失業保険の金額シミュレーション。退職前に知りたい金額を増やす術

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退職した時、一番困るのが生活費ですよね。転職活動にもお金がかかりますし、貯金を切り崩して生活するのは焦りが募ります。

そんな時、非常にありがたい存在が失業保険です。失業保険は正規・非正規雇用を問わず、いざという時に手厚い保障をしてくれます。

働いている間は全く実感がないかもしれませんが、失業保険で受け取れる金額はどんなに少なくても満額で十数万~多ければ数百万にもなります。また、条件によっては給付額が増えることもあります。

失業保険の金額の仕組みを正しく理解し、転職活動の計画を立てていきましょう。

どうすればもらえる?失業保険の給付の流れ

失業保険の給付金額を知るためにも、まず失業保険の給付に関するおおまかな流れを知っておきましょう。

まず失業保険(=雇用保険)は、会社を退職すれば誰でももらえるというわけではありません。

大前提として、雇用保険に加入しており、給与から雇用保険料が天引きされている必要があります。

さらに、

  • 退職以前2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算で1年以上あること
  • 倒産・解雇、怪我や病気、介護など、やむを得ない理由で退職した場合は1年間で通算6カ月以上あること

※被保険者期間は、月に10日以下しか働いていない月は計算に含みません。

という条件を満たしていなければなりません。

これらの条件を満たした状態で会社を退職し、なおかつ「今すぐにでも働ける状態であり、働く意志がある」場合にのみ、失業保険の給付の対象となります。

失業保険は再就職するまでの期間を支援してくれるものですので、怪我や病気で働けなかったり、少し働かずにゆっくりしたいというような場合は給付の対象となりません。

失業保険の給付を受けるには、退職後1週間~1カ月程度で会社から自宅へ郵送されてくる離職票等の書類をハローワークに提出し、失業保険の申請をする必要があります。

その後、ハローワークでは28日ごとに「失業認定日」というものが設けられます。この失業認定日までに、

  • 就職先として希望する企業への応募や面接
  • ハローワークへの就職相談

などの「求職活動」を原則2回以上こなし、ハローワークの指定する書類に記載して失業認定日当日に提出します。

この書類をもとに、「積極的に求職活動を行っているにも関わらず、就職できていない、失業状態である」とハローワークの認定を受けることができれば、失業保険としてひとまず「28日分」の給付を受けることができるのです。

そして、また28日後の失業認定日までに、「求職活動」を2回以上こなし、失業認定日に認定を受ける、ということを繰り返していきます。

個人の勤務年数や年齢によって定められた給付日数(最低90日~最大360日)を終えるまで、あるいは無事に就職するまで、この流れが繰り返されます。

つまり、失業保険は

  • 自分で申請しなければ受け取ることができない
  • 失業者であり、なおかつ「今すぐ働ける状態にある」場合にのみ給付対象となる
  • いきなり満額が支給されるのではなく、28日ごとの支給になる
  • 支給には事前に、実際に求職活動を定められた回数行う必要がある
  • 「失業認定日」に認定をもらわなければ、一切失業保険を受け取ることができない

ということを念頭に置いておきましょう。

1カ月あたりの失業保険の金額は、「月収の5~8割」

社会保険料などに比べると、毎月給与から天引きされている雇用保険料はごくわずかです。

そのため、「失業保険といっても、大した金額はもらえないだろう」と思っている人もいるかもしれません。また、「非正規雇用だから正社員と比べても給付額が少ないのではないか」と考える人もいるのではないでしょうか。

しかし実際失業保険では、毎月の掛け金から考えてもある程度まとまった金額を受け取ることができる上、正規・非正規の区別もほとんどありません。

失業保険によって給付される1ヶ月あたりの金額の、ざっくりとした目安は、「1カ月の給与の5割~8割」です。

ちなみに、普段、給与を受け取る時に雇用保険料として差し引かれる金額は、平成30年度で給与の総支給額のわずか0.3%程度。

給与の0.3%の保険料で、いざという時最大で給与の80%もの給付金を受け取ることができると考えると、失業保険は驚くほど割の良い保険です。

「5割~8割」の部分に関しては、失業保険は退職し無収入になってしまった人の生活を支えるものですので、給与が低い人ほど割合が高くなります。

また、一口に「1カ月の給与」といっても、月によって増減することを見越して、実際には直近6カ月の平均をとって1カ月あたりの給与を算出します。

つまり、失業保険で受け取れる金額の計算式(目安)としては、

(直近6カ月間のボーナスを除いた給与支給総額)÷6カ月 × 給付割合(5割~8割)=1カ月あたりに受け取れる失業保険の金額

となります。正確に算出しようとすると細かな計算式が必要になる他、毎年、世の中の給与水準に合わせて給付金額に若干の変動もあります。そのため、ひとまずの目安として上記のような計算のしかたをしておくとよいでしょう。

また、計算時の注意点としては以下のようなものがあります。

失業保険の計算にはボーナスが含まれないことに注意

失業保険の給付金額を計算する上で必要となる「給与支給総額」には、基本的な給与の他に、残業手当、通勤手当、役職手当などあらゆる手当の金額が含まれます。しかし、ボーナスだけは含まれません。

そのため、

  • 月収30万、年収360万円の派遣社員
  • 月収25万+ボーナス60万で年収360万円の正社員

を単純に比べた場合、派遣社員の方が給付額が大きくなります。

上限と下限が決まっている

給与のうち5割~8割といっても、極端な話、歩合制や大企業に勤務していたなどで月収100万円の人の場合、5割としても50万円になってしまいますよね。実際にそんな金額がもらえるのかというと、さすがにそんなことはありません。

失業保険の給付金額には上限と下限が決まっています。ちなみに、この上限と下限は年度によって変更され、平成29年度の場合は最大で基本手当日額(1日あたりに受け取れる失業保険の金額)が8205円、最低で1976円となっています。

失業保険は28日ごとに受け取りとなりますので、失業保険で受け取れる1カ月(28日)あたりの最大額は8205円×28日=229740円、最低で1976×28日=55328円となります。

アルバイトや内職などの分は差し引かれる

本業以外に収入があるという場合、どのくらいの収入があるのかにもよりますが、基本的に給付額から副業での収入額のうち一定割合が差し引かれます。

数十万円もの副業収入があるような場合は、さすがに失業保険を受け取ることはできないでしょう。逆に、ほんの数百円~数千円程度の微々たる収入であれば、給付額には全く影響しないこともあります。

差し引かれる割合は個人の収入状態で大きく変わりますので、ハローワークに直接問い合わせる方が確実です。

退職前が肝心!失業保険の給付金額を増やすポイント

失業保険の金額を決める条件の中には、自分ではどうしようもないものもありますが、知っておけば意図的に総支給額を増やすことができるものもあります。

特に退職前の行動で大きく変わりますので、しっかりと把握して、自分の勤務形態に見合った金額を受け取りましょう。

会社都合で退職する

会社を退職する時、自分から辞めると決めた場合と、いきなりクビを宣告された場合と、どちらが切羽詰まっているかといえば、当然後者ですよね。

そのため、失業保険はそのような、「自分の都合ではなく、会社の都合で辞めざるを得なくなった人」に対して支給を手厚くしています。

  • 会社が倒産してしまった
  • 急に解雇されてしまった
  • 定年で辞めざるを得なくなってしまった
  • 契約期間が満了したが、契約更新してもらえなかった
  • 会社の移転で通勤が困難になった
  • 上司のパワハラなどが原因で退職に追い込まれた
  • 給与が支払われなかった
  • 給与が大幅に下がることになった
  • 事前に聞いていた仕事内容と、実際の仕事内容が大きく異なっている
  • 月45時間を超える残業が3カ月以上続いた

など、「自分はその会社で働く意志があったのに、会社の都合により働けない環境に追い込まれた」場合は、「会社都合」での退職となります。

この会社都合で退職する人は「特定受給資格者」と呼ばれ、自己都合退職の人よりも給付日数が多くなります。

※ただし、働いている期間が5年未満の、特に若い世代の場合、給付日数が最低の90日のまま変わらないこともあります。

長く勤める

失業保険はひとつの会社に長く勤めている人ほど、最終的に受け取ることのできる金額(満額)が多くなります。

「転職もせず、ずっと同じ会社で継続して働き続けている」という人は、毎月の給与から雇用保険料が天引きされ続けていても、失業保険を受け取る機会が全くやってきません。

そのため、いざその長く勤めた会社を辞めた時、長く保険料を納めていた分だけ、失業保険が支払われる期間も長くなることでバランスをとっています。

失業保険では、この「勤続年数」を大きく5年、もしくは10年の区切りで分類しています。

例えば自己都合退職で辞めた人の場合、

  • 勤続年数が「10年未満」……90日
  • 勤続年数が「10年以上20年未満」……120日
  • 勤続年数が「20年以上」……150日

というように、勤続年数が10年増えるごとに給付日数も1カ月ずつ伸びていきます。

会社都合退職の場合はもう少し細かく分類されており、

  • 「1年未満」
  • 「1年以上5年未満」
  • 「5年以上10年未満」
  • 「10年以上20年未満」
  • 「20年以上」

と5段階になっており、さらに年齢によっても変わります(表を参考)。

自己都合退職以外の場合での最大給付日数

年齢/勤続年数 1年未満 1~5年未満 5~10年未満 10~20年未満 20年以上
30歳未満 90日 90日 120日 180日 /
30~34歳 90日 90日 180日 210日 240日
35~44歳 90日 90日 180日 240日 270日
45~59歳 90日 180日 240日 270日 330日
60~64歳 90日 150日 180日 210日 240日

5年、もしくは10年という非常に長いくくりですので、通常はあまり気にならないかもしれません。

しかし、もしも節目となる年に退職した場合、「あと1カ月で勤続5年だったのに、その前に辞めてしまったために勤続年数5年未満として、1年働いた人と同じ日数しかもらえなくなってしまった」なんてことになる可能性もあります。

自分がその会社に何年勤めたのかしっかり数えておいて下さい。そして、もしも5年目、10年目といった節目の年である場合は、退職日を調整し勤続5年、10年を迎えてから退職するようにしましょう。

5年、10年といった区切りを意識して退職日を設定することで、給付日数を増やすことができるため、最終的に受け取ることのできる総額が多くなります。

年齢を重ねる

上記の表のとおり、失業保険の給付日数は、勤続年数だけでなく、本人の年齢によっても変わります。

失業保険は「失業した人が、次の仕事を見つけるまでの間生活に困らないように」支給されるものです。そのため、比較的転職のしやすい若い世代は給付日数が短く、転職がしにくい45歳~59歳では給付日数が長く設定されています。

例えば、10年以上同じ会社に勤務し続けたとして、退職時に30歳未満の若い人は180日間の給付を受けられるのに対し、中高年となる45~59歳の人は270日間の給付を受けることができるのです。

こちらも勤続年数と同様、区切りの年に注意した方がよいでしょう。特に44歳と45歳の人では、給付日数に2カ月も違いが出ることもあります。区切りの年に当たる場合は誕生日を迎えてから退職した方がお得です。

ただし、これらの年齢による支給日数の区分は、あくまで「会社都合退職の場合」です。自分の意志で退職すると決めて会社を辞めた「自己都合退職」の場合は、年齢は一切考慮されません(障害者の場合は考慮されます)。

退職前6カ月間の月給を高くする

失業保険の計算は、あくまで「退職前6カ月」の給与が基本となります。

つまり、例えば「真面目に働いて5年間は月収30万ほどもらっていたが、最後の半年間だけは残業などをできるだけ抑え、月収18万しかもらっていない」というような場合は、月収30万時代の収入は全く考慮されません。

あくまで最後の半年の月収18万のみを基準として失業保険の金額が計算されてしまうのです。

このため、給与が普段より低い時期に退職してしまうと、失業保険の給付金額が本来よりかなり低くなる可能性があります。

特に歩合で給与が変動する会社に勤めている場合は注意しましょう。

また、退職理由によっては、退職日が近づいてくると働く意欲が低下してしまうことがあります。

  • 「もうすぐ退職するんだから残業はできるだけ控えよう」
  • 「どうせ退職するんだし欠勤してしまえばいいや」
  • 「転職の準備も兼ねて、少し勤務日を減らそう」

なんていうように勤務時間を減らしてしまうと、その分給与が低くなり失業保険で受け取れる金額が少なくなってしまうので注意が必要です。

特にアルバイトや派遣社員など非正規雇用の人ほど、この仕組みを念頭に置くべきです。非正規雇用の場合時給労働が多く、しかも正社員に比べて勤務時間の調整がしやすいため、この退職前の勤務時間による給与の差が顕著になります。

退職前にはむしろできるだけ多めに働いて給与をたくさん受け取っておいた方が、失業保険の金額は高くなるのです。

職業訓練を利用する

失業保険の受給資格を得ると利用できるようになる職業訓練を利用することでも、給付金額が実質多くなります。

職業訓練は、ハローワークの定める職業訓練校に入学して通い、働くために必要な技術を身につけるものです。この職業訓練を受けている間は、本来の給付日数に関わらず、失業保険の給付を受け続けることができます。

つまり、例えば給付日数が90日しかなくとも、職業訓練校に半年通った場合は180日間は確実に給付を受けることができるのです。

しかも職業訓練するわけですから、当然実用的な技術も身に付きます。本来は専門学校に通い数十万もの学費を払って身につける内容が、職業訓練を利用すればほぼ無料で、むしろ逆に給付を受けながら学ぶことができるのです。

勉強したいけど生活費で悩んでいる、という人はぜひ検討してみて下さい。

計算基準が変わって若干増減することもある

失業保険の詳細な計算式は、世の中の給与の水準や景気を考慮して毎年8月に若干変動します。28日ごとに給付される失業保険金額は、数十円~数千円程度増えることもあれば減ることもあります。

こればかりは受け取る側にはどうしようもありません。一応、そういうこともあるとして頭の片隅に置いておくとよいでしょう。

自己都合退職だと3カ月の給付制限があるので注意!

失業保険の給付は「自己都合退職」と「会社都合退職」で給付開始日が異なります。

単に「会社の雰囲気が合わない」「もっと条件のよい会社に転職したい」というような自分の都合での退職の場合は「自己都合退職」となります。

この場合、失業保険の給付を受けるためには3カ月の給付制限という一種のペナルティーが存在します。

実際には離職票が届くまで失業保険を申請できないことや説明会の日程、失業認定日のスケジュール以上、もっと長い時間給付を受けられないことになります。

給付制限中に無事転職が叶った場合は「再就職手当」といって支給されなかった分の失業保険のうち一定割合を受け取ることができるので失業保険は無駄にはなりません。

しかし、給付制限中に転職できない場合は無収入の失業状態が退職してから少なくとも3カ月以上は確実に続くので貯金の管理に気をつけましょう。

失業保険は非課税なので確定申告は不要

失業保険は失業中の生活を支えるものですから、通常の給与のように所得税などの税金の計算からは対象外になります。つまり非課税です。

会社を退職した場合、時期によっては自分で確定申告する必要がありますが、失業保険は申告不要ですので安心して下さい。受け取った金額をそのまま全額生活費や転職費用などに使って問題ありません。

失業保険の給付額を計算して、計画的に求職活動をしよう!

毎月、何気なく給与から天引きされている失業保険のわずかな掛け金。しかしその掛け金で受け取れるいざという時の金額は非常に大きなものです。

失業中の無収入となった生活を支える強力な助けとなってくれるでしょう。受け取らないのは大損となりますので、必ず申請しましょう。

また、そもそも退職前の半年にできるだけ多く働いておくなどして平均給与を引き上げておくことで、さらに給付額を増やすこともできます。

失業保険を受け取る前から、退職することが確実となった時点で計画的に行動しておくのがおすすめです。勤務実績にあった満足のいく金額を受け取るためにも、給付額が増えるポイントを知り、上手に失業保険を利用しましょう。

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