SEに必要な能力が調整力やコミュニケーション能力であることを知り、SEを辞めたAさん
プログラマ10名程度の小さなプロジェクトでしたが、初めて設計、開発進捗等の運営を任された時のことです。
それまで私は先輩や上司から渡された書面や口頭で伝えられた仕様を頼りにプログラムを組み、動作確認(テスト)を行い完成させるという、いわゆる「プログラマ」の業務だけ行ってきていました。
業務はとある官公庁システムの開発でした。最初は営業部の職員とクライアント先へ「挨拶兼打合せ」に出向きました。
クライアントとの打ち合わせを初めて経験
これも私にとっては初体験。入社研修以来あまり経験もなかった名刺交換から始まり、システムについてクライアントからのヒアリング…何もかも「慣れない事」でした。
現場(クライアント)での実務は半月程先であり、それまでに設計書の作成を行いました。初回打合せの1週間後に「設計書たたき」を持参して再びクライアント先へ、概要説明を行い「細部の打合せは設計書をよく読んだ後に行いましょう」ということになり、さらに3日後に再打合せとなりました。
ある意味、順調だったのはここまででした。
設計書を読んでこないクライアント
3日後、再びクライアント先へ。先方の担当者に会うと開口一番「すみません。設計書まだ読んでなくて…」。名目は一応「細部打合せ」。「設計書読んでません」では打ち合わせも何もありません。
結局、その日は進捗なしで自社に戻りました。事情を上司に報告、再度、細部打合せを行う旨を伝えたところ。「設計書を読んでいただくように仕向けて行くのもお前の仕事だ」と軽い説教。
「(設計書を)読んでない先方の怠慢」とばかり考えていた私は心外でした。上司の言葉に怒りすら覚えました。「悪いのは自分?」と…。
数日後にようやく先方から「設計書を読みましたので…」との連絡が入り、細部打合せを行い「仕様確定」となりました。
クライアントからの無茶な要求が相次ぎ、上司との板挟みに
その後、クライアント先の環境で開発業務に入りましたが、開発に入ってからもクライアントからの相談は相次ぎました。「仕様変更」が連発されたり、「現場を夜中しか使えない時期がある」ことを後から知らされたり…
その度に上司や営業職員に報告と打合せ、プログラマたちの作業時間の調整(メンバーには女性も多かったので、夜中の出勤はなるべくさせないように…など)。
調整、打合せの日々、システム開発どころではありません。そしてなぜか上司には怒られます。要は「その仕様変更は適切か否か判断しているか?クライアントの言いなりになっていないか?」ということなのです。
SEの仕事は、言われたことだけやっていれば良いものではない
それまで「指示された仕様を元にプログラムに作る」仕事をして来ましたが、言い換えれば「言われた事をそのままやっていればいい」仕事でした。
しかし、今回はそれが通用しません。「しっかりした自身の考えを持ち、クライアントとの要望に対して判断して調整する事」が必要だったのです。これに私は大きなストレスを感じました。
この時の私の立ち位置は、技術的な面だけ取りまとめる「初級SE」でした。中上級になるに従い、人事、予算、営業も視野に入れて設計を行うようになるという話を先輩から教えられました。
SEを辞めたいと思った
初めて「会社を辞めたい」と思いました。私が思い描いていたSE像とはかけ離れていたからです。SEには「技術」だけでなく「調整力」「コミュニケーション能力」が必須であると思い知らされたからです。
モチベーションはあがらないまま、当の官公庁システムは完成させましたが、仕事の合間に先輩や上司に「SEとは何か?」「自身の今後」など相談しながらの毎日でした。
SEという仕事に対して初めて疑問を持った時期であり、結局退職しました。
営業部とのミスマッチが原因で、SEからSEへの転職をしたBさんの体験談
大学を卒業してから私はとあるソフトウェア開発会社に就職しました。面接時に希望した通り配属された先は技術部です。プロジェクト全体を指揮するSEは、趣味でアプリ開発をしている私の夢でした。
だから就職が決定してから入社の日まで、わくわくした気持ちだったのを覚えています。
技術面を分かっていない人たちが営業するため、仕事の安請けが起きる
私が就職した会社は、私の望んでいたSEとしての仕事がありませんでした。仕事を取ってくるのが、完全に営業部の仕事だったからです。
営業部が顧客の開拓をするのは当たり前ですが、問題は彼らがどんな仕事でも安請け合いしてしまう事でした。
私たちSEを客先へ連れていかず、技術的な知識がない営業部だけで顧客に提案します。そして成功した仕事を私たちSEに自慢話を交えながら振ってきます。
どれだけ無茶な要求をしているか理解していない相手の言葉ほど、腹が立ってくるものはありません。
入社してから半年も経たないのに、私は営業部に対して大きなストレスを持つようになりました。特に大変だったのは予算が限られていた事です。私がいた会社の営業部は、とにかく提案したものが売れてさえしまえば、一定の評価を得られる傾向がありました。
今考えればその社風も私のストレスの原因でした。営業部がSEに何も相談せずに見積もりを提出してしまうので、その内容は現実的な価格ではないものばかりです。
そして見積もりに書かれている価格を人件費が上回ってしまえば赤字になってしまいます。
十分な下請けを確保することができないため、大きな負担に
SEである私は下請けの会社を統括する立場でしたが、現実は全く違いました。下請けの会社の動きをコントロールするだけでなく、一緒になってプログラムを書いていたからです。限られた人件費なので理想的な人数をプロジェクトに投入できません。
だから人件費ギリギリの人数を回して貰い、私は不足分を補う形で下請けの会社と一緒になって頑張りました。当然ですが下請けの会社のコントロールや、進捗具合の報告というSE本来の仕事を免除されたわけではありません。
学生時代には運動部に所属していて体力に自信があった私ですが、どんどん痩せ細っていきました。
尊敬していた先輩が退職したことがきっかけで会社を辞めることに
それでも頑張れたのは尊敬する先輩が部内にいたからです。限られた予算で仕事をするという点は私と同じですが、結果は雲泥の差でした。
先輩はSEとして10年以上の活動をしてきたので、その経験で予算不足を補っていました。工夫でコストを下げるのはSEの理想像です。
そう考えていた私にとって、先輩は憧れであり目標でもありました。自分の抱えているプロジェクトについて相談を持ち掛けた時、嫌な顔一つ見せずにアドバイスしてくれたものです。
それだけ素晴らしい先輩だったのですが、突然辞めてしまったのはショックでした。営業部の方針に意見したのが会社の上層部に悪く伝わってしまい、会社で仕事をし難い状況になってしまったらしいのです。
尊敬していた人がいなくなってしまった私は、後を追うように会社を辞めてしまいました。私は会社を辞めてしまいましたが、今でもSEを続けています。
会社を辞めて独立した先輩に拾ってもらえたからです。案件の規模は小さくなってしまいましたが、私が思い描いていたSEの仕事ができるので満足です。
SEを辞めたい人が多い原因
僕の周りにも、SEになり、辞めたいと言っている人が何人かいますが、SEを辞めたくなる原因は、以下の2点であることが多いと思います。
1、求められる能力が想定していたものと違っていた
SEは、システムを構築する人というイメージがあり、入社前には、SEにはシステムの知識などの技術力が重視されるという思いを持っている人が多いと思います。
しかし、技術力ももちろん重要ですが、Aさんが経験したように、調整力やコミュニケーション力といったものが重要になってきます。
この求められるスキルのギャップで退職を考える人も多いようです。
2、予算、納期が決定しているため、サービス残業が発生し、労働環境が悪化しやすい
SEの仕事は、必ず予算と納期が決まっています。
限られたリソースで、一定の期日までにシステムを完成させないといけないため、サービス残業が発生しやすい傾向にあります。
深夜まで残業するということも、起こりうるため、体調を崩してSEを辞めることを考える人も多いようです。
他にも、Bさんが体験したように、技術面を分かっていない人が営業しているため、無茶な案件が多いなど、会社として構造的な問題があることが原因で、SEを辞めることを考える人もいるようです。
SEを辞めたい人へ。
SEであっても、社内SEになることで、労働環境を改善できたり、ストレスなく働くことができます。
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