹
  • アトピー性皮膚炎
  • 円形脱毛症
整形外科・自己免疫系領域
  • 腰痛
  • リウマチ性疾患(主に慢性関節リウマチ)
泌尿器・生殖器
  • 夜尿症
  • 心因性インポテンス(心因性のED)
眼科
  • 眼精疲労
  • 本態性眼瞼痙攣(ほんたいせいがんけんけいれん=原因不明のまぶたの震え、けいれん)
メニエール症(=三半規管のトラブルにより激しいめまいに襲われる)
口腔外科 顎(がく)関節症(=あごの骨の関節の亜脱臼)

(参考:転職大辞典-エン転職 より)

もちろん仕事が原因の吐き気はストレス性の疾患に分類されますが、たとえば心臓病などの非常に怖い病気もストレスに起因して起こることがあります。

とするならば、仕事が原因の吐き気を自覚した時点で、何らかの対処が必要になりますよね?仕事が大切であることは言わずもがなですが、さすがに生命を脅かす病気ともなると、転職を視野に入れる必要もあるでしょう。

さあ、一般的な病気とはちょっとばかり毛色が異なる心因性の吐き気、どう対処しましょうか・・・

転職の前に…仕事絡みのストレスコントロール術

病気を改善するためには、その病気の原因を突き止めてこれを取り除くことが大切です。一般にこれを「治療」と呼びますね。しかしストレスが原因の体調不良や病気の場合、ちょっと考えなければなりません。

特に仕事絡みでストレスを抱え込んでしまったとすると、その原因は「仕事」となってしまいます。これを取り除いてはいけないとは言いませんが、常識的に考えれば、それは最後の手段ですよね?

ふつういきなり「転職」とはなりません。そこで、まずはストレスを発散することが重要になってきます。抱え込んだストレスもその都度発散することができれば、ストレスを蓄積することがなくなるはずです。

こまめにストレス発散できていれば、吐き気を催すほどの体調不良やその他病気に見舞われる危険は最小限にとどめられます。少なくともストレスが原因のトラブルはそう簡単に起こらないはずです。

原因を取り除いて病気を完治に導くことを「根治治療」と呼びますが、これに対し「とりあえずつらい症状を取り除く治療法」を「対症療法」と呼びます。仕事のストレスが原因の吐き気の場合どうでしょうか?

仕事環境や、ましてや転職先の職場でのストレスが原因の吐き気・体調不良の場合、いきなり「原因」を取り除くわけにも立場上いかないでしょう。この場合、対症療法的な改善が当面の目標になりますね。

では、対症療法的な改善とは何かといえば、これはすなわち「ストレスコントロール」に相当するでしょう。ストレスをゼロするのは少々難しいですが、うまくコントロールすることは可能です。

転職・仕事絡みのストレスをコントロールする方法
  • 睡眠・うたたね
  • 食事
  • 有酸素運動
  • 発声(大笑いする・歌を歌うなど)
  • 現実逃避(精神的に、時には物理的に)

「イヤなことは寝て忘れちゃえ!」なんていうことは昔からよく言われることですね。なんだか他人事のように聞こえるかもしれませんが、根も葉もない妄言でもあながちありません。

身体的な疲労もそうですが、やはり精神的な疲れはストレスの最大の要因になります。そういった状況を打破するためにも、「睡眠」は非常に有効です。というより、睡眠がおろそかだとストレス発散は難しいです。

会社勤めの人がオフィスでうたたねなんてしていたら即「クビ」を覚悟しなければなりませんが、一度仕事や人間関係に違和感を覚えてしまうと、休みの日でもついつい仕事のことを考えてしまいがちです。

夜なかなか寝付かれず、睡眠時間が足りなくなってしまうこともあるでしょう。そういうときにもちょっとした睡眠が有効です。休日の昼間に「なんだか眠いな・・・」と感じたら、「うたたね」を導入しましょう。

うたたねというのは、だいたい10分前後、身体を横たえずにちょっとだけ眠ることを指します。あまり寝すぎてしまうと今度は夜間の睡眠に影響を与えますので、「10分前後」がポイントです。

身体を横たえてしまうと、長時間睡眠の危険がありますので、イスに座ったままうたたねをして、脳に息抜きを与えましょう。ほんのちょっとの睡眠でも、ストレス発散の効果は大きいですよ。

食事は「栄養のバランスと適量」が大切です。ヤケ食いによってストレス発散を・・・などと昔から言われますが、これは身体に不当な負荷を強いるだけで、ストレス発散にはなりません。

いわゆる「規則正しい食生活」という基本が最重要と考えてください。まあこれはストレスを発散するというよりも、新たなストレスをため込まないために必要な考え方と解釈すべきです。

運動するとストレス発散になるという話は昔からよく聞かれますね。厳密にいうと、ストレス自体が発散されるのではなく、ストレスによって過剰に蓄積したホルモン物質を運動によって分解できる効果があります。

要は多少強いストレスを感じたとしても、ホルモン物質さえ悪さしなければストレスによる体調不良のリスクを最小限にとどめることができるのです。つまりは「ストレスに強くなる」ということですね。

そのホルモン物質は副腎皮質ホルモン(ステロイドなど)の一種であるコルチゾールと呼ばれる物質です。コルチゾールが過剰に分泌されると、免疫機能を低下させるデメリットを生じます。

ちなみにステロイド剤は白血球の働きを低下させ、一時的に免疫を抑制することで激しい痛みや炎症を抑える効果がありますが、コルチゾールはどこも痛くないのに白血球の動きを鈍らせ、免疫を低下させてしまいます。

これが大きな病気の原因ともなりえますので、非常に危険な状態なのです。だからこそ、ストレスがたまりやすい環境でこそ、運動が重要になります。特に有酸素運動が有効です。

そして「発声」は、医学的根拠に基づいた重要なストレス発散法です。簡単に言ってしまえば、発声することで有酸素運動と同じ効果が得られるから、と説明できます。

声を出すって意外と運動量が豊富なんですね。たとえば「ヨガ」なども動きが遅いけれど有酸素運動としての効果は絶大です。これは「腹式呼吸」が行われているからです。

自然に笑ったり歌ったりすることで腹式呼吸が行われますので、「発声」もストレス発散の効果が期待されるのです。ストレスがたまりやすい時期には、ぜひ上記を参考に対処していただきたいと思います。

一度ストレスを抱え込んでしまうと、どうしても自分の内側にこもりがちになります。むしろ逆で、しっかり食べて身体を動かし声を出す。疲れたら寝るという「生き物としてのルーツ」に忠実であることが重要なんですねー。

消極的姿勢がストレスを軽減させる。仕事に慣れるより人に慣れるべき

ストレスは吐き気ばかりでなく、ヘタをすれば生命の危険まで脅かす原因になります。吐き気以外にもはっきりとした症状があらわれているならまずはそちらを改善する必要がありますね。

ただそれは薬や病院でなんとかしていただくとして、ここでは仕事場におけるストレスをできるだけ軽減し、吐き気などの体調不良を起こさないためにはどうしたらよいかを考えます。

ここまでは吐き気などの体調不良が起こってしまったあとの対処を主にお話してきましたが、今度は「吐き気などのトラブルが起こらないような気持ちの持っていき方(仕事場でのスタンス)」の検証です。

詳細なメカニズムのお話は割愛しますが、「うつの予防」の意味合いを含む検証です。現在すでにうつの傾向がある方は、この節はスキップしていただきたいと思います。

人間だれしも大なり小なりのストレスを感じながら日々生活しています。ストレス社会と呼ばれる現代、完全なストレスフリーを目指せばその時点で逆にストレスを感じることになるでしょう。

ストレスから完全に解放されることはありません。しかし耐えうるレベルまでストレスを小さくすることは可能なはず。吐き気にしてもほかの病気にしても、トラブルが起こるということは、許容レベルを超えたストレスなのです。

しかし自分から進んだ道、つまり「自分が選んだ仕事(場)」に飛び込んで、やっぱりストレスを感じました・・・では社会人としての責任があまりにも軽薄なものに感じられてしまうかもしれませんね。

第三者がどう思うかではなく、責任感が強ければ強いほど、ご自身が社会的な責任を果たしていないような錯覚に陥ってしまいがちです。ご自身が望む姿とかけ離れているような、つまりは挫折感を覚えます。

だから人は頑張ろうとする。頑張るということは、意識は別にしても、ストレスを抱え込もうとしているという側面もあります。もちろん仕事である以上頑張らなければなりませんが、何もかも完ぺきにはいかないもの。

ましてやストレスは仕事の環境に影響されて生じるものですから、その中途半端な状態で何事も完ぺきに頑張りとおそうとすれば、誰だって破綻をきたします。すべてではなく、頑張るべきところだけ頑張ればよいのです。

仕事そのものではなく、たとえば職場の人間関係がストレスの原因になってしまう人は多いです。「職場の人間関係の悪化」などというと、自分ではなく相手に原因があるような錯覚に陥ります。

人間関係というのはあくまでも「人と人との関係」のことですね。自分だけに問題があるわけでは無論ありません。と同時に、相手だけに問題(原因)があるわけでもないと考える必要があります。

状況に変化をもたらすためには、関係性にも変化が必要です。ここでいう関係性とは「人間関係」ですから、この関係性が変わるためには、

  • 相手が変わるのを待つ/相手が変わるよう働きかける
  • 自分が変わる

という2つの選択肢、3とおりの起こりうる変化以外に考えられません。

「3つ」というのは、

  1. 相手だけが変わる
  2. 自分だけが変わる
  3. どちらも変わる

という3つの変化ですね。さあここからちょっと頭をやわらかくして考えていただく必要があります。吐き気などの身体的問題が仕事環境によって生じているわけですから、事態は深刻です。

大きな変化をスムーズにもたらすために必要なことは、クーデターのように一気にやってしまわないことです。3とおりの考え方のうち、「どちらも変わる」をいきなり実現させる必要はないのです。

とすると、状況をプラスに持っていくための考え方は2つ、

  1. 相手だけが変わる
  2. 自分だけが変わる

の2択に絞られますね。どちらが正解だと思いますか?まあ正解か不正解かというのも妙な話ですから、現実的な問題として考えましょう。仕事がらみの問題であれば、当然相手は分別ある大人です。

責任もあれば経験もあって自立した考え方もできる「大人」を、ストレスに悩む人間が「変える」ことなど、ほんとうにできるでしょうか?もちろん極めて人間性に優れた人格者であれば可能かもしれません。

ただ、ほんとうにそこまで優れた人格者であれば、原因が人間関係にあるか否かにかかわらず、吐き気やその他体調不良を起こすようなこともないはず・・・簡単ではないですが、やはり「自分が変わる」ほうが近道なのかもしれません。

もちろん吐き気その他の体調不良があらわれている状況で、さらに「変わらなければ・・・」と自分を追い詰めることがプラスになるとは思えません。矛盾するようですが、自分を追い詰めるのは賛同できません。

ではいったい何ができるのか?できることはほんとうにあるのか・・・考えてみました。

それが前節で最後に挙げた「現実逃避」です。たとえばおもしろいことに触れて大声で笑ったり、カラオケにいって熱唱したりするのも一種の現実逃避といえるのかもしれません。

イヤなことを忘れるために寝てしまうのもそうでしょう。とにかくイヤなことを忘れようとする努力が、もしかしたら自分を前向きに変えるための最善の策なのかもしれませんね。

それでもどうしても吐き気をはじめとする症状が治まらないということであれば、もっと思い切った物理的な現実逃避(長期休暇をとる、転職する)といった荒療治も場合によっては有効です。

たとえば1回だけ大好きなカラオケに行ったけれど吐き気が治らなかったという場合に、いきなり「はい転職!」などと物理的な現実逃避に目を向けるべきではありません。小さな現実逃避をまずは繰り返してみましょう。

それでも改善の兆しがないとか、ますます吐き気がひどくなってしまうなどという場合には、転職をはじめとする物理的な現実逃避もいよいよ本格的に考える必要があるでしょうね。

現実逃避は消極的なスタンスです。しかしあえて消極的なスタンスに立つには勇気が必要です。これはむしろ積極的とも言い換えられるでしょう。真逆の概念も見方を替えれば表裏一体なのです。

また、自分が変わるという考え方についても、具体的に何かを変えるのではなく、相手に慣れてしまえば相対的に自分が変わったように感じられるものです。「鈍感力」という発想に近いかもしれません。

特に対人関係や仕事環境がストレスの原因となっているのであれば、ある程度鈍感になる、つまりは人に慣れる必要もあるはずです。そのためには「現実逃避」という消極的姿勢が意外な有効性を発揮するのです。

そして一般論でいうなら、物理的な現実逃避のうち最も多くの人が考えるケースが「転職」ということになるでしょうね。

仕事のストレスと付き合えきれなくなったら転職もあり

現代社会は「ストレス社会」と言い換えられることがあります。現代に生きる以上、ノーストレスはあり得ないと考えるべきでしょう。しかし過度なストレスは吐き気その他の問題の原因になります。

それならば、ストレスとうまく付き合うことが求められるはずです。特に仕事ともなると、簡単にやめて転職するわけにもいきません。ストレスと上手に付き合って、吐き気などの体調不良を予防していただきたいと願います。

ただ、どうしても抜け出すことができない宿命的なストレスであれば、思い切って切り離す決断も必要です。そういうときこそ「転職」という思い切った発想も大切なのではないでしょうか。