就活スーツの選び方&マナーに沿ってビシッと決める着こなし方

就職活動に欠かせないのが就活用スーツ。

無個性とされる就活用スーツですが、選び方、着こなし方のちょっとした差で、着心地や面接官に与える印象が変わってきます。

適当に選んでしまって後悔することのないよう、就活用スーツの基本的な選び方をおさえておきましょう。

就活用スーツ・リクルートスーツとは

就活用スーツは、名前のとおり就職活動をする目的で着るスーツのことです。

就職活動をリクルート活動(recruit=企業が求人すること)と呼ぶので「リクルートスーツ」ともいいます。

そもそも就活スーツという商品は存在していなかったのですが、1970年代にある百貨店が就活用のスーツを販売し始め、就活専用のスーツを着る風潮がすっかり定着しました。

今ではどのスーツ専門店でも、ビジネススーツとは別に就活用スーツのコーナーが設けられていますよね。

どちらもビジネスシーンで着るもので、見た目にはそう大きな差はないように見えますが、両者にはどのような違いがあるのでしょう。

就活用スーツのはっきりした定義はない

これが就活用スーツだ、という明確な定義はありません。

スーツの中で就活にふさわしい雰囲気のものが、就活用スーツと呼ばれているのであって、一般的なビジネススーツと就活用スーツのはっきりした違いはないのです。

ただ、就活用スーツは「就職活動をする時に着る」という目的があるので、企業に良い印象を与えるようなデザインでなければなりません。

そのため、清潔感やきちんとした印象があり、デザインやシルエットは個性や奇抜さがないことが、就活用スーツの前提となっています。

就活スーツの特徴

スーツには、色、デザイン、シルエットの流行がありますが、就活用の場合はそこまで流行を意識する必要はありません。次のような要素を備えたベーシックなスーツが主流となっています。

就活用スーツの特徴
  • 色は黒または紺色や濃いグレー
  • 柄は無地
  • デザインはシンプル
  • ビジネススーツよりも価格帯が低め
  • 縫製や生地の耐久性は、ビジネススーツに劣る

商品にもよりますが、一般に就活用スーツは、ビジネススーツよりも生地が薄く安価なものが多くなっています。

これは、就活用スーツが何年も着続けるような性質のものではなく、短期間の着用向けになっているためです。

デザイン・シルエットはビジネススーツとどこが違う?

デザインやシルエットについて、就活用スーツとビジネススーツの違いを比べてみましょう。

生地の素材・色柄

量販店で販売されている就活用スーツは、スーツを着慣れていない学生の就活を応援するべく、扱いやすく値段が手ごろなものが主流となっています。

生地は洗濯機の丸洗いに対応できるものも多く、ビジネススーツと比べると重厚感や素材の高級感はありません。

就活用スーツの色は汎用な黒が主流で、そのほか黒に近い紺や濃いグレーなどが使われます。ファッションは、明るい色になるほどカジュアルになるため、明るい色、淡い色のスーツは就活には不向きです。

ただ、30代以上の転職者が黒を着ると初々しすぎて違和感が生じるともいわれます。30代以上の就活では、黒ではなく紺色、チャコールグレーといったダークカラーを選ぶのがおすすめです。

ビジネススーツはシーンに合わせ、さまざま色を使い分けることができます。また、ストライプ、チェックなどさまざまな柄のおしゃれも楽しめますが、就活用スーツは無地が基本です。

ジャケット(背広)の前部分

スーツには「シングル」と「ダブル」があり、就活用にはシングルスーツを選びます。

シングルスーツは、ボタンが一列に並んでいるもの、ダブルスーツは前の打ち合わせが深く、ボタンが2列あるものです。

ダブルスーツのほうがシックな印象を与え、ビジネススーツには基本的にシングルスーツが選ばれます。

若い人がダブルスーツを着ると、目上の人から「生意気だ」と受け止められてしまうこともあるようです。就活の場合にはダブルスーツは選びません。

ジャケットのボタン

シングルスーツにはボタンが1~4個ついています。ビジネススーツは2つボタンまたは3つボタンが主流、就活用スーツも2つボタンまたは3つボタンを選びます。

ボタンは2個より3個のほうが堅実な雰囲気になりますが、就活用スーツは2つボタンでもかまいません。

1つボタンはVゾーン(胸元)が開きすぎるので、ビジネスシーンには適していません。4つボタンもカジュアルな印象を与えるので、就活用スーツには不向きです。

ジャケットの後ろ部分

ジャケットの後ろは、下部に「ベント」と呼ばれる切れ込みが入っています。これはシワを防いだり動きやすくするためのものです。

ビジネススーツは、中央に1本ベントの入った「センターベント」が主流で、就活用にもセンターベントを選びます。

両サイドに切れ込みの入った「ダブルベンツ」はやや高めの年齢層、体型が気になる人に好まれます。切れ込みがない「ノーベント」もありますが、就活用にはオーソドックスなセンターベントを選ぶのが無難です。

パンツ(スラックス)の裾口

パンツの裾口は、折り返しのない「シングル」または、折り返しのある「ダブル」になっています。

ビジネススーツ・就活用スーツには、シンプルですっきりした印象のシングルを選びます。

ダブルは、ダボッとしていてややカジュアル向けなので、就活用には適していません。

パンツの長さ(裾丈)

パンツの裾丈は3種類がありますが、ちょっとした長さ(裾丈)の違いによっても印象が変わってきます。

ワンクッションは、裾丈が長めで裾に一折りできるくらいの余裕があるものです。

ハーフクッションは、裾丈がやや長め、靴の甲に裾が軽く当たるくらいの長さです。

ノークッションは、裾丈が短めで、靴の甲に裾が当たりらないものです。

ビジネススーツは「ワンクッション」「ハーフクッション」が一般的です。就活用スーツには、最も無難とされるハーフクッションが適しています。

ちなみに、ノークッションはフレッシュな印象を与えますがカジュアルすぎるので、就活用には選びません。

失敗しない就活用スーツの選び方をチェックしておこう

就活用スーツは、メーカーが就活用とうたっている商品から選ぶと無難です。長く着ることがなければ、手頃な価格帯の商品でかまいません。

就活用スーツの相場は1~3万円、ワイシャツやブラウス、靴などの小物も買いそろえるとトータルで4~5万円になります。

オーダーメイドで購入する、一般のビジネススーツから就活にふさわしいシルエットやデザインのものを選ぶ、という手もあります。

スーツによっては、就活がすんだ後にビジネス用、フォーマル用として着まわすことができます。このように長く使っていきたい場合は、値段が少し張っても、生地の耐久性が高いものを選ぶとよいでしょう。

就活用スーツの選び方:男性の場合

男性は次に挙げるポイントをおさえて就活用スーツを選びましょう。

ジャケットの選び方
就活用スーツのデザインには、無難な「シングルスーツの2つボタンまたは3つボタン」を選ぶのが基本です。

着てみた時、適度に体にフィットし、すっきり見えるもの、Vゾーンが開きすぎないものを選びます。ジャストサイズの目安を覚えておきましょう。

  • 背中にしわが寄らない
  • 肩幅は、肩先に少し余裕が残る
  • 胸まわりは、Vゾーンから手のひらが入るくらいのゆとりがある
  • 着丈は、直立してジャケットの裾が指でつかめるくらいの長さ
  • 袖丈は、直立して腕を下した時、ワイシャツが1㎝見えるくらいの長さ

背中のベントはセンターベントを選ぶのが一般的ですが、ふくよかな体形の人はダブルベンツでお尻が隠れる長さを選ぶのもおすすめです。

体にフィットしすぎると、ぱっつんぱっつんでカッコ悪く、ゆったり過ぎるとだらしなく見えてしまい、どちらも面接官によい印象を与えることができません。試着をした時に、シルエットをよくチェックしましょう。

パンツの選び方
ジャケットと同素材・同色でセットになっているパンツを選びます。デザインは、シンプルで足元がすっきりして見える「シングルのハーフクッション」が基本です。

ジャストサイズの目安を覚えておきましょう。

  • ウエストは、手のひらが入るくらいのゆとりがある
  • 裾丈は、立った時に靴の甲が軽く隠れるくらいの長さ

パンツが短いとカジュアルすぎ、だぼっとしているとだらしなく見えてしまいます。試着の際は、就活用の靴を履いてパンツとの長さが合うかどうかを確認しましょう。

就活用スーツの選び方:女性の場合

女性のスーツは、ボトムがスカートとパンツから選べ、男性より選択肢が広がりますが、基本は男性と同様です。

ジャケットの選び方
ジャケットの選び方は、基本的に男性と同じです。シングルの2つボタンか3つボタンを選びます。

ひとつだけ男性と大きな違いがあります。女性は袖口からブラウスが見えてはいけません。ブラウスとのバランスを考え、袖丈が短めなものは避けます。

サイズがきついと体のラインが強調され不自然ですし、体のラインを隠したいためにゆったりしたジャケットを選ぶと、だらしない印象を与えてしまうので、適度なゆとりのあるものを選びましょう。

ボトムの選び方
就活の場合、スカートは短すぎても長すぎても印象がよくありません。立った時に膝が軽く隠れるくらい、椅子に座った時にひざから上が5㎝くらい見えるのが、丁度よい長さです。

スリットが入ったものは華美な印象を与えるので、就活用には選びません。

パンツの場合は男性と同様に、裾口が「シングルのハーフクッション」になっているものを選びます。

女性は履いているパンプスのヒールの高さによって、甲にかかる裾の長さが変わるので、就活用のパンプスにあわせて試着することをおすすめします。

知らないと恥をかく!就活用スーツを上手に着こなすポイント

せっかく素敵なスーツを用意しても、着こなし方が間違っていると印象が悪くなってしまうことがあります。スマートな着こなし方を覚えておきましょう。

シャツ・ブラウスは清潔感があるものを

スーツのVゾーンや袖口から見えるワイシャツやブラウスには清潔感が求められます。白や淡い色の無地を選び、ボタンダウン、カジュアルなものは避けます。

のり付けをしてアイロンをかけ、パリッとした状態で着ましょう。

ボタンは、開けるとカジュアルになってしまうので、すべて留めてください。

ポケットは物を入れない

ジャケットのポケットに物を入れないようにしましょう。

ジャケットのポケットは、小物が入る大きさではありますが、基本的には「飾り」で物は入れない所と考えます。

ポケットにはスマートフォンを入れてしまいがちです。しかし、スマホや財布など重みのある物を入れると、膨らんだポケットだけ目立ったり、重みでジャケットのシルエットが崩れたりします。

緊張感がなくなり印象が悪くなるので、面接前はポケットの中にものが入っていないか確認しておきましょう。

ポケットのフラップにも気を配る

ポケットに「フラップ」というふたがついている場合があります。フラップの閉じ方にもルールがあることをご存知でしたか?

屋外ではフラップをポケットの外に出し、屋内ではポケットの中に入れておくのが、ジャケットの正しい着方なのです。

フラップは「雨蓋」とも言います。名前のとおり、雨よけのためについているふたなので、屋内ではポケットにかぶせておく必要がないというわけですね。

ジャケットのボタンの留め方に注意

ジャケットのボタンの留め方は、男性と女性で異なります。

男性の場合、2つボタンまたは3つボタンの一番下だけ外して、それ以外のボタンはきちんと留めておきます。

女性の場合は、全てのボタンを留めておきます。

派手なネクタイは避ける

男性のネクタイは、ラペル(襟)と同じくらいの幅で、無地またはドット・レジメンタル柄(右上がりのストライプ)・チェックなど、上品な柄を選びます。

カジュアルなもの、大きな柄が入っているもの、冠婚葬祭用の白と黒は避けます。

おすすめの色は、真面目な印象をもたらすブルー系、やる気の感じられる赤系(真っ赤ではなく、ワインレッドが無難)、知的なグレーなどです。

2~3本用意しておくとよいでしょう。

ベルトはシンプルなものを

ベルトは、手持ちのものを適当に合わせるのではなく、スーツに見合ったシックでシンプルなものを着けましょう。

カジュアルなもの、バックルが派手なものは避けます。色は黒が無難です。就職後もビジネス用に使えるので、就活用スーツと一緒に購入するとよいでしょう。

男性の靴下、女性のストッキングの色について

男性は、黒か紺のビジネス用ソックスを履きます。白、くるぶし丈の靴下は適していません。

女性はベージュのストッキングを履きます。冬場など寒い日でも、基本的にはタイツではなくストッキングを履きましょう。ラメやワンポイントが入ったものは、華美なのでNGです。

ベーシックなタイプの靴を選ぶ

靴は黒のベーシックなタイプを選びます。

男性はビジネスシューズ、女性はヒールが高くない無地のパンプスを履きます。汚れ、傷があるとだらしなく見えるので、ぜひきれいな靴で面接に挑みましょう。

お手入れも大切!スーツの正しい手入れ法も覚えておこう

スーツは正しい方法でお手入れをして、綺麗な状態を保ちましょう。

就活用スーツは1着だけでもよいのですが、2着以上用意しておくと、交互にクリーニングや洗濯ができ、より快適に就活ができます。

1日来たら休ませるのがおすすめ

スーツは、1日着たら次の日はハンガーにかけて休ませたほうがよいです。

ジャケットは、厚みのある立体的なハンガーにかけ、パンツはボトムハンガー(スラックス専用のハンガー)に吊るします。

ボトムハンガーのクリップでパンツの裾をはさみ、逆さに吊るして保管すると、パンツの重みでしわが自然に伸びますよ。

保管する前には、ブラシで軽くはらうようにスーツをブラッシングすると、汚れが落ちて生地が傷みにくくなります。

アイロンがけでしわを伸ばす

スーツは着ている間に、どうしてもシワができてしまいます。スーツがヨレヨレだとくたびれた感じが出てしまいます。ついてしまったシワは、きちんととっておきましょう。

軽いシワは、脱いだ後に霧吹きで水をスプレーしてハンガーにかけておくだけで、自然に伸びます。

それだけで消えないシワは、アイロンで伸ばしましょう。アイロンの温度、かけ方はスーツの取り扱い表示に従います。スチームアイロンを使うのがおすすめです。

不自然な折り目をつけてしまわないよう、やさしくアイロンをかけます。特にジャケットは立体的で形が複雑なので、細かいところは丁寧にアイロンをあててください。

汚れは早めに落とす

もしスーツに汚れが付いたら、クリーニングに出すまでそのままにしておくのではなく、なるべくその場で応急処置をしておきましょう。

汚れは、こすったり広げたりせずに、ウェットティッシュやおしぼりなどでたたくように汚れをとります。帰宅したら、取り扱い表示に従って洗濯やクリーニングで対応しましょう。

就活は見た目の雰囲気も重要!しっかり就活用スーを選ぼう

就活では、もちろん面接の受け答えや履歴書の内容も重視されますが、やはり見た目の雰囲気も採用に大きな影響を与えます。

就活用スーツはたびたび購入するものではないので、いざ必要になった時、どのようなものがよいか、わかりにくいと思います。迷う場合は、先輩やスーツ専門店の店員のアドバイスを参考にするのもおすすめです。

自信をもって面接に挑めるよう、勝負服となる就活用スーツは納得できる1着を選び出しましょう。