アクセンチュアの採用フローと対策。求められる人材は変化している?

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アクセンチュアはグローバルで40万人規模の社員を抱える巨大コンサルティングファームです。

厳しい労働環境ながら成長が期待できる刺激的な職場環境と日本企業とは一線を画す高い給与水準に興味を持ち、新卒・中途とも毎年多くの方がチャレンジしています。

今回はそんなアクセンチュアの採用を新卒と中途採用の両面から焦点を当てて、どのような流れを経て採用が決まるのかをまとめました。

アクセンチュアの新卒採用

アクセンチュア外資系としては日本で大規模にビジネスを行っている会社です。社員は一万人ほどいます。

社員は1万人ほどいて、システムエンジニア専門職を採用しているなど、本来はIT領域に強みをもつ企業です。

さらに、現在は規模の大きさも生かし、多様な領域のプロジェクトを取り扱っています。近年はビジネスの拡大と、ここ数年の働き方改革により採用の拡大が顕著です。

このことは意外に知られていませんが、アクセンチュアは経団連に加盟していることから、コンサルファームの中では特に労働環境の改善に積極的に取り組んでいる企業です。

プロジェクトによって職務の内容や範囲は多少の差異はあるものの、多くは優秀な大学や異色の経歴を備えている人材を採用して、職務内容が硬直化しないように柔軟な思考を持って職務に当たることを心がけているようです。

厳しい労働環境、高報酬も今後変化する可能性がありますが、現時点では給与の高さ、離職率の高さは維持されている一方、長い労働時間やサービス残業はかなり削減されていようです。

コンサルティングファームという業種の特徴上、適性の有無が比較的わかりやすい形で表れてしまうことも少なくありません。

また適性を周りから認められたとしても、成果を出さなければ容易く馘首(解雇)を言い渡されてしまう可能性が極めて高く、年収が高くなることは確かでも安定性の面では実力次第という厳しい環境下にあります。

これからアクセンチュアに入社することを考えている人は、この点を念頭に置いておきましょう。

アクセンチュアは毎年の採用人数を公表していないのですが、2011年度は戦略コンサルタント数人の採用にとどまっていたと言われていました。

しかし新卒採用は近年急増傾向です。2014年頃にはいまのビジネスコンサルタント、ソリューション・エンジニアを中心にした採用になっており、200人程度の採用でしたが、近年は450人ほどの採用を行っております。

その点アクセンチュアの新卒での就職難易度はかなり下がっていると言えるでしょう。

アクセンチュアの新卒採用の概要

さてまずは、アクセンチュアの新卒採用での概要を見てみましょう。数年前とはことなり、部門ごとに大規模な採用を行っています。

以前は、戦略コンサルタントは事実上インターンシップを経験していないと内定獲得が難しいといわれていました。

現在も明示はされていませんが、大手の求人サイトなどには戦略コンサルタントの紹介がないこともあり、戦略コンサルタントだけかなり枠を絞って採用しているのはいまも同様のようです。

募集職種は以下の職種が対象となっています。

  • 戦略コンサルタント
  • デジタルコンサルタント
  • ビジネスコンサルタント
  • ソリューション・エンジニア

初任給(初年度年俸)

  • 戦略コンサルタント5,509,000円
  • デジタルコンサルタント/ビジネスコンサルタン4,300,000円
  • ソリューション・エンジニア3,238,000円(首都圏採用)
  • ソリューション・エンジニア2,852,000円(北海道・札幌、福島・会津若松採用)

アクセンチュアの年収については、アクセンチュアの気になる年収・福利厚生の記事で詳しく説明しています。

アクセンチュアは年俸制を採用しています。また、アクセンチュアで特徴的なのはこれに残業代がつくことです。残業時間はプロジェクトにより、またプロジェクトのフェーズによりかなりばらつきがあるようです。

かつては45時間しか残業時間をつけられず、サービス残業が横行するプロジェクトも多いなんて噂もありましたが、今は働き方改革の遂行により、サービス残業なし、残業が本当に45時間を越えないようマネジメントされているようです。

かつてはサービス残業をしてでも職務の達成が求められていた雰囲気や風土がありましたが、現状では少なくなっていることがわかります。

現代の風習に常識が追い付き、ダラダラとした長時間勤務が成果を生むのではなくできるだけ短時間で効率よく取り組んだほうが、望んだ結果が出やすいことをようやく実感し始めたためにできたのだと思われます。

戦略コンサルタントは企業の根幹の経営戦略を主領域としたプロジェクトを扱います。M&Aや、財務戦略、全社的な組織改革など、企業の全体に影響を及ぼすような重要プロジェクトを扱います。

他社の戦略的情報に触れた上で、利益をよりだすための改善提案といった内容を触れるために機密性も高く、高度な判断と責任が要求される職務でもあります。

扱うプロジェクトの難易度がより高く、クライアントに及ぼす影響も大きいことから、実質的に採用のハードルも他の部門より高くなっています。年俸もまた然りです。

デジタルコンサルタント/ビジネスコンサルタントは、あらゆるプロジェクトに参画します、組織単位の効率化やシステム導入、BPOやBPRなど、プロジェクトは多岐にわたります。

アクセンチュアは前述のとおりIT領域からの課題解決に強みがありプロジェクトも豊富なため、よりIT領域のプロジェクトに取り組むデジタルコンサルタントという部門での採用も行っております。

ソリューション・エンジニアはいわゆるシステムエンジニアにあたる部門ですが、IT領域のプロジェクト進捗管理や他のプロジェクトチームなどとの調整などを行います。

コンサルファームのSEなので、ただ手を動かすというより課題解決型の業務が多いのも特徴です。

そのため下記に紹介する採用フローにおいても、出題された課題に対して自分なりの解答を作り上げてそれを基にして、採用担当者を納得させられるかどうか、ということに主眼を置いた質問が多く問われるのです。

この会社は採用実績大学も一覧で掲載されております。

システムエンジニアについては、全国の情報処理関連の学部等から積極的に採用しているため、比較的採用大学が広くなっていますが、コンサルタントは大半がMARCH、旧帝大以上のようです。

それ以下の大学でも優秀であれば通過する可能性がまったくないわけではありませんが、下地としての経験や教養をどの程度備えているのか、という判断要素も存在することから基本的には難しくなります。

それでも前述の状況により一時期よりは門戸が広がっているので、ここ数年はある意味アクセンチュアにチャレンジするチャンスといえます。

アクセンチュアの新卒採用フロー

選考フローは全職種共通で基本的に下記の通りです。

ES→webテスト→グループディスカッション→1次面接→2次面接→最終面接

尚、インターンシップ通過者は一次面接までが免除される場合があります(募集要項に明記されています)。

このうち、インターンシップ経験者、インターンシップ選考においてGDを通過している人は、それぞれ一次面接まで免除、GDを免除となることがあります。

選考の時期については経団連が採用スケジュールの協定を変更した場合は変わる可能性がありますが、直近は下記の通りでした。

・本エントリー      :3/30(金) 10:00まで
・書類選考結果連絡    :4/4(水)
・グループディスカッション:4/11(水)~4/12(木)
・1次面接         :4/24(火)~
・2次面接         :5/16(水)~

それではここから各フローについて説明します。

エントリーシート

最初の入り口となるエントリーシートです。聞かれることで特徴的なのは「未来のアクセンチュアに必要なDNA」の内共感できるものを選び説明するというものがあります。

DNAの詳細や回答例は長くなってしまうのでここでは割愛しますが、この設問は過去にも頻繁に出題されており、過去の解答例は多くネット上にもありますので、参照してみるといいでしょう。

上記のような独自の質問以外にも、定番の質問も問われるために数多いる応募者の中でどのような回答をすれば自分が注目してもらえるか、ということを常に考えておくことが大切です。

いずれにしても「アクセンチュアで自分の能力が如何に役に立つか」をアピールするのが肝要です。

【過去の設問例】

  • 「未来のアクセンチュアに必要なDNA」のうち共感できるものを1つ選び、その理由をご自身の経験をふまえて記述してください
  • どのような軸で就職活動を行っていますか
  • あなたがアクセンチュアというプラットフォームを生かして実現したいことを記述してください
  • 趣味・特技についてご記入ください
  • あなたが過去にチャレンジしたことの中で直面した最大の困難は何ですか。また、それに対してあなたが何を考え、どう対処したか、その経験が今どのように活かされているかについて記述してください。

上記のような質問を基準として、アクセンチュアで働く人材として相応しい人材であるかどうかを審査されます。

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人事が解説!インターンシップ選考で輝くエントリーシートの書き方

ウェブテスト・グループディスカッション

ES通過後にWebテスト受験が求められます。Webテストには日本エス・エイチ・エルの「玉手箱」を導入しており、内容は言語・計数をメインとしています。

極端に難しいという話は聞いたことがなく、通過難易度はコンサルの並程度というところです。とはいえ、これまで玉手箱のWebテストを受けたことがないという方は、対策本なども発売されていますので一通り勉強してみると良いでしょう。

Webテストを通過するとグループディスカッションが行われます。場所は首都圏であればみなとみらいオフィスで行われることが多いです。1グループ7~8人に社員が1人という配分でやや学生の人数比が高めです。

一通り自己紹介したのちにお題が発表されます。時間は過去の例ではディスカッション時間が45分間でした。売り上げやシェアを推計して増やすようないわゆる「コンサル的」ではないお題も多いのがこのグループディスカッションの特徴です。

【過去のお題例】

  • 日本人の読書量を増やすには?
  • タケコプターが発明されたらどういうマーケティングをする?
  • 学食の経営を改善するにはどうすれば良いか

架空のものに想像力を働かせて対応する必要のある問題がしばしば出題されるのが特徴です。学生数が多いので、議論の流れやコミュニケーション・論理性に注意しつつも、積極的に発言していくことが求められます。

一次面接

GDを通過すると、一次面接に呼ばれます。一次面接とありますが、ケースと一般的な面接が合わせて実施されます。基本的には1:1で、相手は若手社員です。ケース面接は、出題されてから、まず個人で15分程考えてから別室に呼ばれます。

その後、案をプレゼンし社員と議論します。こちらは比較的コンサルとしてはオーソドックスなものが多く、「○○の売り上げの現状を仮定したうえで、売り上げを増やす方法を考えなさい」などといったものが多いようです。

ケース面接が終わるとそのまま一般面接に入りますが、時間はあまり長くなく、合否は比較的ケースの比重が高いといわれています。従って面接の時間は志望動機など基本的なことしか聞かれません。

二次面接

アクセンチュアの特徴として、二次面接も一次面接と近い形式のものを繰り返すというところがあります。違いは面接官の年次が上がることで、ここで出てくるのはマネージャ程度が一般的です。

対策については一次面接と同様ですが、ここである程度合否が決まって確定してきます。後半の面接はこちらも一般的な質問とはなりますが、予断なく準備しておきましょう。

最終面接

基本的には二次面接を通過すれば合格はかなり近いといわれています。最終面接はパートナークラスとの面接です。一通り面接らしいことを聞かれますが、ここで落とされるということはあまりありません。

失礼のないようにだけ気を付けながら、問われた質問にしっかりと答えましょう。

主に以下のような質問内容を基準として尋ねられます。

  • 自己紹介
  • 志望理由(なぜコンサルか・なぜアクセンチュアか)
  • 入社後にやりたいこと
  • 英語はできるか

「英語はできるか?」は問われたらドキッとしてしまう人もいるかもしれませんが、できない人は「今勉強中です」くらいで大丈夫のようです。ここを通過すれば内定です。

念のため最後に付言しますが、このフローは現状の「大量採用状態」を前提にしているものであることを念頭に置いておきましょう。

当面採用人数を極端に減らすことはこの業界の環境からすると考えにくいですが、アクセンチュアはかつて数人しか新卒をとらなかった年もあります。

シビアな年であれば最終でバシバシ落ちるかもしれませんし、「英語は必須」となるかもしれません。

先ほども言った通り、現状の大量採用は「アクセンチュアに入るチャンスの時期」であることを覚えておきましょう。

アクセンチュアの中途採用

続いては中途採用について説明します。アクセンチュアの中途採用は新卒同様に従前より門戸が広がった印象があります。以前は「限られた高スキルの人材が、転職エージェントを通じて入社できる」という印象でした。

今では一般的な求人サイトからでも普通に応募できますし、一定の学歴・職種の経験があればエージェントや求人サイトを通じて中途の採用イベントなどの案内も来ます。

もちろんこれらを利用することで入社する方法もあるわけですが、引き続き転職エージェントを通じて充分対策したうえでチャレンジするのがお勧めです。

特にケース面接などは慣れてないと簡単ではないので、是非エージェントともに対策しておくといいです。

募集している・応募できる職種はその時々で空きがあり次第というところですが、基本的には新卒よりも細分化されていることが多いです。ビジネスコンサルタントであれば「業種・チーム」まである程度絞られた状態で選考を受けます。

書類審査

ここは一般的な転職と一緒で、履歴書や職務経歴書を作成して送付します。意外に転職エージェントを通じていないとここで落ちることも多いです。

「通しやすい書類」は業種・企業により異なりますので、プロのエージェントのアドバイスを受けて送付するのが無難です。

盛り込む内容として特段突飛なものはないようですが、コンサルからの転職であればある程度どんなプロジェクトに参画したいかまで明確化しておくことが望ましいでしょう。

また、未経験の場合は、未経験でなぜコンサル・アクセンチュアを受けるのか、そしてコンサル未経験でなぜアクセンチュアで役に立てるのか、といったことを書類にしっかりとまとめておくことが肝要です。

面接では主にこれらの点を土台として、未経験というハンデをどのように補って利益をもたらすかを納得できる形で説明することが求められるためです。

そのため、論理的にかつ柔軟な思考を持っていることをアピールすることができる回答内容を心がけることが大切です。

一次面接

書類選考に通過すると面接です。ここは中途の場合現在はWebテストなどがないようです。また、面接回数が人によりかなりバラツキがあります。最短では1回目の面接の後がもう条件面などの確認に近い面談だったという例もあります。

また、一次面接の内容も、一般的な面接だけの場合、ケース面接が入る場合、普通の面接の内容なのにホワイトボードなどを使って説明を求められる場合と、おそらく社員やチームにより形式が様々異なるようです。

一般的な面接のパターンの場合は、概ね次のような内容になるようです。

面接官は2名で、概ね一時間程度。前半は面接というより、会社の概要や応募職種に関する説明を実施し、後半は一般的な面接といった形式です。尚、ここで面接官の人数についてもばらつきがあり、1:1の事例もあります。

本当にケースバイケースなのがアクセンチュアの中途採用面接の特徴です。

面接で尋ねられる内容として次のような質問があります。

  • 前職での職務内容、辞めた理由
  • コンサルティング業界の志望理由
  • アクセンチュアを志望する理由
  • アクセンチュアで何をしたいか

ホワイトボードでのプレゼンの場合、設問内容はこれと似たようなものですが、突然ボードを使って説明してくださいと指示されるのが相違点です。事前予告がないことも多いためにパニックにならないことが大切です。

次にケーススタディが導入されている場合のパターンがあります。

ケーススタディについては、別途時間がとられるというよりは、面接の途中で入り込むことが多く、比較的短時間で回答まで進めるものが多いようです。

お題は比較的コンサル的な「市場推計」や「売り上げ・シェアなどを向上させるための施策」といったものが多いです。

時間も面接官により、応募チームにより様々聞かれるのですが、一般的には30分程度(前後に普通の面接が入ってトータル1時間くらいになる)パターンが多いようです。

二次面接~最終面接

面接の回数が一定ではないので、後続についてはまとめて解説いたします。平均して2~3回の面接回数ですが、実質一次面接だけが関門で、最終面接というべきかただの面談というべきか微妙なもので内定が出てしまう場合もあります。

一方で3回を超える場合は、当初の応募チームでの採用が厳しく、周辺チームで雇わないかジャッジしている場合もあるようです。もし途中で面接官の職種やチームが大きく変わった場合はこれに該当します。

ケースについては上記で言えば有力な場合は一回のみとなる場合が基本ですが、他チームでの選考に乗りなおしてしまったパターンの場合は、社員により数回入ることもあります

裏を返せば複数回ケースが入った場合は一本調子に内定に向かっているわけではない可能性が高いことになります。

ほかの面接から大きく逸脱する質問はあまりありません。相手に「アクセンチュアでしっかり働く気があり、かつ役に立つスキルセットを持っている」ことを如何にわからせるかというところにつきます。

最終面接の連絡については、落とされうる最終面接と、意思確認のみの最終面接の場合があります。最終面接はパートナークラスとの面接となります。

最後の面接まで気を抜かずに、本気で試されているつもりで回答内容をブラッシュアップしておきましょう。

アクセンチュアでは発想が自由で知識や教養がある人が有利?

アクセンチュアは近年の働き方改革の流れの中で採用を増やしており、組織としても巨大化しているコンサルファームです。その結果入社難易度は以前よりは下がっているといわれています。

以前に比べれば、超人的な能力を備えた一部の人向けの企業であるという点は薄くなり、発想が自由で下地としての知識や教養をしっかり備えている人が内定を獲得しやすい傾向にあるようです。

一方で、実力主義の外資系コンサルファームのカルチャーも確り残っていますし、一定の論理的思考力が求められるのも同様です。

外資系コンサルファームにチャレンジしてみたいという人は、是非この記事を参考にアクセンチュアに挑戦してみるといいでしょう。

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